毎日使う水まわりは、水漏れなどのトラブルが起きることも少なくありません。水回りのトラブルが起きても、水道の構造や蛇口の部品の名称を知っていれば、自分で部品交換をすることもできるでしょう。
今回は、蛇口の部品を交換したいと考えている人に向けて、蛇口の部品の名称やはたらきについて解説していきます。蛇口の部品についての知識をつけることで、劣化しやすい部品がわかり、トラブルにも対処しやすくなるはずです。
蛇口の構造をはじめ、蛇口が故障したときの部品交換の方法についても紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
蛇口の構造はどうなっているの?①単水栓の場合
蛇口の部品の名称をお伝えする前に、まずは蛇口の構造について紹介していきます。蛇口と一言でいっても、さまざまなタイプがあるため、まずは直したい蛇口がどのような構造なのかをチェックしてみましょう。
蛇口の中でも最も単純な構造なのが、単水栓です。単水栓は水かお湯のどちらかしか出ない蛇口となっています。
単水栓は、蛇口の内部にコマという弁があり、水が流れてこないように給水管をふさいでいます。ハンドルをひねるとコマが持ち上がり、吐水口の方へと水が流れる仕組みです。
さらに詳しく、単水栓にある蛇口の部品の名称についても紹介していきましょう。まず、外側に蛇口を開閉するハンドルがあります。ハンドルは上から色ビスで固定されていて、水が出る蛇口であれば青色、お湯用なら赤色というように、色分けされていることが多いようです。
ハンドルの下には、摩擦を受け止めるためにパッキン押さえと三角パッキン、パッキン受けがはさまれます。三角パッキンとは円形の中央部分が盛り上がっているために、断面をみると三角形に見えるパーツのことです。ハンドル直下で水漏れがあった場合、三角パッキンの劣化が疑われるので、チェックしてみましょう。
蛇口の内部にはスピンドルという軸になるパーツがあります。スピンドルはハンドルと連動して動く仕組みになっていて、ハンドルを回すと、スピンドルとコマが持ち上がり、水が流れるようになっているのです。
スピンドルの下にはコマがあり、別名をケレップともいいます。コマはコマパッキン、ナットとセットになっていて、給水管から流れてくる水をせき止める役割をしているものです。コマやコマパッキンが劣化すると、吐水口から水が漏れてくることもあります。そのため、蛇口の先から水漏れしてきたときは、コマが劣化していることが考えられるでしょう。
吐水口へと続く管はスパウトと呼ばれ、Uパッキンとパイプリング、袋ナットによって固定されています。蛇口をひねると、コマが持ち上がり、スパウトを通って吐水口から水が流れ出してくるという仕組みです。
蛇口の構造はどうなっているの?②混合栓の場合
混合栓というのは、1つの蛇口から水とお湯の両方が出て、温度調整ができる蛇口のことです。混合栓のタイプはおもに3つあります。1つ目に、ツーハンドル混合栓(ツーバルブ混合栓)、次に、シングルレバー混合栓、そして、サーモスタット混合栓です。それぞれにある蛇口の部品の名称と役割をみていきましょう。
ツーハンドル混合栓
ツーハンドル混合栓は、別名ツーバルブ混合栓ともいい、水用とお湯用の2つのハンドルがあります。ハンドル内部の仕組みは、単水栓と同じです。水とお湯のハンドルの開き加減を調整することで、蛇口の本体内部でお湯と水が混ざり、スパウトを通って流れ出してきます。そのため、お湯の温度を調整することが可能です。
シングルレバー混合栓
シングルレバー混合栓は、ワンレバー混合栓と呼ばれることもあります。1つのレバーだけで水量と温度を調整できるので、キッチンや洗面台などでも広く普及しています。
シングルレバー混合栓は、一番上にレバーハンドルと化粧ナットがついていて、側面をビスで固定されている場合が多いようです。蛇口の内部にはバルブカートリッジがついていて、水量や温度を調整する役割を担っています。もし、レバーハンドル直下で水漏れするようなら、バルブカートリッジが劣化しているかもしれません。
バルブカートリッジの下には、Oリング、UVパッキン、トップシールパッキンが上から順に設置されています。これらのパッキンによって、吐水口や、スパウト下部からの水漏れを防いでいるのです。蛇口の根元からの水漏れは、これらのパッキンが劣化しているときに起きやすくなるので、チェックしてみてください。
サーモスタット混合栓
サーモスタット混合栓は、浴室でよく使われている蛇口です。サーモスタット混合栓には、左右に温度と水量を調節するハンドルが別々についています。
サーモスタット混合栓には、自動でお湯の温度を調整してくれるカートリッジが内蔵されているほか、シャワーとカランの切り替えができる切替開閉バルブもついています。これらの部品によって、サーモスタット混合栓では温度調整や吐水口の切り替えをスムーズにおこなうことができるのです。
蛇口の取り付け方にも種類がある!
ここまでは、4種類の蛇口について紹介してきました。ここからは、蛇口の取り付け方について詳しくお伝えしていきます。
蛇口の取り付け方にはおもに3種類あります。まず、壁の給水管と接続している壁付けタイプ、台座から蛇口がのびているデッキタイプ、そして、台座がなく、蛇口が直立しているワンホールタイプです。取り付け方ごとに、蛇口の部品の名称を紹介します。
壁付けタイプ
壁付けタイプの蛇口は、壁の中にある給水管とつながっています。壁の配管と蛇口の間には取付脚があり、壁から蛇口を取り付ける台座のような役割をしています。
蛇口の本体と取付脚はナットで固定されているので、外すときはレンチなどの工具があると便利です。混合栓の場合は、水側とお湯側の2箇所の給水管にわかれていることもあるので、両方とも外しましょう。
蛇口の本体が外れたら、取付脚も壁から外していきます。取り付け脚は手かナットで、反時計回りにゆっくり回していくと外すことができます。
すべての取り外しが完了したら、古い歯ブラシなどで取付脚がついていた穴のゴミを取り除き、新しい取付脚を設置しましょう。取付脚の壁に埋め込む部分に、シールテープという緩衝材のようなものを5~6回巻き付けてから、壁に回して設置していきます。
このとき反時計回りに回してしまうと、またシールテープを巻きなおさなければならないので、必ず時計回りに回しましょう。取付脚を使って蛇口が右下がりから水平になるように調節すれば、取付完了です。
デッキタイプ
デッキタイプは、蛇口に台座がついているものです。デッキタイプは台座の内側に水とお湯の2つの配管とつながる穴があり、ツーホールタイプとも呼ばれます。
蛇口の下にはパッキンがあり、台座からの水漏れを防いでいます。台座の裏側には、スペーサーというリング状の部品とナットがあり、台座を下から固定してあるのです。
さらに下の、床からのびている給水管と蛇口の接続部分には、水が漏れないようにパッキンやパッキン受けがあり、袋ナットでしっかりと固定されています。下から上に給水するため、水が逆流しないように逆止弁というパーツがついていることもあるので、確認してみるとよいでしょう。
取り外しの際は下から順にナットや逆止弁を取り外していき、取付けの際は上から順に取り付けてください。
ワンホールタイプ
ワンホールタイプの構造は、デッキタイプの給水管が1つになったものなので、基本的には同じです。蛇口の本体はナットで固定されているため、洗面台などの下側からレンチで回して外しましょう。
次に、デッキタイプと同様に給水管に付属しているナットや逆止弁を外します。ナットを勢いよく回すと、給水管に傷がついたり、穴があいたりするリスクがあるので、慎重に作業することが大切です。こちらも取付けの際は、取り外したのとは逆の順で作業していきましょう。
もしも蛇口が故障したら?部品交換の方法
蛇口に使われている部品は、経年劣化によって不具合が生じることも少なくありません。ここでは、よくあるトラブルと、交換すべき蛇口の部品の名称を紹介します。蛇口の部品を交換するときは、水があふれ出ないように、止水栓を閉めてから作業するように気をつけましょう。
水が出ない
単水栓やツーハンドル混合栓の場合、水が出なくなる原因は、スピンドルの不具合が考えられます。スピンドルが劣化することで、ハンドルが空回りしたり、コマが持ち上がらなかったりするためです。
このような不具合の場合は、スピンドルの交換がおすすめです。ビス、ハンドル、三角パッキンというように、上から順番にパーツを取り外し、スピンドルを交換します。スピンドルの近くにあるパッキンが劣化している場合も、水漏れの原因となるおそれがあるので、交換しておくことをおすすめします。
吐水口から水が漏れる
吐水口から水が漏れる場合は、コマやコマパッキンが劣化して、水を完全にせき止めることができなくなっているかもしれません。その場合も、ハンドルから順番に部品を分解して、コマパッキンとコマを交換しましょう。コマを上下させるスピンドルが摩擦によって劣化しているケースもあるので、分解したときにスピンドルのチェックもしておくと安心です。
ハンドルや蛇口の根元からの水漏れ
蛇口には、水漏れを防ぐために、パッキンがついています。しかし、パッキンが劣化してくると、そこから水漏れをしてくることがあるので、注意が必要です。水漏れする箇所によって、交換する部品が異なります。
ハンドルのすぐ下から水漏れしている場合は、ハンドルとスピンドルの間にある三角パッキンの劣化が考えられます。それよりも下の蛇口の根元から水漏れしているようなら、スピンドルより下にあるコマパッキンの不具合かもしれません。
部品交換をするときは、蛇口の品番を調べて、適したものに交換することが大切です。水はわずかなすき間からでも漏れることがあるため、確実なパーツ選びをおこないましょう。蛇口の故障原因がわからない場合は、実績の豊富な水道修理業者に相談することをおすすめします。
まとめ
蛇口の不具合を直すためには、蛇口の部品を知ることも大切です。蛇口の部品の名称や役割を知ることで、自分で修理するときにもスムーズに作業ができるでしょう。
蛇口の種類は、水かお湯しか出ない単水栓と、水とお湯を混ぜて温度調整ができる混合栓にわかれます。混合栓の中には、2つのハンドルがあるツーハンドル混合栓、1つのレバーで水量や温度の調整ができるシングルレバー混合栓があります。ほかにも、浴室で使われることの多いサーモスタット混合栓もあります。
蛇口は給水管の位置によって、取り付け方もさまざまです。壁の中に給水管がある場合は、壁付けタイプ、床から給水管を上にのばす場合は、ワンホールタイプかデッキタイプです。ワンホールタイプは1つの給水管とつながっていて、デッキタイプだと蛇口の台座の中に2つの穴があります。
蛇口の不具合は、水が出ない、あるいは止まらないといったトラブルから水漏れまでさまざまです。そのような場合は、蛇口の内部にあるスピンドルや、パッキンの劣化が考えられます。自分で原因が見つけられない場合は、業者に相談することをおすすめします。水道修理の業者を探している人は、ぜひ弊社までお電話ください。
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