本当にトイレットペーパーは水に溶ける?その仕組みと詰まりの対処法

2021.4.30

本当にトイレットペーパーは水に溶ける?その仕組みと詰まりの対処法

トイレットペーパーは毎日何度もトイレに流されるものです。紙は基本的に水に溶けませんが、トイレの紙として利用するために、トイレットペーパーは水に溶ける性質を加えて作られています。

しかしトイレットペーパーは、水に溶ける紙とはいえ、排水管に詰まってしまうことがあります。トイレットペーパーによる詰まりは比較的直しやすいものなので、もし詰まってしまった場合は自分で対処してみましょう。このコラムでは、トイレットペーパーの溶ける仕組みと、詰まりを解消する方法をチェックしていきます。

トイレットペーパーが溶ける仕組みについて

トイレットペーパーは水につけるとすぐに溶けますが、ティッシュペーパーは水につけても溶けず、すぐには破れません。実際に公共のトイレなどでは、「ティッシュペーパーは流さないで」「トイレットペーパーのみを流してください」という表記をよく見かけます。

トイレットペーパーは、ティッシュペーパーとどのような違いがあって水に溶けるようになっているのでしょうか。じつは、これらの違いはたった2つのみです。それは、繊維の違いと、追加する物質の違いです。

トイレットペーパーやティッシュペーパーは、パルプと呼ばれる、紙を水に溶かしたドロドロの液体が原料になっています。これを薄く乾かすことで、布でいうフェルトのような、繊維のかたまりの紙を作り出すことができるのです。

ティッシュペーパーは、鼻水などを含んでも「簡単に破れない」ことを重視しています。そのため、パルプに繊維が長く結束力の強い針葉樹のものを使い、さらに繊維同士をつなぐ樹脂を混ぜ込んで強度を保っているのです。

対してトイレットペーパーは下水に流すため、「水に溶ける」ということを重視しなければなりません。そのため、パルプに繊維の短い広葉樹のものを使い、繊維同士がほぐれやすいようにデンプンが含まれています。

ティッシュペーパーよりもトイレットペーパーが水に溶けるのは、使用されている繊維が短く、ほぐれやすい物質であるからなのです。

トイレットペーパーが溶ける仕組みについて

トイレットペーパーは場合によっては詰まってしまうことも

トイレットペーパーは水に溶けるように作られてはいますが、繊維同士がほぐれるだけのため、完全に溶けて消えるわけではありません。「トイレットペーパーは溶けるから」といって以下のような無茶な使い方をすると、トイレの排水管に詰まってしまうので注意しましょう。

一気に流しすぎると詰まる

一気に流してしまうとトイレットペーパーに水がしみ込まず、ただの紙として流れて詰まってしまう可能性が高まります。一度に大量のトイレットペーパーを使い、流すことはしないようにしましょう。

一度に大量に流さない、くしゃくしゃに固めない、溶けきるまで少し待つ、などということに気をつければ、トイレットペーパーが詰まることは避けられるかもしれません。また、トイレットペーパーを一枚重ねから二枚重ねのタイプに変えた際は流す量が増えるので、特に注意が必要です。

少ない水量で流すと詰まる

最近の家電では、エコが重視される傾向があります。トイレでも節水として、流れる水量が少ないバージョンのものが多く開発されているようです。水量が削減されれば、水道代にやさしくはなりますが、トイレットペーパーが溶けづらくなってしまっています。

トイレットペーパーは、十分な水に溶けることで流しやすくなるものです。いくら流す力が強くても、水が十分になければ溶けることはできず、詰まる原因になってしまうのです。

節水トイレは、ちゃんと使えば家計の助けになります。トイレットペーパーを大量に使わないことを心がけ、流す量に応じて、大洗浄と小洗浄を使い分けるようにしましょう。

トイレットペーパーが詰まったときの対処法①:お湯を使用

いくら注意していても、トイレが詰まってしまうことはあります。ここからは、実際にトイレットペーパーで下水管が詰まり、トイレが流れなくなってしまった場合を考えていきましょう。

トイレは、トイレットペーパーの量に対して十分な水量がないために詰まるということがほとんどです。そのため、追加で水を入れてやることでトイレットペーパーが溶け、流れるようになることがあります。

トイレットペーパーの場合、注ぐ水はデンプンを溶かしやすいお湯が望ましいです。お湯の温度は、おおよそ40~60℃にしましょう。沸騰するまで沸かしてしまうと、便器が温度変化に耐えきれず割れてしまうおそれがあるため、熱湯は厳禁です。

お湯を注ぐ前に、便器の周囲をはねた水などで汚れないように新聞紙などで覆い、便器の水をできるだけ減らしておきましょう。その後お湯をバケツなどで流し込みますが、詰まっているものを水流によって奥に流すために、「高めの位置から」「排水溝に」「一気に」流すようにしましょう。

すぐに詰まりが解消できなくても、1時間ほど置いておくとトイレットペーパーが溶ける場合があります。何度も繰り返すことで効果が出る場合もあるので、根気よくやってみましょう。

トイレットペーパーが詰まったときの対処法①:お湯を使用

トイレットペーパーが詰まったときの対処法②:重曹や洗剤を使用

ここで説明する方法は、お湯を使った対処法の応用版です。水に溶けることで泡が出る物体を利用し、詰まったものに穴を開けたり圧力をかけたりして、詰まりを解消するというものです。

重曹とクエン酸

重曹の量を測り、その倍の量のクエン酸を用意しましょう。一回の洗浄の目安としては、重曹を50mlほど、クエン酸を100mlほどです。
手順はお湯を使う場合とほとんど同じですが、違っている部分もあるので確認しておきましょう。

①トイレ内の水を減らす(少しだけ水を残す)
②便器内部にまんべんなく重曹をまく
③お湯にクエン酸を溶かしこんでおき、それを流し込む
④数十分放置する

洗剤とお湯

食器用洗剤でも可能で、こちらもお湯のみの場合とほぼ変わりません。

・トイレ内の水を減らす
・洗剤をたっぷり入れる
・お湯を注いで数十分放置する
・水が減っていたらもう一度お湯を注ぐ

また、トイレ洗浄専用の発泡性の洗剤には、顆粒のものとタブレット状のものがあります。それらを使う場合は、どちらも一回分の量が指定されているはずなので、しっかりと測って説明書に従って使ってみましょう。

トイレットペーパーが詰まったときの対処法②:重曹や洗剤を使用

トイレットペーパーが詰まったときの対処法③:ラバーカップを使用

お湯を使う方法や洗剤などは、水に浸かってふやけたトイレットペーパーに強い効果を持ちます。しかし、乾いた状態のトイレットペーパーが詰まってしまうと、お湯が奥まで届きづらくなり、効果が期待できません。

そんなときにはラバーカップを頼ってみましょう。「スッポン」ともいわれる半円状のゴムが付いた棒で、トイレに固形物が詰まったときに効果を発揮します。ラバーカップには和式と洋式でそれぞれに合ったものを使わないと効果が半減してしましますので、トイレの排水口にぴったりとはまり込むようなものを選びましょう。

ラバーカップは、水がなければ十分な効力を発揮できません。装着時にラバーカップのラバー部分が水からはみ出ているときは、水かさを増やしてみましょう。
ラバーカップを便器のなかに入れるとき、ラバー部分に空気が入り込んで汚水が飛び散ることもあります。持ち手をできるだけ水平にしつつラバー部分を沈め、空気が入らないように注意しましょう。

また、ラバーカップは押し込むときではなく、引くときに最大の力を発揮するものです。そのため、「ゆっくり押し込み、力を入れて引いて」ください。

トイレットペーパーによる詰まりは解消しやすい部類なので、根気よく続けているといつか押すときの手ごたえが軽くなっていきます。ラバーカップを外し、水を注いでみて、水が減っていることを確認できたら成功です!

まとめ

トイレットペーパーは水に溶けるように作られています。しかし、一度に大量に流そうとしたり、水量が少ないトイレを使っていると詰まってしまうこともあるものです。

トイレでトイレットペーパーが詰まってしまった場合は、お湯や発泡性の物質を活用することで詰まりを解消することができるでしょう。
ラバーカップを利用するならば、水位と引くときに力を入れる点を心がけてみてください。

もし、詰まりが取れない、詰まっているのがトイレットペーパー以外のものかもしれない……という場合は、早めに業者に依頼しましょう。自分で解決することに熱中して、便器を破損させてしまわないようにしてくださいね。

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