アイロンを使いきれいにふすまを張り替える方法!洋風などにアレンジ

2021.4.30

アイロンを使いきれいにふすまを張り替える方法!洋風などにアレンジ

和室の間仕切りであり、かつ出入り口となるのがふすまや障子です。ふすまの多くは表面が紙であり、部屋にぬくもりを与えてくれます。しかし紙だからこそ気になるのがその耐久性です。

ふすまは使用していくうちに汚れが付き、目立ってきます。ペットや小さなお子様が穴を開けてしまう、破ってしまうということもあるでしょう。しかしそのたび業者に依頼するのは手間・費用の両面から大変です。

いっそのこと、DIYでふすまの張り替えをしてみませんか?現在ではそのためにアイロンで貼り付けられるふすま紙なども市販されているので、ふすまの張り替えは意外に簡単にできるのです。

今回はふすまの張り替えについて、その種類と方法について見ていきます。

ふすまの張り替えは簡単?

ふすまの張り替えについてはさまざまな要素が絡んできます。そのためまずは1つ1つ、DIYでの張り替えに適しているか確認していきましょう。

重ね張り(上貼り)と張り替え

ふすまの張り替えを考える上で、古いふすま紙の上から重ねて張ってしまうか、それとも一度古いふすま紙をはがしてから新しく張るかによってその難しさは変わってきます。

DIYでおこなう場合、重ね張りでの作業とすることが多いようです。比較的簡単におこなえることがメリットですが、重ねられる枚数には限度があります。ふすまの枠の厚さから出ない厚さ、が重ね張りできる限度のようです。

一方厳密な意味での張り替えでは古いふすま紙をはがして骨組みにし、下貼りから仕上げていきます。こちらの場合時間や手間が多くなり、DIYでおこなうのは難しいため業者に依頼するのが一般的です。

ふすまの種類

張り替えたいふすまがどのような種類かも知っておきましょう。

・本ふすま
昔から使われているふすまで、現在も一般的に使われています。骨組みに対しての下貼りが和紙で、下地の和紙を何枚も重ねた上にふすま紙が貼られています。

・チップボールふすま
本ふすまと構造は似ていますが、下貼りにチップボールという厚紙が使われています。

・戸ふすま
ベニヤ板を骨組みの上に張ったふすまです。和室と洋室をつなぐふすまに使われることが多いようです。

・段ボールふすま、スタイロふすま
芯材として段ボールや発泡スチロールを使ったふすまです。引き手や枠がボンド止めのため、張り替えが難しく基本的には使い捨てです。またのりでふすま紙を貼ることも難しいとされます。

ふすま紙の種類

ふすま紙にも種類があり、確認しておく必要があるでしょう。

・再湿のりタイプ
水をふすま紙に含ませることでのりを戻し、貼り付けるタイプのふすま紙です。ふすまの枠を外して作業する場合が多いとされています。

・シールタイプ
裏面全体に粘着剤が塗ってあり、裏紙をはがしながら貼り付けていくタイプのふすま紙です。

・アイロンタイプ
熱で溶ける接着剤が裏面に塗ってあり、アイロンを使いながら張っていくタイプのふすま紙です。重ね張りをする場合は枠を外さずに可能で、はがすのもアイロンを使っておこなえるという特徴があります。アイロンタイプのなかでも全面に接着剤が塗ってある種類と周囲だけ接着する袋貼りをおこなう種類があり、前者はスチーム機能で、後者はスチーム機能を使わずに作業をおこないます。

DIYで作業するためには重ね張りで、かつアイロンタイプのふすま紙が便利でしょう。また全面に接着剤が付いているほうがしわになりにくいといった特徴もあります。ただ、熱に弱いスタイロふすまでは注意が必要になってきます。
        ふすまの張り替えは簡単?

アイロンを使ったふすまの張り替え方法

ではDIYでの作業がしやすい重ね張り、全面アイロンタイプのふすま紙を使ったふすまの張り替えについて見ていきましょう。

材料

・アイロン(スチームタイプ)
・カッターナイフ
・はさみ
・鋲(びょう)抜き(マイナスドライバーでも)
・木づち
・ポンチ
・マスキングテープ(ふすま用を)
・定規(カット定規)
・延長コード(必要であれば)
・アイロンふすま紙
・ふすま補修用品(茶チリや大穴補修紙など)

ふすまの張り替えにふすま補修用品を用意するのは不思議かと思うかもしれませんが、重ね張りの場合穴が開いている影響が大きいため、補修してからふすま紙を貼っていきます。

アイロンでの作業手順

手順1)引き手金具を外す
引き手金具は作業の支障になるため、一度取り外します。
引き手とふすまの間に鋲抜きのへら部分を入れ、引き手を持ち上げることでクギの頭を出します。出てきたクギを鋲抜きで引き抜いて、引き手を外します。

手順2)下地準備
下地準備として、ほこりなどをしっかりと取ってください。
ふすま紙に穴が開いている場合、破れがある場合はその部分を茶チリや大穴補修紙などで補修してください。汚れがひどい場合はその部分をはがし、茶チリや大穴補修紙で下貼りとする必要がある可能性もあります。

汚れなどが取れたらふすまの枠の部分にマスキングテープを貼り、ふすま紙がつかないようにしてください。

ふすまの掃除については過去コラム「破いたり傷めたりしないか不安!簡単な襖・障子の掃除方法をご紹介」でもご紹介しています。そちらもぜひご覧ください。

手順3)アイロン準備
まずはアイロンの底の汚れをしっかりとふき取った後水を入れ、高温スチームにセットしておいてください。電源コードに直接つなぐ場合、作業範囲が大きくなるため延長コードをはさんでおくと作業がしやすくなります。

手順4)カット、位置合わせ
ふすま紙をふすまに当て、貼る位置を決めます。決めたらふすまの大きさより1cm程度余裕をもって端を落とします。

2枚以上同時に張り替える際は柄の位置や高さなどを合わせるときれいに仕上がります。柄合わせラインが入っていることもあり、それを参考にしてみてもいいでしょう。

手順5)固定のために真ん中部分を張り付ける
長辺中央から短辺方向にアイロンを当て、位置がずれないように張り付けていきます。その後中央から両側に向かってアイロンを当てて張り付けます。こうすることでしわやふくらみを防止することができるでしょう。

アイロンの速さは90cmを10秒で動かすのが目安になります。速すぎたりアイロンの温度が低いとしっかり接着せず、ふくらみになってしまうことがあります。アイロンはスチームの噴射部分を前にして使い、向きを変える際にはアイロンを持ち上げておこないましょう。

手順6)残りの部分を張り付ける
残りの面を、同じくアイロンを使って張り付けていきます。このとき、長辺方向に外側へ、既に張りつけた面がある内側から順にアイロンを当てて張り付けていきます。アイロンはしわ防止のため、すでにアイロンをかけた面と重なるようにしてかけていきましょう。

手順7)枠周辺の仕上げ
アイロンを全面にかけたらふすまの枠周辺を仕上げるため、まず四隅に切り込みを入れて作業しやすくします。その後アイロンのヘリを使いながらふすま紙を枠のすぐ近くまで張り付けます。

張り付けが終わったら定規を当て、カッターナイフで端材を切り落とします。このとき、下地となっている古いふすま紙まで切らないように気を付ける必要があるでしょう。

手順8)仕上げにアイロンを当てる
カットした部分を中心に、周辺部に仕上げとしてアイロンがけをおこなってください。

手順9)引き手部分の処理
引き手に当たる部分にカッターナイフで切れ込みを入れた後、引き手をはめ込み固定します。固定には取り外したクギを使用し、ポンチなどをあてながら打ち込んでください。

手順10)ふくらみがあればその部分の処理
枠に貼ったマスキングテープをはがした後、ふくらみを見つけた場合はスチームアイロンを当てた後高温のドライアイロンを当てて処理してください。

下地処理が不十分で接着できない場合、作業でしわができた場合などは修理できないことも多いです。確実に作業していくことが大切でしょう。
      アイロンを使ったふすまの張り替え方法
      

ふすまを洋風にするアレンジ

和室の雰囲気を変えてみたいときはふすま紙選びを工夫することで、イメージを大きく変えることができるでしょう。また、壁紙をふすまに貼ってしまうというのもひとつの選択肢です。

ふすまの幅は90cm前後の場合が多く、壁紙を貼る場合はその幅を満たす92cm幅の壁紙を使用すると継ぎ目が生まれず便利です。この幅は国内メーカーが採用していることが多く、国内メーカーのものを優先的に選択肢へ入れるようにすると貼る作業も楽になります。しかし海外メーカーの壁紙はまた違った魅力があるため、なかなか選択肢から外すのも難しいところです。

ふすまの張り替えで洋風にする方法については「ふすまの張り替えで洋風に!和風から洋風へお洒落に大変身」でも紹介しています。そちらもご参照ください。

自分で張り替えが難しい場合は?

自分でふすまの張り替えをしようとする場合、重ね張りでアイロンタイプのふすま紙を使うのが一番手軽な方法です。しかし古いふすま紙の状態が非常に悪い、スタイロふすまに穴が開いていてアイロンでの作業ができないなど、DIYで作業することが難しいこともあります。その場合は業者に依頼することも大切になります。

最初に解説したように、ふすまの張り替えには2種類の方法があります。このうち下貼りから張り替えるのはなかなか難しい作業になり、業者に依頼したほうが時間や技術力を考えてみると安く済む、といったケースも少なくありません。ただし段ボールふすまやステイロふすまなど業者でも張り替えが難しいタイプがあり、こうしたタイプのふすまの場合は買い替えも検討する必要が出てくるでしょう。こうした相談も兼ねて、一度業者に依頼してみるのも悪くない選択です。
        自分で張り替えが難しい場合は?

まとめ

ふすまも障子も紙でできている以上、いずれ張り替えが必要になってきます。しかしふすまの張り替えでは重ね張りをすることができ、重ね張りであれば障子ほどではないにしろ、難易度は高くありません。ふすまの汚れが目立ってきた場合、ふすまを張り替えて部屋の雰囲気を変えたい場合はDIYでの作業も検討してみてはいかがでしょうか。

しかし種類や状態によっては業者に依頼せざるを得ない場合もあるので、一度業者についても知っておくことが大切でしょう。

ふすま張り替えなどを依頼する際は

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「畳・襖・障子張り替え」をご覧ください。

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