大量生産で作られて比較的安いプレハブ屋根を長く使い続けるためにもメンテナンスが必要です。工場で生産した部品を現地で組み立てるプレハブ構造は、大量生産可能なことからくる安さで近年人気の工法です。以前は建て替えの際の仮設事務所や簡易的な物置に多く利用されてきましたが、近年では一般の住宅にも利用されるようになってきました。
しかしプレハブ工法で建てられた建物を長く使い続けるにはメンテナンスが欠かせません。メンテナンスをしないと屋根などに使用されている建材が、錆などによってどんどん傷んでしまい交換する時期が早くなってしまいます。何度も交換を繰り返していては安いという利点も生かせません。それを防ぐためにも劣化の原因を知り対策をしましょう。今回はプレハブ屋根の修理など行うことができるメンテナンスについて紹介します。
目次
プレハブ屋根の劣化に注意――耐用年数は15年
プレハブ屋根で多く利用されている材質がトタンです。トタンは鉄鋼に亜鉛でメッキを施したもので、比較的軽量な金属屋根としてプレハブ小屋によく用いられています。トタン屋根の耐用年数は15年から20年といわれており、劣化をする主な原因は錆です。錆の補修といったプレハブ屋根の修理をすることが長持ちさせることにつながるのです。
ガルバリウム鋼という材質で作られた屋根はトタンより錆がでにくく、再塗装をせずとも25年ほどは持つようです。
錆がでてから塗装で間に合うの?――修繕の目安
長持ちさせるにはプレハブ屋根に使われているトタンを全く錆びさせないことが重要なのではないかと思われるかもしれません。しかしトタンの性質により軽度な錆では芯材の鉄鋼への影響は少ないので、補修を行うことで長持ちさせることができます。トタンの性質としてメッキに使われている亜鉛は鉄鋼よりも水に溶けやすいというものがあります。
鉄鋼と亜鉛が同時に雨などのしずくに触れた場合には、先に亜鉛がしずくに溶けこむのです。するとそのしずくは飽和状態になりほかの物質が溶け込めなくなるので、そのしずくには鉄鋼は溶けません。この性質によってトタンはメッキで表面を覆う以外にも芯の鉄の劣化を防いでいます。
このことから錆などによって少し表面のメッキが剥がれても、すぐに塗装などの補修を施すことで芯の鉄部分が水分に触れないようにして長持ちさせることができます。
ではどのような状態になるとトタンの芯にまでダメージが入っていると考えられるのでしょうか。トタンの傷み方の状態を確認していきましょう。
塗装で修復できる劣化状態
点々と錆が発生している(穴が開きそうなほど脆くなっている場合は重度なので塗装では修復できません)
変色している
塗装が部分的に剥げている
カビやコケが発生している
釘が浮いている
継ぎ目が外れている
交換などが必要な状態
穴が開いている
雨漏りしている
トタンがどの状態にあるのかでプレハブ屋根に行う修理方法は変わってきます。トタンのダメージが軽度だと判断できた場合には、再塗装で劣化の進行を抑えて継続利用できます。しかし穴が開いていたり、開きそうなほど錆でボロボロになっていたりする場合には芯の鉄鋼部分まで傷んでいると考えられます。その場合には雨漏りや屋根が壊れるといった被害が起こる可能性がありますので、交換などの対応が必要になります。
まさか、雨漏り?!――プレハブ屋根の修理の方法
プレハブ屋根の傷みが激しいと雨漏りなどに事態は悪化していきます。そうならないためにプレハブ屋根を修理が必要です。ここではプレハブ屋根に使われているトタンの傷み具合に合わせた修復法を紹介します。
塗装による修復
トタンの傷みが軽度な場合には再塗装によって修復できます。ポイントはしっかりと錆を落として進行しないように錆止めすることです。では手順を見ていきましょう。
ワイヤーブラシやサンドペーパーなどを使って錆や剥がれかかっている塗装を取り除きます。そのあとに高圧洗浄機で先ほど取り除いたもののカスやホコリ、カビなどを洗い流していきます。
次に浮いた釘の打ち直しやヒビの補修を行って下地をきれいにしたあと、錆止め入り塗料を下塗りします。その上からさらに塗料(こちらは錆止め効果なしで大丈夫です)を塗り重ねれば完成です。
重ね葺きによる修復
すでに穴が開いていたり、雨漏りが起きていたりする場合には塗装をしても症状は治まりません。その場合には重ね葺きや葺き替えといった修理が必要です。重ね葺きは既存の屋根を残したまま、その上に新たな屋根を重ねることで修理する方法です。葺き替えは屋根を新しいものに交換する修理方法になります。
重い屋根材を上げ下ろししなければならないため個人には難易度が高く、金属の屋根材を大量に入手する必要もあるため屋根修理のプロにお願いしましょう。
屋根は高所なため塗装による修復をするときに足場が必要になることがあると思います。ただ、足場の設置ミスは命の危険に関わるため、こちらも専門教育を受けたプロに任せるのがよいでしょう。5m以上の高さとなれば「足場の組み立て等作業主任者」などの国家資格も必要になってきます。
プレハブの屋根修理は屋根修復のプロに依頼をすれば仕上がりがきれいになりますし、足場の設置も含まれているためお手軽といえるでしょう。
プレハブ屋根の困りごとはプロに相談を――気になる費用は?
プレハブ屋根の修理には塗装、補修、葺き替えなどの種類があり相場の価格帯も変わってきますので、それぞれ見ていきましょう。
トタン屋根を修繕するとき
部分的に張り替えをするときには1平米あたり約4,000円からが相場のようです・屋根の頂点など高いところを覆う工事の場合は大きさにもよりますが約5万円からになります。
トタン屋根の塗装をするとき
1平米あたり足場が約700円で養生するのが約200円、塗装前に洗浄するのが約200円、下地処理が約500円で、広さに合わせたこの合計と塗料の値段で変わってきます。
1平米あたりウレタン塗料は約1,500円、シリコン塗料は約2,000円などになっており耐久性で違いが出ます。予算に合わせたものを選ぶといいでしょう。
カバー工法(重ね葺き)を使うとき
上から新しい屋根を取り付ける方法です。工事価格の相場は1平米あたり足場が約700円です。屋根を張るときは、下地にコンパネ敷くために1平米あたり約2,000円、防水シートは1平米あたり約650円になります。これに加えて屋根材に使う素材で料金は変わります。1平米あたりの価格でトタン屋根なら約4,000円になるようです。
修繕箇所が新たに見つかるなどで費用が相場より高くなることがありますので、業者に見積もりしてもらうことで、予想外の出費とならないようにしましょう。
まとめ
プレハブ屋根は塗装などのメンテナンスによって寿命を延ばすことができます。定期的に様子を見てプレハブ屋根の修理をしていきましょう。
プレハブ屋根は一般の屋根に比べて特殊な形状なため雨漏りをしても原因となっている箇所を見つけにくいです。そのため部分的な対処ではなく、屋根丸ごとを新しい屋根で覆うといった大掛かりな工事が必要になることもあります。しかし覆ってしまえば雨漏りの心配が即座になくなるでしょう。
葺き替えや重ね葺きだけでなく、軽度な傷みに再塗装で対処する場合にも足場が必要になることがあります。このように個人で行うのが大変なプレハブ屋根修理をするときはその道のプロに頼むと時間も取られず、きれいな仕上がりの修理をしてくれるでしょう。
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