地震でガスが止まるのはどうして?ガスの復旧手順と注意点を紹介
この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
地震はいつやってくるか分かりません。料理などでガスを使っているときに地震が起こったら、引火やガス漏れのおそれがあるので火元やガスを止めようとするのではないでしょうか?
実は、地震でガスは止まるようになっているのです。それを知らないと地震が落ち着いた後に「ガスが使えないなあ……。」と困ってしまうことがあるでしょう。
今回はそんな地震で止まってしまったガスの復旧方法や、復旧の際の注意点を解説します。
地震があるとガスが止まる理由
地震が起こると、ガスを付けようとしても点火しないことが多くありますが、それは安全のため強い地震でガスが止まるような仕組みが施されているからです。強い地震とは一般的に、震度5相当を指しますが、ガスメーター(マイコンメーターともいいます)が自動的に強い揺れを感知して、ガスを遮断します。
ガスは地震の揺れ以外でも止まることがあるため、いくつかの原因を見ていきましょう。
・長時間の使用
ガスは長時間使用していると止まることがあります。ガス会社によっては一概に言えませんが、長時間とは一般的には1か月以上、ガスを使い続けている場合を指します。
・ガス圧力の低下
ガスの供給圧力が低下することで、ガスが遮断される場合があります。この原因は、ガスを短時間で大量に使用すると起こることがあるそうです。また、ガスボンベのガス残量が少ない場合でも圧力は低下してしまいます。
・ガス漏れ
室内がガス臭い場合は、どこかでガス漏れを起こしているかもしれません。しっかり換気して、火の元を近づけないように注意しましょう。
ガス漏れしていないか確認しよう
地震でガスが止まることは、ガスメーターの安全装置が働いた証拠なので安心できるといえます。しかし万が一安全装置が機能しなかった場合、給湯器がガス漏れを起こしてしまうおそれがあります。念のためガスが漏れてないか、確認してみましょう。
地震が起こったときは、まずガス周りの元栓をきちんと閉めましょう。それから窓やベランダを開けて、換気をおこないます。ガス漏れや給湯器の不完全燃焼が原因で、一酸化炭素が発生することがあります。
一酸化炭素は無色無臭で、辺りに立ち込めていてもなかなか気づきません。気がつけば具合が悪くなっている場合や倒れてしまっていることもありますので、換気は非常に重要です。
ガス周りだけではなく、ガスメーターのガス栓も閉めておきましょう。ガス臭いと感じた場所で、ライターやマッチで火を付けることは避けてください。
また、電灯のスイッチのオンとオフの動作は火花を放ちます。ガスに引火するおそれがあるため、電灯はオンオフに関わらず、そのままの状態にしておくことをおすすめいたします。
その後、契約されているガス会社に状況を連絡しましょう。
ガスが止まったときの復旧手順
地震でガスが止まるとそのままではガスが使えなくなってしまいます。ここでは、ガスが止まってしまった場合の復旧方法をお伝えします。この復旧手順は、辺りにガスの臭いがしない場合におこなうようにしましょう。また、ガス会社によってガスメーターの形状が違っています。詳しい方法は、取扱説明書か各ガス会社のウェブサイトをご確認ください。
①赤ランプの確認
まずはガスメーター上部中央辺りにある、赤ランプが点滅しているかどうか確認をしましょう。
この赤ランプは、地震の揺れで止まるなど安全装置が作動したときに点滅します。もしも赤ランプが点滅していない状態でガスが止まっているようでしたら、ガス会社に連絡をしてください。
②復帰ボタン
赤ランプが点滅していることが確認できたら、ランプの左にある復帰ボタンのキャップを外します。
少し左の方に回すと外しやすいそうです。その際に、ガスメーターのガス栓は開いておきましょう。復帰ボタンをしっかり奥まで押し込みます。すると、いったん赤ランプが点灯をしますが、手を放すと再び点滅し始めます。
その状態でガスを使用しないで3分ほど待ちましょう。問題なければ、 赤ランプの点滅が消えます。点滅が消えればガスが通常通り使えるようになります。復帰ボタンのキャップを元に戻すのも、忘れないようにしましょう。
それでもガスが出ない場合は…
ガスメーターでガスの復旧作業をおこなってもガスが使えない場合、もう一度きちんとガスの元栓が開いているか確認してみましょう。それでも問題なければ、お使いの給湯器に異常があるのかもしれません。地震はガスが止まるだけではなく、給湯器などの家電製品を故障させてしまうこともあります。
給湯器が故障すると、給湯器のリモコンやコントロールパネルにエラーコードが出ることがあります。リモコンに見覚えのないローマ字やエラーコードが表示されていたら、お使いの給湯器の取扱説明書をご確認ください。
また、一度電源をオフにして、再びオンにすることでエラーコードが消えて通常通り使用できることもあるそうです。
給湯器からお湯が出るようになっても、温度が安定しない場合なども故障が原因とみられます。
給湯器の寿命は一般的には約10年前後とされています。寿命近くまで給湯器を使用したためにお湯が出ない、温度が不安定などの異常が出るようでしたら、一度業者に修理や交換を依頼してみてはいかがでしょうか。
賃貸物件で給湯器を利用している場合は、貸主に無断で給湯器交換すると契約違反となるおそれがあります。まずは大家や管理会社に相談してみましょう。
まとめ
突然の地震でガスが止まるときは、故障ではなくほとんどの場合がガスメーターの安全装置が働くことで起こります。ガスメーターの復旧方法を覚えておけば、いざというときにも慌てずに対処できるでしょう。
ガスメーターの復旧作業をおこなってもガスが使えない場合は、本当に故障しているかもしれません。給湯器の状態や、ガス漏れが起こっていないか確認しましょう。故障の際には業者に連絡して修理・交換を検討してみてはいかがでしょうか。
給湯器修理・交換を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「給湯器修理・交換」をご覧ください。