ラーメン構造は耐震性が高い?壁式構造との違いとメリットデメリット

2021.4.30

ラーメン構造は耐震性が高い?壁式構造との違いとメリットデメリット

マンションにはいくつかの構造形式があり、そのなかに「ラーメン構造」と「壁式構造」と呼ばれるものがあります。名前を聞いたことがあっても、この2つの違いについて知っている方は少ないのではないでしょうか。

本コラムでは、この2つの構造形式の違いとはなんなのか、壁式構造とラーメン構造では耐震性はどちらの方が高いのかについてご紹介しています。

ラーメン構造の建物にお住まいの方は、ご自宅の構造形式のメリット・デメリットについて再認識しておきましょう。これから生活していくなかで、快適性・耐震性について見直すきっかけになるかもしれません。

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ラーメン構造とは?壁式構造との違い

ラーメン構造と壁式構造の違いを分かりやすくするためにも、まずはこの2つはどういったものなのかを確認していきましょう。

ラーメン構造

ラーメン構造とは、骨組みとして「柱・梁(はり)」の2つが使用されている構造形式のことです。柱は想像がつきやすいかもしれませんが、梁に関しては初めて聞く方も多いのではないでしょうか。

梁とは、柱の上に渡しかけるようにして使用される建築材料のことです。梁は屋根を支えるという役割を担っており、建築をおこなううえでは非常に重要なパーツとなります。

ラーメン構造は、その梁と柱が「剛接合」という方法で接合されています。この剛接合とは、揺れなどの衝撃が加わっても固定された角度を保つことができる接合方法のことです。

ラーメン構造の耐震性はこの剛接合によって維持されており、地震で揺れが発生した場合でも粘り強く耐えることができます。例え地震が発生したとしても、剛接合により接合部は変形することはありません。また、固定されている柱や梁は柔軟に湾曲し、しなやかに衝撃を吸収することができるのです。

壁式構造

壁式構造は、「壁・床」で建物としての形状を保っている構造形式になります。壁には「耐力壁」と呼ばれるものが採用されており、この壁により大きな地震にも耐える高い耐震性を実現させています。

耐力壁は、上と横からの負荷に耐えることができる頑丈な壁です。上から発生する負荷には、屋根や雪などの壁より上部にあるものの「重さ」があります。横からの負荷とは、大きなもので地震による「揺れ」といった衝撃です。耐力壁が組み込まれていることで、その建物は重さや揺れに強くなるということになります。

ラーメン構造と壁式構造は上記のような特徴をもっており、違いは「なにを骨組みとしているか」です。ラーメン構造は「柱と梁」壁式構造は「壁と床」となっており、2つは対照的な構造形式といえるでしょう。

ラーメン構造とは?壁式構造との違い

ラーメン構造はどんな建物で採用されているの?

ラーメン構造が採用されている建物は、主に5階建て以上の中・高層マンションやビルです。それでは、なぜそういった建物に採用されているのでしょうか。

前述の通り、ラーメン構造は柱と梁でその形状を保っています。壁を必要としないという性質上、建物の中は壁がなく広いスペースを確保することができるのです。ラーメン構造は耐震性を維持しながらもスペースを確保することができるため、大規模な建物には最適な構造形式となります。

また、ラーメン構造は壁を必要としないという性質上、窓やドアなどの開口部を広々と設けることができるという利点をもっています。大きな窓やドアを設置することができるラーメン構造は、近年では戸建て住宅でも使用されることが増えてきました。

一方、5階建て未満のような低いビルには、壁式構造が採用されることが多いようです。壁式構造の場合、「15mまでの建物にしか採用することができない」という決まりがあり、この条件が低いビルを中心に採用されている要因となるでしょう。

耐震性は高いのか?

日本に住む以上地震の危険性は付きまとうものなので、地震対策についても気になるものです。それでは、壁式構造とラーメン構造の耐震性は、どちらの方が優れているのでしょうか。

より耐震性が高いのは、壁式構造になります。壁式構造は、分厚く強固なコンクリート壁が家全体を守っているため、耐震性に優れています。また、低いビルはその分揺れを最小限におさえることができるので、倒壊の危険性も低いといえるでしょう。

しかし、壁式構造の場合、壁で建物を支えるため耐力壁を通常より多く設置しなければなりません。そのため、開口部が少なかったり部屋の一部にコンクリート壁が見られたりと、難点ももちあわせています。

壁式構造と比べると耐震性が劣ってしまうラーメン構造ですが、耐震性を向上させる方法があります。それは、耐震補強をおこなうことです。本来「柱・梁」で構成されているラーメン構造ですが、そこに「壁」も取り入れることで耐震性を強化することができます。

耐震補強は業者に依頼することでおこなえるので、興味がある方はぜひご検討ください。また、業者に依頼すれば、耐震性を調べてもらうこともできます。建物の強度を調べる「耐震診断」は、耐震性の確認だけでなく適切な工事の内容も決めてくれるのです。工事となると迷ってしまう方も、まずは気軽に耐震診断から受けてみてはいかがでしょうか。

耐震性は高いのか?

ラーメン構造のメリットとデメリット

ラーメン構造の耐震性は壁式構造に劣るものの、ほかにはない魅力をもっています。ラーメン構造の建物のメリット・デメリットを確認してみましょう。

メリット

・壁がないため室内を広々と使える
・窓やドアなど、開口部を広々と設けることができる

デメリット

・壁式構造と比べると、耐震性は劣ってしまう

ラーメン構造のメリット・デメリットは、上記の通りです。建物が大きくなれば大きくなるほど、もちろん部屋も広くなります。超高層マンションのような大規模な建物も建てることができるのは、ラーメン構造の大きな利点です。また、耐震性は、耐震補強で補うことができることも知っておくとよいかもしれません。

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まとめ

ラーメン構造は高層マンションに採用されていることが多く、地震や風といった衝撃に粘り強く耐えることができます。低層マンションには壁式構造が採用されていることもあり、こちらの構造形式はラーメン構造より耐震性に優れています。

壁式構造の方が優れているかのように思えますが、開口部が広くとれないことや15m未満の建物にしか採用できないという難点ももちあわせているのです。ラーメン構造と壁式構造は、それぞれがメリット・デメリットをもっている構造形式といえるでしょう。

ラーメン構造の建物にお住まいの方で、耐震性が心配になる方もいるかもしれません。そういった場合は、耐震診断・耐震補強を視野に入れ、耐震性の改善を考えてみてはいかがでしょうか。

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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「耐震工事」をご覧ください。


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