ヒートアイランド現象に有効?遮熱塗料の効果をわかりやすく解説!
この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
夏になると家の中が暑くてクーラーに頼りがちになりますが、電気代もかさむし、体のためにもなるべく使いたくないと思う方も多いはず。
実は家の屋根や外壁に遮熱塗料を塗布すると、遮熱塗料の効果によって家全体の温度を下げることができます。それによりクーラーの使用頻度が減り、電気代の節約にもつなげることもできるのです。
このコラムでは、そんな遮熱塗料の効果について詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ヒートアイランド現象とは
「ヒートアイランド現象」という言葉を聞いたことはありますか?テレビのニュースで聞いたことがあるという方も、初めて聞いたという方もいるでしょう。その「ヒートアイランド現象」が、実は遮熱塗料の効果に大きく関係してくるのです。
「ヒートアイランド現象」とは、都市の気温が郊外の気温よりも高くなる現象のことです。気温の分布図を見ると、高温域が都市を中心に島のような形をしているため、ヒートアイランド現象と呼ばれるようになりました。
日本語に訳すと「都市温暖化」または「都市高温化」となります。都市化が進むと、人口の集中、アスファルト・コンクリート舗装の増加、植物が減少します。
それによって、ヒートアイランド現象は起こります。そして夏場の熱中症が増えるなど、私たちの快適な暮らしをさまたげるものになってしまうのです。
遮熱塗料の効果について
夏場ヒートアイランド現象が起こると家の中の温度が上昇してしまうため、エアコンを付けて部屋を涼しくする方が多いはずです。ただ、エアコンを付けるとエネルギーの消費が拡大し、さらにヒートアイランド現象が進行するという悪循環が生まれてしまいます。
そうならないためにも、家全体を涼しくし、エアコンなどの機械になるべく頼らないようにすることが大切になってきます。
そこで、使用するのが遮熱塗料です。遮熱塗料は高日射反射率塗料とも呼ばれ、赤外線を反射する顔料を混ぜた塗料です。顔料とは、水や油に溶けず、定着剤を加え塗ることで、色がつく性質を持っている色のついた微粉末です。
赤外線を反射することによって塗った場所の温度上昇を緩和することが可能です。また、遮熱塗料を使用すると、以下のようなメリットがあります。
①遮熱効果がある
夏の熱い太陽光を跳ねのけてくれる効果があります。遮熱塗料の効果は、使用していない建物に比べ2~3度低いと言われています。少ない温度差に思えるかもしれませんが、体感温度は満足出来る温度差を感じる事ができます。
②節電効果がある
室内の温度が低くなり、クーラーの使用頻度が減るため、光熱費の節減が可能です。
③耐用年数が長い
遮熱塗料の寿命は15~20年です。他の塗料に比べ耐用年数が長く、メンテナンスの手間があまりかかりません。
遮熱塗料にも弱点はある?
遮熱塗料にはたくさんのメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
①価格が高い
需要と供給がまだまだ少ない材料ですので、普及品塗料と比べると2倍ほどの費用がかかってしまいます。
②冬場は建物の温度を低くしてしまうことがある
遮熱塗料は夏場だけでなく冬場でも太陽光を跳ねのけてしまいます。そのため、少しですが家全体の気温を下げてしまいます。冬が厳しい地域は、避けた方がいい塗料かもしれません。
③塗膜が汚れると遮熱効果が低くなる
遮熱塗料の効果は、塗膜の表面がきれいな時にとくに高まります。そのため塗膜の表面が汚れていると、赤外線が反射しにくくなり、遮熱効果は下がってしまいます。
そのため、遮熱塗料を選ぶ際は、親水性が高い塗料を選びましょう。親水性が高い塗料を使用すれば、雨が降った時に一緒に汚れも流してくれます。塗膜が汚れにくくなりメンテナンスも簡単ですし、塗装が長持ちします。
遮熱塗料は、値段も安いものではないため、メリットとデメリットを踏まえて考えてみることが大事です。
遮熱塗料と断熱塗料の違いとは
遮熱塗料と似た塗料で「断熱塗料」という塗料もあり、建物を涼しくするという効果は同じです。
遮熱塗料の効果は、赤外線を反射することによって温度上昇を抑制することに対し、断熱塗料は反射ではなく防御するものになるので、熱が伝わりにくくすることができる塗料です。
そのため遮熱塗料に比べると、あまり涼しく感じないかもしれません。ですが、断熱塗料は冬場の寒さに強い塗料です。室内の熱を外に逃がさず、外気の寒さを防ぐことができます。お住まいの地域によって適切な塗料を選ぶとよいでしょう。
遮熱塗料はこんな家におすすめ
では、どんなお宅に遮熱塗料は効果が発揮しやすいのでしょうか。
①節約したいと考えている家
遮熱塗料の費用は高いですが、結果的に家全体が涼しくなりますので、クーラーを使用する頻度が減り光熱費の節約につながります。また耐用年数も長いのでメンテナンスの手間もあまりありません。
②金属屋根や板金外壁の家
金属屋根は熱伝導率が高いため、太陽熱が屋根材に浸透しやすく、家の中が暑くなってしまいます。遮熱塗料を塗布することで、太陽光を反射できますので、涼しくなるでしょう。
③吹き抜けがある家
吹き抜けは屋根からの熱が伝わりやすいため、暑くなってしまいます。こちらも遮熱塗料を塗布することで涼しくなります。
④黒色など濃い目のカラーの外壁や屋根の家
黒や紺色などは熱吸収率が高いので、遮熱塗料を使用すると効果が高いでしょう。逆に白やクリーム系は遮熱効果が高い色になりますので、遮熱塗料の効果はあまり感じることができないといえます。
まとめ
遮熱塗料の効果は夏場に特に活かされます。他の塗料に比べ温度は2~3℃下がるので、クーラーの使用頻度が減り、電気代の節約ができます。
また耐用年数も長くメンテナンスも簡単で、年々顕著になりつつあるヒートアイランド対策もできる実用的な塗料といえます。
ですがその反面、費用が高く、冬場はすこし寒く感じてしまうので、地域によっては適さない場合もありますので注意が必要です。
ヒートアイランド現象で熱中症などの健康への被害が増える可能性があります。家族と毎日快適に過ごしたいとお考えの方は、一度断熱工事の業者に相談してみるといいでしょう。
断熱工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「断熱工事」をご覧ください。