BIOSが起動しない原因は電池かも…BIOSの基礎知識と交換方法もご紹介

2021.4.30

BIOSが起動しない原因は電池かも…BIOSの基礎知識と交換方法もご紹介

パソコンにはさまざまなプログラムが機能していますが、その中でもとくに重要なものの1つが「BIOS」となります。このBIOSが存在することによってはじめてOSが起動し、パソコンを利用することが可能となっているのです。

ところが、そんなBIOSが起動しないときがあります。不具合の原因にはさまざまなものが考えられますが、多くの場合は「電池切れ」です。マザーボードには電池が取り付けられており、その電池の交換を新品にすることで不具合を解決できることがあります。

そこで今回は、BIOSが起動しないときの原因と解決方法についてご紹介します。BIOSが起動しないとパソコンが使えないので、早めに対処するようにしましょう。

目次

BIOSが起動しない1番の原因は「電池」!

BIOSが起動しないときの原因として1番に考えられるのは、ずばり「電池切れ」です。電池切れといってもパソコンのバッテリーではなく、マザーボードに付いている「CMOS」という部分に使われている電池が切れることで、BIOSも起動しなくなってしまうのです。

BIOSと関わりの深いCMOSとは?

CMOSとはBIOSの設定データを保存する部品のことです。

パソコンの電源を入れたと同時にBIOSがまずCMOSに保存された情報を読み込み、その情報をもとにしてパソコンの制御をおこないます。

CMOSには電力がなくなってしまうと、保存されたデータを失ってしまうという特徴があります。そのためパソコン本体に供給されている電力がなくなったとしてもCMOSに影響が出ないようにするために、電池が取り付けられています。

CMOSに使われているのはボタン電池!?

デスクトップパソコンの場合、CMOSに使用されている電池の多くは「ボタン電池」となっています。CMOSはパソコンがコンセントに接続されていればそちらの電力を使用することが多いため、電池といってもあまり消耗は激しくありません。一般的には5~10年でCMOSの電池は消耗するとされています。

CMOSの電池が少なくなると、電源を入れた際に警告メッセージが表示されます。また、電圧が低下することで動作が不安定になり、不具合が起きやすくなるともいわれているのです。またパソコン内部の日付が何度設定しても狂ってしまう場合、CMOSの電池が消耗している可能性が考えられるでしょう。

先ほども触れたように、電池が完全に切れてしまうとCOMS内のデータは完全に消えてしまいます。ただ、あくまで利便性を高める役割が強く、それが直接パソコンの故障につながるとはいいにくいです。そのため、電池切れを起こしたからといって慌てないようにしてください。

パソコンの重要部分!BIOSとはなに?

BIOSが起動しない原因がわからないという以前に、そもそもBIOS のことがよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。この項目では、BIOSについてより詳しく解説していきましょう。

BIOSがないとパソコンが起動しない!

BIOSとは、正式には「Basic Input/Output System」と呼ばれているプログラムであり、パソコン周辺機器を統括したり、OSが立ち上がる前のパソコンの制御をおこなったりする役割を担っています。パソコンであれば種類を問わず搭載されていることからも、その重要さがわかるでしょう。

BIOSの指示によってOSは起動を開始するため、もしBIOSが起動しないと、そもそもOS自体が動きません。BIOSがなければたとえ電源が入っても画面が真っ暗なままになってしまい、パソコンの使用が事実上不可能になってしまうのです。

ちなみに、BIOSはプログラムの起動順位を変更したり、ハードウェア診断などをおこなったりこともできます。しかしながら通常は使うことのない機能が多いため、パソコンに詳しくない方は、不用意に設定を変えるのは控えたほうが安全でしょう。

BIOSの後継であるUEFIって?

1980年代からパソコンに使用されていたBIOSですが、時代の移り変わりにしたがって大きな問題点が発生してきました。従来のBIOSでは急速に発達していく技術力に対応しきれないため、セキュリティをはじめとする機能の強化が難しくなってきたのです。

そこで、BIOSの後継機として開発されたのが「UEFI」です。正式名称を「Unified Extensible Firmware Interface」と呼ぶこちらのプログラムはWindows8以降が動くパソコンに搭載されはじめたもので、使用できる機能自体は従来のBIOSとそれほど変わらないといわれています。

しかしながらUEFIは従来のBIOSと比べて操作が簡単になったほか、表示画面が見やすくなっています。起動時間も早くなったうえ、これまでは難しかったセキュリティなどの機能強化もできるようになっているそうです。

余談ですが、BIOSが搭載されているのはWindowsのパソコンのみとなっています。現在販売されているMacのパソコンだとBIOSの代わりにUEFIに近い「EFI」というプログラムが内蔵されています。

CMOSの電池が寿命だった場合の交換方法

さて、BIOSとCMOSの関係性がわかったところで、いよいよCMOSの電池交換に移っていきましょう。電池交換と聞くと簡単にできるイメージがあるかもしれませんが、パソコンという精密機器に手を加える以上は、細心の注意を払うようにしましょう。

電池交換の手順

マザーボードの基盤にある丸いボタン電池がCMOS用の電池となります。ここで使用されているボタン電池は、一般的に「CR2032」という型が多く使用されているので、間違って違う型の電池を購入しないようにしましょう。

それでは、デスクトップパソコンでの電池交換の手順をご紹介します。古い電池の取り外し方や取り付ける電池の向きを誤ると、故障の原因になってしまいます。繰り返しになりますが、細心の注意を払いながら作業を進めるようにしてください。
 

デスクトップパソコンにおけるCMOS用電池の交換方法
1.安全のため、本体から電源コードを抜いておきます。
2.ドライバーを駆使してデスクトップパソコンの本体を解体しましょう。
3.マザーボード上にあるボタン電池を探します。
4.電池を見つけたらマイナスドライバーでソケットの爪を浮かし、電池を取り出します。
5.新しい電池を入っていたときと同じ向きではめ込みます。指で押すだけで十分です。

 
BIOSが起動しない原因が電池の消耗だった場合、電池を交換することにより解決へつながるでしょう。とくにデスクトップパソコンの場合交換が比較的簡単にできるので、安全に作業できる自信がある方は、電池交換を試みてはいかがでしょうか。

電池交換の注意点

CMOSの電池を交換する際、注意しなければならない点があります。注意を怠るとパソコンが故障してしまうおそれがあるので、常に気を配っておくようにしましょう。
 

マザーボードには触れない!

電池交換の際にとくに注意すべきなのが、「絶対にマザーボードに干渉してはいけない」という点です。マザーボードは非常に繊細な部品なので、少しでも汚れが付着したり、体内から放つ静電気などで、パソコンの動作に悪影響が出てしまいかねません。ですので、指で直接触れないようにしましょう。

とくに指とマザーボードの間に静電気が走った場合、パソコンのデータが消失してしまうおそれもあります。CMOSの電池交換をおこなう際には、必ず静電気除去シートなどで指先の静電気を取り除くようにしてください。
 

設定は初期値に戻される

一時的にではあれ電流がなくなるということなので、CMOSの電池交換をおこなうと、BIOSの設定が初期状態に戻ってしまいます。そのため、電池交換の後にパソコンの電源を入れたとき、BIOSの設定画面が表示されるはず。BIOSの設定を事前に変更していた場合は、そこで設定を再度変更してください。

BIOSの設定を変更していない場合、設定画面が表示されたら「F9」キーを押しましょう。デフォルト値をロードするかを聞かれるので、キーボードの矢印キーで「Yes」を選択して「Enter」を押してください。次に「F10」を押すと設定を保存するか聞かれるので、ここも「Yes」を選択して「Enter」を押せば、初期設定は完了です。
 

ノートパソコンだと電池交換ができないことも

OSを起動させる役割を担うBIOSはあらゆるWindowsのパソコンに搭載されている機能です。しかしながら、パソコンの種類によっては、CMOSに使用されている電池がボタン電池ではないこともあります。

デスクトップパソコンはボタン電池を使用していることが多いですが、こうした使い切りの電池は「一次電池」と呼ばれています。しかし、ノートパソコンには「二次電池」という充電をしてくり返し使うことができるタイプの電池を使用していることがあるのです。そしてこのような二次電池は、入手の難しいものが多かったりします。

また、ノートパソコンや一体型のパソコンは、初心者には分解が難しい構造になっています。そのため、これらのパソコンでCMOSの電池交換をおこなう場合、パソコンを熟知していない限りは、業者に依頼して作業の代行をしてもらうべきでしょう。

CMOSの電池が寿命だった場合の交換方法

BIOSが起動しないその他の理由

BIOSが機能しないのは、必ずしも電池切れが原因ではありません。パソコンは精密機器である以上、さまざまな要因で不具合が起きる可能性があるのです。もし電池交換をおこなってもBIOSが起動しない、そもそも電池切れの警告メッセージすら表示されない場合は、以下のような理由があるかもしれません。

周辺機器の影響
外付けHDDやプリンターをはじめとした周辺機器の影響を受けて、BIOSが起動できなくなってしまっているかもしれません。電池切れ以外の理由でBIOSが起動しない場合、まずは周辺機器をすべて抜き取り、もう一度パソコンを起動してみましょう。

メモリの接触不良
パソコン内部のメモリがホコリなどの汚れによって接触不良を起こし、そのせいでBIOSの起動にも悪影響が及ぶこともあります。除電ブラシやエアダスターなどでメモリを掃除したり、メモリを抜き差ししてみたりすると、接触不良が直るかもしれません。

マザーボードの故障
マザーボード自体が故障してしまっているせいで、BIOSが起動しなくなっているかもしれません。このケースだと、業者に依頼してマザーボードを交換してもらうしか解決策はないでしょう。マザーボードは高価な部品なので、修理費は約50,000円からとなっています。

もしBIOSが起動しない原因がわからないときは、パソコン修理のプロである業者に診断を依頼するのがよいでしょう。診断費は約2,000~3,000円からとなっており、出張費などが別にかかることもあるので、料金表はしっかりチェックしておきましょう。

まとめ

BIOSが起動しない原因でありがちなのが、BIOSの設定を保存しているCMOSの電池切れです。CMOSの電池はマザーボードに設置されているので、デスクトップパソコンの場合は、本体を解体して慎重に電池交換をするようにしましょう。

しかし、モデルによってはボタン電池以外の電池を使っているほか、一体型のパソコンやノートパソコンの解体は素人では難しかったりします。もし電池交換が難しいと思った場合は、素直に業者へ電池交換を依頼するのをおすすめします。

もしBIOSが起動しない原因がわからない、もしくは電池を交換しても不具合が直らないとしたら、マザーボードなどの部品に問題が生じているおそれがあります。そのようなときは、業者に相談すると早めに解決できるかもしれません。

パソコン修理を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「パソコン修理」をご覧ください。

パソコントラブルを解決

パソコン修理のプロが迅速対応

※対応エリアや加盟店によって変わります

パソコンが動かない!ウイルスに感染したかも?インターネットにつながらない!そんなパソコントラブルお任せください!Windows・Macどちらも対応いたします!

『生活110番』では、
お住いの地域で人気のプロを探せます

古いパソコンもお任せください!あらゆる修理を承ります。

パソコン修理 8,800円~
パソコン修理のおすすめ業者を見る

関連記事カテゴリ一覧

パソコン修理の記事アクセスランキング

パソコン修理の最新記事

カテゴリ別記事⼀覧