買い替え前に要確認!よくあるパソコントラブルの解決方法を集めました
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クラウドソーシングなど「インターネット上でできる仕事」だけでなく、近年では「リモートワーク」で在宅勤務をする働き方が増えてきました。また小学校でのプログラミング教育も話題になっており、仕事や勉強・子どものためにパソコンを使い始めたという方も多いでしょう。
しかしパソコンは意外とデリケートな機器。ちょっとしたことで動かなくなったり、表示がおかしくなることも少なくありません。今回は「自分で解決可能」なよくある症状と、修理にあたっての注意事項をまとめました。
目次
よくある症状:入力機器編
まずは「マウスポインタが動かない」「キーボードが動かない」「日本語が入力できない」といった、入力機器関係のトラブルにおける原因と解決方法をまとめました。
マウスポインタが動かない
原因2:パソコンの画面が止まっている
解決法1:マウスの再接続・再設定。センサー部分の掃除など
解決法2:こちらを参照
もしマウスポインタが動かない、という症状になった場合、まずはマウスがきちんと接続されているかを確認してみてください。接続するポートを変えてみる、というのも意外と有効な手段です。無線マウスの場合は電源を一度切にしてみたり、「レシーバー」と呼ばれるパソコンのUSBポートに接続する機器も一度点検してみましょう。
またマウスポインタの感度が悪い場合、移動を読み取るセンサーが汚れていることも考えられます。マウス裏側に小さなくぼみがあるので、そこを一度丁寧に掃除してみてください。
トラックパッドの場合は本体の故障のほか、トラックパッドの認識が無効になっていることも考えられます。ノートパソコンの場合は上部の「ファンクションキー(F1・F2などのキー)」のなかにトラックパッドの絵が描かれたものがあり、キーボード下部の「Fn」キーとの組み合わせで切り替えられることが多いです。
それでも認識しない場合、一度パソコンの再起動を試してみることもおすすめします。Windowsの場合は「Windowsキー」を押した後、「tab」と「矢印キー」で電源アイコンを選択、再起動することが可能です。
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キーボードが動かない
マウスポインタではなくキーボードが止まっている場合も、基本の対処法は同じです。一度キーボードの接続を外してみたり接続ポートを変えてみる、無線キーボードの電源を一度切ってみる、電池交換などを一通り試してみましょう。
日本語が入力できない、入力がおかしい
解決法:設定の見直し
キーボードは反応するけど日本語が正しく入力できない場合、まずは日本語を入力・漢字変換する「IME」の設定を見直してみましょう。Windowsの場合画面右下、macOSの場合は画面右上に「あ」や「A」などの文字が書かれたアイコンがあるため、まずはクリックして切り替えてみてください。
また、次のような設定の切り替えも一度チェックしてみましょう。
英字が大文字になってしまう場合:CapsLockの状態を確認(Windowsの場合はShift+CapsLock(英数)の組み合わせで切り替え。macOSのキーボードはCapsLockキーを押すことで切り替え)
キーボード右側の数字キーで入力できない場合:NumLockが有効になっているか(キーを押すことで切り替え)
このほかの原因として、キーボードの種類が正しく認識されていないことも考えられます。日本語用のJISキーボードと英語圏のキーボードの配列には若干の差があるため、一部のキーと入力結果に差が出ることがあるのです。この問題はWindowsの場合「設定」を開き、「時刻と言語」→「言語」→優先する言語の「日本語」から「オプション」→ハードウェアキーボードレイアウトの「レイアウトを変更する」から切り替えることが解決できる場合があります。
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よくある症状:画面編
2章では、画面に関するよくある症状の解決方法をご紹介します。
パソコンの画面が映らない
原因2(2台以上のディスプレイを接続している場合):マルチディスプレイの設定
解決法1:電源やケーブルの確認、モニタ設定
解決法2:ディスプレイの設定
パソコンの電源が入っていても画面が映らない場合、ディスプレイやディスプレイとの接続に何らかの問題が生じていると考えられます。そのため一度ディスプレイの電源が入っているか、ケーブルがしっかりと接続されているかなどを確認しましょう。とくに2台以上のディスプレイを接続する場合、それぞれの「HDMI」「DisplayPort」「DVI」「VGA」などのケーブルは直接パソコンへつなぐ必要があります。ディスプレイ同士でつないでしまわないよう確認してください(macOS用のThunderboltモニタは例外)。
また複数の入力が切り替えられるディスプレイの場合、入力切替が必要になることがあります。ディスプレイの取扱説明書などを参考にし、正しく切り替えましょう。
【ディスプレイを2台以上接続しているが、片方の画面が映らない場合】
パソコンの作業を効率的に進めるため、2台以上のディスプレイをつなごうとしている方も少なくないと思います。このような状況で片方のディスプレイが映らない場合は、一度パソコンの設定を確認してみてください。Windowsの場合は「設定」→「画面」→「ディスプレイ」と開き、複数のディスプレイという設定項目から「表示画面を拡張」を選ぶことで、作業領域をそれぞれのディスプレイに設定することが可能です。
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画面の表示がおかしい
原因2:グラフィックドライバの不調
解決法:設定の見直し、ドライバ再インストール
画面の色に違和感がある場合、ディスプレイ側のボタン、パソコン側の「色の管理」でそれぞれ設定を変更してみましょう。また「夜間モード」が設定されている場合もディスプレイの色合いが変化するため、必要に応じて変更するようにしてください。
2台以上のディスプレイを使っている場合、ディスプレイ本体の配置に合わせてパソコンの設定を変更しましょう。「設定」→「画面」→「ディスプレイ」に表示される「1」「2」などの画面を移動させて調整することで、ディスプレイをまたいだ作業の違和感を小さくすることができます。
また画面にノイズが出る場合は接続ケーブルの見直しやドライバの再インストールなどが有効といわれています。次の関連記事に詳しい方法が載っていますので、一度確認してみてください。
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よくある症状:動作編
3章では、パソコンを使っているときに起こることがあるトラブルの解決方法をご紹介します。
アプリケーション(プログラム)が起動しない
解決法:レジストリやアプリケーションの修復、アプリケーションの再インストールなど
Windowsでは、アプリケーション(プログラム)の場所や対応形式などの情報を「レジストリ」というファイルで管理しています。この「レジストリ」に記録されているデータが壊れてしまうとアプリケーションが起動しないことがあるのです。
レジストリの修復はやや高度な作業になるため、アプリケーションの修復や再インストールが対処しやすい方法になります。次の記事ではアンインストールできない場合の方法のほか、アプリケーションの仕組みなども詳しく解説しています。
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パソコンの動作が遅い・画面が止まる
解決法:しばらく待つ、アプリケーションの強制終了、再起動など
パソコンはデータ処理を順々におこなっているため、複雑な処理が必要な場合には時間がかかることも少なくありません。その状態が私たちからは「止まっている」「動作が遅い」ように見えることがあるため、まずは一息ついて、反応がないかしばらく見守ってみましょう。
一方で、アプリケーションは誤動作を起こし反応しなくなることがあります。万が一のため、アプリケーションを強制終了する方法を知っておいてください。
Windowsの場合:「Ctrl」+「Alt」+「Delete」キーを同時に押し、出てくるメニューから「タスクマネージャー」を選択、反応しないアプリケーションを選び「タスクの終了」
macOSの場合:「command」+「option」+「esc」キーを押し、出てくるメニューから反応しないアプリケーションを選択、強制終了させる
次の関連記事でも、パソコンの動作がよく止まるときの原因と対策について解説しています。
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メモリ不足と表示される
解決法:不要なアプリケーションを閉じる、メモリ容量の見直しなど
動画編集や多くのデータを含むExcelのシート読み込みを行おうとした場合、状況によっては「メモリ不足」を知らせるメッセージが出ることがあります。まずは起動しているアプリケーションを確認し、不要なアプリケーションは閉じておくようにしましょう。画面右下の「タスクバー」上で起動しているものもあるため、この部分も一度確認してみてください。
それでも解消されない場合はパソコンに搭載されている「メモリ」の容量が足りないことが考えられるため、増設などの検討をお勧めします。
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外付けの周辺機器が反応しない
解決法:接続の見直し
近年のノートパソコンではCD・DVDドライブがないことも増えてきました。また書類を印刷するプリンターやデータ保存のためのハードディスク、データを持ち運ぶためのUSBメモリなどを接続することも少なくないでしょう。しかし突然、こうした周辺機器がパソコン側から認識しなくなることがあります。
周辺機器の故障も原因のひとつですが、まずは接続の方法の見直しから始めましょう。ケーブルが正しく接続されていないだけでなく、USBに接続する機器の場合「電源供給不足」が原因になっていることもあります。ハブを利用している場合はパソコンに直接つないでみたり、ACアダプター付きの「セルフパワー型」のUSBハブへ交換してみましょう。
またペンタブレットなど特殊な作業をおこなう機器の場合、「ドライバ」を別途入れなければならないこともあります。正しくドライバが認識されているか、アップデートがメーカーwebサイトから配信されていないかなども一度調べてみてください。
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青い背景の画面が表示された
解決法:システムの修復、再インストール、清掃など
作業をしていたとき突然「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」と青い背景の画面が表示された経験はありませんか?このエラーは「ブルースクリーン」と呼ばれ、アプリケーションの誤動作やパソコン内の部品動作に支障が出るなどにより、パソコン自身のデータ処理が困難になることで表示されることがあります。ブルースクリーンを見かけた場合はそれまでにおこなった操作を一度見直し、原因を確かめることが大切です。
また夏場にはパソコン内で発生する熱が処理しきれず、熱暴走を起こした結果ブルースクリーンが表示されることもあります。熱が原因と考えられる場合にはパソコンの熱を排出するファンの掃除や、熱を逃がす対策を検討しましょう。
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パソコンが起動しない
解決法:電源の確認など
パソコンの電源ボタンを押しても起動する様子がない場合、電源ユニットやマザーボードの故障が考えられます。ただし電源が供給されていないことも原因のひとつとして考えられるため、まずは電源ケーブルが正しくつながっているかを確認しましょう。ノートパソコンの場合はバッテリーが消耗していないかも合わせて確かめてみてください。
またメモリを交換した、グラフィックボードを付けたなどパソコン本体に何らかの手を加えている場合は、内部の接続が正しいか、そして電源ユニットの供給力を超えていないかも確認してみることをおすすめします。
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よくある症状:ネットワーク編
パソコンとインターネットの接続は、利便性、そして安全面でも欠かせないものになっています。ただしネットワークにつなぐことにはパソコン内の情報を盗み出されるリスクもあるため、パソコンにはこうした危険から守る仕組みが備えられています。こうした仕組みが逆にトラブルの原因になることもあるため、問題があったときは一度こうしたネットワークの設定を見直してみましょう。
インターネットに接続できない
解決方法:各種項目の確認、再設定など
せっかく家にインターネット回線を引いても、パソコン自体が接続できないというケースはよくあります。このトラブルの原因は「パソコン側の設定」「ネットワーク側(ルーター)の設定」に大きく分かれるため、次の関連記事を参考にして各種設定を見直し・再設定してみてください。
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共有フォルダに接続できない
解決法:設定の見直し
家族のパソコンやスマートフォンの間でデータを共有するため、ネットワーク上に「NAS」という機器を接続したり、パソコン内のフォルダを「共有」に設定する方も多いです。ただし「共有設定」にはリスクもあるため、パソコンは安全に利用するためいくつかの制限が限られています。
【パブリックネットワークからプライベートネットワークへの切り替え】
ノートパソコンなどではインターネット接続のため、公共の無線LANにつなぐことも多いでしょう。こうしたネットワークに接続する場合はファイル共有などが無効になる「パブリックネットワーク」を使用することが推奨されていますが、誤って家庭内のネットワークを設定してしまうとファイル共有などの機能にアクセスできません。
そのため家庭内のネットワークでつなぐときは「ネットワーク探索」「ファイルの共有」などの設定が有効化された「プライベートネットワーク」へ設定することをおすすめします。
【共有設定の問題】
Windowsのファイル共有にはSMBという規格が使われており、決められた時期によっていくつかあります。そしてWindows 10では最も古い「1.0」の規格が標準では無効にされており、この規格でしか通信できないNASに接続できないという問題が起こることがあります。
その場合は手動で有効にする必要があるため、左下のWindowsメニューから「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」と開き、「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化」→「SMB1.0/CIFSファイル共有のサポート」のチェックボックスをオンにするようにしてください。
【接続数の上限】
家庭用のWindows 10 Homeの場合、パソコン内の共有フォルダに同時アクセスできる上限は「20」までに制限されています。家庭内で使用するぶんにはあまり意識することはないと思いますが、接続時にメッセージが出る場合はNASを利用するなど、接続方法を一度見直してみましょう。
修理に出す前に確認したい3つの点
もしもパソコンを修理に出さなければならない状況になった場合、次の3点については必ず確認しておきましょう。
メーカーの保証期間
パソコンには1年間や2年間のメーカー保証が付けられていることが大半で、さらにメーカーの有料サービスや電機量販店ではさらに期間を延長した独自の保証サービスが提供されていることも少なくありません。こうした保証が有効の場合、落下などを除き無料修理の対象になることがあります。
こうした保証サービスの期間内ではないか、まずは購入時のレシートや保証書を確認してみましょう。
データのバックアップ
パソコンを修理に出す場合、状況によっては内部のデータを消去しなければならないことがあります。とくに近年のパソコンのOS(Windows・macOSなど、パソコンの基本システム)の場合、パソコン本体に「ライセンス(使うための権利)」が紐づけられていることが少なくありません。すると、たとえば内部部品の交換が必要な場合、ハードディスクやSDDに問題がなくてもOS再インストールのためにデータの初期化が必要になります。
そのため修理に出す前には、必ずバックアップを取っておきましょう。とはいってもいざというときには起動が難しい場合も多いので、大切なデータだけでも定期的にUSBメモリなどへ保存しておく、データ用・システム用のハードディスク・SSDを分けておくなどの対策をおすすめします。近年では自動的にフォルダ内のデータを同期する「データクラウドサービス」も増えてきていることから、こうしたサービスの利用もひとつの手です。
修理費用の見積り
パソコンのトラブルの原因はさまざまであり、実際に内部を見てみないと故障の原因がつかめないことも少なくありません。状況によっては修理費用が高額になる場合も多いため、修理に着手する前には必ず見積りを取っておきましょう。修理費用を事前に確認しておくことで修理の際のトラブルや、「買い替え」との比較などにも役立ちます。
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まとめ
パソコンはさまざまな作業が1台でできるぶん、一度トラブルを起こすとよくわからない状況になってしまうことも多いです。まずは「どういったトラブル」かをしっかりと把握したうえで、自分で解決できると思われる場合は一度解決法を試してみてください。一方で「自分ではなんとかできない場合」でも買い替えを検討する前に、パソコン修理のプロに依頼することを検討してみましょう。
リモートワークやプログラム教育などで、パソコンを利用する機会は今後増えてくると考えられます。解決方法をしっかり把握して、トラブルが起こった際にも冷静に対応できるように備えておきたいところです。
※対応エリアや加盟店によって変わります