
普段あまり意識を向けることはありませんが、「屋根」は家屋をかたちづくるうえで非常に重要な役割をもつ部位です。それは単純に雨や風をしのぐためというだけではなく、生活のなかで起きうる問題を解決するために、屋根はさまざまな工夫をこらして設計されています。
本コラムでは、住宅の構成要素として基本となる屋根に着目して、形状からみた屋根の種類や、知っておくと役立つ基礎知識などをご紹介いたします。

目次
家屋における屋根の役割
屋根の役割と聞いて、まずどんなことを思い浮かべますか?雨や風、日差しを防ぐことは、もちろん屋根の非常に重要な仕事です。
しかし、屋根がもっている役割はそれだけではありません。屋根が家屋にもたらす効果には、以下のようなものがあります。
防雨、防塵、遮光
屋根の役割としてもっとも基本的なものといえば、雨や雪、空気中のほこりといった落下物から住人を守ることでしょう。同様に、強烈な日差しをさえぎることで影をつくり、快適に過ごせる環境を整えることにも役立っています。
防風
吹きつける風や暴風をさえぎることも屋根の役割です。これは単純に家のなかの人を守るだけでなく、傾斜のついた屋根を設置することで、家自体が強風にあおられることも防いでくれています。そのため、風を効率よく受け流せる形状の屋根を取り付けることは、家の耐久性を高めるうえでも重要です。
断熱、吸熱
屋根は、夏場の強い日差しをさえぎることで家のなかが暑くなることを防いでくれます。同様に、冬場は太陽の光を屋根が受け止めることで、光を熱に変換して室温を上げる効果をもっています。日差しから効率よく熱を得るために、屋根の傾斜は太陽の光をしっかり受け止められるよう工夫されています。
防音
屋根には、外で響く音をさえぎって、室内を静かで快適に保つ効果もあります。逆に、家のなかで発生する音を外に漏らさず、近所迷惑にならないようにするうえでも、屋根の存在は重要です。
屋根の役割は、家屋を快適に保つために必須となるものばかりです。また、これらの効果は屋根の種類によっても大きく影響されます。
形状からみる屋根の種類
一口に屋根といっても、その形状によってさまざまな種類に分けられています。ここでは、形状による屋根の種類の区別を、それぞれの特徴とあわせてご紹介します。日本の家屋につかわれている屋根の種類で、代表的なものは以下の3種類です。
◆切妻(きりつま)
日本の家屋に多くつかわれている、山型の屋根です。ふたつの斜面をもち、太陽がどちらから照らしても日の光をしっかり受け止めることができます。構造が単純なため、建築コストが安くおさえられやすいという点も特徴です。
◆寄棟(よせむね)
寄棟は、切妻に次いで日本ではよくみられる屋根です。斜面が4つあることが特徴で、雨を四方向に分散させて流すことができるため、屋根や雨どいにかかる負担を軽減することができます。太陽の光を東西南北から受け止めやすいというのも魅力です。
◆方流し
1枚の屋根板で構成された、斜面が1つだけの屋根です。屋根裏のスペースを減らすことで同じ規模の家でも内部の空間を広くとることができます。また屋根が広々としているため太陽光パネルなどを設置しやすいのが特徴となります。しかし、雨が降った際に住宅に負担がかかりやすくなるといったデメリットもあります。
知っておきたい屋根用語
屋根の種類を選ぶうえで、おさえておくと役立つ用語を下記にご紹介します。
大棟(おおむね)
屋根のなかでもっとも高い場所、切妻や寄棟であれば二つの傾斜が重なる地点のことを「棟」と呼びます。家の形状次第では複数の棟がつくられることがあり、なかでももっとも大きな棟が「大棟」です。
下がり棟
寄棟の屋根は4つの斜面で構成されているので、屋根の頂点である大棟と、斜面の横同士でつながる4つの棟がつくられます。この4つの棟は、大棟から伸び、屋根の先まで下がっていくことから、「下がり棟」と呼ばれています。
軒先(のきさき)
軒先は、家屋の外側へと張り出した屋根の先端部分のことです。「ひさし」とも呼ばれています。軒先には斜面を流れた雨を受け止める雨どいが設置されていることが多いです。
けらば
けらばとは、切妻と片流れの屋根にのみ存在する、ほかの斜面と接しない斜面の横端のことです。屋根のなかで風の影響をもっとも受けやすい部分とされています。
素材からみる屋根の種類
屋根にはさまざまな素材がつかわれています。素材でみた場合の代表的な屋根の種類について、いくつかご紹介します。
瓦屋根
古き良き日本住宅から、近代の家屋まで、幅広く根強い支持をうけている、屋根材の代表選手です。粘土を硬く焼き上げた瓦は、非常に耐久性が高く、50年以上つかえるといわれるほどの長寿命をもっています。
スレート屋根
スレートとは薄く成型した岩の板のことで、これを瓦のように張り合わせたものをスレート屋根と呼びます。瓦に似た美しい風合いをもちながら、安価で入手することができ、また薄く軽いため住宅にかかる負担を軽減することができます。
鋼板屋根
金属の板をつかって葺いた屋根です。倉庫などによくつかわれているトタン板のほか、トタンのサビ防止性能をさらに強化した合金製の、ガルバリウム鋼板と呼ばれる屋根材もあります。
迷ったらスレートがオススメ
上で挙げたほかにもさまざまな素材が屋根材として普及しています。バリエーションが豊かなのでどんな屋根にするか目移りしてしまいがちですが、迷ったときにオススメの屋根の種類が、スレート屋根です。
瓦に比べて非常にコストが安いため、なにかと費用がかさみがちな家の新築の際には心強い素材です。また非常に軽いため、建材にかかる荷重を減らすことで、結果的に家自体の寿命を延ばすことにもつながります。
軽い屋根材をつかうと家の重心を低くすることができるため、地震の際に家が倒壊するリスクを減らせるという点も、今後の災害に備えた屋根づくりには重要です。
注意すべき点としては、瓦に比べると耐久面で不安があり、寿命も10年から15年程度と比較的短いため、定期的なメンテナンスが必要になります。瓦では耐えられる強風も、スレートだとはがれて飛んでいってしまうこともあるため注意が必要です。
まとめ
屋根をどのようにつくり、どんな屋根を選ぶかは、家の性質を左右する非常に大切な要素です。
向こう何十年も住み続けることになる家のことを考えるなら、屋根選びは後悔しない選択をできるよう準備をしておきましょう。
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