
日本は地震大国であることから、地震の対策を行っている方も多いのではないでしょうか?例えば、築浅の賃貸住宅や耐震構造の新築物件が好まれるように、「毎日暮らす場所」の安全が重要視されていますよね。
しかし、それらの建物を支える「地盤」について考えたことはありますか?東日本大震災の時、浦安などの地域では土地が陥没してしまう液状化現象が起こりました。耐震性能が高い家に住んでいても、地盤が弱ければ意味が無いのかも知れません。
そこで、地盤調査と改良を専門に取り扱う「日本基礎地盤株式会社」代表取締役であり、「地質品質判定士」「地質調査技士」などの専門資格を持つ、杉山さんに「地盤調査」と「改良工事」の重要性についてお訊きしました。

一般の方にも地盤を調べることの大切さを知ってほしい
— いつから地盤調査というものが重要視されるようになったのでしょうか?
杉山:30年以上前は、ビルなど大きな建物では地盤調査が行われていましたが、「地盤調査なんてしなくても、住宅だから大丈夫だよ」と、住宅では地盤調査が行われていませんでした。バブル期では、もともと沼地だったような土地など、住宅に適していない土地を改良せずに造成して販売した事例がありました。景気が良かったこともあって、造成前が沼地だったことを知らずに購入する方もいたのです。
ところが、そこに住んでみると、地盤調査をしていなかったことで家が傾いてしまうといったことが起きました。そういった事故が起こる中、「やっぱり地盤調査は必要だ」という認識になった時代背景があります。
— 住宅を建設する時に行なう「地盤調査」というのは、具体的にどういった方法で行なうのでしょうか?
杉山:現在では、「スウェーデン式サウンディング試験」という方法が一般的に行われています。この方法は、調査を行なう土地に鉄の棒を刺し、おもりを段階的に乗せて沈み込ませ、沈まなくなったところから完全に止まるまで回転させながら貫入するという調査方法です。人間が入る範囲で行えるので、日本の狭い住宅地に適しているんです。
例えば、穴を深く掘る「ボーリング試験」のような大規模な調査だと、調査できる範囲が限られてしまいます。「スウェーデン式サウンディング試験」なら、狭い範囲でも細かく調査できるんですよ。
調査に掛かる費用も一回あたり3万円程度でボーリング調査の7分の1くらいなので、住宅を建設するときの地盤調査として「スウェーデン式サウンディング試験」が30年前から普及し始めたんです。
— 地盤調査の結果、地盤の状態があまり良くなかった場合は、対処方法はありますか?
杉山:良いか悪いかわからないまま家を建ててしまうのが一番危険ですが、もし、調査した結果、地盤が悪ければ改良工事を行うことが出来ます。悪い地盤とはいえ、土地によっては土の質も異なり、状態も千差万別で、硬い土の層と柔らかい土の層の深さがエリアで違います。
それに応じて、地盤の対策を変えていくんですね。一般的なのが「杭状地盤補強工事」という方法で、鋼管を硬い層まで圧入するものです。小さい鋼管を使用し、家の基礎に数十本圧入することで、地盤の強度を向上させます。その他に、一般的なのが「柱状改良工法」という方法でして、セメントミルクと土を混ぜあわせ、柱状にしながら地盤改良をするというものがあります。
地域ごとの地盤強度の目安を付ける方法は一般人でもできる
— 東日本大震災の時、地盤の液状化が起こりましたが、あのような地域全体として地盤が脆弱な場合は、対処できるのでしょうか?
杉山:液状化現象には、起こる場所と起こらない場所が当然あるんですよね。ただ、限られたところで起こるので、調査をすることで液状化が起こる可能性を調べることができます。現在は市区町村などで、液状化に関する情報をインターネット上で公開していたりします。なので、地盤調査を行う前の段階である程度の推測をすることができるんですよ。液状化が起こってしまったあとで、建物を直すとなると費用や時間が非常にかかるため、液状化が起こる前に調べておくことが大切です。
現代では、住宅自体の耐震性が強化されているので、地震で家が崩れてしまうことはほとんどありません。ところが、地盤が軟弱ですと、いくら建物が強くても傾いてしまいますよね。地盤をあらかじめ改良工事をして被害を最小限に抑えることができます。
— なるほど。では、これから引越しを考えている方に、専門知識が無くても「ここはヤバいかも…」と、地盤を推測する方法などはありますか?
杉山:まず、地震と地盤の関係は非常に大きなものです。なので、地盤の強度が柔らかいと揺れが大きくなるのは当然のことですよね。では、引越しを考えて土地を選ぶときに、どうやって判断すればいいのかと言いますと、現地に行ってみること。
行く過程で、その土地が周囲と比較して高台に位置しているか、坂を下ったところに土地があるのか、その途中にあるのかなど、土地のロケーションを確認します。他には、その土地は造成地なのか、付近一帯は田んぼなのか、雑木林なのかといった点を確認すると良いでしょう。
あとは、住所がその土地のロケーションを表しているといった例もあります。例えば、昔の人はその土地を表現したわけですよ。「谷」や「田」「沼」が付いている住所。例えば、「沼」は昔は沼地だったりすることがわかります。
逆に、「高野台」とか言うと、地盤が良さそうじゃないですか。このように、住所と現地のロケーションで判断するということは専門家でなくともできるんです。さらに、詳しく知りたい場合は市区町村の役所やインターネット上で、地域のボーリング調査のデータを確認できますので、そういったものも活用すると良いと思いますよ。
私たちも、地盤に関する無料相談というのを行っていますので、気軽に相談していただくことも出来るので引越しをされる際は、ぜひ専門家に相談してみてください。
また「生活110番」の「地盤調査」からはお近くの地盤調査のプロをお探し頂けますので、耐震診断にご活用ください。
日本基礎地盤 株式会社
住所:埼玉県さいたま市見沼区深作2-23-6 エムエム大宮ビル101
電話番号:048-682-7771
HP:http://www.kisojiban.jp/
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