
家を健やかに保つために必要不可欠なのが雨樋(あまどい)です。あまり目立つ部分ではありませんが、その役割はとても重要です。
しかし、構造上とてもゴミが溜まりやすく、またトラブルが起きても気づきにくい場所でもあります。そこで今回は、雨樋が詰まる原因と解決方法をご紹介します。雨樋からの水漏れが気になる方は、一度実践してみてもいいかもしれません。

目次
雨樋とは?雨樋が大切な理由
「雨樋(あまどい)」とは、屋根に降った雨を受け止めて地面に捨てる機能を持った排水設備のことです。傾斜の付いた屋根のある家なら、どこのご家庭にも屋根の端に筒を割ったような形状の雨樋が付いているのをみることができるでしょう。
雨水が屋根からこぼれ落ちるのを防いでくれる雨樋ですが、どの家にも雨樋が付いているのは単に水はねがうっとおしいからだけではありません。雨樋には、家の寿命をのばす効果があるのです。
雨樋の仕事は雨水のコントロール
雨樋は大きくわけて3つの部品で構成されています。
まずは屋根から流れ落ちる雨水を軒先で受け止める、「軒樋(のきどい)」。屋根の外周に沿って設置された軒樋が合流する地点で、各軒樋からの水を集める「集水器(しゅうすいき)」。集水器が集めた水を地上まで運んで排水口に捨てる「竪樋(たてどい)」の3つです。
この3つの部品によって、屋根に降った雨水はあふれることなくすみやかに地上へと排出されます。雨樋は雨水の流れをコントロールすることで、軒下や家の壁が必要以上に水浸しにならないようにする効果があるわけです。
雨樋が壊れていると…
雨樋の役目は雨水の流れの制御です。では、雨樋に詰まりが生じていたり、ゆがみや破損によって雨水がきちんと流れなくなると、具体的にどのような問題が起こるのでしょうか。
雨樋から水があふれると、雨水はむき出しのまま地面へと落下してしまいます。そうなると起こりうる問題としてまず挙げられるのは、雨水が叩きつけられた地面からの泥はねです。軒下が砂利敷きならともかく、とくに土や砂の地面だった場合、あっという間に壁が泥だらけになってしまいます。
また、家の壁は本来屋根のひさしによって雨から守られていますが、地面からはね返る雨水まで防ぐことはできません。加えて、雨樋からこぼれた水が直接壁を濡らすことになります。
本来濡れなくてもよい壁まで水浸しになってしまい、その水分は壁の塗装や壁材を痛める原因となります。木材の壁だった場合、湿気がこもって壁が腐ってしまうかもしれません。湿気が原因で壁にカビやシロアリが発生する可能性もあります。
さらに、本来排水口に流れていくはずだった水が適切な場所に排出されないと、地面の水はけ次第では軒下が洪水状態になってしまい、最悪の場合基礎(土台)や床下に水が流れ込むおそれもあるのです。
屋根に降る雨水のコントロールがいかに重要か、おわかりいただけたのではないでしょうか。
雨樋はなぜ壊れる?
前項でご説明したとおり、雨水コントロールの中心をになう雨樋は、雨漏り防止に非常に重要な部品です。壊れてしまっているときはなるべく早く、次の雨が降る前に修理しましょう。本項では、雨樋がなぜ壊れてしまうのか、その原因を解説します。
落ち葉や小枝が詰まる
雨樋の詰まりは、雨樋が壊れる理由としてもっとも多いとされています。雨樋が詰まって排水がうまくいかなくなると、雨水の重みで雨樋がゆがみ、壊れてしまうわけですね。
雨樋詰まりの原因の中でもよく起こるのが、落ち葉や小枝が詰まってしまっているケースです。家のそばに屋根より背の高い木があったり、そばに山がある家の場合、木から落ちてきた葉や枝が屋根を転がって雨樋の中に収まってしまうことが多いとされています。
土や砂埃が詰まる
土や砂が乾燥して空気中に舞い上がって屋根の上に降り積もり、雨水で洗い流されて雨樋に入り込んでしまうケースです。また、その土埃や花粉などを栄養源としてコケがびっしりと生えて、雨樋を詰まらせてしまうこともあります。
強風や積雪によるダメージ
雨樋はほとんどの場合塩ビ管やプラスチックでできているため、強風や積雪によって簡単にゆがんでしまいます。風の強い地域では頑丈な金属製の雨樋を設置している家も多いですが、雨樋は野ざらしになっている都合上どうしてもダメージを受けやすい部分です。
虫や小動物が住み着く
雨樋の中でも地上に通じている竪樋は、地上から虫や小動物が入り込んでしまうケースが珍しくありません。巣をつくられれば当然雨樋は詰まりますし、中で小動物が死んでしまい、死骸が雨樋を詰まらせていることもあります。
カラスやハトが異物を押し込むことも…
近くに木なんてないのに落ち葉や小枝が雨樋に詰まっている……その原因は、カラスやハトかもしれません。住宅に巣をつくるタイプの鳥が雨樋に巣の材料を詰め込んでしまうといったトラブルは、全国的にも少なくないといわれています。
雨樋の詰まりは掃除で解決!雨樋掃除の方法
雨樋の詰まりの原因がわかったら、さっそく雨水がちゃんと流れるようメンテナンスしていきましょう。具体的には、異物や汚れを取り除く雨樋掃除です。前項で挙げた3つのパーツごとに、それぞれの掃除方法をご紹介いたします。
軒樋の掃除
軒樋は屋根の外周を囲うように走っているため、掃除すべき範囲が広いです。どこか一部が詰まるだけでも雨樋は役目を果たせなくなってしまうので、根気よくすみずみまで掃除をおこないましょう。
まずは家の屋根にはしごをかけて、軒樋のある場所までたどりつきます。このとき注意すべきポイントは、軒樋を支える支持金具にはしごをかけないようにするという点です。はしごにのぼって体重をかけたときに、支持金具に負荷が集中してしまうと、最悪の場合軒樋ごと外れて落下してしまいます。
軒樋は半分に割った筒のような形をしています。そのため、異物を取り除くのは難しくありません。軍手をつけた手なり、トングをつかうなりして、軒樋に溜まった落ち葉やゴミを撤去しましょう。
すべての軒樋を掃除し終えたら、動作確認のためにホースで水を流しておくと、ちゃんと掃除ができたかがわかります。
集水器の掃除
集水器の掃除も基本的には軒樋と同様の手順でおこないます。手やトングの届く範囲のゴミはすべて取り除きましょう。集水器にゴミが引っ掛かりそうな突起がある場合、やすりなどをつかって削りとってしまうのも一つの手です。
竪樋の掃除
雨樋掃除の中でとりわけ大変な難関箇所が、竪樋です。竪樋は集水器と地面の排水口をつなぐパイプなので、軒樋のように詰まりの原因が露出しておらず、トングの届かない位置にあるゴミは簡単に撤去することができません。
そこでオススメなのが、竪樋よりも長い針金を用意して、片方の先端に丸めたタオルなどを取り付けたお手製の掃除道具です。針金は細いものではなく、縦に持ったら直立するような頑丈なものを選びましょう。
掃除道具が用意できたら、集水器と竪樋の接手を外し、丸めたタオルを付けていない方の先端を竪樋へと胃カメラのように差し込みます。針金の全長がきっちり収まるまでしっかり挿入していきましょう。
竪樋の途中に異物がある場合、針金が押し返される手ごたえがあるかもしれません。あきらめずになんども針金を上下左右に動かしていけば、どこかの隙間から針金を通せます。
竪樋を針金が貫通したら、地上に戻って竪樋から飛び出ている針金を掴み、一気に引き抜いてしまいましょう。針金が竪樋を通り抜ける過程で、もう片方の先端に取り付けたタオルが異物をかきとってくれます。
同様の手順を何度か繰り返せば、竪樋の掃除は完了です。集水器と竪樋をあらためて接続し、動作確認に水を流しておきましょう。
雨樋の詰まりを予防するには?
雨樋の詰まりは掃除をおこなうことでほとんどの場合解決できます。しかし、大掛かりな掃除はできれば避けたいもの。そこで、そもそも雨樋が詰まらないようにする予防法をご紹介します。
落ち葉よけネットの活用
雨樋の詰まりを予防するグッズとしてもっとも普及しているのが、落ち葉よけのネットです。使い方はとても簡単で、ネットを軒樋の幅と同じ太さになるように丸めて軒樋の上に置いておくだけ。これで落ち葉やゴミはネットに阻まれて、雨水だけが軒樋に流れ込みます。
非常にお手軽な詰まり対策グッズですが、ネットの網目より大きなゴミしかよけられないのが難点といえば難点かもしれません。ネットより細かい小さなゴミや土埃などは雨水と一緒にネットを通ってしまいます。
落ち葉よけシートの活用
より万全な雨樋の詰まり対策をおこなうのであれば、ネットではなく落ち葉よけシートをつかうという方法があります。これも使い方はネットと同じく丸めて軒樋の上に置いておくだけです。
落ち葉よけシートには無数の突起が付いていて、落ち葉や細かいゴミは突起に絡めとられます。雨水だけは、突起の隙間をぬうように軒樋へと流れ込むことができるという仕組みです。ネットよりも細かいゴミを弾けるというのが利点ですね。
いずれの場合も、詰まり対策の基本は「軒樋」にあるという点を念頭に置いておきましょう。半筒形でゴミや異物が乗りやすいため、雨樋の詰まりのほとんどは軒樋が原因なのです。
雨樋の掃除は業者に任せるのがいい?必要なお掃除の頻度
雨樋の詰まりを予防する対策は、いずれも万全ではありません。どうしても詰まりが生じてしまう可能性はありますし、カラスやハトなどがネットの隙間にゴミをねじ込んでくることもあります。
また、落ち葉除けのネットやシートは軒樋にゴミが詰まるのは防げますが、ゴミがシートに溜まっていることには変わりないため、やはりゴミを取り除く定期的な掃除は必要になります。雨樋の掃除はどのくらいのペースでおこなうのがよいのでしょうか。
掃除の時期は春と秋の年2回
雨樋の掃除をおこなうのは、春の終わりと秋の終わりの年2回がオススメです。まず春は、サクラをはじめとした花びらが大量に散る季節であり、雨樋にも詰まりが生じやすくなります。
同様に、秋は落ち葉が大量に飛んでくるほか、台風が来やすい季節でもあるため、ゴミが飛んできたり強風にあおられて雨樋自体がゆがんでしまっている可能性があります。点検をかねて、秋にもメンテナンスをしておきましょう。
危険な作業は無理せず業者へ依頼を
雨樋の掃除を定期的におこなえば、未然に詰まりを防ぐことが可能です。しかし、次のような症状が見られた場合、掃除ではなく雨樋を交換する必要があるかもしれません。
傾斜に異常がある
雨樋は雨水がしっかりと流れるように傾斜がつくられています。
角度が衝撃などで変わってしまい適切に雨水が流れないと、雨樋に雨水が溜まりあふれてしまうおそれがあるでしょう。
支持金具が外れている
雨樋は支持金具によって支えられています。
支持金具が外れているのを放置しておくと、雨水の重みで雨樋が破損したり落下の危険があるので注意が必要です。
継ぎ手に隙間がある
隙間があるとそこから雨水が漏れてしまうおそれがあります。
しかし、雨樋の掃除や交換をおこなうとき、屋根の端に取り付けられているという都合上、高所での作業となるでしょう。屋根の上で足を滑らせたり、はしごを倒してしまったりなど、落下のリスクは十分にあるため、個人でおこなうのには危険がともないます。雨樋の掃除や交換は、無理せずプロの業者に任せるのが安全かつ確実です。
まとめ
雨樋に詰まりが生じてしまうと、雨水の重みで雨樋が破損してしまったり、屋根からこぼれ落ちた雨水が壁を水浸しにしてしまうなど、さまざまなトラブルの原因となります。
雨樋が詰まる理由のほとんどは落ち葉やゴミなどが溜まっていることなので、トラブルの解決には掃除が必要です。軒樋、集水器、竪樋それぞれに適した方法で雨樋を掃除しましょう。
ただし、高所での作業は危険がつきものなので、雨樋掃除の専門業者に依頼することもひとつの手段です。雨樋のゆがみのチェックや修理もかねて、プロに任せてみてはいかがでしょうか。
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