不快な環境は気密性を高めて解消!気密性を高めるメリットと施工方法

2021.4.30

不快な環境は気密性を高めて解消!気密性を高めるメリットと施工方法

普段の生活の中で「この部屋なんだかムシムシするなぁ」「この部屋なかなかエアコンが効かないなぁ」と感じたことはありませんか?この不快感を解消する方法として、住宅の気密性を高めるというものがあります。

窓やドアなどのつなぎ目の隙間をできるだけ塞ぎ、気密性を高めることで隙間風を抑えることができるので、快適な住宅環境を作ることができます。

また、室温をコントロールしやすくなる、隙間から入り込んだ空気による壁の中や床下のカビを防ぐなど、住宅のさまざまな問題点を改善することもできるのです。

このコラムでは住宅の気密性を高めるメリットと施工方法について詳しくご紹介していきます。

気密性が重要な理由とは

家の隙間を減らし住宅の気密性を高めることで、住宅の中の空気を逃がしにくく、また住宅の外の空気が中に入り込むことを防ぐことができるようになります。そうすると以下のように住宅の問題点を改善させることができます。

・室内の気温と湿度を安定させることができる
気密性の高い住宅の場合、夏場などの暑い時期には外の熱い空気が入り込みにくいため、少ないエネルギーで住宅内の気温を下げることができます。また、冷やされた空気も外に逃がしにくいため、気温を安定させることができます。

気温と同じように湿度も調整しやすく、冬場など乾燥する時期には乾燥した空気を遮断することで、住宅内は少ないエネルギーで快適な湿度を保ちやすくなります。

・壁の中や床下にカビが発生することを防ぐ
冬場などの寒い時期になると、室内はあたたかく湿度が高くなる傾向があります。気密性が低いと壁の中や床下に入り込んだ冷たい空気が結露してしまい、カビが発生しやすくなります。カビは建物の腐敗を進行させ、建物の寿命を縮めかねません。気密性を高めることは、建物を守ることにつながります。

・効率よく換気を行い、臭いの発生を防ぐ
建物は窓や壁の位置などで空気の通り道が考えられている設計になっています。しかし考えられている道以外から空気の侵入がある場合、空気の流れが変わってしまい効率のよい換気ができなくなってしまいます。気密性を高め「空気を通さない」ことが「効率よく空気を通す」ことになるのです。

      気密性が重要な理由とは

高気密住宅にも弱点はある

気密性を高めた住宅を高気密住宅と呼びます。快適な暮らしを支えるために考えられた高気密住宅ですが、デメリットも存在します。

高気密住宅は壁や床、天井などの接着面の隙間を少なくしているので、外からの空気が入り込みにくいという反面、内部の空気も外に流れ出にくいということがいえます。

何気なく過ごしている室内ですが、実は建物に使用されている材料や家具などからさまざまな物質が発生しています。その有害物質が外に出ることなく私たちが吸い込みつづけてしまい、健康を害することがあるのです。これをシックハウス症候群といいます。

シックハウス症候群を防ぐには、換気扇をまわす、窓を開けて換気をするなどしてきれいな空気を保つことが大切です。また建物や家具には自然素材を用いて、接着剤などにも有害物質を発生しにくいものを使用する必要があります。

加えて高気密住宅には内部結露が起こる可能性もあります。高気密は換気が行わなければ、住宅と外の空気が循環しません。よって、住宅の内側に発生した湿気がこもりやすくなってしまいます。カビの発生を抑えるには、換気を積極的に行うとよいでしょう。

      高気密住宅にも弱点はある

気密性を表すC値について

住宅がどれくらいの気密性を持っているかを表す値としてC値があります。C値とは住宅にどの程度の隙間が存在しているかを表します。隙間の量が少ないほど気密性が高いということになるので、数値が低いほど気密性が高いといえます。家全体の隙間面積(cm)を生活空間の面積(㎡)で割ったもので、cm/㎡の単位で表します。

現在はC値の値に基準値は明記されていませんが、平成14年までは最低基準が決められていました。当時は北海道などの寒冷地では2 cm/㎡、本州から沖縄までは5 cm/㎡でした。「2.0以下が高気密住宅としてふさわしい」とされていましたが、このC値は施工前に確認ができないことや検査に手間とコストがかかることから、明記されなくなりました。

気密性と断熱性は違う?

住宅の環境を快適なものにするためには、住宅の気密性を高めることとあわせて、断熱性を高めることも大切です。気密性と断熱性にはそれぞれ以下の意味があります。
 

気密性…住宅の中に隙間風が入り込まないようにすること

断熱性…外の熱を中に持ち込ませないようにするまたは中の熱を外に逃がさないようにすること

 
断熱材を使用して家の断熱性を高めると、住宅の外の気温の影響を受けにくくなります。そのうえで隙間を減らし住宅の気密性を高めることで、住宅の中の空気を逃がしにくくなります。

住宅の気密性と断熱性を高めることでそれぞれの特性をより発揮でき、効率よくお部屋の空気を調整できるようになるのです。

      気密性と断熱性は違う?

気密性と断熱性を高める工事

住宅の気密性と断熱性を高める工事には大きく分けて二つの方法があります。

充填断熱工法

住宅の内側の壁と外側の壁の間に断熱材を入れ、隙間を減らす施工方法です。壁の間に施工をするため、敷地面積に影響がなく、次でご紹介する外張断熱工法よりもコストが抑えられるというメリットがあります。一方で隙間を完全に塞ぐことは難しく、わずかに残った隙間で内部結露が発生する可能性があるというデメリットを持っています。

外張断熱工法

住宅全体の外側を断熱材で覆う施工方法です。充填断熱工法よりも隙間ができにくく、より高い気密性と断熱性を確保できます。また充填断熱工法とは違い、外壁のさらに外を覆うので、壁の内部の配管や配線を気にする必要がありません。

しかし壁全体が厚くなるため敷地面積が狭くなってしまうことや、断熱材と外壁がしっかりと固定されていないと地震の揺れや経年劣化などの影響で壁がずれてくる可能性があるというデメリットを持っています。

費用相場は充填断熱工法の場合で一棟あたり50~100万円、外張断熱工法の場合は一棟あたり70~90万円程度ですが、使用する素材や施工場所によっても大きく差が出ますので、業者と相談してみるとよいでしょう。

まとめ

住宅の気密性を高めることで、室内の気温や温度を調整しやすくなり、また換気が効率よくできることで臭いの発生を防ぐなど、私たちの生活はより快適なものになります。省エネルギーで快適な環境が作れるため節約にもつながります。

高気密住宅では、高気密が理由で有害物質が室内にとどまってしまうデメリットもありますが、換気扇をまわすなど換気をきちんと行うことで解消できます。

毎日の生活を送る住宅の室内は、できる限り快適な環境を保ちたいものですよね。住宅での夏の蒸し暑さや冬の寒さなどにお悩みの方は、気密性を高めるための工事を検討してみてはいかがでしょうか。

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