自然素材の壁は珪藻土と漆喰、どちらがいい?両者を徹底比較!

2021.4.30

自然素材の壁は珪藻土と漆喰、どちらがいい?両者を徹底比較!

珪藻土の塗り壁の効果が注目されてだいぶ経ちましたが、同じく自然素材の壁といわれる漆喰の壁と何が違うのかわかりにくい、といった人も多いと思います。「そもそも珪藻土って何?」「珪藻土の壁にすることで何のメリットが?」という思う人も少なくないでしょう。
今回は珪藻土の塗り壁についてその性質に触れながら、漆喰との比較を通じメリット・デメリットを考えていきます。

「珪藻土」とは何なのか?

珪藻土とは、植物プランクトンの一種である「珪藻」の死骸が海や湖の底に溜まり、化石となったものです。

珪藻は水中の「二酸化ケイ素」、石英やガラスの主成分となる物質を取り込み、細胞壁を作ります。そして死骸となった際、細胞壁以外の部分は長い年月をかけて分解されます。ただし細胞壁は丈夫なため、そのまま残って珪藻土の主成分となるのです。

この細胞壁には丈夫で、かつ小さな穴がたくさん空いています。そのため水分や臭いを吸収、放出する性能に優れているのです。また二酸化ケイ素が安定した物質で他の物質と反応しにくいということもあり、ろ過剤やフィルターとしての利用をはじめ、初期のダイナマイトなどにも利用された歴史があります。
      「珪藻土」とは何なのか?

珪藻土のメリットとデメリット

メリット

珪藻土の大きなメリットとして挙げられるのは調湿性や脱臭性、断熱性が高いことでしょう。粒子の表面に細かな穴が空いているため表面積が大きく、水分や臭いを吸着しやすくなっています。
また、湿度が40%以下になると逆に水分を吐き出すため、人間にとって快適な湿度に調整してくれるとされています。
珪藻の殻の無数の隙間が空気を多く含むため、断熱性も高くなっています。

デメリット

デメリットとしては、安定した物質であるがため、単体では固まりにくいといった点でしょう。珪藻土は七輪を作る際にも使われていますが、七輪は珪藻土から切り出す、もしくは水を含ませて練った後、焼くことで固めます。
しかし珪藻土を壁に塗る際は焼いて固めるということはできないので、固化材を混ぜて塗る必要があるのです。固化材を混ぜなければ、乾燥と共にボロボロと崩れ落ちてしまいます。
      珪藻土のメリットとデメリット

珪藻土と漆喰を比較!

同じ塗り壁で、かつ自然素材である漆喰とは似ているようで、様々な点で性質が異なります。ここでは両者の違いを比較していきます。

それ自体で固まるか

漆喰は漆喰自体で固まるのに対し、珪藻土は固化材を入れて固めることが挙げられます。これは漆喰の成分として消石灰が含まれているからで、これが空気中の二酸化炭素と反応することで固まります。しかし珪藻土自体は安定した物質なので、固化材を混ぜる必要があります。この固化材として、珪藻土に漆喰を混ぜることもあります。

吸湿性

漆喰壁の調湿性は、実は下地の土壁のものです。そのため漆喰自体に調湿性はなく、石膏ボードを下地にすることも多い現代では漆喰の調湿性はないといってよいかもしれません。一方珪藻土の塗り壁は、珪藻土自体に調湿性能があります。

仕上がりの違い

基本的に漆喰はつるつるした感じに、珪藻土はざらざらした感じに仕上がります。これは粒子の細かさの違いによるもので、そのため粒子の細かい漆喰をざらざらした感じに仕上げることもできるといわれています。

本漆喰は乳白色が基本です。もちろん色漆喰もあります。しかし漆喰が固まる過程で水酸化カルシウムが生まれるため、表面上に白い粒が浮き出てくる「白華現象」が冬場を中心に出てきやすいといわれています。また塗れる職人の減少もあり、文化財級の建物にしか使われないことが多いです。一般に使うことのできるカラー漆喰は本漆喰ではなく「漆喰風の塗り壁素材」と考えた方がよいでしょう。
珪藻土は純白こそ難しいといわれますが、固化材と一緒に混ぜやすいため色の種類が豊富です。

値段、施工性

施工性は珪藻土の方が上回っているといわれます。特に漆喰をきれいに仕上げるためには高度な技術が必要といわれ、そうした職人を雇うには費用が高額になるでしょう。そのため現在は漆喰を塗るのに「パターン」をつけるといったようなことも多くなっています。一方、珪藻土の塗り壁は比較的塗りやすいことから、自分で壁を補修するDIYにも適した部分があるといえるでしょう。
値段については現在、珪藻土と漆喰は同じ価格帯になっているようです。
      珪藻土と漆喰を比較!

固化材選びもポイント

珪藻土を壁に塗るためには固化材を混ぜる必要があります。何が固化材に使われているかを見てみることも必要になってくるでしょう。

調湿や脱臭といった機能性を重視するなら自然素材の固化材といわれています。これは合成樹脂の固化材では珪藻土の特徴である細かい穴を埋めてしまう懸念があるためです。そのため石灰やセメント、粘土、もしくは漆喰を混ぜて固化材とすることで、穴を防ぐことなく壁として固めることができるとされています。

一方、古い砂壁を現代風に変えたい、色のバリエーションにこだわりたい、安く仕上げたいということを考えるのであれば合成樹脂の固化材を選ぶことを考えてもよいかもしれません。また合成樹脂で固める分、上部に仕上がるといわれています。

また、塗り壁用の珪藻土には必ず固化材が含まれていますが、どれだけふくまれているかは製品によってさまざまです。企業秘密の部分があるため公開しているところも多くありませんが、珪藻土の塗り壁としての性能に関わってくる部分のため気にしてみてもいいかもしれません。

まとめ

今回はおもに漆喰の壁と比較してきましたが、どのような仕上げにもメリット・デメリットはあります。ただ機能性のある塗り壁を目指す、というのであれば珪藻土の塗り壁を検討してもよいかもしれません。

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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「珪藻土工事」をご覧ください。

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