どう剪定すればいい?大きくなった庭木ごとに異なる適切な時期とコツ

2022.1.27

どう剪定すればいい?大きくなった庭木ごとに異なる適切な時期とコツ

庭木は私たちの目を楽しませ、癒してくれます。手入れを行わなくても植物は育ちますが、見た目をより楽しみたいとなれば人の手を入れることでその庭木の魅力を際立たせることができます。

そんな庭木の形を整えるためや、美しい花を咲かせるためのお手入れの1つは「剪定」です。剪定をうまく行えば、庭木の生長を早めるなどメリットがたくさんあります。

剪定とは、枝の一部を切ることですが、適当にやっては効果がないだけでなく庭木を枯らしてしまうかもしれないものです。剪定を成功させるには、それぞれの植物に合わせた知識を身に着けていることが大切です。そこで今回は庭木ごとのお手入れ方法や剪定の仕方をご紹介します。

庭木ごとにことなる剪定・お手入れ方法

庭木として何気なく植えてある木を調べてみると、原産地もまちまち、特徴も大きく違うことがわかります。枝を伸ばす時期、花をつける時期、葉を落とす時期などは植物によってみんな違います。庭木ごとにどのような剪定を行うことが適切なのか、以下代表的な10種類の庭木をごとに見ていきましょう。

モミジの剪定・お手入れ方法

美しい紅葉のための剪定をしよう

モミジの紅葉を美しくするための剪定は、7月上旬に行います。7月は枝に茂る葉がうっそうとしてくる時期でもあります。美しい紅葉を育てるためには、日光を幹の内部にしっかりと当てて、風通しをよくすることが大切なのです。

真夏の剪定はモミジを弱らせてしまうかもしれないので、少し前の7月上旬の剪定がベストだといえます。7月の初めのモミジは、新たに枝を伸ばし、葉もたくさん茂らせています。生長している証しでもありますが、徒長(※編集註:枝葉が無駄に生長すること)した枝や細かな枝が密生すると生長を遅らせてしまいます。

剪定のポイント

この時期の剪定は軽めに行うことがポイントです。7月の上旬に弱い剪定を行うことで、モミジの紅葉を美しくできます。
この時期に強い剪定を行ってしまうと、勢いのよい枝が発生してしまいます。そうした枝は樹形を乱してしまいますし、徒長した枝は紅葉の時期までに成熟しません。また紅葉のための十分な色素を作ることができなくなってしまうこともあります。

モミジといえば紅葉を楽しむ樹木です。適切な時期での剪定を行っておくことで、ますます紅葉の時期が待ち遠しくなりますね。

ヤマボウシの剪定・お手入れ方法

花を楽しむために剪定しよう

ヤマボウシは剪定を行わずにいると、葉ばかりが目立つようになり花付きが悪くなってしまいます。しかし、むやみに剪定を行ってしまうと失敗してヤマボウシを弱らせてしまうことにつながりかねません。

失敗しない剪定を行うポイントは適切な時期を選ぶことになります。ヤマボウシは11月下旬~12月いっぱいが剪定にぴったりの時期です。ヤマボウシの花芽が膨らんでくる、11月下旬から剪定を行っていきましょう。花芽を見ながら、剪定を行っていけば失敗することなくヤマボウシの生長を見守れますよ。

花芽の枝を見極めよう

花芽を残して、葉芽の枝を切り取ります。ヤマボウシは、節間の長い枝には花をつけてくれません。枝先から花芽のあるところまでをたどりましょう。花芽の先から長く伸びた枝は、付け根から切り落とすようにします。そのため、切り取る枝の長さはまちまちです。残す枝の長さをそろえるのではなく、あくまで花芽を基準として剪定をすることがポイントです。
大きな枝振りでも、花芽がなければ切り落としてしまって構いません。花芽がついている枝だけを残すように剪定しましょう。

シマトネリコの剪定・お手入れ方法

シマトネリコの美観を保つ剪定をしよう

シマトネリコは、1年を通じて緑の葉を付けてくれる常緑樹です。見た目も美しいので観葉植物としても人気です。とても丈夫で生長も早いため、育つままにしてしまうと景観を楽しむことができなくなってしまいます。景観だけの問題ではなく、原産地では20メートルに育つ木です。手入れのしやすい大きさで管理をすることが大切だといえます。

シマトネリコの花も楽しめる剪定時期

生長が早いので、好みの樹形を維持したいのであれば年に2回剪定できることがベストです。シマトネリコは丈夫なので、ちょっとやそっとの剪定で枯れてしまうということは少ないといえます。
3~4月上旬と9~10月上旬の時期がおすすめです。この時期に剪定を行うと、シマトネリコの花も楽しむことができます。生長の見込みのない古い枝を切って、量を減らしながら形も整えていきましょう。

ソヨゴの剪定・お手入れ方法

ソヨゴは剪定しすぎないことがポイント

ソヨゴの樹形は自然に整います。そのため定期的な剪定は必要がありません。枝が込み合って、不要な枝が目立つようであれば剪定を行う程度でいいでしょう。風通しも良くなるように、透かす程度で十分です。ソヨゴは生育が遅いため、剪定であまりにもすかすかにしてしまうと、なかなか元に戻ってくれません。

剪定時に注意することは

剪定を行うのに適した時期は、12月~2月ごろです。一年中、美しい葉を茂らせますが、剪定は冬に行うことがベストであるといえます。
ソヨゴのやわらかな樹形を楽しむためには、全体のバランスを考慮した剪定が大切となります。細かい枝を残して、やわらかな感じで仕上げられることが理想です。

シャラの剪定・お手入れ方法

シャラの剪定は少なくてOK

シャラも自然に樹形が整うので、かまいすぎには要注意です。自然のままに生育させることが望ましいといえます。特にシャラが若いうちは枝をいじる必要はありません。木が大きくなってきて、枝や葉が込み合ってきたら剪定を行うようにしましょう。その場合も、重なり合っている部分や、徒長して伸びすぎている枝を間引く程度で十分です。

また枝は中間で切ると芽吹きがよくないので、枯れてしまう可能性があります。枝を切るときは、枝分かれをしている付け根を探して、その位置で切り落とすことがポイントです。

剪定後は癒合剤を

癒合剤は、植物の傷薬のようなものです。樹木の枝や幹の切り口に塗りつけることで、雑菌の侵入や水分の蒸発を防いでくれる薬剤です。シャラは、枝の切り口から雑菌が入りやすい木です。そのため太い枝を切った場合には、癒合剤を塗って保護をする必要があります。

オリーブの剪定・お手入れ方法

オリーブは大きく育ちます

オリーブはとても大きく生長する木です。1年で数十センチ枝を伸ばすこともあるといいます。定期的な剪定を行って、自分が育てやすいサイズを維持しましょう。

2~3月に剪定を

2~3月初旬がオリーブの剪定に適しています。この時期にきちんとした剪定を行っておくことが大切です。時期を外して剪定を行ってしまうと、オリーブの生長の早さで結局は無駄になってしまいます。
剪定に適した時期に、理想の樹形からはみ出すように生長してしまった枝だけをカットすれば基本的には大丈夫です。

エゴノキの剪定・お手入れ方法

エゴノキの特徴

エゴノキは日本を原産国とする木です。たくさんの白い花が美しい木です。薄いピンクの花が咲くものもあり、人気のある品種だといえます。庭に植えられることが多く、素朴な印象のあるエゴノキですが、10メートル近く生長することもあるという点は気に留めておいた方がいいでしょう。枝は、上に伸びるというよりは横に伸びていく傾向がありますので剪定が必要です。

剪定はエゴノキの休眠時期に合わせて

11月~3月がエゴノキの剪定に最も適した時期です。この時期は、エゴノキの休眠時期だからです。葉がすべて落ちているときに剪定を行ってください。エゴノキの剪定では、発芽の時期を外すことがポイントとなります。葉が生えている時期に剪定を行ってしまうと、次の年はエゴノキの花を楽しむことが難しくなってしまいます。

ハナミズキの剪定・お手入れ方法

花を楽しむために剪定しよう

ハナミズキは先に紹介したヤマボウシと同じ要領で剪定できます。ハナミズキもまた、剪定を行わずにいると、葉ばかりが目立つようになり花付きが悪くなってしまうのです。
失敗しない剪定を行うポイントは適切な時期を選ぶことです。ハナミズキは11月下旬~12月いっぱいが剪定にぴったりの時期です。花芽が膨らんでくる、11月下旬から剪定を行っていきましょう。

花芽の枝を見極めよう

花芽を残して、葉芽の枝を切り取ります。ハナミズキもまた節間の長い枝には花をつけてくれません。枝先から花芽のあるところまでをたどりましょう。花芽の先から長く伸びた枝は、付け根から切り落とすようにします。そのため、切り取る枝の長さはまちまちです。残す枝の長さをそろえるのではなく、あくまで花芽を基準として剪定をすることがポイントです。
大きな枝振りでも、花芽がなければ切り落としてしまって構いません。花芽がついている枝だけを残すように剪定しましょう。

ハイノキの剪定・お手入れ方法

ハイノキを育てるポイントは

ハイノキは春に咲く白い花がかわいらしい常緑樹です。さわやかな見た目が特徴であるといえます。生長がゆっくりとしているので手間もかからず人気です。大きくなるのには時間がかかります。西日に当たると弱ってしまうので、木が幼いうちは日陰を作って育てることがポイントです。直射日光を避けるため、すだれなどを利用するのがおすすめです。

剪定を行う必要はある?

剪定に適切な時期はこれといってありません。1年を通していつ行っても問題はありません。しかし、生長が遅いので、剪定の必要はほとんどないでしょう。もし剪定を行うとしても枯れた枝や、込み合った枝を取り除くことで風通しを良くする程度です。強く刈り込んでしまうと、樹形を戻すのに時間がかかってしまうので慎重な剪定を心がけてください。

シラカシの剪定・お手入れ方法

樹形を保つ剪定をしよう

シラカシは生長力に優れた木です。常緑樹ですが、どこを切ってもよく発芽してくれるので剪定は行いやすいでしょう。シラカシはよく育つので、年に2回の剪定で生長を抑えるような剪定が望ましいといえます。剪定の際は、間引き剪定だけでなく、上に伸ばさないように切り戻し剪定も行いましょう。
また、シラカシの生長力はとても強いため、徒長した枝はすべて切り落とします。弱い小枝だけを残すようにすることが樹形を保つポイントです。

剪定の時期

常緑樹の基本に従って、シラカシもまた12月~2月の剪定は避けましょう。
地域によってシラカシの剪定時期は、多少前後するようです。適切な時期の目安は、5~6月と10~11月の2回です。
1回目の剪定は、しっかりと行う必要があります。シラカシの骨作りをするような剪定です。大きくて太い枝を切り戻し、小枝を払いましょう。2回目の剪定は、伸びすぎ・混みすぎの枝を間引く作業が中心にするのがいいでしょう。

まとめ

庭木は常緑樹なのか落葉樹なのかでも剪定の時期は異なり、花を美しく咲かせるための剪定など、奥が深いですね。剪定の知識をすべて身に着けるのは大変ですが、庭木ごとに特徴を理解し剪定の成功となるポイントをおさえていけば、個人でもできるでしょう。

しかし植物も生き物です。マニュアル通りに管理することはできません。植物と関わりながら「勘」を育てることも大切なのではないでしょうか。大切な庭木を枯らしてしまうことがないよう、無理のない剪定を行って末永く庭木の生長を楽しんでいきましょう。

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