手に付いたウイルスは洗い流す!ノロウイルス対策も手洗いが大切です

2021.12.23

手に付いたウイルスは洗い流す!ノロウイルス対策も手洗いが大切です

ノロウイルスは年間を通して感染するおそれがあるものの、冬に流行りやすいといわれています。とくに冬の食中毒や感染性胃腸炎(いわゆる胃腸かぜ)はノロウイルスによるものが多いといわれています。

しかしノロウイルスは「これを避ければ大丈夫」という方法がありません。食品だけでなく手についたウイルスが口に入っただけで感染のリスクがあり、また感染者の10パーセントは発症しないといわれているため、知らずに広めているおそれもあります。そのため手洗いなどで手についたノロウイルスを落とし予防する必要があるでしょう。

今回は感染力の高いノロウイルス対策の手洗いの方法について見ていきます。

手洗いでノロウイルス対策する理由

一般的な病原菌対策として行われているのが「アルコールによる消毒」です。これはウイルスがもつエンベロープという膜を壊すことによりウイルスを無効化する方法です。

しかし、腸内で増殖するノロウイルスにはこのエンベロープがありません。ノロウイルスを人工的に増殖する方法が確立されていないため確実な結果は得られていませんが、遺伝子的に近いウイルスを使った研究によれば、アルコールによるノロウイルスの消毒効果は「なくはないものの、小さい」と考えられています。

そのためノロウイルスを死滅させるためには、十分な熱を加える、次亜塩素酸を使うといった方法でノロウイルスのタンパク質を変質させる必要があります。しかし人間の皮膚もまた、タンパク質が主成分です。こうした方法ではノロウイルスだけでなく体にも大きな影響が出るため、手についたノロウイルスを死滅させることは難しいとされています。

ただ、ノロウイルスは手洗いによってある程度流し去ることはでき、手洗いの仕方次第では数個程度にまで抑えることもできるといわれています。ノロウイルスの予防法として手洗いが推奨されているのはこうした理由からなのです。

ノロウイルスについては「【シーズンが来る前に!】ノロウイルスへの対策をするための4つの基礎知識」などの記事で触れています。そちらもぜひご覧ください。
      手洗いでノロウイルス対策する理由

正しい手洗いの方法

ノロウイルスはわずかな量のウイルスでも感染につながることが特徴のひとつです。そのため確実に手洗いを行い、手についている数を極力減らすことが大切になります。とくにノロウイルスには「2回洗い」が必要とされています。

正しい手洗いの手順は次のように行います。

1.指輪や時計を外す
2.ひじから下を水で濡らす
3.手洗い石けんを付け、泡立てる
4.手のひらと甲、指の間と付け根、親指、指先、手首(および腕)と5回ずつしっかりもみ洗い
5.水で十分にすすぐ
6.再び石けんを付け、もみ洗いをもう一度
7.ペーパータオルか手指乾燥機を使って乾燥させる
8.ペーパータオル越しに蛇口を締める
9.アルコールを噴霧し、5回ほど、手指にすりこむ

食品を取り扱う際は手だけでなく腕が触れるおそれもあります。そのため、ひじから下までしっかりと洗いノロウイルスの数を減らすことが大切になります。
      正しい手洗いの方法

手洗いをすべきタイミング

ノロウイルス対策で手洗いをするべきタイミングは基本的に「ノロウイルスが手についたおそれがあるとき」「触れたものが口に入るおそれがあるとき」です。最低限、次のタイミングでは行うようにしましょう。

【ノロウイルスが手についたおそれがあるとき】
・トイレの後
・吐しゃ物や排泄物を処理した後
・おむつ替えの後

【触れたものが口に入るおそれがあるとき】
・食品を取り扱う前
・食事の前

調理にゴム手袋を使う場合でも、着用の際は手袋の表面に触れることになります。そのため着用前に必ず丁寧な手洗いを行ってください。また、ゴム手袋を着用した後の手洗いも行った方が無難です。
      手洗いをすべきタイミング

要注意!ウイルスが残りやすいポイント

手洗いというと指先や手のひらを洗うイメージがあります。しかしノロウイルスが付きやすいのはその部分だけではありません。とくに親指に関しては意識が向きにくいとされており、しかも物に触れやすい場所です。

手首より下も物に触れる機会が多いことは実感されにくいかもしれません。しかし、わずかな数でも感染するノロウイルス対策の手洗いは、こうした洗い残しを極力なくすことが大切なのです。

より丁寧な手洗いを実現する道具

ノロウイルス予防は「ノロウイルスが手に付いていない環境」を作り出すことが大切といわれています。そのため手洗いが大切になるのですが、手洗いの際に触れることになる蛇口や石けんのポンプもまた、ウイルスが付いているおそれを否定することはできません。

そのためノロウイルスの手洗いでは直接触れないよう、センサー式の蛇口やポンプを使うと効果的になります。これらを組み合わせたものなどが「自動手指消毒器」として販売されているため、丁寧な手洗いをするためには活用してみるのもいいかもしれません。

また、普段の手洗いを確認できる「手洗いチェッカー」なども販売されています。これは専用のローションを塗って汚れに見立て、手洗い後洗い残しがないか専用のライトにかざしてチェックする製品です。家庭で導入するのは難しいかもしれませんが、食品関係を扱う事業を経営している場合は取り入れてみるのもひとつの手でしょう。

サラヤ 手洗い教育ツール 手洗いチェッカー

まとめ

ノロウイルスは感染力が強いといわれており、またウイルスに直接対応する治療法は今のところ確立されておらず、症状に対する対応が中心です。そのため高齢者や幼児など、免疫力の高くない人にとっては死につながることもあります。

ノロウイルス対策は「予防」が大切になってきます。しかし手についたウイルスを死滅させることは困難です。ただ「手洗い」で極力落とすことで感染のリスクを減らすことはでき、それが予防につながるのです。

手洗いは家庭でも行いやすい予防方法で、ノロウイルス以外に対しても効果があります。ノロウイルス予防に手洗いを取り入れ、感染防止につなげてみてはいかがでしょうか。

ノロウイルス感染時の消毒については

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「ノロウイルス消毒」をご覧ください。

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