車を使っていてよく出くわすトラブルといえば、バッテリー上がりです。アイドリングでも発電はできますが、走行中に比べると発電量が劣ります。そのため車の使い方に注意しなければ、アイドリング中でもバッテリー上がりを起こすことがあるのです。
今回はアイドリングで充電するのにかかる時間や、アイドリング中にバッテリー上がりを起こしやすくなる車の使い方をご紹介していきます。この記事で、バッテリー上がりとアイドリングの関係について確認してみてはいかがでしょうか。
目次
バッテリー上がり後の充電はアイドリングでも大丈夫?
バッテリーを充電するには、エンジンがかかるようにしなければなりません。まずは、バッテリー上がりから復旧させる仕組みから確認していきましょう。
バッテリー上がりから復旧させる仕組み
バッテリー上がりで動かなくなった車はジャンプスタートで復旧可能です。これはエンジンをかけるのに必要な量の電気を供給してもらい、エンジンがかかるようにする方法です。これだけではバッテリーの蓄電量は十分ではありませんので、復旧後に充電させる必要があります。
ジャンプスタートは、ブースターケーブルという専用の電線や救援車(もしくはジャンプスターターという非常用バッテリー)があれば、自分で対処することも可能です。また、JAFやご契約の自動車保険にロードサービスが付いていればバッテリー上がりを対処してもらうこともできます。
それ以外にも、バッテリー上がりに対応している業者もあるため、そちらを利用するのもよいでしょう。バッテリー上がり対応の業者は、生活110番から検索することができます。ジャンプスタートは電気を扱う作業のため、火花が散ることもあります。道具や救援車がそろっていても、不安であれば迷わず業者に依頼しましょう。
アイドリングなら1時間は様子を見よう
エンジンがかかったら、車に搭載されているオルタネーターという発電機も動くようになるため、充電ができるようになります。しかし、しっかり充電できる前にエンジンを止めてしまったら、またすぐにバッテリーは上がりかねません。しばらくエンジンをかけたままにして、十分に充電させましょう。
アイドリングで充電させる場合は1時間程必要です。アイドリング中はエンジンの回転数が1,000以下になるため、時間がかかります。
アイドリングより走行させて充電する方が早い?
車を走行させれば30分程で充電ができます。走行中はエンジンの回転数も上がるため、充電の所要時間も短縮されるのです。そのため、バッテリー上がりの後はアイドリングで充電することも可能ですが、早く充電するには車を走行させた方がよいでしょう。
アイドリング時の発電能力はどのくらい?
バッテリー上がり後にアイドリングで充電するよりも、車を走行させた方が早く充電されることがわかりました。しかし、なんらかの事情で車を走行させることができない場合もあるかもしれません。では、アイドリングのときは、どの程度の電気が発電されているのでしょうか。
電装品が最低限動く程度に調整されている
車にはエンジンを動かすためのセルモーターをはじめ、ライトやエアコンなど、多くのところで電気が必要となっています。車を動かすためには、電気はなくてはならないのです。
そのため、発電よりも電気の消費が上回らないよう、最低限の発電をアイドリング中でもできるようになっています。しかし、それでも、電気の消費が上回る電装品の使い方をしていれば、電気が足りなくなってしまうこともあるのです。
ライトやエアコンが付いている場合は足りないことも
ライトを長時間つけたままにしていれば、それだけ電気を消費してしまいます。また、エアコンも電気の消費が大きいので、使用中は注意が必要です。アイドリング中でもこれらの電装品を使い過ぎてしまうと、電気がなくなってしまい、バッテリー上がりにつながってしまいます。
電力が足りない場合、自動で回転数を上げる車種も多い
近年の車にはアイドルアップとよばれる機能が備わっています。これはアイドリング中に、発電量よりも電気の消費量が上回りそうになったときに、自動でエンジンの回転数を増やしてくれる機能です。この機能があればアイドリング中のバッテリー上がりを防ぐことができるので、安心することができますね。
渋滞中に突然エンジンが止まる!?電力が足りなくなるときも
バッテリー上がりをアイドリング中に起こしてしまいそうな場面といえば、渋滞ではないでしょうか。道路の真ん中で車が動かなくなってしまうところを想像すると、とてもこわいですよね。長時間の渋滞など、状況によってはバッテリー上がりをアイドリング中でも起こす可能性があります。
走行時と比べると発電能力が落ちる
アイドリング中もエンジンは回転していますが、走行中に比べると回転数が劣ります。エンジンの回転数が多いほど発電量も上がるため、アイドリング中の発電量は走行中よりも減ってしまいます。
バッテリーからの放電が多くなり、充電が底を付くことも
とくに夏や冬の連休中などは、エアコンをつけた状態で長時間渋滞にはまりやすいです。アイドリング中の発電は最低限の発電量なので、エアコンの使い過ぎやブレーキランプをずっと点灯させた状態はバッテリーの消費量に不安がでてきます。
状態のよいバッテリーであれば大丈夫かもしれませんが、寿命の近いバッテリーでは消費が上回ってしまい、バッテリー上がりをおこしかねません。渋滞の可能性のあるおでかけ前には、事前にバッテリーの状態を点検するとよいでしょう。
バッテリー上がりから復旧させた後は一度点検を!
バッテリー上がりは、アイドリングや走行によって充電できたとしても、バッテリーに大きな負荷をかけてしまいます。復旧してもバッテリーの状態が悪ければ、またバッテリー上がりを起こす可能性があります。一度バッテリーの点検をして、寿命が近いようならば新しいものに交換しましょう。
バッテリーの消耗が進んでいないか
まずはバッテリー自体の点検です。バッテリーの点検は次のようなところをチェックします。
①本体の状態を目視で確認
②バッテリー液の残量(足りなければ補充)
③比重の点検
④電圧の測定
①②は自分で点検することもできますが、③④は専用の道具が必要です。道具をお持ちでない人は、ガソリンスタンドや整備工場などで点検をお願いするとよいでしょう。
エンジンの発電部分が故障していないか
次に、発電機であるオルタネーターも点検しましょう。バッテリーの状態がよくても、オルタネーターに不備があると十分に発電されず、バッテリーの電気量も不足してしまいます。
オルタネーターも電圧を測定して点検します。こちらも専用の測定器が必要です。この測定器はホームセンターなどでも販売されているため、購入して自分で点検することができます。また、プロに依頼して点検してもらうことも可能です。
まとめ
バッテリー上がりの後にアイドリングで充電するには時間がかかります。それは、アイドリングは走行中よりエンジンの回転数が減るためです。また、エンジンの回転数が少ないアイドリング中に電装品を使い過ぎてしまうと、電気の消費量が発電量を上回りバッテリー上がりを起こしてしまうことがあります。とくに長時間の渋滞は、バッテリー上がりを起こしやすいので注意してください。
バッテリー上がりを復旧させるジャンプスタートという方法は、自分でもおこなうことができます。しかし、電気を扱うため、危険な作業でもあります。自分で作業するのが不安な人は、バッテリー上がりに対応している業者に依頼してみてはいかがでしょうか。復旧後は、バッテリーの点検も忘れないようにしましょう。
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