鍵の種類やシリンダーをわかりやすく紹介!玄関やドアに防犯対策を
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シリンダーとは、持ち歩くほうの鍵を差し込む鍵穴のことを指します。このシリンダーとシリンダーを開けるキーをセットで鍵と表現することが多いです。シリンダーが違えば、キーもひとつひとつの鍵の形に違いがあります。ですので、シリンダーの種類が同じだからといって同じ種類のキーを差し込み、開け閉めをすることができません。
こういったことから、鍵を重要な場所に取りつけることはその場所の防犯性を高めることにつながります。しかし、シンプルな鍵だと、簡単にスペアキーを作製することができますので、防犯の意味が失われてしまうことでしょう。
この記事では主な鍵とシリンダーの種類やそれぞれの特徴についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
玄関のドアに最適!主な鍵とシリンダーの種類
鍵やシリンダーには実にさまざまな種類があり、種類ごとに形状や特徴などに違いがあります。この章では一般的に使われているシリンダーの種類に触れていきます。
ディスクシリンダー
ディスクシリンダーは日本の多くの住宅で普及している、一般的なタイプの鍵です。キーはギザギザの形をしており、シリンダーは縦穴となっています。
非常にシンプルなつくりをしており、大量生産も可能だったため、鍵のなかでも比較的安価に購入、取り付けができて、スペアキーも安く作製できます。
爆発的に人気な時期があったディスクシリンダーですが、メリットがある反面、ピッキングされやすいなど、防犯面で考えると不安が残るなどのデメリットがあります。
最近では住宅で取りつけることが少なくなってきた種類です。
ピンシリンダー
ディスクシリンダーほどではないものの、日本の住宅で多く使われています。バンピングと呼ばれる不正な開錠がされやすい種類です。防犯に特化した鍵と比べると性能は劣るものの、安価で設置できるため、今でも住宅で使われています。
ディンプルシリンダー
ディンプルキーとも呼ばれる鍵の種類です。鍵の表面に丸いくぼみがついているのが特徴で、スペアキーの作製はほぼ不可能といわれていますので、防犯面は期待できることでしょう。
一戸建てやマンションなどでよく使われることが多く、最近建てられる家ではこのシリンダーを使っていることが多いです。
ロータリーシリンダー
鍵はギザギザしており、不正解錠などに強い作りをしています。
防犯性もさることながら、比較的安価で取りつけできることから住宅用だけではなく、公共施設などでも採用されている鍵です。
住宅用のシリンダーとしては以上の鍵が中心に挙げられます。このなかでもとくに防犯性能がよい、ディンプルシリンダー、ロータリーシリンダーは近年人気の鍵です。
各鍵とシリンダーの種類のなかでもおすすめの鍵は……
1章では鍵とシリンダーの種類についてご紹介してきましたが、この種類のなかでも、製品や性能によってまた細かく分類されています。それだけでも数十、数百と種類があるので、実際シリンダーの種類を選ぶときに迷ってしまう人もなかにはいらっしゃるでしょう。この章では各鍵、シリンダーの種類のなかでもおすすめの鍵をご紹介します。
ロータリーシリンダー
前述したように、ロータリーシリンダーは防犯性に優れています。そのなかでもひときわ防犯性に優れているものをご紹介していきます。
U9シリンダーは鍵の国内シェア60%を超えるトップメーカー、美和ロックで開発されている製品です。種類はロータリーシリンダー、鍵違いは約1億5,000通りあるといわれています。シリンダーのなかでもリーズナブルな値段で購入できますので、少しでも安く、防犯性が高い鍵へ変えたい人は一度検討してみてください。
PRシリンダーは美和ロックで製造されているシリンダーです。そのなかでも2WAYロータリーシリンダーと呼ばれる鍵の構造で、キーと接触するときにメインタンブラーとサブタンブラーの2通りの構造がある鍵です。鍵違いはU9シリンダーと比較にならない1,000億通りほどあります。
ディンプルシリンダー
ディンプルシリンダーも防犯面において優れている鍵です。そのなかでも、開錠する時間がおおよそ10分はかかる鍵を中心にみていきましょう。
GVシリンダーはディンプルシリンダーに分類されます。国内トップクラスの鍵メーカーで、日本の鍵メーカーで独自にディンプルキーを開発したのはこのGOAL社が初めてです。GVシリンダーは過酷なCP認定試験にクリアした鍵で、不正解錠に強い鍵となります。鍵違いは鍵のなかでも膨大な数字である、およそ1,000兆2,800億通りあるようです。
鍵違い数が約2,800億通りあるWXキーシリンダーは、キーの側面に凹凸がなく、キーの抜き差しがソフトにできます。自動車用に開発されたサイドバー方式を採用しているので、ピッキングができないつくりとなっています。耐久性も以前のものと比べると格段に高くなっています。
近代的で防犯性も高い!電子的なハイテク錠
近年空き巣被害や鍵の紛失などが増えてきているのですが、防犯性が高くハイテクな電子錠を紹介していきます。
カード錠
カード錠とは、ホテルなどでよく見かけられるカードで開閉ができるタイプの錠です。内部の仕組みは、ピンシリンダー錠と同じような仕組みのものから、マグネットタンブラーシリンダー錠のような仕組みのものがあります。
カード錠はピッキングなどには強いですが、合鍵の複製が難しいことや自動で鍵が閉まるタイプの錠ですと閉め出されることがありうるかもしれないのが難点です。カードタイプは鍵の持ち歩きにはかさばりませんが、その一方で失くしやすいところが難点です。
暗証番号錠
暗証番号錠とは、よくオフィスや大切なものを保管する部屋で見かけることが多く、決めた数字を打ち込むことによって解除できる仕組みになっています。近年防犯対策として家庭にも取りつけることが多くなり、鍵を持ち歩くことがなく失くす心配がありません。ですが今までの鍵の種類に比べるとやはり値が張ります。
生体認証錠
生体確認錠とは、指紋で開けるタイプの錠は鍵を持ち歩くことなく自身の指1つで開けることができます。ゴミ捨てや買い物の荷物で手がふさがっていても鍵を探す手間がなく、紛失やセキュリティー面でも安心できます。
「指紋が認証されない」や「指をけがして指紋認証ができない」などの心配がありますが、鍵付きのものや1人2本まで設定できるものもあります。
スマートキー
スマートキーとは、スマートフォンなどで管理できアプリをインストールし遠隔操作式や開閉ボタンを押し施錠ができる錠です。よく車の鍵でみるリモコンキーも同様スマートキーと呼びます。手荷物が少なくかさばらないのが特徴です。
スマートフォンなどで管理するタイプの錠はとても便利なのですが、充電が切れてしまったときやスマートフォン自体を失くしてしまい、鍵が開けられなくなってしまうのが難点です。スマートキータイプもかさばらず便利な面もあるのですが、大抵のスマートキーは電池で稼働しており、電池が切れてしまったときを考えてこまめなチェックをしないと不安ですよね。
錠前の種類、シリンダーの付け方次第で防犯性は高まります
鍵の本来の役割とは、私たちの身の安全、大切な財産を守ることにあります。防犯性が低い鍵をつけていれば、鍵としての役割を果たせなくなってしまうおそれがあります。
そこで、この章では防犯性が高まるシリンダーの付け方、錠前の種類についてご紹介します。
防犯性が期待できるシリンダーの付け方
鍵をつけるということは、近年多発している侵入犯罪に遭遇するリスクを減らすことができます。鍵をかけても他人が家に入ってくる場合の原因の多くは鍵が破壊されたり、ピッキングされたりなどの不正解錠がされています。この鍵を破壊されない、不正解錠をしにくくするためにも鍵の付け方には気を配らなければいけません。
ワンドアツーロック
ワンドアツーロックは警察庁でも推奨している防犯対策のひとつです。その名の通り、1つのドアに2つの鍵をつけることを指します。
こうすることで、ピッキングに要する時間を単純計算で2倍に延ばすことができる。また、2つ鍵がついていることにより、開けるのに時間がかかると思わせる効果があります。侵入犯罪犯の多くは侵入までに時間がかかる家はあまり好みません。鍵の付け方としては防犯効果が期待できることでしょう。
補助錠をつける
ドアの鍵をふたつに変えたいといっても、ドアによってはできなかったり、たとえできたとしても予想以上に費用がかかってしまったりすることも少なくありません。補助錠であれば、ドアを変えなくても取りつけることが可能なので、少しでも鍵の防犯性能を高めたい人は一度よく考えてみてください。
錠前の種類
錠前とは鍵とシリンダーからなる鍵の開け閉めをおこなう装置です。別名ロックセットと呼びます。錠前にはさまざまな種類があり、種類によって特徴、能力に違いがあります。
プッシュ・プル錠
防犯性に優れている鍵のひとつで、住宅用はもちろん、公共施設でも使っているところがある錠前です。この錠前はシリンダーがふたつついています。ワンドアツーロックが多くの人に浸透しつつあるからなのか、このプッシュ・プル錠を取りつける家も増えてきています。
ケースロック
錠ケースが箱型で、ドアノブとシリンダーがベルになっているのがケースロックです。デッドボルトがついており、防犯性はもちろん、鍵としての強度にも期待できます。バールでのこじ開けなどの破壊行為に強い種類もあります。
面付箱錠
室内側に錠ケースを取りつける錠前です。取り付けがほかの錠前より簡単でありながら、強度、防犯性に優れているのが魅力です。
モノロック
比較的古い住宅や勝手口についていることが多い錠前です。ドアノブのなかにシリンダーが組み込まれています。住宅のほかにも、ホテルの室内用の鍵としても使われていることもあります。
鍵の交換は自分でできる?交換の仕方と注意点
鍵やシリンダーは種類によって値段が違い、製品を買うだけでも費用がかかってしまうため、なるべく安く済ませようと自分で取りつけたい人もいらっしゃるでしょう。
実は、自分でドアの鍵を交換するのは不可能なことではありません。ここではドアの鍵の交換方法をご紹介します。
鍵の交換の仕方
一般的な鍵(ディスクシリンダーなど)を交換したい場合は、以下の手順でおこないます。
①ドライバーでドアのプレートを外す
②ドライバーやペンチでシリンダーを固定しているピンを外す
③新しいシリンダーを代わりに差し込み、ピンで固定する
④プレートを取り付けなおす
⑤鍵がしっかり機能するか確認する
ざっくりと説明しましたが、以上の流れで鍵の交換はおこないます。しかし、取りつけが難しい鍵はもちろん、鍵への知識、修理、交換をおこなう技術がない素人が交換作業をしてしまうと結果的に扉、鍵を傷つけてしまうことになります。
こういった場合、余計に費用がかかってしまうことがありますので、自分でDIYするときは自己責任のもとでおこなってくださいね。
賃貸の場合は勝手に鍵交換をしない
いくら防犯性が低い鍵を利用している、壊れた鍵で新しい鍵に変えたいと思っていても、賃貸に住んでいる人の場合は、勝手に鍵を変えることができません。
勝手に変えてしまうと、管理側が建物の管理が満足にできなくなってしまったり、あとでさまざまなトラブルに発展したりする恐れがあります。
どうしても交換したい場合は、まず交換したい理由を添えて賃貸マンション、アパートの大家さん、管理会社に相談してみてください。
業者に頼む場合の工事費用と日数はどの程度?
鍵やシリンダーの種類はどれを選んだらいいのかわからない、細かい作業などに自身がない人は無理をせず鍵の交換を業者に頼ってみてください。
費用は1か所辺り約10,000円~(鍵の種類によって違いがあります)です。業者に頼めば、要求に近いシリンダーを選び取りつけてくれることでしょう。作業も簡単なものであれば1時間以下でしてくれることがほとんどです。早めのうちに取りつけたい人は一度、業者に相談してみましょう。
まとめ
鍵とシリンダーの種類はさまざまです。例えば、ディスクシリンダー錠は安価で設置でき、スペアキーも簡単につくれることから、ひと昔前では多くの住宅で普及されてきました。ディンプルキーは容易にスペアキーの作製や不正解錠がやりづらいことから、防犯性が高い鍵として住宅はもちろん、学校などの公共施設でも採用されている鍵です。
鍵やシリンダーの種類を今のものと変えたい人は、まず、これらの種類や特徴などを把握し、自分が納得できる鍵を見つけましょう。
鍵の設置は自分でもおこなうことができます。しかし、鍵に関する知識、取りつけられる程度の技術がないと設置するドアなどを傷つけてしまうので慎重におこないましょう。賃貸であれば傷つけてしまった場所を弁償しなければいけなくなります。
自分でDIYするデメリットを考えれば、鍵の交換などは業者にしてもらったほうが安心、安価で施工してもらえます。自分では困難と感じる場合は無理をせず業者に依頼を検討しましょう。
(この記事は2020年6月9日に加筆・修正しています)
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