2016年に愛媛県松山市で20歳の女子大学生の自宅マンションに、男が「合鍵」を使って侵入したとして逮捕されるという卑劣な事件がありました。男は女子大生と面識はないものの、管理会社の社員を装って女子大学生の自宅を訪問。鍵番号を提示させてメモし、インターネットで合鍵を番号だけで注文して侵入するという手口でした。
犯人の侵入直後に帰宅し、部屋の中で鉢合わせしてしまった女子大生の精神的ショックを思うと、いたたまれない気持ちになりますね。ちなみに犯人は女子大生のもの以外に7本もの合鍵を所有していたということです。なんの関係もない赤の他人が、インターネットで簡単に合鍵を入手できるという事実に、強い衝撃を覚えた方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は合鍵の番号と不法侵入に焦点をしぼり、その手口や対策方法について、分かりやすくご紹介していきます。日頃から鍵を使用しているという人は、大切な財産や命を守るためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
合鍵は番号を伝えるだけで作成できる
先に述べた事件をきっかけとして「合鍵は番号を伝えるだけで誰でも作成できる」という事実を知った方も多いと思います。それでは合鍵を番号だけで作成する際の手順や、番号の見方について確認しておきましょう。
【番号で合鍵を作る手順】
1:鍵に刻印されている「鍵番号」をカメラで撮影する
2:インターネット画面に「鍵番号」を入力し、注文する
3:合鍵作成業者が鍵メーカーへ合鍵の発注をする
4:完成した合鍵が「注文者」の元へ配送される
5:注文者の「本人確認」をして受け取り完了
【番号の見方など】
鍵番号はキーヘッドの部分に刻印されており「数字とアルファベット」を組み合わせて構成されています。なお一般的に鍵番号には「アルファベットの(O)」が使用されることはありません。これは「数字のゼロ(0)」と区別がつきにくくなるためです。そのため、仮に鍵番号が「S6804C0AJP」と刻印されていた場合の「0」は、2つとも「ゼロ」です。
合鍵を番号で作り不法に侵入する手口
つづいて合鍵を番号だけで勝手に作成し、不法に侵入する手口にはどのようなやり方が考えられるのでしょうか?具体的な手口をみていきましょう。
別れた元交際相手・別居している配偶者
一般的に不法侵入は、別れたはずの元交際相手や、別居している配偶者と、別れ話がもつれたときなどに起こりやすいと思います。手口としては、返却してもらったはずの合鍵が、実はもう一本複製されていて、相手が手元に持っているという可能性があります。
さらに話し合いの途中で離席した時など一瞬のすきを狙って鍵番号を控えらたり、携帯電話のカメラで鍵番号を撮影されるなどして、鍵番号を盗まれ不在時間を狙って侵入するというもので、合鍵を番号だけで作ることができるという利便性を悪用した代表的な手口です。
前入居者
集合住宅の場合、入居者の入れ換えに伴って、管理者が錠前の交換を行なうことが一般的です。しかし、必ずしも錠前を交換していない場合も考えられます。その場合、前入居者が全ての鍵を返却していなかったり、鍵番号を控えていた場合には、合鍵を使う手口で不法侵入されてしまう可能性があります。
知り合い
親しい関係でなくても、近所に住んでいる人や、行きつけの飲食店のお客や従業員、仕事で知り合う人など、顔見知り程度の人物が合鍵を番号だけで作って不法侵入することも考えられます。
以前、アルバイトの若い女性の部屋に同僚の男性が侵入し、絞殺したという事件が起きました。そのときは、犯人が職場の更衣室から女性の鍵を持ち出して合鍵を作成したという手口でした。
さらに有名芸能人夫婦が住む高級マンションのコンシェルジュとして働いていた女性が、合鍵を使う手口で部屋に侵入し、帰宅した妻とキッチンで遭遇するという事件もありました。
面識のない他人
先にも述べたように面識のない他人が、管理会社を装って鍵を提示させる手口で、鍵番号を盗み出す手口もあります。
また面識のない他人が、玄関ポストや植木鉢の下などに隠した合鍵を見つけて、侵入するという手口も考えられます。
合鍵を番号で不正に複製されないための対策
それでは合鍵を鍵番号で不正に複製されないようにするためにはどのような対策が有効なのでしょうか?具体的な対策をみていきましょう。
別れた元交際相手・別居している配偶者
この場合はとにかく既設のカギを新しい別のカギに取り替えるという対策をとりましょう。さらに鍵を見られたり盗まれたりしないよう、しっかりと管理するといった対策が必要です。また玄関扉に「補助錠」を追加するという対策も効果的です。
前入居者
あらかじめ集合住宅の入居前には、必ず鍵の交換がなされているかを確認しましょう。もし鍵が交換されていない場合は、大家や管理会社などの管理者に、鍵の交換を依頼しましょう。もし鍵の交換依頼に対応してくれないようであれば、その管理者は非常識です。万が一の事態がおこってからでは遅いので、入居を取りやめることも視野にいれ、しっかりと交渉しましょう。
知り合い
たとえ勤務先であっても鍵番号を誰かに見られてば、合鍵を番号だけで作ることができてしまいます。さらに鍵そのものを持ち去られたりすることがないよう、しっかりと管理するという対策をとりましょう。
また、不動産を管理する会社のコンシェルジュなどが犯人となるような場合は対策が難しいですが、賃料の安さだけで選ぶのではなく、信用のできる不動産会社や管理会社を選び、防犯カメラを設置するなどの対策をとるのも効果的です。
面識のない他人
突然の訪問者に対しては、合鍵を番号だけで作られることを想定して、社員証を呈示してもらうとか、その場で管理会社に電話するなどして確認するという対策をとりましょう。さらに、不用意に鍵番号を他人にみられたり、鍵を持ち去られたりすることがないよう、外出先ではしっかりと鍵を持ち歩き、管理することが必要です。
合鍵を不正に作りにくい鍵はこれ!
ここまで合鍵は番号さえ入手できれば、誰にでも簡単に作れてしまうというリスクについてご説明してきました。しかし、実は「合鍵を作りにくい」といわれる鍵の種類がありますので、ご紹介します。
合鍵を作りにくい鍵とは?
一般住宅の鍵として広く普及している「シリンダーキー」に比べ「ディンプルキー」の形状は複雑で合鍵をつくるのが難しいといわれています。さらにディンプルキーはピッキング対策にも有効であるといわれています。
ディンプルキーでも番号がわかれば合鍵が作れる
合鍵を作るのが難しいといわれるディンプルキーの場合でも、鍵番号が知られれば合鍵が作れてしまう可能性があります。そのため、合鍵を番号だけで作られることがないように日頃から管理するように心がけましょう。
なお過去記事「ディンプルキーは複製できないものもある?ディンプルキーの特徴とは 」では、ディンプルキーについて詳しくご紹介していますので、そちらもあわせてご参考ください。
まとめ
ここまで合鍵の番号と不法侵入に焦点をしぼり、その手口や対策方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?日頃はあまり気にしたことが無いかも知れませんが、鍵そのものがなくても、合鍵は番号さえわかれば作ることができてしまいます。
そのため鍵の番号を他人に知られないように気を付けることが大切です。また今回の記事を読んで「合鍵による不法侵入が心配になった」という方もいらっしゃるかもしれません。家は大切な財産ですから「ウチは大丈夫かな?」と心配な気持ちになるのは当然のことです。
そんなときは思い切って鍵を新しいものに交換すれば、不安は解消されると思いますので、信頼できる業者に相談をしてみてはいかがでしょうか?
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依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「紛失時のカギ開け・交換・修理」をご覧ください。
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