オーバーシードで一年中青い芝生を手に入れよう!夏の育成も大事!

2021.4.30

オーバーシードで一年中青い芝生を手に入れよう!夏の育成も大事!

芝生のある庭を作りたい、もしくはすでに芝張りをしているという人は多いのではないでしょうか。庭に芝生があると、景観がよくなるだけでなく、バーベキューや子どもの遊び場としても活用できます。

夏場はきれいな緑色の芝生ですが、寒さに弱い種類の芝生は冬になると茶色く枯れてしまいます。しかし、寒さに強い芝生の種を秋にまくことで、冬でも青々とした芝生を保つ方法があるのです。

このように、すでに張ってある芝生の上に異なる種類の芝生の種まきをすることを「オーバーシード」といいます。今回は、オーバーシードの方法や、メリットやデメリットなどを詳しく紹介していきます。1年中青い芝生を楽しみたい人はぜひご覧ください。

オーバーシードの特徴

芝生には温暖な気候と相性がよく、寒さには強くない「暖地型芝生」(夏芝)と、寒い時期でも枯れない「寒地型芝生」(冬芝)があります。日本でよく見かける「日本芝」には高麗芝や野芝などがあり、いずれも暖地型です。暖地型の芝生は、冬には枯れてしまうという特性があります。そこで、オーバーシードという方法が用いられるのです。

オーバーシードとは

暖地型の芝生の上に寒地型の芝生の種子をまき、冬の間は寒地型芝生を育てることで、1年中青々とした芝生にする方法です。

冬にも芝生を枯らしたくない場合は、最初から寒地型の芝生を植えればよいわけではありません。なぜなら寒地型の芝生は酷暑には弱く、夏場に枯れてしまうおそれがあるからです。そのため、夏と相性のよい暖地型と、冬でも平気な寒地型の特性を生かしたオーバーシードという方法で、1年中緑色の芝生を保つのです。

オーバーシードとは

メリット

1番のメリットは、やはりいつでも緑色の美しい芝生を維持できることでしょう。とくに冬場は休眠する植物が多いため、もっとも庭の景観が寂しくなるシーズンです。庭の中でも大きな面積を占める芝生が青々と育っていることで美しい景観を保つことができるでしょう。

また、芝生があると地面のクッションになり、歩いたときの負担や転んだときのケガのリスクを減らしてくれるかもしれません。芝生があれば、小さな子どもが外で遊ぶときにも安心です。

ほかにも、オーバーシードには暖地型芝を保護する役割があります。寒地型芝の種をまくことで、その寒地型芝の茎が、冬季に休眠状態になる暖地型芝の根をしっかり保護してくれるのです。

デメリット

1年中きれいな芝生を楽しめるオーバーシードですが、手間がかかるというデメリットもあります。天然芝そのものに日頃から芝刈りや水やりの手入れは必要ですが、それに加えてオーバーシードの管理もおこなわなければなりません。

また、不慣れなうちは春におこなう冬芝から夏芝への切り替えが上手くできず、枯らしてしまうリスクもあります。オーバーシードのやり方に自信がない、あるいは手入れの時間が取れないという場合には、業者に相談するのもよいでしょう。

オーバーシード以外で1年中緑色の芝生を保つには、人工芝を敷くという方法もあります。人工芝とはいえ天然芝により近い見た目のものもあるので、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

人工芝について興味がある方は「人工芝にデメリットはある?人工芝に関する気になる疑問を解消!」をご覧ください。人工芝の、メリットやデメリットについて紹介しています。

オーバーシードの実施方法

実際にオーバーシードをおこなうときに必要な手入れ方法は季節によって変わってきます。それぞれのポイントをしっかりおさえておきましょう。

秋:オーバーシーディング

夏芝を育てている場合、秋になると芝生の成長が落ち着いてきます。9月から10月に種をまき、冬にオーバーシードをおこなうことを「ウインターオーバーシード」といいます。

まず、冬芝の種が地面に届くように、夏芝を1cm以下の長さに芝刈りしましょう。刈った芝生や、枯れ芝をサッチといいます。サッチが残っていると冬芝の成長を阻害するので、熊手などを使ってきれいに取り除きます。

次に、芝生に深さ3mm程度の溝を作り、寒地型芝生の種をまいていきます。溝は1cm間隔で作るとよいそうです。

種まきのあとは目土を入れて地面をならし、肥料を与えます。発芽までの1~2週間は水やりを欠かさないように気をつけましょう。また、芽が出たばかりの芝生は踏まないようにして、大切に育てていきましょう。

冬:寒地型芝生の育成

冬はベースになっている暖地型芝生は休眠していますが、秋にまいた寒地型芝生が元気に育っています。芝生が4~5cmにのびたら、2cm程度に芝刈りをおこないます。基本的には夏の芝生の手入れと同じですが、オーバーシードの場合は冬にも芝刈りが必要です。

春:トランジッション

夏を迎える前に、トランジッションと呼ばれる手入れをおこないましょう。トランジッションは、休眠していた暖地型芝生が成長し始める時期に寒地型から暖地型へ交代することです。

トランジッションのやり方は、4~5月ごろに寒地型芝生を5mmほどに短く軸刈りして枯らします。軸刈りというのは、芝生の根元にある成長するポイント(生長点)ごと刈り取ってしまうことです。

寒地型芝生をしっかり刈った後は、サッチングをして新たに暖地型芝生が育ちやすいように整えておくことが大切です。また、地面に穴をあけて新鮮な空気を入れる「エアレーション」という手入れをすることで、芝生の根を活性化させるとよいでしょう。

トランジッションはオーバーシードの中でも重要な作業で、タイミングがずれると暖地型芝生が上手く育たないということもあるようです。オーバーシードに不慣れな場合は、業者に依頼してトランジッションをおこなうのもよいのではないでしょうか。

夏:暖地型芝生の育成

夏場はベースとして育てている暖地型芝生が生い茂ります。トランジッションが成功すれば、今までどおりどんどん生い茂るので、こまめな芝刈りと水不足に注意して芝生を手入れしていきましょう。

しかしトランジッションのタイミングが遅くなると、暖地型芝生の中で寒地型芝生が雑草のように残ってしまい、成長の邪魔になってしまう場合もあります。オーバーシードのコツをしっかりおさえて、適したタイミングで手入れをしていくことが大切です。

オーバーシードの実施方法

オーバーシードに適した芝

オーバーシードをすると通年できれいな緑が楽しめますが、品種によっては不向きな場合もあります。ベースにする暖地型芝生と寒地型芝生の選び方をみていきましょう。

まず、オーバーシードに適した暖地型芝生は、繁殖力が高いことがポイントです。繁殖力が弱い暖地型芝生にオーバーシードをすると、寒地型芝生の繁殖力に負けて弱ってしまうリスクが高いからです。

残念ながら、日本でよく使われている高麗芝などの日本芝は、西洋芝に比べると繁殖力が弱いものが多いようです。オーバーシードをおこなう場合は、比較的繁殖力が強い「ティフトン」や「バミューダグラス」を選ぶとよさそうです。

オーバーシードに向いている寒地型芝生には、成長が早い品種を選ぶことがポイントです。成長が早ければ、秋に種まきをおこない、冬にはきれいに成長しています。さらに、踏まれても負けない強さがあるとよいでしょう。

とくに「ライグラス」の仲間は早く成長し、暑さには弱いのでオーバーシードに広く利用されています。暑さに弱い品種の方が、トランジッションをしやすいのでおすすめです。

オーバーシードに適した芝

オーバーシードの主な失敗原因と対策法

ここまでオーバーシードの手順やポイント、向いている品種について紹介してきましたが、思わぬ失敗をしてしまうこともあるようです。オーバーシードでの失敗を防ぐため、原因と対策方法をみていきましょう。

冬芝がムラになって生えてきた

冬芝がムラになって生えてきた

種まきをしたときにムラができると、冬芝が発芽したときに見た目が美しくありません。そのような場合は、あとから種をまき、見た目が均一になるように調整します。オーバーシーディングのときに、冬芝の種子を少し残しておくとよいでしょう。

冬芝の芽が出ない

夏芝をしっかり刈り込まない場合やサッチを残したままにしておくと、せっかくまいた種が地面に定着しないかもしれません。また、種まきをした後に目土をかけて水やりをしないと、種子が乾燥して発芽できないこともあります。

夏芝が育たない

4~5月ごろにトランジッションをおこなわないと、夏芝の生育を妨げる原因になります。オーバーシードでは違う種類の芝生を同じ場所で育てるため、互いの成長を阻害しないようにしっかり切り替えるようにしましょう。

トランジッションのタイミングが遅れることも、夏芝が育たない原因になります。業者に依頼して芝生の切り替えをおこなうのもおすすめです。

それ以外にも、冬芝の繁殖力に夏芝が負けてしまうこともあるようです。また、芝張り直後にオーバーシードをおこなうと、ベースとなる夏芝が十分に育たないこともあります。芝生を張ってから数年間はオーバーシードを控えた方がよさそうです。

まとめ

1年間をとおしてきれいな緑の芝生がある庭にするのに、四季がある日本では適した種類の芝生がなかなかありません。夏には暖地型芝生、冬には寒地型芝生を交互に育てることで、いつでも青々とした芝生を楽しむことができるでしょう。

しかし、オーバーシードには秋の種まきや春のトランジットなどコツが必要な手入れがあります。また、冬にも芝刈りをする必要も出てきます。

オーバーシードは手間がかかりますが、競馬場やサッカー場、ゴルフ場などで広く取り入れられているようです。もちろん自宅でもできる方法なので、業者に依頼してオーバーシードをしてみてはいかがでしょうか。常緑の芝生があれば、冬でも庭の景観を楽しむことができるでしょう。

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