クチナシの剪定方法をわかりやすく解説!美しいクチナシの育て方

2023.11.20

クチナシの剪定方法をわかりやすく解説!美しいクチナシの育て方

香りのよい上品な白い花が魅力的なクチナシ。しかし、せっかくきれいな花が咲いても、枝葉がぼさぼさに伸びた状態では魅力が半減してしまいますよね。

クチナシを美しく保つためには、正しい方法で剪定することが大切です。クチナシはもともと樹形が整いやすい花木なので、不要な枝を間引きつつ、花芽のついている枝は残すよう意識して剪定すると、樹形を整えながらたくさん花を咲かせることができます。

詳しくは当記事で順を追ってわかりやすく解説していきます。クチナシを美しく育てたい方はぜひ参考にしてみてください。

きれいに剪定するためのポイント

クチナシは自然な樹形を活かして軽めの剪定をするときれいにまとまるので、初心者の方も挑戦しやすいでしょう。

ただし、花をきれいにたくさん咲かせたい場合は、剪定の時期や切る枝の選び方にコツがあり、難易度が上がります。とくに花芽を見分ける作業は難しいので、慣れないうちはプロに剪定してもらいましょう。

プロの手際を実際に見たり、お手入れや剪定のコツを尋ねてみたりすれば、正しい知識が身につき、ご自身の剪定スキルも上がるはずです。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

クチナシとは?その特徴を解説

クチナシは別名、『ガーデニア』とも呼ばれる小さな花木です。その花からは強く、甘い香りがただようことから、『三大香木』のひとつにも数えられています。

クチナシという一見変わった名前の由来は諸説ありますが、「実が完熟しても開かない」ことから“口なし”と呼ばれている、という話が有力です。漢方薬にも活用されることのある、多種多様なクチナシ。そんなクチナシのことを、もう少し詳しく知っていきましょう。


・クチナシの開花時期……6~7月ごろ、梅雨から初夏にかけて
・クチナシの大きさ……樹高:約1~3m、花の大きさ:約6cm前後
・クチナシの強度……夏の暑さには強いが寒冷には少々弱い
・クチナシの色……主に白、実はオレンジ色

 

基本的には頑丈で育てやすいとされるクチナシですが、病気や害虫などがつきやすいという側面も持ち合わせています。そんなクチナシでも、剪定を正しくおこなえば病害虫を予防できることがあるのです。

クチナシの剪定はいつおこなう?剪定時期を解説

剪定という作業は、うまくおこなえば樹形はもちろん、木の健康状態にも好影響をもたらします。そんな剪定において、もっとも注意しなければならないのが剪定する時期です。

剪定作業は時期を間違えてしまうと、翌年の花付きにも影響をおよぼしてしまうこともあります。うまく花を咲かせるためにも、しっかり時期を把握しておきましょう。

クチナシの剪定は花後に

クチナシの剪定は、クチナシの開花時期が終わった直後(花後)におこないましょう。

剪定の具体的な時期は、主に7月ごろとなります。この剪定は、花後になったらできるだけ早くしなければなりません。なぜなら、夏を過ぎるとクチナシは来年咲かせる花芽の準備をはじめるからです。

8月以降にのびた枝には、来年咲くはずの花芽がついてきます。そのため、夏から秋にかけては基本、剪定はしないようにしてください。

クチナシの剪定方法

クチナシの剪定では、どれぐらいまで切るかの判断が非常に大切 です。クチナシはもともとの樹形が美しいため、剪定をしなくてもある程度の樹形には収まります。それでも剪定をうまくすればさらに美しい樹形にすることができ、かつ病気や害虫予防にもなるため、その剪定方法をおぼえておきましょう。

間引き剪定

クチナシの剪定ではまず、枯れた枝や混雑した枝などの不要な枝を選んで剪定していきます。この際、枝の途中で切るのではなく、その枝の根元からしっかり落とすようにしましょう。

間引きの際は、花を咲かせる『花芽』を付けた枝に注意しなければなりません。ここで花芽のある枝を切りすぎてしまうと、翌年の花の数が減ってしまいます。花芽自体は夏以降にもつくため多少は大丈夫ですが、極力切り落とさないように気を付けて剪定してください。

この剪定には、木全体の通風性をよくする効果があります。また、余分な木を減らし、枝と枝の間隔を開けることで、日光の入りもよくなります。この風や日光をうまく取り入れられれば、害虫や病気のリスクも減らすことができるでしょう。

樹形を整理する剪定

樹形を整えるために、枝を切りそろえる剪定です。この剪定は、いわゆる『強剪定』にあたります。
強剪定とは太い枝を切り戻したり、木全体のサイズを調節したりする、樹形に大きくかかわる剪定のことです。この剪定は目的によって少々方法や時期が変化します。

 

花を咲かせつつ、樹形も整えたい場合

木によっては大規模に切り戻していくこともありますが、クチナシの場合はその限りではありません。むしろクチナシはもともとの樹形が整っているため、花芽のつく枝の先端には不用意に触れない方がよいのです。

自然な樹形で花を楽しみたいのであれば、樹形が乱れてきたタイミングで伸びすぎた枝を軽く切り詰める程度で大丈夫です。また、この場合は枝に葉を数枚残しておくとよいでしょう。基本はある程度の枝を間引いた後、軽く樹形を整える程度の剪定でやめておくようにしてください。

 

花にこだわりはなく、樹形を整えたい場合

花にこだわりがない、またはニオイなどが好みではなく花を咲かせたくないようなときは、樹形の調整を重視するような剪定をしていきましょう。この剪定では花芽などを気にする必要がないため、剪定に適した時期というものはとくにありません。

時期を問わず、余計な枝が生えてきたタイミングで剪定をおこない、樹形をキープしておくことが大切です。定期的な間引き剪定に加え、丸形や四角形など好みの形で安定するように刈り込みをおこないましょう。

剪定は、クチナシの生育過程の中で比較的難しい部類に入る作業です。慣れていないうちは、刈り込みや樹形の整理をするのはあまりおすすめしません。クチナシは間引きだけでも十分きれいな樹形になるため、まずはそこからはじめてみましょう。

クチナシの剪定をよりきれいにおこなうコツ

クチナシの剪定の基本は間引きです。剪定に慣れていないはじめのうちは、この間引きだけやっておいてもよいでしょう。そんな間引きですが、ただむやみに枝を切ればいいというわけでもありません。ここでは、よりうまく剪定するためのコツについて解説していきます。

ひこばえ・徒長枝を意識しよう

間引きの際に意識して切り取る部分には名称があります。それぞれ解説していきましょう。

 

徒長枝

徒長枝とは、剪定後の切り口などから勢いよく生育する枝のことを指します。この徒長枝には基本的に花はつかず、放置しておくと無駄に栄養が吸い取られてしまいます。また、樹形を崩してしまう原因にもなるため、剪定の際に切り落とすようにしましょう。

 

ひこばえ

ひこばえとは、木の根に近い部分からのびる枝のことです。基本的にひこばえは樹形を崩してしまう上に、木の栄養も無駄になってしまうため、優先的に剪定するようにしてください。

はさみを使い分けよう

剪定の際には主に「剪定ばさみ」を利用しますが、場合によっては「刈り込みばさみ」の方が作業の効率がよいこともあります。

基本的な枝や間引き剪定では手持ちの剪定ばさみで十分ですが、しっかり樹形を整える場合や自分の力では切りにくいような枝には刈り込みばさみが有用です。逆に無理に剪定ばさみで固い枝を切ってしまうと、枝がきずついてしまうこともあります

状況に合わせて、適したはさみを使い分けましょう。

クチナシの育て方・増やし方

クチナシを育てる際には、植え付けや土選びなど、知っておくべきことがたくさんあります。新しくクチナシを増やす方法についても解説していくので、ぜひ参考にしてください。

クチナシの植え方

クチナシは主に、『地植え』と『鉢植え』という2種類の植え方があります。この時期はどちらも変わらず、3月~4月ごろにするとよいでしょう。

地植えの場合は、根よりもひと回り以上大きい穴が必要です。その穴に苗を入れたら、肥料を混ぜ込んだ土を入れて水をやります。

この際、植える土地の気候が非常に大切です。クチナシは寒冷な気候に少々弱いため、北海道や東北地方などではうまく育たない可能性があります。寒い地域にお住まいの方は防寒対策を徹底するか、鉢植えのクチナシにして室内で管理するようにしましょう。

鉢植えの場合も、植え付けの方法が大きく変わることはありません。『穴』が『鉢』に代わるのみで、あとはほとんど同じ流れになります。この際も、根よりひと回り大きな鉢を用意してください。

また、鉢植えの場合は3年に1回ほど植え替えをする必要 があります。時期は植え付けと同様、3~4月ごろです。このときも植え付けの際と同じく、生長した根よりも大きな鉢を用意する必要があります。土と鉢を用意して、慎重に移動させましょう。

クチナシの土選び

クチナシは乾燥に弱いため、水はけのよい湿った土が望ましいとされています。植え付けの際はこのような土を肥料に混ぜて用いるようにしてください。また、生育の過程で乾燥してきていたら、たっぷり水をあげましょう。

また土選びの際、酸性の土にしておかなければ花の色に異常が出てしまうことがあります。注意して選ぶようにしてください。

クチナシの最適な管理場所

クチナシは適度な日光を好みます。地植えの際も鉢植えの際も、適度に日光のあたる場所で管理するようにしましょう。かといって乾燥しすぎてしまうような場所はよくありません。風通しがよく、夏場に直射日光が当たりすぎない場所に植えるようにしてください。

クチナシの増やし方

クチナシを増やす方法として、『挿し木』と『株分け』というものがあります。挿し木は、5月ごろから7月ごろのあたたかい時期、株分けは3月ごろから4月ごろにかけておこなうようにしましょう。

 

挿し木の方法

挿し木をする季節としては5~7月の春から夏にかけての時期におこないます。花が咲いている最中または、咲き終わったあとに花や芽がついていない枝を使って作業します。

  1. 2節ほど切り落とし(葉の下を1節とした場合)、葉の下を5cmほど残す
  2. 根元の切り口が斜面になるようにナイフで切る(ナイフは殺菌処理しておきます)
  3. 30分から1時間ほど水に浸す
  4. バーミキュライトを鉢植えに入れる
  5. 土の中央に割り箸などを使って穴をあけてクチナシを挿しこむ
  6. 水を入れて、日の当たりすぎない半日陰に置いておく(日陰でも可)

早ければ約30日前後で根が出てきます。ポットで作業をおこなった場合は、根がでてきた時点で鉢植えに入れ替えるとよいです。また、管理する際は乾燥にとくに注意し、こまめに水をやりましょう。

 

株分けの方法

クチナシの種類によっては株分けが可能なものもあります。コクチナシなどの地面を這って根をはるタイプのものは株分けに向いています。

  1. 土から株を取り出す
  2. 根をほぐす
  3. はさみなどを使い、根元から2つに分ける
  4. 土は植え付けのときと同じものを使う

クチナシは盆栽でも生育できる

クチナシは盆栽としても育てることができます。クチナシは常緑樹であり一年中ツヤのある濃い緑色葉を付けているのでいつでも観賞を楽しむことができます。クチナシを盆栽として育てる際は、置き場所はできるだけ日あたりのいいところで管理するようにしましょう。

しかし、真夏などに直射日光をもろに受けるような場所は土がすぐに乾いてしまい、生育が悪くなってしまうことがあります。そのため、適度に日陰ができるような場所がいいでしょう。また、水やりは春秋のような比較的涼しい時期なら1日1回で大丈夫ですが、夏のような暑い日は1日2回水をあげる必要があります。

盆栽の場合もクチナシの剪定の仕方は通常と同じで、花が咲き終わった直後におこなうようにしましょう。花が咲き終わった後に伸びた枝の先端に花芽ができることから基本的にはあまりいじる必要はなく、混みあっている部分や枯れた枝を除去する程度の作業で剪定は大丈夫なようです。

また植え替えをする場合は、花が開花する前で新芽の動きがわかってくる4月から5月におこなうのが理想で、秋の場合は開花した直後、9月頃がいいようです。暑い時期や寒い時期におこなうのは、生育に悪影響が出る可能性があるので避けましょう。

クチナシの生育では病害虫に注意!

クチナシの生育をしているとどうしても考えなければならない、害虫・病気対策。ここではクチナシが被害にあいやすい病害虫について、詳しく解説していきます。

クチナシにつく害虫:オオスカシバ

クチナシにつく害虫としてもっとも代表的なものが、このオオスカシバです。オオスカシバはクチナシを好み、春から秋にかけて長い期間発生し続けます。

とくに注意しなければならないのは幼虫です。主に緑色のイモムシで、小さいものだと米粒大ですが成長すると最大10cmほどまで大きくなります。この幼虫はクチナシの葉をどんどん食害していってしまうため、早急な対処が必要です。

捕まえて殺してしまうことが一番の対処ですが、なかなか巨大な虫ですので心理的な抵抗も大きいかもしれません。そんなときは、殺虫剤などの薬剤を散布しましょう。散布の際は、健康的な配慮や近隣住民への心遣いを忘れないようにしてください。

クチナシがかかる病気1:うどんこ病

うどんこ病とは、文字通り葉の表面にうどん粉のような白い粉が付着してしまう病気です。この白い粉状の物質の正体は、カビです。放置しておくと葉が枯れてしまったり、落ちてしまったりするため、見つけ次第対処しましょう。

この病気にかかってしまった場合の対処としては、適した殺菌剤を使用する、という方法があります。治療はそれほど難しくないため、早め早めに行動しましょう。また、外観に違和感が生まれないのであれば、葉をちぎって除去してしまうというのも効果的です。

クチナシがかかる病気2:褐色円星病

褐色円星病は、葉に斑点が浮き上がってしまう病気です。この斑点は褐色で、しばらくするとどんどん黒ずんできます。

この病気も同様に葉を枯らすほか、悪化していくと最終的に株自体を枯らしてしまうことも。対処としてはうどんこ病同様、葉を除去し、適切な薬剤を散布してください。

予防法

病害虫の予防には、クチナシの剪定を正しくおこなうことが大切です。とくに病気は多湿が原因で起こることが多いため、剪定をすることで風通しをよくしてあげましょう。

また、害虫に対しても剪定は有効です。日光・通風性のよさは虫も嫌うほか、こまめなメンテナンスは被害の早期発見にもつながります。剪定はもちろん、定期的に木の状態を確認することが大切といえるでしょう。

「剪定作業は難しそう…」そんなときは?

クチナシの剪定は一般的に花を楽しむのであれば、間引き中心でも構いません。かといって、「どの枝を切ればよいのか」「どう切り詰めれば自然なのか」少々難しく感じている方もいるのではないでしょうか。

たしかにクチナシは自然樹形も美しく、手間も少ない花木です。しかし、剪定という作業はどうしても時間がかかりますし、慣れていなければ少々難易度が高いこともまた事実。

そんな時間がなかなか取れない方や、作業に自信のない方は、プロの業者に依頼して代わりに剪定してもらうと便利ですよ。業者であれば手間もかからない上に、プロの技術で美しく仕立ててくれます。

費用の相場は、クチナシのサイズによっても異なります。基本的にクチナシのサイズであれば、『低木』という樹高の扱いになるでしょう。しかし、1.5~3m程度まで成長していると、場合によっては『中木』という樹高にカウントされる可能性もあります。

・低木の剪定相場:約3,000円前後
・中木の剪定相場:約6,000円前後

依頼の際は、トラブルを起こさないためにも事前に見積もりを取っておきましょう。

まとめ

クチナシはそれほど大きく育ちすぎないため、比較的難易度の低い育てやすい木です。植え付けや土、水やりなどを適切にしてあげれば、元気にすくすく育ってくれるでしょう。

しかし、クチナシは害虫(主にオオスカシバ)がつきやすいという特徴もあります。害虫や病気に葉や株を枯らさせないためにも、剪定をしっかりして予防しておきましょう。剪定は夏前に、間引きを中心におこなうようにしてください。

しかしこの剪定は少々難しく、また時間もかかってしまいます。剪定について悩んでいる方は、一度プロの業者に相談してみましょう。

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