ヤブ蚊とイエ蚊の違いとは?繁殖を防いで夏を乗り切るヤブ蚊対策

2023.11.20

ヤブ蚊とイエ蚊の違いとは?繁殖を防いで夏を乗り切るヤブ蚊対策

ヤブ蚊とは、カ科ヤブカ属に分類される虫で、一般的にみられる吸血性の蚊を指し、水たまりや水辺など、少量の水さえあればどこでも繁殖してしまうのです。
とくに、夏になると爆発的に個体数が増え、人の血を積極的に吸うことから嫌な記憶が脳内に刻まれてしまい、「夏の虫」としてイメージされる人も多いでしょう。このコラムでは毎年、暖かい季節を中心にたくさんの人を悩ませるヤブ蚊についてご紹介していきます。よく、自分の身近で蚊を見かけるかたはこれを期に蚊対策を検討してみてください。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

よく聞くヤブ蚊とイエ蚊の違い

ヤブ蚊とは、カ科ヤブカ属に分類される虫で、一般的にみられる吸血性の蚊を指します。そのヤブ蚊と同じく耳にする蚊、「イエ蚊」という虫をご存知でしょうか。
両方の名前を知っている人からすればどんな違いがあるのか疑問に思われる人もいらっしゃるでしょう。この章ではヤブ蚊とイエ蚊の違いについてご紹介していきます。

ヤブ蚊の正体

ヤブ蚊とは、全世界に約2,500種いるとされる蚊の中でも、人の生活圏内に住み着きやすい「ヤブカ属」に分類される蚊の総称です。
日本で代表的なヤブ蚊といえば「ヒトスジシマカ」となります。「ヒトスジシマカ」は、黒い身体に白いシマの入った蚊であり、一般的にこのヒトスジシマカのことをヤブ蚊と呼んでいるのです。

【ヤブ蚊の発生時期】

日本でよく発生するヒトスジシマカは昼行性で、発生時期は5月~11月にかけてといわれています。ヒトスジシマカを含むヤブ蚊はもともと寒さに弱い種であり、東北地方から北には生息しないといわれていました。ですが、近年は交通物流網の発達や温暖化の影響で日本の北方面にも生息域を広げつつあります。

【ヤブ蚊の発生・繁殖場所】

草むらや竹林、公園や墓地など植物の茂った場所に多く発生し、しばしば人家の中でも見かけられます。蚊は水の中に卵を産んで繁殖しますが、ヤブ蚊はとりわけ小さな水たまりや空き缶の中に溜まった水でも繁殖するため、人のいる場所ならどこにでも発生する可能性があります。

イエ蚊の正体

日本に分布するイエ蚊は「アカイエカ」という種類の蚊がもっとも多く見られ、日本でいう一般的なイエ蚊はこの種類を指すことが多いです。
薄い赤や黄の体色を持っているのが特徴で、よく観察してみるとヒトスジシマカが黒っぽく、アカイエカは薄い茶褐色をしています。

【イエ蚊の発生時期】

イエ蚊の中でもアカイエカは夜行性であり、発生時期は9月~12月にかけてと長めです。雄は冬の寒い時期になると死んでしまいますが、雌は成虫のまま越冬します。また、条件次第では1年を通して発生することがあるので注意が必要です。

【イエ蚊の発生・繁殖場所】

ヤブ蚊に比べると卵を産み付ける水場を選ぶ傾向にあり、豊富な水のある水田や流れのない用水路などに発生しやすい種であるとされています。

ヤブ蚊とイエ蚊の違い

要注意?蚊の吸血行為と媒介する伝染病について

蚊の厄介な害といえば、「吸血」する際に、かゆみを伴う体液を注入してくることでしょう。かゆみを伴う液体を注入することによって、針を刺すときの痛みを感じなくさせていると考えられていますが、蚊に刺されによるかゆみは本当にうんざりしますね。

この章では蚊の吸血行為に焦点を合わせて解説します。

ヤブ蚊が寄ってくる原因は吸血行為にあります

ヤブ蚊が寄ってくる原因としては、動物から血を吸い、栄養を補うためだといわれています。
蚊は視力がいい生き物ではないため、優れた嗅覚と温度の感覚、二酸化炭素の濃度を測ることでうまく獲物を判断し、吸血をおこなうそうです。

この条件を人間にあてはめると……。

・汗をかく人
・体温が高い人
・運動直後などで息が上がっている人

などが蚊に狙われやすくなります。
この条件のほかにも、ビールなどに含まれるアルコール臭、体温の上昇、炭酸からでる二酸化炭素などにも蚊は反応します。

また、蚊に刺されやすい人、刺されにくい人と被害に偏りがあるのは、視力の悪い蚊がより獲物であると判断しやすい人のところにいくからだそうです。

蚊に刺されるとどうなる?

蚊の唾液は人間にとって異物であるため、体内に入り込んだ異物を感知した免疫細胞が反応して、アレルギーが起こります。
蚊に刺された跡は1日から数日程度赤く腫れて、しだいに元にもどっていきます。よほど掻きむしったりしなければ跡が残ることもなく、蚊は刺してくる虫の中では比較的害の低い部類といえるでしょう。

しかし、まれに蚊の唾液に対して過剰なアレルギー反応を示してしまう体質をもった人もいます。
これは「蚊アレルギー」または「蚊刺過敏症(ぶんしかびんしょう)」と呼ばれるもので、高熱や激しい炎症など重大な症状に見舞われることがあります。
蚊アレルギーの原因は個人の体質によることが多いですが、ウイルス感染によって誰にでも起こり得る症状であるとする説もあります。蚊に刺されたあとに高熱や炎症が頻繁に起こる場合、蚊アレルギーのうたがいがあるため、皮膚科やアレルギー科を受診しておくのが無難です。

吸血には注意!蚊は伝染病を媒介します

イエ蚊やヤブ蚊などの蚊は伝染病を媒介します。媒介する伝染病は蚊の種類によって違いがあり、
イエ蚊が日本脳炎やフィラリアなどに対し、ヤブ蚊はデング熱やジカ熱を媒介します。

これらの病気の感染経路は蚊が原因の場合、菌を持つ蚊が人に吸血することにより発症することがほとんどです。しかし、刺されたからといって必ず伝染病にかかるというわけではありません。
というのも、元々伝染病となる菌を蚊が持っているのではなく、菌を保有している動物の血を蚊が吸い、そのまま蚊の体内に菌が残っていることで、人に菌が伝染してしまいます。

つまり、蚊が菌を保有していなければ、人を刺したとしても伝染病にかかる可能性は低いので、過剰に蚊が媒介する伝染病について心配しなくても大丈夫でしょう。

とはいえ、日本国内においても蚊がデング熱ウイルスを媒介し、人に感染してしまったニュースがテレビや新聞などのメディアで報道された事実は、忘れてはならないでしょう。このニュースは、2014年8月頃のことですから、やはり危険がないとは言えないのです。伝染病について過剰に心配しなくてよいといっても、「蚊は伝染病を媒介することはある」ということは覚えておきましょう。

そして、蚊に刺されてなにか異常が起きた場合、無理をせず、すぐに病院に行って検査してもらってくださいね。

ヤブ蚊の吸血行動

いつの間にか家の中にも……。家の中に入るケース

ヤブ蚊などは少量の水さえあれば繁殖します。可能な限り、水たまりなどを排除することで蚊の繁殖場所を減らすのですが、草むらの中に隠れた空き缶や、草同士が重なってできた天然の器に溜まった水などは個人の力で取り除くには限界があるでしょう。

こういったことから、個人の力では蚊対策ができず、放置してしまったがゆえに家の近くで発生した蚊が家の中に侵入してくることがあります。

蚊が家の中に入ってくるケース

蚊が家の中に入ってくるケースはたくさんありますが、その中でもよくありがちなものをピックアップしてみました。

玄関

まず、蚊が家の中に入ってくる場所を挙げるとすれば開け閉めする機会が多い「玄関」といえるでしょう。家の中を出入りする際に、知らないうちに蚊も一緒に入り込んでしまうケースは珍しくありません。

血を吸われたまま帰宅してしまった

蚊に血を吸われている状態で帰宅してしまい、家の中で卵を産み付けられてしまうケースも少なからずあります。
また、蚊の口吻は長く、実は薄手のシャツ程度であれば貫通して血を吸えてしまうとされています。肌だけでなく、シャツの表面にも気を配って、家の中に蚊を持ち込まないようにすることが大切です。

洗濯物と一緒に取り込んでしまう

これは蚊に限らず虫全般に起こるトラブルですが、外で干している洗濯物に蚊がついていて、それを知らないまま取り込んでしまうことで、家の中への侵入を許してしまうことがあります。

家の中への蚊の侵入は、警戒が緩んでしまったときに起こりやすいです。これらのトラブルに遭遇しないためには、常に服や体に蚊がついていないか、玄関付近に蚊はいないかなどの警戒をしておかなければいけないでしょう。
しかし、これらの警戒は常時することは難しく、蚊を家の中に入れない対策としても難しいことでしょう。では、蚊の発生を解決する方法はないのでしょうか。

家の中に入れないための方法

ヤブ蚊の発生を防ぐには剪定・草刈りが効果的?

蚊は繁殖場所として常時水がある、溜まっている場所を好みます。その場所のひとつとして、草むらなどの植物が茂っている場所に発生しやすいとご紹介しました。
これらの場所に繁殖をさせないためには、植物のメンテナンスを定期的におこない、害虫が住みづらい環境を作ることが大切です。

蚊の発生を防ぐには剪定・草刈りが効果的?

蚊の発生を防ぐには木や草など植物が茂る場所のメンテナンスを定期的にしなければいけません。しかし、なぜこれらのメンテナンスをおこなうことが蚊の発生を防ぐことにつながるのでしょうか。

隠れ場所をなくす

庭などに草が茂ってしまうと、蚊の絶好の隠れ場所となります。また、蚊だけではなくほかの害虫が発生してしまう原因となりえるでしょう。ですので、適度に茂ってしまう草の高さを適切な長さを維持することが大切です。

植物が茂る場所は蚊のえさ場でもある

蚊のメスは動物の血を吸い栄養を補給しますが、オスは血を吸わず、植物の蜜や汁を吸って命を繋いでいます。こういったことから、植物が茂っている場所は蚊の隠れ場所だけでなく蚊の絶好のえさ場となってしまうことがあるのです。
また、問題視されている蚊のメスは栄養価の高い血を栄養としますが、オスと同じ植物の蜜や汁を栄養とすることができます。

草刈りや剪定をして植物のメンテナンスをするということは、蚊にとってメリットがある場所を潰すことにつながります。
もし、近くで蚊が発生していて、頭を悩ませている人はこういった場所がないか探してみるといいでしょう。
庭や自分が所有している敷地内にこういった場所があれば一度、植物のメンテナンスをしてみてくださいね。

剪定・草刈りで蚊の発生を防ぐときの注意点

しかし、剪定や草刈りで蚊の発生を防ぐといっても、ただやみくもに対策をおこなっていいわけではありません。植物のメンテナンスで蚊の発生を防ぐときは、これらの注意点をよく理解しておき、計画的なメンテナンスをおこなってください。

注意!植物のメンテナンスによって水が富栄養化してしまうことが

蚊の発生は水だけでは原因となりえません。水の中に含まれている栄養が、蚊の幼虫が育つときのえさとなり、すくすくと育つ環境を整えることとなります。水が富栄養化をしてしまう原因としては水槽や水たまりに落ち葉などの有機物が溜まると、それをえさとする微生物が集まることが挙げられます。

植物のメンテナンスをしたあとは、メンテナンスをした後に出る雑草や落ち葉などの回収が、蚊を繁殖させないためには必要不可欠となります。
とはいえ、植物のメンテナンス範囲が広ければ広いほど、雑草や落ち葉の回収は大変になります。広範囲の剪定なら、剪定業者に任せた方が楽になり、後始末をしっかりしてくれるので蚊の発生を予防する対策にもなり得ますよ。

自分で植物のメンテナンスをするのであれば、周りに水が溜まっている場所がないかの確認も一緒にできるといいですね。

ヤブ蚊の発生を防ぐ方法

蚊に刺されないための対策!

どれだけ工夫をこらして家の周囲からヤブ蚊を排除したとしても、外出中にヤブ蚊に刺されてしまう可能性はあります。外でもヤブ蚊に刺されないよう虫よけ対策をほどこしておきましょう。

・体温を上げすぎないように工夫する
まず蚊は体温の高い人を優先的に狙うため、体温を上げすぎない工夫が有効です。たとえば黒を基調とした服は、白い服に比べて太陽熱を吸収しやすく、表面温度が上がりやすい傾向にあります。そのため白い服の方が蚊に狙われにくいといえます。

・汗の臭い対策
暑い夏場はどうしても汗をかいてしまうものですが、蚊は汗のにおいに寄ってきやすいため、制汗スプレーや汗拭きシートなどをつかって汗のにおいを抑えると蚊に狙われにくくすることができます。

・虫よけ剤を使う
市販されている虫よけ剤は、ヤブ蚊にも有効です。虫よけ剤に配合されているディートという成分は、蚊やダニノミといった吸血動物のきらう匂いを発し、二酸化炭素による探知能力を阻害する効果があるとされています。

虫よけ剤にはスプレータイプ、霧吹きタイプ、シートタイプ、液体タイプといったいくつかの種類があります。それぞれお肌に対する影響や使い心地、効果時間などが変わってくるため、自分のライフスタイルに合わせたものを選びましょう。

まとめ

害虫の中でもヤブ蚊などは、とりわけ私たちのすぐ近くまで接近し、危害を加える迷惑極まりない虫です。蚊に刺されてしまえば、血を吸われるだけでなく、腫れやかゆみを引き起こし、最悪の場合重大な伝染病を媒介してしまうこともあります。

こういったトラブルを引き起こさないためにも、家の敷地内で植物などが茂っている場所があれば剪定や草刈りをおこない、蚊が家の近くにやってくる理由を減らしておきましょう。

しかし植物のメンテナンスはや自分でやるとなかなか時間がとられる作業です。忙しく植物のメンテナンスをする時間がとれない人はおこなうことが難しいでしょう。
こういった場合はプロの手で植物のメンテナンスをおこなってもらい、蚊が近寄りにくいきれいな庭にしてもらいましょう。

この記事の監修者 ナカザワ氏について

この記事の監修者
ナカザワ氏 NPC 総合害虫駆除
監修ジャンル:害獣 害虫
神奈川県・東京都を中心とした総合害虫駆除サービスを運営。防除作業監督者(防第14721号)の国家資格を有し、アリ、ゴキブリ、ダニ、ハエ、トコジラミ、ハチやコウモリなど幅広い害虫や害獣にも対応。

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