榊(サカキ)の剪定時期と方法!上手に育てるお手入れ方法もご紹介

2023.11.20

榊(サカキ)の剪定時期と方法!上手に育てるお手入れ方法もご紹介

榊は古くより神聖な木として扱われており、一般家庭にもよくある神棚にも供えられてきました。お供えするたびに榊を購入している方も多いかと思いますが、榊は庭木として育てることも可能です。

ただし、榊を育てるときは種類やお手入れ方法について確認しておく必要があります。榊には2種類があり、植える場所やお手入れ方法によっては上手に育たない場合もあるのです。

榊を庭木として育てようとお考えの方は、まず榊のことを知ってから植えるようにしましょう。この記事では榊の剪定方法など基本のお手入れ方法について詳しくご紹介します。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

日本の「榊」は2種類ある!

現在、日本で榊と呼ばれているものは、大きく分けて2種類あります。それが「本榊(ホンサカキ)」「ヒサカキ」です。この本榊とヒサカキは、似てはいますが比べてみるとさまざまな違いがあります。ここでは、そんな両者の違いや特徴を解説していきましょう。

本榊(ホンサカキ) ヒサカキ
見た目
葉の特徴 ・おだやかな光沢
・なめらかな曲線の葉形
・光沢が強い
・本榊に比べてやや小さめ
・葉に細かいギザギザがある
木の高さ 約3~4m
10mの高さになることもある
約4~7m
生育環境 寒い環境が苦手 比較的どの場所でも育ちやすい
漢字 漢字で「本榊」 漢字で「非榊」または「姫榊」

本榊は一説として、「本当の榊」という意味があるといわれています。対して、ヒサカキの漢字の非榊には「榊ではない」という意味があるといわれているのです。

また、ヒサカキのもうひとつの漢字「姫榊」には「本榊よりも小さい」という意味が込められている、という説があります。あくまで一説ですが、それぞれの漢字を見てもお互いの特徴がうかがえますね。しかし、なぜ榊というひとつの名称にふたつの植物が当てはまる、なんてことになったのでしょうか。

ヒサカキが「榊」になった理由と榊のルーツ

基本的に本当の榊とされているのは、前述したように本榊の方です。では、なぜヒサカキは現代でも榊として扱われているのでしょうか。

本榊(ホンサカキ)は日本中で生長することができなかった

ヒサカキが榊と同様の扱いを受けたのは、本榊が生長できる環境の制限にあります。本榊は温暖な気候を好み、寒い地域ではなかなか自生・生長しません。そのため東北などに住んでいた人々は、本榊を生育することができなかったのです。

現代であればどの地域でも本榊を手にいれることができますが、榊が神事に使われだしたのはまだ日本の流通がそれほど発達していなかった時代です。そのため、関東以北の多くの人々は本榊を神事に使いたくてもなかなか手にいれることができませんでした。

このことにより、本榊が育たない地域では別の似た植物を「榊」として代用することとしました。それこそが、「ヒサカキ(姫榊・非榊)」です。ヒサカキ以外にも本榊の代用として使用された植物はありましたが、その中でも同じモッコク科で見た目の似ているヒサカキは、代わりとしてはピッタリの植物でした。

そういった経緯から、現在でも関東以北ではヒサカキを榊として用いているところが多くあります

榊が神事に使われるルーツは神話の時代から

榊は大昔、神話の時代から登場しているほど歴史が長く、古くより神聖な木として扱われてきました。榊が神聖な木として扱われる理由には諸説ありますが、一説として常緑樹で生命力が強く、非常に縁起がよいとされた、というものがあります。

榊という名前の語源である「境木」は、神と人との境目の木という意味からつけられたといわれています。この語源には諸説あり、栄えている木という意味で「栄木」とされたという説もあります。さまざまな説がありますが、そのどれもが縁起のいい語源です。その名前からも昔の人々が榊を神の降りる植物、いわゆる依り代だと考えていたということがうかがえますね。

また榊という漢字は、中国ではなく日本で生まれたことをご存じでしょうか。この漢字は、「木」と「神」を組み合わせた形だといわれています。それほど昔から神聖だとされてきた木だということが、漢字からも見えてきます。

榊の剪定時期と方法

榊は自然樹形を楽しむことができる樹木ですが、こまめに剪定をおこなうことで風通しがよくなり、病害虫を予防することができます。榊の基本の剪定時期と方法について詳しく見ていきましょう。

榊の剪定時期

榊の剪定時期は基本的に春(3~4月頃)または秋(9~10月頃)におこないます。しかし榊は生命力が強いため、それほど剪定に対して慎重になる必要はありません。日ごろから樹形などを確認し、こまめに剪定をおこないましょう。

剪定に不安のある方は、業者に依頼するという方法もあります。プロの技術で適切な剪定をしてもらえれば、より元気な榊に生長してくれるでしょう。

榊の剪定方法

榊の剪定では、枝の切り戻しによる樹形の維持が基本となります。伸びすぎた枝などが気になったら枝の途中で切って、樹形を整えるようにしましょう。このような弱めの剪定であれば、年中いつしても問題はありません。

それ以外の剪定としては、枝の間引きというものがあります。年に数回間引きをおこない不要な枝の除去をしておくと、風通しがよくなり生育環境が改善されるのです。混み合っている部分の枝枯れた枝などは、根元または枝が分かれた部分から切り落としてしまいましょう。

また、大幅に枝を刈り込むことで、樹形をしっかり形作る剪定方法もあります。剪定前に大まかな完成形のシルエットを想定して、刈り込んでいきましょう。

榊の基本の育て方

榊を効率よく育てるためには、生育の方法やコツを学んでおく必要があります。適切な生育方法を知って、上手に榊を育てられるようにしましょう。

榊の生育環境

生命力の強い榊は、多少日陰になっているような場所でも問題なく生長してくれます。適度に日光の当たる場所が望ましいでしょう。逆に直射日光が当たりすぎてしまう場所は乾燥のおそれがあるため、避けるようにしてください。

同様に、乾燥しやすいという理由から風が当たりすぎる場所なども適していません。極力風の当たらない場所に植えるようにしましょう。また、ヒサカキは比較的大丈夫ですが、本榊は寒さに弱い植物です。冷え込む場合、植えてからまだ経っていないとのことでしたら、寒い風が当たらない場所に移動させたり、株元を腐葉土で覆ったりするとよいでしょう。

水やり・肥料

榊の水やりは、こまめに土の状態をチェックしておこなう必要があります。土を見て乾燥しているようであれば、水をやるようにしてください。また、水切れや乾燥にもっとも注意しなければならない時期が、植え付けから約2年の間です。この期間はとくに乾燥に注意して、こまめに水を与えるようにしましょう。

また、肥料は年に1回与えるようにします。油かすなどの有機肥料を、2月ごろに一度だけ木の根元のあたりに与えましょう。

鉢植えの場合は少々時期と種類が変わります。鉢植えでは、3月ごろに与えるのが望ましいでしょう。この際、有機肥料ではなく化成肥料を与えてあげるようにしてください。

植え付け

榊の植え付けは、3月中旬~4月もしくは9月中旬におこないましょう。植える場所を決めたら穴を開け、有機質肥料もしくは緩効性化成肥料をいれてください。植え付けた後はたっぷり水を与えましょう。

榊の増やし方

榊の木は、自分でも育てることが可能な木です。とくに本榊は生長する速度こそ遅いですが、生命力が強いため、環境にさえ気を配れば比較的育てやすい木といえます。榊は、主に挿し木で増やす方法が一般的です。

挿し木で増やす方法

1.初夏(6月~7月)の時期に、榊の切り花または穂木を用意する
2.穂木を用意する場合は、10cm程度の長さで枝を切る。この際、切り口が斜面になるように斜めに切り落とす。
3.用意した枝を水にひたし、30分~1時間ほど待つ。この水に生長を促進させる薬剤をいれておくと効果的。
4.鉢に土をいれ、水に浸し終わった枝を挿す。
5.枝は、できるだけ日の当たらない場所で管理する。乾燥していない、程よくあかるい場所が望ましい。
6.榊の苗は温度変化に弱いため、簡易的なビニールハウスを作る。榊の苗にビニール袋をかぶせ、空気が出入りするための穴を数個所開けたらビニールハウスの完成。
7.以上の環境下で管理し、根が出てきたら苗を移動させて植え付ける。

注意したい病害虫

榊を育てていく上で注意していただきたい病気や害虫を一部ご紹介します。

すす病
カイガラムシやアブラムシによる糞によって黒いすすのようなカビが発生することがあります。すす病が悪化すると光合成がうまくできなくなり、榊が弱ったりしてしまうおそれがあるため、カイガラムシやアブラムシを見つけたら薬剤で駆除するようにしましょう。定期的に葉を確認し、糞が付いていないか確認するのも大切です。

カイガラムシ
カイガラムシはさまざまな形状の種類が存在します。植物の幹や茎に口吻を差し込み、養分を吸汁するのが特徴です。カイガラムシに養分を吸汁されてしまうと、植物は弱り、病気にかかるリスクが高まります。

カイガラムシは幼虫であれば薬剤で駆除することができますが、成虫になると殻を被るため薬剤が効きにくくなります。薬剤を使っても駆除できない場合は、自力で取り除くようにしましょう。

榊の葉っぱが茶色になる原因

本榊の葉っぱが茶色になった場合、それは新芽によるものかもしれません。本榊の新芽は古い葉が落ちたときに生え始め、赤茶色の小さな柔らかい葉をしています。この新芽は光合成をしていくうちにどんどん緑色になるため、心配はいりません。

また、榊の葉が茶色になる原因に「輪紋葉枯病」という病気が考えられます。輪紋葉枯病は葉に円形の黄褐色~褐色の輪紋があるのが特徴で、被害が広がると葉が落ちてしまいます。5月下旬~11月頃に発生し、梅雨など雨が降りやすい時期には被害が激しくなるようです。もし輪紋葉枯病にかかってしまっていたら、病葉を早めに取り除きましょう。落とした葉にも菌体がいるので、放置せずに処分するとよいでしょう。

榊の正しい供え方

榊を利用する場所として、私たちにもっとも身近な場所といえばやはり神棚でしょう。榊には正しい供え方というものがあります。ただし、この方法は地域によってもことなることがあるため、詳細は近くの神社などに質問してみてもよいでしょう。

榊立てにいれて神棚の両端におく
榊を生けておく容器として、「榊立て」と呼ばれる専用のビンがあります。その榊立てに榊をそれぞれ生けたら、社殿をあらわす宮形をはさんで、両端に配置しましょう。

本数は基本1本
榊立てにいける榊の本数は、基本的にひとつの榊立てに対して1本です。計2本の榊を、神棚には供えます。しかし、この本数に明確な決まりがあることは少なく、地域や風習によって少々ことなることも多いといわれています。

榊の交換は月2回
榊は、月に2回交換をしなければなりません。この2回の交換は、具体的な日付も指定されています。その日付は、「1日」と「15日」です。この2日は月の中でも縁起がよいとされており、榊の交換にも最適といわれています。かといってこの日以外は取り替えてはいけない、というわけではありません。葉が枯れてしまったときなどは交換してあげましょう。

榊を長く生けるコツ

榊を長く元気に生けておくには、生け方のコツを知っておかなければなりません。

水はこまめに替える
榊立てに入っている水は、こまめににおいなどの状態をチェックして替えてあげましょう。可能であれば毎日交換できると万全です。榊を長く生けておくには、衛生環境が非常に大切です。とくに、もっとも榊に密接な「水」が悪くなると、榊そのものの健康状態も悪化してしまいます。そうなると、どうしても枯れやすくなってしまうでしょう。

榊の水分補給も忘れずに
榊、とくに本榊は暑さには強いですが、乾燥状態に弱いという特徴があります。定期的に根元だけでなく、葉にも水をかけてあげましょう。この作業は乾燥防止のみならず、榊全体の衛生環境の良化にもつながります。

榊の「水切り」をする
新しく榊を生ける前に「水切り」という作業をしておくと、榊が長持ちします。この水切りの方法は簡単で、榊の茎を水中にひたし、そのまま茎の先端を切り落とすだけです。この際注意していただきたい点が、切る角度です。水切りの際は水平に切らず、断面が斜面になるように切りこみましょう。できるだけきれいに切れるよう、切れ味のよいはさみはさみを使うとさらに効果的です。

この水切りの頻度は、毎日おこなってもかまいません。1日の水交換のタイミングに、一緒に水切りもしてみましょう。

まとめ

榊は古くより神聖な木として親しまれており、現代にいたるまで神事などに使用され続けています。そんな榊には気候ごとに「本榊」と「ヒサカキ」の2種類があり、それぞれ地域ごとの「榊」として扱われてきました。

身近な場所では、主に神棚などに飾られる榊。長く供えておくには、衛生環境が非常に大切です。水の交換や水やりの具合次第で大きく木の体調が変わるため、こまめにチェックしておきましょう。

育てやすい木である榊ですが、ある程度の手入れ、つまり「剪定」をしておかなければ病害虫の被害にあう可能性もあります。剪定の作業に不安がある場合やこまめに手入れする時間がないという場合は、業者に依頼して榊を剪定してもらうと便利ですよ。

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