日本最古の調味料はデリケート!山椒の剪定はしっかりやっておこう

2023.11.20

日本最古の調味料はデリケート!山椒の剪定はしっかりやっておこう

山椒といえば、実が調味料として親しまれている植物です。「山椒は小粒でぴりりと辛い」ということわざがあるので、名前はよく知っている方もいるでしょう。料理を作る際に、辛さを出すスパイスとして山椒を使うことがあるのではないでしょうか。

山椒はなかなか高価なスパイスですが、じつはこの山椒、木を育てて実を収穫することも可能です。もし自分で育てて実を収穫できれば購入する必要もないので、その分費用を節約できるでしょう。

そこで今回は、山椒の剪定などの育て方についてご紹介していきます。育てるのが難しい植物ですが、うまく生長させた山椒を料理に使えば、市販されているものを使ったとき以上の美味しさと充実感が得られるはずです。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

山椒は余さず使える!その特徴とは?

山椒の「椒」という字には「香りがいい」という意味があります。そしてその名の通り、山椒の実は和食や中華料理などでスパイスとして使われることで有名です。熟した実をすり潰した「粉山椒」は、数百年も昔から使われてきたといわれています。

山椒は全身スパイス植物!?

食材としての山椒といえば、熟した山椒の実を粉状にした「粉山椒」のイメージが強いのではないでしょうか。たしかに粉山椒がもっともポピュラーではありますが、じつは葉や花の部分も調味料や食材として活用することができるのです。

たとえば、山椒の新芽は「木の芽」と呼ばれており、そのまま煮物などに盛り付けて料理の見栄えを良くしたり、包丁で刻んで木の芽味噌を作ったりなど、さまざまな用途に使うことができます。木の芽自身のさわやかな香りも相まって、食卓をより豊かに彩ってくれるでしょう。

また、兵庫県では山椒の樹皮が珍味として親しまれていたり、雄花も「花山椒」として佃煮や酢の物にして食べられたりしています。それ以外にも、熟していない山椒の実は「青山椒」と呼ばれており、こちらもぬか床や佃煮に使うことができます。

栽培に適した山椒は朝倉山椒とブドウ山椒

山椒にはさまざまな種類がありますが、その中でも食用として扱えるものは、「朝倉山椒」と「ブドウ山椒」が代表的です。これら2つの山椒は、大きな実をつけるだけでなく香りも強いので、食用の山椒として全国で重宝されています。

また、通常の山椒だと実をつけるのに雄株と雌株の2本が必要となります。ですが、朝倉山椒やブドウ山椒は雌雄同株なので、1本だけでも実をつけることができるのです。それだけでなく、通常の山椒にあるトゲもありません。そのため、初心者でも山椒を剪定しやすく、扱いやすくなっています。

山椒を育てるうえでのポイントを把握しておこう

山椒を育てるのは、それほど簡単ではありません。山椒は剪定が必要なのはもちろん、デリケートな植物なので環境が変化すると弱ってしまうおそれがあります。また、水切れしやすいうえに成長も遅いため、根気よく育てる必要があるでしょう。

山椒は育てるのが難しい

山椒はジメジメした場所を好みます。しかし、湿気が多すぎても病気にかかりやすくなってしまうためよくありません。また、直射日光のような強い日差しには強くありません。かといってまったく日に当たらなくても生長できないので、1日のうち何時間かだけ日が当たる場所で育てるのがよいでしょう。

なお、鉢植えで育てる場合は、7号以上の深さがあるものを用意してください。また、より大きな鉢に植え替えをする場合は、決して蜂についた土を崩さないようにしましょう。山椒は根が弱いので、環境の変化に耐え切れず枯れてしまうおそれがあるからです。

山椒の収穫シーズンはいつごろ?

山椒は3月中旬ごろから花が開花し、花が咲き終わると実が付き始めます。ですので、山椒の実が収穫できるようになるのは6月~9月までです。このときに採れる山椒の実が青山椒なのですが、これを料理で使うには、以下のような下準備をする必要があります。

1.小枝を取り外した青山椒の汚れを、流水で洗って落とす。
2.鍋いっぱいに沸かしたお湯に青山椒と塩一つまみを入れる。
3.青山椒をさっと茹でる。再沸騰して1分ほど経ったらざるにあげる。
4.水に1~4時間ほどさらしてあく抜きする。このとき、適度に水を替えるようにする。
5.ざるにあげて水を切り、水分を拭き取る。

水にさらす時間が長いと、その分青山椒の辛みが和らいでいきます。水を替える際に一粒食べてみるなどして、お好みの辛さに調節しましょう。こうして下準備をした青山椒は、小分けにして冷凍保存すれば約1年は保存可能です。

また、「木の芽」として使用できる新芽は4月~5月に、花は3~5月に収穫できます。摘みすぎはよくないので、適度な量を収穫するようにしてください。ちなみに、よく知られている粉山椒は完熟した実を使うため、そちらを作りたいときは10月頃になって種子を吐き出した実を収穫しましょう。

山椒の剪定時期は3月

山椒を健やかに育てるための剪定のやり方

山椒は樹形が乱れにくい植物ではありますが、それでも定期的に剪定をおこなう必要があります。山椒に限らず、剪定をしない植物は日当たりや風通しが悪くなってしまうため、害虫が湧いたり病気になったりする原因となってしまうからです。

山椒の剪定時期は3月

山椒は落葉樹です。そのため、葉の落ちている冬の間に剪定をおこなうのが最適となっています。そして、その時期の中でもおすすめなのが3月のはじめごろです。その理由は、山椒の花が咲くサイクルにあります。

山椒の実を収穫するのであれば、花芽を残しておく必要があります。山椒の花は3月の中ごろ~4月のおわりごろに開花します。3月のはじめごろは山椒の花が咲く直前なので、開花直前の花芽がどこについているのか分かりやすくなっています。そのため、花芽を切り取ってしまうことなく山椒の剪定をすることができるのです。

山椒の剪定方法

山椒を剪定する場合、まず全体の大きさや輪郭を決めます。外観を刈りこみバサミで切っていき、細かいところを後回しにしておくと効率がいいでしょう。山椒は樹形がまとまりやすい植物なので、それほど難しい作業ではないはずです。

外観の整理が終わったら、混み合っている枝や伸びすぎた枝を切り取っていきましょう。山椒の花芽は前年に伸びた枝の先についています。短い枝にも花が咲くこともあるので、実を収穫したいであれば、切り取ってしまわないよう注意してください。

なお、普通の山椒にはトゲが生えているので、トゲ対策として軍手を必ず着用するようにしましょう。軍手は布製の薄いものではなく、革やゴム製の厚手のものを使用してください。朝倉山椒やブドウ山椒にはトゲが生えていないので、比較的安全です。

山椒に与える水や肥料の適切な量

もちろん山椒の剪定も大事ですが、植物を育てるには適切な量の栄養を与えないといけません。少ないと簡単に枯れてしまいますし、与えすぎてもかえって問題です。また、山椒は病気や害虫にも弱いので、あらかじめ対策をしておかなければいけません。

山椒に与える水や肥料の適切な量

山椒を育てる際は、水やりや肥料の段階から気を使うようにしましょう。以下の要素をないがしろにしてしまうと、あっという間に山椒は枯れてしまうかもしれません。
 

土づくり

山椒は水はけのよい肥えた土地を好んでいます。また、水はけの悪い土だと病気の原因になってしまいますので、水はけのよい土を選ぶようにしてください。赤玉土と腐葉土と川砂を5:4:1の割合で混ぜた土を使用するのがよいでしょう。
 

水やり

山椒は水切れに弱いので、こまめに水やりをしてください。とくに夏場は水が乾きやすいので、水を切らせないよう気をつけましょう。地植えの場合は水やりに気を使う必要はあまりありませんが、真夏の頃はわらなどを敷いて乾燥対策をしてください。
 

肥料

山椒の肥料は、基本的に1月~2月に油かすを与えます。実の収穫後などで山椒が弱っている場合は、そのタイミングでも少し油かすを与えましょう。なお、肥料用の油かすは事前に発酵させておく必要がありますが、すでに発酵済みのものも販売されています。

病気や害虫にも要注意!

山椒を育てるときは、病気や害虫の被害に遭わないよう気を遣わなければいけません。害虫に葉を食べられたり、病気によって葉が変色したりしてしまうと、食用として使うのが困難になってしまうでしょう。
 

アゲハチョウの幼虫

山椒はもともと害虫に弱い植物ですが、その中でも天敵となる存在がいます。それが、アゲハチョウの幼虫です。この虫は山椒の葉を好んで食べるうえに食欲旺盛なので、放置しているとどんどん葉を食べられてしまいます。

アゲハチョウは4~5月にかけて卵を山椒に産み付けようとするため、その時期は防虫ネットを張るなどの対策をしておきましょう。アゲハチョウの幼虫はすぐに発見できるサイズではあるので、もし見つけたらすぐに駆除してください。
 

白絹病

山椒がかかりやすい病気のひとつに「白絹病(しらきぬびょう)」があります。根本に白い絹のような病斑ができるこの病気にかかると、残念ながら回復することはほぼ不可能です。もしかかってしまった場合は、ほかの植物へ感染してしまわないように株ごと抜いて処分しましょう。

白絹病は湿度の高い環境で発生しやすいので、湿度の高い場所に山椒を置かないことが重要となります。また、山椒の剪定をすると込み合った枝が消えて風通しが良くなるので、湿度も下がって白絹病が発生するリスクを減らすことができるのです。

山椒に与える水や肥料の適切な量

まとめ

今回の解説でもわかる通り、山椒は育てることが非常に難しい植物です。しかしその葉や花、実や木の芽はいろいろな料理に使用できますので、がんばって育てる価値は十分あるでしょう。健やかに育ってくれた達成感も、それまでの苦労の分だけ大きいはずです。

山椒は湿った場所を好みます。水やりは注意して適切におこないましょう。また、肥料は山椒の様子を定期的に確認して、弱っているようなら随時与えてください。

なお、山椒の剪定自体はそれほど難しいものではありませんが、ほかの植物の剪定はそう簡単にはいきません。とくに大きな庭木になると、素人が剪定すると木が弱ってしまうおそれがあります。ですので、そういった場合は剪定業者に依頼するようにしましょう。

剪定を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「剪定」をご覧ください。

迅速・丁寧に受付対応!

庭木1本からお任せください!

※対応エリアや加盟店によって変わります

庭木が健康に成長するためにかかせないのが剪定です。剪定のプロがお庭や植木の状態を詳しくお調べし、プロの目から見て一番効率の良い最高の剪定方法をご提案します。

『生活110番』では、
お住いの地域で人気のプロを探せます

お庭・樹園、どんな木でも対応。落ち葉、枝、雑草など剪定後の処理もいたします!

剪定 1本 2,100円~
剪定のおすすめ業者を見る

関連記事カテゴリ一覧

剪定の記事アクセスランキング

剪定の最新記事

カテゴリ別記事⼀覧