ツバキの剪定方法解説!不要な枝を落として害虫を予防し開花の準備を

2023.11.20

ツバキの剪定方法解説!不要な枝を落として害虫を予防し開花の準備を

おもに冬から春にかけて美しい花を咲かせてくれるツバキですが、花を美しく咲かせるには適切な剪定をおこなうことが大切です。

ツバキの剪定は、新芽を傷つけない開花後の時期に透かし剪定と切り戻し剪定をおこなう必要があります。

この記事でツバキの特徴を知り、樹木の生育に合わせた適切な時期に正しい方法で剪定をしましょう。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

ツバキに剪定が必要な理由

椿はきれいな花を咲かせてくれるので、庭に植える木としてとても人気があります。暑さにも寒さにも強い木でもあるため、日当たりが悪くても花を咲かせてくれます。そんな育てやすく人気の高いツバキですが、以下のような理由から定期的な剪定は必要です。

・害虫予防
・景観を保つ

剪定をせずに枝が伸び放題になっていると、密集した枝によって風通しが悪くなり、湿気が増えて害虫が生活しやすい環境になります。剪定をして無駄な枝を切り落とすことで風通しをよくする必要があるのです。

椿の剪定に適した時期

また、長く放置しておくと見た目が悪くなってしまうので、剪定して木の形を整えることも大切です。せっかくきれいな花を咲かせてくれるツバキの木ですので、庭の景観に合わせた状態に剪定することをおすすめします。

知っておきたい!ツバキ剪定の基本

剪定をしなくてはいけないとわかっても、いつどのようにおこなえばよいのかわからないのでは対処できません。まずはツバキの木に適した剪定の時期と方法を確認しましょう。

剪定時期

ツバキの剪定に適しているのは、花が終わった直後の4~5月頃です。品種によって多少の違いはありますが、基本的にツバキは2~4月頃に花を咲かせ、6月ごろから花芽が付きます。

枝

そのため、花芽をつける6月以降に剪定をしようとすると、間違って花芽を切り落としてしまうおそれがあるのです。このような失敗をしないためにも、花が終わった直後に剪定することをおすすめします。

剪定方法

ツバキの木を長持ちさせるためには、量を調節しながら枝を切り落とす剪定が必要です。おもな剪定方法は「透かし剪定」と「切り戻し剪定」の2種類があるので、それぞれどのような剪定方法かご紹介します。

透かし剪定

透かし剪定は間引き剪定とも呼ばれ、翌年に成長する芽などを残して枝先だけを切る弱剪定に分類される方法で、樹形を大きく変えるものではありません

枝同士が絡まったものや根元から伸びる枝など、不要な枝を付け根から切って枝の数を減らしていくというものです。

ツバキの剪定でまずおこなわれるのはこの透かし剪定で、風通しをよくすることを目的としています。

樹木の内側に水がたまるのを防ぐために、切り口が滑らかになるよう斜めに剪定することがポイントです。

切り戻し剪定

切り戻し剪定は、樹形をつくる太い枝を切るような強剪定に分類されるのですが、全体的に大きく枝葉を切り落とすので、木には大きな負担がかかります。

枝を大胆に切り落としてツバキの木全体の形を整えるものなので、透かし剪定を終えてからおこなってください。

ポイントは木全体のバランスをしっかりと見ながらおこなうことです。全体の枝の量が減りすぎないように調整しながら切り落としていきましょう。

ツバキを剪定するときの注意点

基本的にはご紹介した2種類の剪定が必要なのですが、もともと元気がない弱い樹木を強剪定すると、そのまま枯れてしまうこともあるので注意しましょう。

また、切り口からは不要な枝が生えやすくなるため、一度強剪定をしたあとは定期的に剪定して樹形を整えてください。

また、春か秋にツバキの木についている古い葉の裏を見てみると、小さな芽が付いていることがあるのですが、この芽はこれから大きく成長していく部分です。切り取ってしまうとツバキの成長がストップしてしまうので、そのまま残しておきましょう

道具を揃えて剪定に挑戦しよう

ツバキの剪定にはさまざまなものが必要です。道具・服装・後処理に必要なものにわけてご紹介しますので、それぞれ忘れないように準備してから剪定をおこないましょう。

道具
・剪定バサミ
・剪定用ノコギリ

服装
・長袖長ズボン
・軍手

後処理に必要なもの
・殺菌剤
・ビニールシート
・ビニール袋
・新聞紙

剪定の手順

ご紹介したものを揃えたら、しっかりと長袖長ズボンを着て軍手を着用し、以下の手順にしたがって剪定に挑戦してみてください。新聞紙やビニールシートはツバキの木の下に敷いておいて、片づけしやすいようにしておくのがおすすめです。

1.完成形を想像する
作業を始める前に、剪定後の樹形を想像しておきましょう。イメージが定まっていないと、形を整えるときに迷って失敗してしまうおそれがあります。

2.透かし剪定をする
新芽を傷つけないように注意しながら不要な枝を落としていきましょう。

3.切り戻し剪定をする
全体のバランスを見ながら形を整えます。形を整えた後も枝が多いと感じる場合は、短めの枝を再度カットして調整してください。

4.葉の量を減らす
葉が多すぎても風通しが悪くなるおそれがあります。切り戻し剪定をしても同じ場所からたくさん葉が生えている場合は、少し減らしておきましょう。

5.殺菌剤を塗る
剪定は樹木の健康のために必要な作業ですが、木を傷つけることに変わりはありません。切り口から菌などが入らないよう殺菌剤を塗っておきましょう。太めの枝はとくに注意が必要です。殺菌剤の塗り忘れがないようにしてください。

6.後片付けをする
カットした枝や葉をツバキの木の下に敷いておいた新聞紙やビニールシートとまとめて片付けましょう。地面にはみ出して落ちた枝葉もそのまま残しておくと足をひっかけたり枝が刺さったりする危険性があるので、掃除して片付けておくようにしてください。

剪定は業者に依頼するのもおすすめ

ご紹介した手順に沿って作業すれば、初めてでも剪定は可能です。しかし、「残すべき新芽がわからない」「どのくらい枝を切ってよいのだろう」など、適切な判断が難しいこともあるでしょう。

少しでも自分で剪定をおこなうことに不安がある場合は、無理になんとかしようと思わなくてもかまいません。プロの剪定業者に相談して、理想のツバキの木に仕上げてもらいましょう。

庭木の基本的な剪定方法

剪定業者は植物の特徴などに関する知識や丁寧な剪定技術を持っています。木の成長具合や全体のバランスを考えて、適切な剪定をおこなってくれるでしょう。

目的の樹形によって剪定方法を変えよう

ツバキの木は、庭木として育てるだけでなく、生垣として育てたり盆栽として育てたりとさまざまな楽しみ方ができます。そして、基本は前述した方法で剪定しますが、植える場所や楽しみ方によって違った剪定の仕方をするケースもあるのです。

間違った剪定をおこなって木を枯れさせてしまうことがないように、それぞれの育て方に合わせた剪定方法も覚えておきましょう。

【ツバキの盆栽】

観賞用に枝や幹に手を加えられたツバキの盆栽では、立派な花を咲かせるための剪定が必要になってきます。

樹形を保つための剪定

盆栽としての椿は樹形自体を、美しさを重視したものに作られています。そのため、根や幹を作りたい形に針金で固定した状態で、枝の数を増やす剪定をおこなっていきます。

1本の枝から増やしたい枝の分だけ、葉を残して剪定していくのです。このとき不要な枝は切り取っておきましょう。

花芽を付ける剪定

ツバキの盆栽で剪定をするときには、この花芽を付けるための剪定が大切になります。花が咲き終わったあとに、再び新しい花芽を付けてもらうために、余分な枝を切り落とします。

新芽を見つけたときも同様で、枝や葉が増えすぎないように調整しながら取り除いていってください。

【庭木のツバキ】

庭にツバキを植える場合は、おもなツバキの剪定方法である透かしと切り戻しを時期に合わせておこなってください。直植えでも鉢植えでも要領は同じです。前述した方法を参考にして剪定しましょう。

【庭木の椿】

【垣根のツバキ】

ツバキの木を複数植えて垣根にする場合は、もっとも気を配って剪定をおこなう必要があります。ツバキ自体が大きく成長しているので、害虫がつきやすいからです。

ツバキにはチャドクガという害虫がつきやすくなっています。チャドクガは毒針を持っていて、人体に悪影響を及ぼす危険性があります。刺されてしまうと皮膚がかぶれてしまったり、吸い込んでしまうと肺に炎症を起こしたりするおそれがあるのです。

そのため、このチャドクガがまだ孵化していない冬に剪定をおこなうようにしましょう。また、チャドクガは初夏から活動を開始します。剪定しても木に残ってしまう場合は、夏に入る前には駆除しておきましょう。

花が枯れる・咲かないときの対処法

正しい方法で剪定をしているはずなのに花が咲かなかったり枯れてしまったりすることもあります。その場合は、以下のような原因が考えられます。育てているツバキの状況と照らし合わせて、必要な対処をおこないましょう。

・栄養不足
・酸欠
・花芽を切ってしまった

広い庭に直植えしている場合や、大きな鉢植えで育てている場合、そして肥料が不足している場合は栄養不足によって花が咲かなくなっている可能性が高いです。

ツバキは花を咲かせるよりも木が成長するほうにエネルギーを使ってしまうため、大きくなる可能性がある場所では木の成長ばかりに栄養分が使われて花が咲かないことがあります。

花を咲かせたい場合は、肥料を増やすかもしくは小さい鉢植えに植え替えたり根を少し切ったりして、成長を抑制しましょう。

また、ツバキの近くを歩き回るなどして土を踏み固めてしまうと酸欠状態になります。呼吸ができない状態では植物も弱ってしまうので、花が咲かないのです。

酸欠状態の土は水が浸透しにくくなっています。水やりのときは土にも注目して、ツバキの周りの土が湿って柔らかくなっているかどうか確認するようにしてください。

そして、最後が剪定に慣れない人が失敗する可能性が高いものでしょう。残すべき花芽が判断できずに切ってしまっているケースです。花芽がなければ当然花は咲きません。

手順が正しいだけでは剪定は成功とはいえないでしょう。上記のような失敗を避けたい場合は、プロに剪定を依頼して理想の樹形に整えるのがおすすめです。

日ごろのお手入れもツバキの成長を左右する

ここまではツバキの特徴や剪定方法についてご紹介してきました。しかし、どれだけ正しく丁寧に剪定をおこなっても、日ごろのお手入れを怠ってしまったら台無しです。

毎年美しいツバキの花を楽しむために、日々のお手入れも気を配っておこなうように心がけましょう。

水やり

土の表面をさわってみて、表面が乾いている場合はたっぷり水を与えましょう。水やりの目安は、夏などの暑い時期は1日2回、冬の寒い時期は3日に1回です。

剪定後のケアと普段のお手入れ

肥料

肥料を与える時期は、花が終わった3月~5月に1回、成長が落ち着いた9月~11月に1回です。開花は栄養を消費するため、開花後は栄養不足になりがちです。また、寒い冬を越すためにも栄養が必要になるので、忘れずに肥料を与えましょう。

肥料は、幹から少し離れた位置に与えることがポイントです。枝先の下あたりに10cmほどの深さの穴を掘り、肥料を入れたあと土をかぶせましょう。

注意すべき病害虫

ツバキにつきやすい害虫は、チャドクガカイガラムシなどが代表的です。放っておくと葉が食い荒らされたり毒針に刺されたりとさまざまな被害にあう危険性があります。

害虫のつきやすい春と夏の時期は、特に注意しましょう。もし害虫を見つけたら、直接さわらずに、ゴム手袋などを装着してから害虫を取り除きましょう。

また、花腐菌核病すす病などの病気にも注意が必要です。花腐菌核病は、雨などで花や葉、枝にたまった水が原因で発生します。開花時に花弁に発生する病気で、茶褐色の斑紋が現れます。

すす病はすすのような黒いカビが発生する病気です。葉の光合成の邪魔をするので、木の成長のさまたげになります。カイガラムシの排泄物などが原因となるので、害虫対策をしっかりとおこない、病気の発生を防ぎましょう。

これからツバキを育てるなら苗木選びが大切!

ツバキの木のお手入れ方法や剪定方法がわかったところで、最後にこの記事を読んでこれからツバキを育てようと思った方に向けて苗木選びの大切さをご紹介します。

まず苗の購入時期ですが、1~2月がおすすめです。ツバキにはさまざまな品種があり、花の色にも種類があります。そのため、1~2月の開花時期に花の色味を見ながら好みのものを探すのがおすすめといえるでしょう。

そして、枯れそうな枝葉がないかや葉に食べ痕があるなど害虫被害にあった様子がないかをよく確認し、健康そうな苗を選ぶのがポイントです。

植え替えの時期もポイント

購入した苗は、庭に植えつけたり鉢植えを変えるために植え替えたりすると思いますが、その際にも注意点があります。

ツバキは暑さにも寒さにも強いですが、植え替えは一時的に根がむき出しの状態になり木が無防備になるので、なるべく穏やかな気候のときにおこなったほうがよいでしょう。

もっとも適した時期が3~4月、次に適した時期が9~10月です。有機物を含んだ肥料を土に混ぜておき、ツバキの根の2倍くらいの大きさに穴を掘って植え付けや植え替えをしましょう。

このとき、サイズは根の2倍ほど必要ですが、深さはあまり必要ありません。根が深くに埋まり過ぎないよう注意してください。そして、隙間のないように根が植えられたら、土の表面がしめるくらい水を与えて完了です。

まとめ

ツバキは気温の変化にも強く育てやすいため、垣根、庭木、盆栽など、どんな木の形状でも扱いやすい木といわれています。そして、美しいツバキを長く楽しむためには、ツバキの形状に合わせた方法で定期的な剪定をおこなうことが大切です。

しかし、どの部分を剪定したらいいかの判断が難しかったり自分で剪定できるのか不安になったりする方もいるでしょう。

ツバキの剪定をするときに、せっかくついた花芽を摘んでしまっては勿体ないですよね。剪定業者に依頼すれば、花芽を摘むような失敗の不安もなく安心してツバキの剪定を任せることができます。

業者を探すのが大変という場合は、弊社にご相談いただければお住まいの地域やご希望の作業内容などに合わせて業者のご紹介が可能です。いつでもお気軽にお電話ください。


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