さまざまな植物の中でも、松の木は比較的剪定をおこなうのが難しいといわれています。なぜなら、松の枝や葉の伸び方が複雑なので剪定する枝を見極めるのが困難であったり、剪定中にマツヤニがついてしまったりするからです。
しかし、正しい手順を知ればそうした問題に悩むことなく剪定をおこなうことができます。そのため自分で松の透かし剪定などをしたいという方は、このコラムを参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
松の「透かし剪定」をしてみよう
松の透かし剪定とは、現在の樹形と理想とする樹形を比較したうえで不要だと考えられる枝を切り落とす作業です。ただしここで述べる理想の樹形とは、見た目がよいだけの樹形ではなく松の育成にとって最適な樹形という意味で使います。理想の樹形に近づけるために、透かし剪定について見ていきましょう。
作業前に!必要な道具・服装
透かし剪定に関わらず、松の剪定をする際には汚れても問題のない服や手袋、靴を着用してください。また、服は腕や足が十分隠れる長さのものが理想的だといえます。なぜなら松から身を守る必要があるからです。松の葉はほかの植物より先端が鋭いうえに、松の剪定をすれば必ずマツヤニと接触するといってもよいでしょう。
また松の樹高がある場合は、ヘルメットを着用するなどして万全の状態で剪定をおこなってください。剪定に使用する道具は、剪定バサミ・のこぎり・脚立などです。剪定バサミは細い枝を、のこぎりは太い枝を切る際に使用します。
また、樹高のある松の上部の剪定に欠かせない脚立には頑丈なものを選ぶことをおすすめします。なぜなら、高所でバランスを崩せば怪我を負うリスクが伴うからです。通常の脚立よりも多少値段が高くても、バランスを崩しにくい剪定用脚立が適しているといえます。
剪定はいつやるべき?
松の透かし剪定は、秋におこなってください。なぜなら秋は松の休眠期だからです。松が休眠期に入っていれば剪定をしても成長にあたえる影響は少ないですし、切り口から病気に感染してしまうリスクをおさえることもできるでしょう。
ただし、松の健康に一切悪影響をあたえないというわけではないので、誤った剪定をすると弱ってしまう危険性があります。そこで次は、松の育成にとって最適な剪定のポイントをご紹介しましょう。
松の透かし剪定のポイント4つ
透かし剪定を松に対しておこなう際には、ほかの植物とは違った作業のポイントがあります。ここではそうしたポイントを4つにまとめてみていきましょう。
樹形はさまざまな角度から確認
松の透かし剪定は、先述のとおり不要な枝を切り取ってしまうためのものです。そのため、まずは不要な枝を見極める必要があるでしょう。その不要な枝とは、以下のような基準に当てはまるものをいいます。
・樹形を遠目で見てバランスを崩していると考えられる枝
・上から見て周りの枝とは進行方向が異なる枝
・下から見て日光が全体に行き渡るのを阻害している枝
・葉は手で摘む
松の葉は剪定バサミで切ってしまうとその部分だけ不自然に整ってしまい、全体で見ると樹形に違和感をあたえる原因となりかねません。そのため、葉の付け根からむしり取ることがおすすめです。
・枝の先端はY字
松の枝は、先端が複数に分岐します。ただし、大きく成長するのは既存の枝の直線状にある枝であるため、透かし剪定ではその枝を剪定します。そのため、直線の枝が切り取られて先端がY字になった枝が理想的です。
・剪定は上から下、奥から手前へ
松の枝はもろくて折れやすいため、剪定した枝が落下してぶつかった衝撃で折れてしまうことがあります。そういったアクシデントによって樹形が乱れることを防ぐためにも、上から下へ、奥から手前へといった順番を意識しつつ剪定をおこなうようにしましょう。
剪定した枝は癒合剤でケアを
剪定が終わった後の松は、全体的に切り口がむき出しになっています。つまり、通常よりとても病気になりやすい状態だといえるでしょう。そのため、切り口をふさぐための湯合剤をぬることをおすすめします。
松の剪定は「春」と「冬」も必須!
秋におこなう松の透かし剪定のほかにも、松の育成には2つの作業が追加で必要になってきます。それは春におこなうミドリ摘みと冬におこなうもみあげ剪定です。それぞれの役割と方法をおさえておきましょう。
春:ミドリ摘み
春におこなうミドリ摘みは、伸びてきたばかりの柔らかい新芽を摘み取ってしまう作業です。ミドリ摘みをしないと新芽は成長して枝に葉を茂らせるため、もっさりとした樹形になってしまうでしょう。
そうしたことを防ぐためにも、春の段階で枝の先端にある複数の新芽を摘み取るのです。新芽は透かし剪定のポイントと同じようにY字になるように残します。こうすることで急激に成長する枝を取り除き、樹形が崩れることを防ぐことができるでしょう。
冬:もみあげ剪定
もみあげ剪定とは、古い葉を手で取り除く作業です。こうすることによって松の木全体に日光が行き渡り、健康な状態を保つことができます。また古い松の葉は、枝を軽く握って手をスライドさせることで簡単に取り除くことができるので、もみあげ剪定をおこなう際は参考にしてみてください。
害虫がいたら一緒に駆除しましょう
松を弱らせる害虫として、マツカレハの幼虫が挙げられます。この害虫は松の葉を食べて成長するため、放置しておくと松を枯死させる危険性があるでしょう。そうしたマツカレハの対策として、もみあげ剪定をしっかりおこなうことが挙げられます。
なぜなら、マツカレハの幼虫は葉の間で冬を越すからです。不要な葉を落とすことでマツカレハの幼虫は越冬する場所を失い、冬の寒さに耐えられなくなる可能性が高まるでしょう。ただし、マツカレハの幼虫を確認したら冬まで待つのではなく、その都度駆除をしたり薬剤を散布したりすることをおすすめします。
松は年間を通して手入れが必要な植物
松の育成には日頃の手入れに加えて、春のミドリ摘みや秋の透かし剪定、冬のもみあげ剪定と年間を通して欠かすことのできない重要な手入れがあります。そのため、ほかの品種より手間のかかる植物であるといえるでしょう。
しかし立派に育てることができれば、シンボルツリーとして庭を彩ることのできる存在でもあります。もし「松を理想の樹形を保ったまま育てたいけど自信がない」という方がいたら、剪定の作業を業者に任せてみてはいかがでしょうか。
剪定中にマツヤニがついた!マツヤニの落とし方
松の透かし剪定中にマツヤニが付着するのは、避けることができないといってもよいでしょう。そうした避けられない事態から身体を守るために、腕や足の隠れる服を着用することが有効になるわけです。
しかし、どれだけ気をつけていても身体にマツヤニがついてしまうことはあります。また、剪定に使用した服をもう一度きれいにしたいという方もいるでしょう。そうした方のために、マツヤニの落とし方について紹介していきます。
手についたときは
手についたマツヤニを落とすにはアルコールやクレンジングオイルが効果的です。マツヤニは空気に触れると油分が蒸発し、肌をおおう膜のような状態で個体になります。そのため再度アルコールやクレンジングオイルによって液体に戻し、洗い流してあげることが有効であるといえるでしょう。
髪についたときは
髪についた場合も手についたときと同様にマツヤニの油やアルコールに溶けやすいという性質を利用します。食用で肌についても安心なオリーブオイルやサラダ油などを使用してマツヤニを取り除きましょう。ただし、髪にかけるだけではマツヤニを完全に除去することができないため、しっかりと拭き取ってから洗い流すことをおすすめします。
服についたときは
服にマツヤニがついたときには、アイロンをかけることがおすすめです。服にアイロンをかける際には、マツヤニがついた部分を不要な布や紙ではさんでください。熱で溶けたマツヤニがはさんだ布や紙に移り、服のマツヤニを取り除くことができるでしょう。またどうしても取り切れなかった少量のマツヤニは、洗濯によって取れることがあります。
まとめ
松の透かし剪定は、見栄えをよくするだけでなく健康を維持するためにも必要な作業です。ほかの植物への剪定と比べて意識しなければならないポイントが多く、誤った剪定をおこなうと松の健康を害してしまうおそれがあるので注意してください。しかし、正しい知識を持って取り組めば自分でおこなうことも不可能ではありません。
春のミドリ摘みや冬のもみあげ剪定と合わせて手入れをおこない、理想とする樹形を目指しましょう。また、作業の際についたマツヤニはオイルで取ることができるので試してみてください。
しかし年間を通して必須の作業がある松の育成は、簡単なものとはいえません。そのため、こうした作業を億劫だと感じた方は、業者に依頼することをおすすめします。プロに剪定を託すことで、剪定にかける時間や労力をすべて省くことができるでしょう。弊社では無料見積りをおこなっているので、お気軽にご連絡ください。
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