美しい白と桃色の花が咲いているハコネウツギをみかけると、自宅にほしいと考える方もいるでしょう。じつは、ハコネウツギは家庭でも植えやすく、育てやすい植物なので、そこまで育てるのは難しくありません。
今回はハコネウツギの特徴や、育て方、剪定のやり方についてご紹介します。最後まで読んでいただければ、ハコネウツギを育てるときに役立つ知識が身につくでしょう。
目次
実は箱根ではあまり見られない!ハコネウツギはこんな木
2色の花が美しいハコネウツギですが、「箱根空木」と漢字で書くものの、じつは箱根ではそこまで見る機会のない木です。育てるためにも、まずはハコネウツギがどのような植物なのかを解説していきます。
ハコネウツギはもともと箱根では確認されていない植物で、しばらくしてから箱根の海岸付近でみかけるようになったのです。では、どうしてハコネウツギという名前がついたのかといいますと、箱根でよくみかけるニシキウツギと間違えたという説が主力となっています。ただし、その説が正しいかどうかはまだはっきりしていません。
ハコネウツギの生息地域は、沿岸や海岸などの水辺付近であり、北海道の一部を除いた全国でみかけることがあります。はじめは白色の花が咲くものの、時間がたつと赤色が混じり、桃色の花に変わっていくのが特徴的な木です。
ハコネウツギは暑さや寒さに強く、病害虫に対しても抵抗力がありますので、家庭用としては育てやすい樹木となっています。また、潮風に強いことから、沿岸地域に住む人は防風用としても利用することがあります。
ハコネウツギを育てるときのポイント
ハコネウツギを植える場所としては、水はけがよく、日当たりのよい場所が好ましいです。基本的には育てやすい植物なので、よほど土質が悪くて湿気が多い場所でなければ、栽培することができます。
ただし、乾燥には弱めですので、西日が直接かかるような日当たりがよすぎる場所は避けておくほうがよいでしょう。もし、植えた後に日が当たりやすい場所だと気づきましたら、ハコネウツギの根元に腐葉土やワラなどをかぶせるか、こまめに水やりをおこなうとよいです。
ハコネウツギを育てるとき、水やりは自然に降る雨にまかせます。ただ、夏場などの乾燥しやすい時期は、自力で水やりをおこないましょう。また、病害虫に関しては、風通しや日当たりさえしっかりしていれば、そこまで気を使わなくてよいです。
そして、肥料については1~2月ごろの、ハコネウツギの根が休眠する時期におこないます。肥料を与えるときは、ハコネウツギの根の先端を狙うとより効果を発揮します。ただし、直接触れてしまうほど根に近づけて肥料を与えますと、木が痛んでしまって、成長をよくするどころか悪くするおそれがあることに注意しましょう。
ハコネウツギには剪定がかかせない
ハコネウツギをうまく育てるには、剪定がかかせません。理由としては日当たりや風通し、見た目をよくすることができるからです。
伸びた枝を放置していると、枝やそこから生えた葉によって、日光や風が遮られてしまいます。そのため、これらの枝を取り除くことで、ハコネウツギの成長をうながすことができるのです。また、はみ出ている枝を取り除けば、ハコネウツギをきれいに整えることができますので、剪定をおこなえば見た目をよくすることもできるのです。
剪定のタイミングは、夏と冬の2回です。5月~7月ごろでは見栄えをよくするために、伸びすぎた枝を取り除きます。また、12月~3月の間におこなう剪定では、栄養がいきわたりすぎて太くなった枝や、絡まっている枝を切り落とします。
注意点としては、7月以降の剪定は気をつかないと、来年の花に悪影響を与えるおそれがあることです。この時期は、花や芽を作るための準備をしている段階ですので、強めの剪定をおこなってしまいますと、開花しないことがあります。そのため、7月~11月の間の剪定はできるだけ控えるか、軽く整えるぐらいにしておくのが望ましいです。
ハコネウツギの増やし方や鉢植えを使った育て方もチェックしておこう
ハコネウツギを、複数本育てたくなるときや鉢植えで育てる場合があるかもしれません。そのときのために、ハコネウツギの増やし方や鉢植えでの育て方を知っておくと便利でしょう。
増やすときにはさし木をする
ハコネウツギを増やす場合は、剪定などで切り落とした、新しめの枝で挿し木をおこないます。先端に3枚ほど残るように葉をむしっておき、1時間ほど枝を水につけましょう。その後は、鉢植えなどに入れた土に挿しておき、毎日水やりをおこなうと次第に成長していきます。
また、植えつけるときは、まず挿し木用の枝が、葉の部分より少し下まで入るぐらいの深さで穴をあけて、中に枝を入れながら土を戻して植えます。このとき、底に腐葉土や堆肥などを入れておくと成長しやすくなります。
そして、挿し木をおこなう時期としては、春ごろが適しています。前年の冬ごろに剪定した枝を使う場合は4月中が、今年剪定した枝を使う場合は6~7月ごろがおすすめです。増やし方はそこまで複雑なものではありませんので、ぜひ試してみてください。
鉢植えで育てるときは注意が必要
鉢植えで育てる場合の注意点としては、水やりがかかせないことです。鉢植えでは土の量が地面よりも少ないため、ためこめておける水分量が少ないからです。
また、剪定も地植えより大変なことが多いことも挙げられます。鉢植えでハコネウツギの枝が伸びてしまいますと、スペース的に窮屈になってしまうので、定期的に枝を剪定する必要があるのです。また、根も鉢植えの大きさまでしか伸ばすことができないため、のびのびと育てるのが難しいといえるでしょう。
まとめ
ハコネウツギは水辺に近い場所を好む植物で、白色から赤色に変わっていく花が特徴的です。また、暑さや寒さに強く、病害虫に対しても抵抗力があることからご家庭でも育てやすい樹木となっています。
育てるとき、地植えの場合では基本的には雨だけで十分ですが、鉢植えでは乾燥しやすいので、ひんぱんに水やりが必要です。また、風通しや日当たりをよくするために剪定をおこないます。時期としては夏と冬ごろで、5~7月ごろは伸びすぎた根を、12月~3月ごろでは太い枝や絡まっている枝を取り除きます。
このように、ハコネウツギは剪定が毎年かかせない植物だといえます。そのため、剪定でお困りの際は、業者に頼んでみてはいかがでしょうか。
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