整枝で果物をたくさん実らせよう!果樹ごとの整枝について解説!

2023.11.20

整枝で果物をたくさん実らせよう!果樹ごとの整枝について解説!

育てている果樹に果実をたくさん実らせたいとお考えではないでしょうか。果実の収穫量を増やすためには、適切に整枝と剪定をおこなうことが大切です。

しかし整枝と剪定の違いや、適切におこなう方法がわからないといったご意見も多いかと思います。そこで本コラムでは、整枝と剪定の違いや正しいやりかた、また果樹に果実をたくさん実らせてもらうためのポイントをご紹介します。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

整枝と剪定は正確には別のもの

樹木や果樹の栽培には、「整枝」と「剪定」という言葉があります。整枝と剪定は作業内容に被っている部分が多く混同してしまうことが多いのです。しかし厳密には整枝と剪定は異なります。果実をたくさん実らせてもらうためにはどちらも大切で欠かせないため、ここで両者の違いをしっかりと確認しておきましょう。

木の枝を切り、日当たりや風通しをよくするために樹形を整えることを「剪定」といいます。剪定は木を病害虫から守り枯らさないようにするためには欠かせない作業です。病気や害虫は湿気やカビなどが原因になる場合が多く、枝のボリュームが気になるところを中心に剪定をおこなっておくことで予防することができます。

また剪定は病害虫の予防だけでなく美しい樹形を維持するためにも大切です。伸長した枝、樹形を乱している枝を切り詰めることで枝の長さやバランスが整い、栄養が木全体に満遍なく行きわたり樹形の美しさを保つことができます。また花芽をつけない枝を切り落とすことで新たに枝が生え、芽吹かせる花芽を増やすこともできるのです。

このように剪定は「木を枯らさないこと」、「木の見た目を整えること」が目的です。いっぽうの整枝は「果実の収穫量を増やすこと」に目的を置いています。整枝も剪定と同じように木の枝を切り落としたり樹形を整えたりするので作業自体はあまり変わりません。

整枝をおこなうことで実がつく枝を増やすことができたり、果実ひとつひとつに栄養が均等に行きわたることで果実の大きさをそろえたりできるのです。整枝と剪定の目的は違いますが作業自体は似通っている部分が多いため両者を合わせて「整枝剪定」といいます。

整枝と剪定は正確には別のもの

整枝剪定についての基礎知識

整枝と剪定を合わせて整枝剪定と呼ぶということがわかりました。さらに整枝剪定には「切り返し剪定」と「間引き剪定」があります。これらは目的に応じて使い分けていきましょう。

切り返し剪定と間引き剪定の違い

「枝の途中」から枝を切り落とすことを、切り返し剪定といいます。おもに木の勢いを回復させたいときに用いる剪定方法です。元気のない枝を、枝の途中から切り落とすことで木に刺激が加わり勢いが増すことで枝がより大きく成長してくれるのです。

いっぽう間引き剪定は、枝の途中からではなく「枝の枝元」から切り落とします。この剪定方法は、栽培環境を整える際に使われています。枝のボリュームが多くなっているところを中心に枝を枝元から切り落とすことで、風通しをよくして病害虫の発生を防ぐことができるのです。また枝の量が減ることで作業しやすくなるという利点があります。

整枝剪定のやり方

整枝剪定は技術と経験が必要な作業になります。「どのような樹形にしたいか」や「枝の量が多い場所はないか」など樹木全体を観察しましょう。また、これからご紹介する整枝剪定のやり方の前提として、基本的に太い枝から着手すると作業がしやすくなります。

まず間引き剪定からおこないましょう。枝のボリュームが多い部分は抑えたり、骨格となる枝の配置を決めたりしていきます。骨格となる枝の配置が決まれば、つづいては切り返し剪定です。枝の形が「三角形」になるように骨格となる枝から生えているほかの枝の長さをそろえていきましょう。

整枝剪定についての基礎知識

整枝剪定をするときの注意点

上記でご説明した整枝剪定は基本のやりかたになります。木の種類によって適した整枝剪定の時期や樹形が異なることに注意しておきましょう。

整枝剪定をする時期

庭木と果樹では整枝剪定の適した時期が違います。また庭木の場合でも落葉樹や針葉樹、常緑樹などの種類によって適した時期が変わります。

アオダモなどの落葉樹は、冬の葉がすべて落ち切った後が整枝剪定をおこないやすくなるため12月~2月にかけてが適期です。まつやもみの木などの針葉樹、キンモクセイなどの常緑樹は寒さに弱いため、春から夏前にかけて適期になります。

果樹の整枝剪定は、基本的に12月~2月におこなうようにしましょう。冬は木の休眠期間になるため、この時期に整枝剪定をおこなうことで果樹にあたえるダメージを最小限に抑えることができるからです。ただし育てる果樹の種類によっては、適切な整枝剪定の時期が冬ではない場合があるため一度ご自身で確認していただくことをおすすめします。

太い枝は切り方を変える

太い枝を整枝剪定するとき、力任せに枝を切り落とそうとすると木に大きなダメージをあたえてしまい弱らせてしまうおそれがおります。そのため、太い枝を切り落とす際は、木に負担をかけないようにすることが大切です。

まず太い枝の下側に切り込みをいれます。これだけのことで枝を切り落としやすくすることができるのです。あとは枝の上側からバッサリと切り落としてしまいましょう。あらかじめ枝の下側に切り込みをいれているので、木への負担を軽減できるはずです。太い枝の切り口からは雑菌が入りやすくなっているため、忘れずに癒合剤を塗ってコーティングします。

果樹ごとに適した樹形は違う

どんな樹形にしたらよいかは、果樹によって異なります。枝の伸び方などは果樹によってさまざまだからです。

もも
ももは、日当たりと風通しがよくなるような樹形が望ましいです。2本、育てる枝を選び、2本の枝の間隔ができるだけ均等になるように配置させましょう。

ぶどう
ぶどうの樹形には、うえから見てXに見える「X型」や、Hに見える「H型」などがあります。ぶどうを育てる土地が平坦なのか傾いているかによって樹形を選んでその形に整えましょう。

整枝剪定をするときの注意点

おもな果樹の整枝方法

果樹ごとの適した樹形がわかったところで整枝剪定のやり方をお伝えします。やり方だけでなく時期にも注意しておこないましょう。

もも

ももの整枝剪定は、12月~2月ごろにおこないます。果実が実りやすくなるように、日当たりと風通しには気をつけなければなりません。育てる枝を2本選び、そのほかの枝は枝元から切り落としてしまいましょう。ここで注意点として、育てる2本の枝は何でもよいわけではありません。樹形が「Y字」になるように枝を選ぶことがポイントです。

また切り落とした枝は時の経過とともに伸長します。伸びてしまうと樹形が崩れるため、残した枝と比較して3分の1ほどの長さになるように切り詰めておきます。

おもな果樹の整枝方法

ぶどう

ぶどうの樹形は2年目から整え始めるのがよいでしょう。ぶどうの葉がすべて落ちた1月~2月ごろがぶどうの剪定の適期です。

鉢植えで行灯(あんどん)仕立てにしている場合、育てていく枝を1本選びましょう。ほかの枝は間引きます。最後に、残した枝を支柱に1~2周ほど巻きながら誘引をおこなっていきます。このとき、ぶどうの房がなったときに低い位置にならないように高さを調整しておくとよいでしょう。雨が降ったときに泥が跳ねても、房に当たらない高さが目安です。

まとめ

整枝剪定は、樹形の美しさを維持するためだけでなく、病害虫の発生を防いだり、おいしい果実を実らせたりするために必要な大切な作業になります。

木の休眠期間の冬におこない、日当たりと風通しがよくなるように枝の配置を整えたり量を調節したりすることが基本です。しかし果樹ごとに特徴が異なるため、いまお伝えした基本の整枝剪定だけでは、なかなかたくさんの果実を実らせることはできません。

まとめ

そのため基本をしっかりと抑えたうえで、最終的には育てている果樹の特徴に合わせた整枝剪定をおこなわなければならないのです。このように、果樹栽培は一定の技術と経験値が必要になるので簡単な作業ではありません。適切に整枝剪定をおこなうことができるかどうか不安のある方は一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。


迅速・丁寧に受付対応!

庭木1本からお任せください!

※対応エリアや加盟店によって変わります

庭木が健康に成長するためにかかせないのが剪定です。剪定のプロがお庭や植木の状態を詳しくお調べし、プロの目から見て一番効率の良い最高の剪定方法をご提案します。

『生活110番』では、
お住いの地域で人気のプロを探せます

お庭・樹園、どんな木でも対応。落ち葉、枝、雑草など剪定後の処理もいたします!

剪定 1本 2,100円~
剪定のおすすめ業者を見る

関連記事カテゴリ一覧

剪定の記事アクセスランキング

剪定の最新記事

カテゴリ別記事⼀覧