月桂樹の剪定時期・方法を解説!庭木の成長に必要な手入れを解説

2023.11.20

月桂樹の剪定時期・方法を解説!庭木の成長に必要な手入れを解説

月桂樹は年に1回または2回、間引き剪定という方法で剪定します。なぜなら、月桂樹は成長しやすい樹木であるため、定期的に剪定しないと手のつかない大きさになってしまうからです。また、剪定をしないと枝が密集し、病害虫の被害にあいやすくなります。

月桂樹を育てている方は、この記事でご紹介する方法を参考に月桂樹を剪定してみましょう。また、育てかたや葉の活用方法を知ればもっと月桂樹の魅力を楽しめるので、ぜひあわせてご覧ください。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

月桂樹の剪定時期

植物の剪定をおこなう際は、それぞれの植物に適した時期におこなうことが重要になります。たとえば花をつける植物の場合、剪定の時期を誤ると翌年花が咲かなくなってしまうなどのトラブルにつながることがあるからです。

それでは、月桂樹の場合はどうなのでしょうか。月桂樹は、木の成長段階によって剪定の時期が異なります。

まだそんなに大きく育っていない月桂樹を剪定する場合は、6月ごろが適した時期です。形があまり崩れていない月桂樹の場合、この時期であれば、剪定作業が新しい芽を摘むだけですむのです。新しい芽を摘むことで、月桂樹の背が成長しすぎるのを防止することができます。

植え付けから数年が経過した月桂樹であれば、3月~4月ごろが剪定に適した時期です。また、月桂樹は成長が早い植物としても有名なため、ボリュームが気になる場合は年に2回ほど剪定をおこなうとよいとされています。

また、3月~4月ごろしっかり剪定したら、10月ごろにもう一度全体を整えるのがおすすめです。こうすることで、年間を通して美しい状態を保つことができるでしょう。

剪定で使う道具

剪定で使うおもな道具は、下記のとおりです。

・剪定バサミ
剪定バサミは一般的な工作用のハサミと違い、刃が半円のカーブのように曲がっています。その構造からより力をかけずに枝を切ることができるのです。剪定バサミを購入する際には、実物をにぎってみて使いやすいと感じるものを選びましょう。

・植木バサミ
植木バサミは指をかける輪っかが大きい、剪定用のハサミです。直径5mm以下の細い枝を切るのに適しています。それ以上の太さの枝では、剪定バサミを使います。

・刈り込みバサミ
生垣やトピアリー(創造的な形に庭木を刈り込むこと)の剪定で使われるハサミで、上記のハサミに比べて柄と刃が長いのが特徴です。

・剪定ノコギリ
剪定バサミで切れないような太い枝を切る際に使います。片刃で柄が短いものが使いやすいでしょう。

・脚立またははしご
高い枝を切る際に使います。足場が安定していること、ロックがかかっていることなどを確認し、安全に注意しながら使いましょう。

・軍手
枝や葉でケガをしてしまうことがあるので、剪定の際には軍手を着用します。

月桂樹の剪定方法

ここからは、月桂樹の剪定方法をみていきましょう。剪定で切る枝の種類、基本的な剪定方法となる間引き剪定、生垣などの形を作り出す刈り込み剪定の順で解説していきます。

切る枝の種類

庭木の剪定では基本的に、木の成長をさまたげる不要な枝を切っていきます。不要な枝といわれる枝はいくつか種類があるので、覚えておくとスムーズに剪定できるでしょう。

ふところ枝……枝元や主幹から伸びる細い枝
腹切枝……幹と交差する枝
交差枝、絡み枝……枝同士が交差する枝
車枝……一か所から何方向にも伸びる枝
下り枝……下向きに伸びる枝
胴吹き枝……幹の下のほうから伸びる枝
平行枝……ほかの枝と平行に伸びる枝
徒長枝……いきおいよく伸びる枝
逆さ枝……木の幹に向かって伸びる枝
ひこばえ……株本から伸びる細い枝

基本的な間引き剪定

月桂樹を1本の木で自然な形に仕立てる場合、基本となる剪定方法は「間引き剪定」です。下記の手順で剪定します。

1.樹高を抑えたい場所で幹を切る
月桂樹は樹高が高くなりやすい庭木なので、定期的な剪定では樹高を調整する必要があります。剪定用のノコギリを使い、好みの高さで幹を切ります。月桂樹は生育の力が強いので、幹を切っても大きな問題はありません。

2.不要な枝を間引き剪定する
つぎは、細部の剪定をしていきます。月桂樹は、内部に葉や枝が密集してしまうと風通しが悪くなります。風通しが悪くなってしまうと、害虫の発生、日光が当たらないなど、成長のさまたげとなってしまうのです。

月桂樹の健やかな成長を促すためにも、さきほど切る枝の種類でご紹介した不要な枝を、剪定バサミなどを使用して切り落としましょう。

また、ひとつの枝から葉や細い枝を間引くのも大切です。枝の先端に2~3本ほどの枝が残るようにし、あとはハサミで切ってしまいましょう。こうすることで月桂樹の内部は風通しがよくなり、害虫予防にもつながります。

基本的な間引き剪定は、このようにおこないます。さらに、剪定後の樹高の伸びを抑えてコンパクトな状態を保ちたい方は、6月ごろに出た新芽を切っておくとよいでしょう。

生垣やトピアリーでは刈り込み剪定

月桂樹は自然な樹形以外に、生垣、トピアリー、スタンダード仕立てなどさまざまな樹形が楽しめる庭木です。

トピアリーとは、庭木を動物や立体的な図形に仕立てることです。スタンダード仕立てについては、幹の上部以外の枝を落とし、残した部分を丸い樹形にすることで、鉢植えでつくられることが多いです。

月桂樹の刈り込み剪定は、下記の手順でおこないます。

1. 樹形を乱す枝を切る
好みの樹形をイメージしながら、樹形からはみ出る枝を切っていきます。枝は根本から切りましょう。

2.刈り込む
刈り込みバサミでイメージした樹形となるよう刈り込んでいきます。途中で、少し離れた場所から樹形を確認しながら仕上げていきましょう。

このように、月桂樹は刈り込み剪定によって生垣、トピアリー仕立て、スタンダード仕立てなどを楽しむことができるのです。

月桂樹を剪定する目的やメリット

剪定は体力や時間を使うので大変ではありますが、庭木を美しく・元気に育てるためにはかかせない作業です。ここで、月桂樹を剪定する目的やメリットについてみていきましょう。

樹高・樹形を管理できる

月桂樹は萌芽力(芽が出て成長する力)が強いために成長スピードが速く、とくに縦に成長しやすい植物です。そのため、高さを整える剪定をおこなわないと、どんどん縦に伸びてしまいます

そして、あまりに背が高くなってしまうと、手入れが大変になってしまうだけでなく、倒木の危険もでてきてしまうのです。そんな危険な状態を避けるためにも、月桂樹の剪定をおこなう際は、背が高くなりすぎないように背丈の調整をおこないましょう。

月桂樹を剪定する際は、あらかじめ理想とする高さを決めておくとよいでしょう。理想とする高さよりも月桂樹が成長してしまわないよう、定期的に剪定をおこなうことをおすすめします。

また、根が土に深く根付いていない場合、倒木の危険性が高まってしまいます。根が浅い場合や地盤がやわらかい場合は、できるだけ高さを低めにしておくとよいでしょう。

病害虫を予防する

月桂樹は剪定をおこなわないと、枝や葉が密集し、病害虫の被害にあいやすくなります。月桂樹がかかりやすい厄介な病気として、「すす病」というものがありますのでご説明しましょう。

すす病とは、植物がカビの一種である「すす病菌」に侵されてしまうことによって、葉の表面が黒っぽくなってしまう病気です。

すす病は、植物の光合成や水分の蒸発をさまたげてしまいます。そして、結果として植物が枯れてしまうのです。

それではなぜ、植物は突如すす病に侵されてしまうのでしょうか。その原因のひとつとして、「カイガラムシ」があげられます。カイガラムシとは、体長が数ミリほどの虫で、おもに風通しが悪く暗い場所を好んで生活している虫です。

そんなカイガラムシは、植物の汁をエサとするため、葉などに寄生します。カイガラムシの排泄物はすす病菌のエサとなるため、この害虫が寄生すると、すす病になる危険性が高くなってしまうのです。

すす病やカイガラムシによる被害を発見した際は、黒くなっている葉を取り除き、害虫駆除の薬を散布しておくとよいでしょう。また、すす病を引き起こす要因となるカイガラムシが好む環境をつくらないためにも、月桂樹はこまめに剪定し、風通しをよくしておくことが大切です。

成長や花付きをよくする

剪定には、庭木の成長を促したり花をたくさん咲かせたりする効果もあります。不要な枝や葉を落とすことで日光が木全体に当たるようになり、光合成によって成長が促されるのです。また、不要な枝や葉を落とすことでほかの部分に栄養が行きわたりやすくなるも、成長や花付きをよくする理由です。

月桂樹の育て方をおさらい

これからも月桂樹の魅力を楽しむために、この機に育て方をいちどおさらいしてみましょう。また、月桂樹の成長にお悩みがある方も、お手入れを見直すことで原因・解決法がわかるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

月桂樹(ローリエ)の基本情報

月桂樹(ゲッケイジュ、ローリエ)は地中海沿岸が原産地の、クスノキ科の樹木です。月桂樹の葉のついた枝でつくった冠は、古代ギリシャや古代ローマの時代に勝利と栄光のシンボルとして名誉ある人物にかぶせられていたそうです。

そのように地中海沿岸地方では特別な意味をもつ月桂樹ですが、じつは、料理の香辛料としても人々に親しまれています。乾燥した葉は「ローリエ」や「ローレル」と呼ばれる香辛料・ハーブとして使われています。料理での使い方はのちほど月桂樹の葉の活用方法でご紹介していくので、ぜひご覧ください。

育てる環境

月桂樹は日当たりがよい場所が栽培に適していますが、日陰でもある程度明るい場所であれば問題ありません。

しかし、もともと暖かい地方が原産であることから、冬の寒さが厳しい場所では庭植えは育ちにくいともいわれています。土壌については、水はけがよい土を好みます。

水・肥料やり

月桂樹は乾燥に強いため、基本的には水やりは不要です。しかし、庭植えで植え付けから2年未満のものは、土が乾いたときに多めに水をやってください。また、鉢植えの場合も土の表面が乾いたころに水をやりましょう。

肥料については、庭植えでは2月に有機質肥料を、鉢植えでは3月に化成肥料を与えるとよいです。

挿し木での増やし方

ほかの庭木と同じように、月桂樹も挿し木によって数を増やすことができます。そのため、月桂樹の数を増やしたいと考えている方は、剪定と一緒に挿し木に挑戦してみるのもおすすめです。

正しい手順を知れば、それほど難しい作業ではないので、以下の手順を参考にしておこなってみてください。

1.月桂樹の枝を10~15cmほどの長さに切り取る
2.1本の枝に対して葉が2~3枚になるよう整える
3.切り口の部分を鋭角になるよう斜めにカットする
4.水の入った容器に切り口を浸し、1~2時間かけて吸水させる
5.赤玉土の苗に植え付けて、風通しのいい日陰で管理する

挿し木は一か月ほどで根が張ってきます。根が張ってきたことを確認できたら、鉢植えや庭植えとして植え替えてあげましょう。そのあとは通常通り育ててあげることで、挿し木の月桂樹は大きくなっていきます。

葉の収穫時期

料理の香辛料として使える月桂樹の葉の収穫については、とくにきまった時期はありません。収穫する際には硬く厚みがある葉を選ぶとよいです。

月桂樹の葉の活用方法

お庭づくりのために月桂樹を育てている方も、せっかくなので月桂樹の葉を使って料理をつくってみたり、インテリア小物をつくってみたりしてはいかがでしょうか。月桂樹の新しい楽しみ方を発見すれば、日々のお手入れもいっそう楽しくなるでしょう。

料理に使って香りを楽しむ

月桂樹の葉を料理の香辛料として使う場合、葉をよく乾燥させる必要があります。収穫した葉は水洗いで汚れを落とし、キッチンペーパーなどで水気をふきとってから、よく乾燥させてください。

乾燥した葉は、シチュー、ポトフ、ミネストローネ、カレーなどの煮込み料理に使われることが多いようです。食材の臭みを消したいときや、香りをプラスしたいときに使ってみましょう。

手作りインテリア小物をつくる

月桂樹の枝や葉を使って、おしゃれなインテリア小物をつくることもできます。代表的なものはリースで、細くやわらかい枝を何本か用意し輪っかにし、さらに葉を挿し込んだり飾りをつけたりします。

また、葉のついた枝を乾燥させてドライフラワーのようにお部屋に吊るすという楽しみ方もあります。違う種類の葉や花と組み合わせて作品をつくってみるのも楽しいでしょう。

まとめ

月桂樹は成長スピードが速く、縦に成長するという特徴があります。定期的に剪定をしないいと背が高くなりすぎてしまい、手入れが大変になったり、倒れてしまいます。また、剪定をすることで、すす病やカイガラムシの被害の予防にもつながります。

月桂樹の剪定は、自然な樹形を楽しむ場合は間引き剪定を、生垣やトピアリーに仕立てる場合は刈り込み剪定をおこないます。間引き剪定では、交差しあっている枝や内側に伸びる枝など、成長のさまたげになる枝を切ってください。刈り込み剪定では、理想の樹形をイメージしながら丁寧に剪定しましょう。

しかし、背が高くなりすぎた月桂樹などの剪定は危険な場合もあるので、不安な場合は業者に相談することをおすすめします。業者に依頼する際は、複数社から見積もりをとるなどして、信頼できるところに任せるとよいでしょう。

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