水田用の除草剤まとめ|クログワイなどの難防除雑草についても解説

2021.4.30

水田用の除草剤まとめ|クログワイなどの難防除雑草についても解説

水田によって、除草剤を使うタイミングや使うべき種類はまったく違います。ポイントを確認せずにそのまま除草をしてしまうと、ちょっとしたところでミスをおかして、除草の失敗につながります。

除草剤の効果をしっかりと得たいのであれば、まずはどのようなところで使用上のミスが出てしまうのかを確認しましょう。どのようなところでミスをするのかを確認することで、除草剤を選ぶポイントやその大切さも見えてくるのです。

このコラムでは、水田用の除草剤の散布を失敗したときの原因や、除草剤の使い方・選び方などを解説していきます。もしむずかしそうだと感じたら、無理せず業者に相談しましょう。

除草剤はちょっとしたことで失敗することも

水田に生えてくる雑草を駆除するうえで、水田用の除草剤は非常に便利です。購入して散布をするだけなので、地道に草刈りをしなくとも、手軽に除草をすることができるのです。ただし除草剤を使っても、除草に失敗してしまうことがあります。

除草が失敗する原因には、強風や豪雨といった自然の摂理によるものがあります。しかし意外と多いのが、「作業を丁寧におこなわなかった」というものです。除草をするには商品選びから使い方まで細かく知らなければならないので、ちょっとした部分を見逃してしまい、そこが原因で失敗するのです。

そこでこちらでは、防ぐことができるような、除草剤散布の失敗原因をご紹介します。どのようなところで失敗が起きやすいのかを確認してから、除草剤の選び方や使い方を学ぶとよいでしょう。

原因1:自分の水田に合わない除草剤を購入した

除草剤は商品によって、使用に向いている雑草・効果の出方・有効成分などがまったく違います。そのため自分の水田に合った除草剤を選ばなければ、除草剤としての効果を発揮することができず、除草をすることができないのです。除草剤を使おうと考えている方は、まず除草剤選びに真剣に取り組むことが大切です。

原因2:水田の準備と仕上げをおろそかにしてしまった

じつは、水田の質によっても大きく左右されるのです。これは、除草剤の効果の出方に理由があります。除草剤にはいくつか種類があり、種類ごとに散布方法も少々異なってきます。そのなかに、粒を水中に散布して除草をおこなうような除草剤があります。

水中に粒を散布する除草剤は、粒のなかの成分が水中に溶け出し、その成分が土壌に浸透します。成分が浸透した土壌の層は「処理層」と呼ばれ、雑草に対して除草効果をもたらしてくれるのです。

代かき(しろかき:田に水を張って土をねり、表面を平らにする田植えの準備)を丁寧におこなった質のよい水田であれば、作物の生長点は地中に埋まっているため、除草効果のある層に触れることはありません。しかし、代かきが十分におこなえていないと、生長点が処理層に剥きだしてしまい、作物が悪影響を受けてしまうことがあるのです。

雑草による作物への悪影響を防ぐために除草をしたのにも関わらず、除草作業によって作物が悪影響を受けてしまえば大変です。そのため、これから田起こしなどをする方は、準備をしっかりおこなうことをオススメします。

また、処理層に雑草を浸すことができなければ、除草の効果はなくなってしまいます。そのため、水田の水深管理はしっかりとおこなっておくことが大切です。水深管理についてはこのあとの「水田用の除草剤の使い方」で詳しくご紹介をしているので、ぜひご覧ください。

雑草管理は育て始めだけでなく、作物がある程度生長をしてからもおこなうようにしましょう。ある程度作物が育ってくると、それにともない除草剤の効果も切れてきます。雑草の生長する力はすさまじく、除草剤の効果が切れるとすぐに生えてきてしまいます。

雑草が太陽の光を浴びてどんどん生長してしまうと、作物の生育が悪くなる原因にもなります。イネを育てている場合は、小さな稲穂(幼穂)が形成されるまでは、除草剤を使用して雑草が生えないようにしっかりと見守ることが大切です。

水田用の除草剤まとめ|クログワイなどの難防除雑草についても解説

原因3:除草剤の使い方を間違えた

除草剤の使い方を間違えてしまい、効果が不十分になってしまうこともあります。除草剤は商品によって、散布方法に違いがあります。そのため使用する前に購入した除草剤の説明を確認せず、思い込みで散布をしてしまうと失敗してしまうでしょう。除草剤を使用するときは、使用時期だけでなく散布方法なども十分に確認しておくことが大切です。

ほかには、使うタイミングを誤ってしまうことがあります。最近は地球温暖化が進んでいるため、例年と比較して気温が高くなりがちです。そのため、一般的だとされる散布時期と、散布するべき時期がずれてしまうことがあります。例年の気温や、使用する除草剤の散布すべき気温などを考慮したうえで、使用することをおすすめします。

水田用の除草剤の選び方

除草剤とひとくちにいっても、いくつか種類があります。そのため、それぞれの水田に合った除草剤を選ぶことが大切です。こちらでは、除草剤の種類や選ぶときのポイントについて解説をしていきます。種類ごとの特徴や大切なポイントをおさえたうえで、選びましょう。

・除草剤の種類はおもに4つ

除草剤はおもに「初期除草剤・中期除草剤・後期除草剤・初中期一発処理剤」の4種類にわけることができます。この4種類は、それぞれ使用に向いている時期が違ってきます。

初期除草剤は田植えをしてから5日ごろまでに使用するもの、中期除草剤は田植えから20~25日ごろに使用するものです。後期除草剤は25日以降の、田植えから日が経ったタイミングでの使用に向いています。

初中期一発処理剤は、田植えから25日ごろまで、まんべんなく使用することができます。その使い勝手のよさから、除草は初中期一発処理剤が使われることが多いです。

ただし、ノビエなどの除草がむずかしいような雑草だと、複数回除草剤を散布する必要があります。除草がむずかしい雑草は、後期剤なども一緒に併用して使用することが多いです。

・選ぶポイント

購入したい種類を選んだら、具体的に商品を決めましょう。除草剤は商品によって、費用や成分など以外にも、「薬剤の形状・散布するタイミング・除草に向いている雑草」がそれぞれ違ってきます。これらも除草をするうえで重要なので、それぞれについて確認していきましょう。

薬剤の形状

除草剤はおおまかに4種類にわけることができますが、さらに除草剤の形状によってわけることができます。除草剤の形状は、粒と液体があります。粒は湛水(水田に水をためて水位を維持すること)している状態でまくことで除草をしますが、液体は水深を浅くした状態で葉や茎に噴射して除草をします。除草したい雑草によって適切な商品を選びましょう。

散布するタイミング

除草剤によって効果が出るタイミングも違います。たとえば、雑草がまだ成長していないタイミングで効果が出るものもあれば、伸びきっているときに効果が出るものもあるのです。

雑草の成長度合いは、「葉期」によって確認することができます。葉期は、雑草に何枚葉がついているのかによって決まります。もし雑草に葉が2枚ついているのであれば、2葉期となります。このように、雑草の葉期も確認したうえで除草剤の種類を選び、散布するタイミングを計るようにしましょう。

除草したい雑草の種類

除草したい雑草の特性にあった除草剤を選ぶことも大切です。雑草によっては、特定の成分に抵抗をもっている種類もあります。そのため、まずは除草したい雑草に抵抗性があるのかを確認しましょう。もし特定の成分に抵抗性があれば、別の成分が使われている除草剤を購入してください。

また除草剤は、効果に期限があることが一般的です。そのため年中生えているような雑草に効果が短い除草剤を使用すると、除草できないことがあります。除草したい雑草が年中生えているものであれば、複数の除草剤を併用して除草をしましょう。

水田用の除草剤の使い方

除草剤を購入したら、いよいよ散布をします。除草剤の散布は、基本的に説明に書かれている散布方法にのっとって、適切な時期に散布をおこなえば大丈夫です。

しかし除草剤を使うのが初めての方であれば、なかなか作業のイメージがつきづらいものでしょう。そこでこちらでは、除草剤のなかでも粒で散布するタイプのものを例にあげて、除草剤を使うときの流れの解説をします。

【1】準備をする

除草剤を購入したら、散布の準備をおこないます。除草剤によって散布方法はかわり、人によってはヘリコプターやドローンを活用して作業をおこなう方もいます。そのため、必要であればそういったものも用意をしましょう。

またこのとき、ご自身の水田の状況も確認しておきましょう。水田によっては、ネズミなどの生物が土に穴を掘っていることがあります。穴を放置した状態で湛水させ除草剤を使用すると、せっかくの除草効果がある処理層も漏水してしまいます。

また、イネなどの作物を水深が低い状態で育てている場合も、十分な効果を発揮しません。たとえば、湛水で1キロ粒剤タイプの除草剤を散布する際は、5cm程度の水深が必要です。事前に水深の調整もしておくとよいでしょう。

水田用の除草剤まとめ|クログワイなどの難防除雑草についても解説

【2】除草剤をまく

準備ができたら、実際に除草剤をまいていきます。上記でもご紹介したように、除草剤によって除草効果の出るタイミングは異なります。雑草の葉期を確認してから散布をするようにしましょう。

粒タイプの除草剤を使うときのポイントは、「均等にまくこと」です。まく場所にかたよりがあると、除草剤が途中で不足してしまいます。また効果にもかたよりが出るため、散布するときの量には注意をしましょう。

【3】水管理をおこなう

除草剤を散布できたら、そのあとは水管理を徹底しましょう。粒タイプの除草剤は処理層によって除草をするので、処理層となる水が足りなかったり流れてしまったりすれば、除草効果がなくなってしまいます。とくに散布後の7日間は慎重に管理をしてください。おおよそ6㎝程度は水深を確保しておきましょう。

また、万が一水が漏れてしまったら、継ぎ足す必要があります。水を継ぎ足すときは、ゆっくりとおこないましょう。

クログワイなどの除草がむずかしい雑草は……

除草剤は、自分に合った商品を購入して正しい使い方をすることで、適切な効果を発揮することができます。しかし水田に生えてくる雑草のなかには、なかなか除草することのできない種類のものが生えていることもあります。とくに「雑草イネ」や「クログワイ」は防除のむずかしい雑草として有名です。それぞれの対策についてみていきましょう。

雑草イネ

水田はとくに、雑草イネが生えていることが多いです。雑草イネは、放置してしまうと水田に植えている作物の質に大きな悪影響を及ぼしてしまうため、除草しなければなりません。しかし雑草イネは1葉期以降だと、除草剤が効かなくなってしまいます。

そのため、初中期一発処理剤だけでなく、後期除草剤を併用して除草をおこないましょう。また翌年の発生を軽減するために、機械洗浄の徹底や移植栽培へ方法を変えるなどの対策をすることも有効だとされています。

水田用の除草剤まとめ|クログワイなどの難防除雑草についても解説

クログワイ

クログワイなどの雑草が生えていることもあるでしょう。クログワイは、塊茎(かいけい)と呼ばれる茎があります。塊茎は、根のような繁殖の役割をもつ茎である「地下茎」が肥大化したものです。この塊茎は地中に根のような状態で存在するため、地表では見えないのに、地下で横広がりにどんどん繁殖しているという事態が起きます。

塊茎は一部を駆除しただけでは、残りの塊茎によって再び繁殖がおこなわれるため、除草もむずかしいのです。このような地下茎の性質をもつ雑草を駆除するには、茎葉処理剤を使うことが効果的だとされています。茎葉処理剤を使って少しずつ塊茎を減らし、時間をかけながらクログワイ対策をおこないましょう。

それぞれ有効な防除法はありますが、生命力の強さから、一筋縄で駆除をすることはできません。除草の作業を続けるのは骨が折れるものです。除草作業が大変に感じる方は、業者にお任せしてしまうのもよいでしょう。

まとめ

除草剤は正しい使い方や選び方をしなければ、ちょっとした油断も失敗の原因につながってしまいます。そのため、水田用の除草剤を使おうと考えている方は、準備から仕上げまで当たり前のことを確実に、おこなうようにしましょう。

しかしなかには、除草がむずかしいような雑草もあります。とくに水田でよくみられる雑草イネは、1葉期をこえると除草剤が効かなくなってしまいます。ほかにもクログワイという雑草は、塊茎という茎を使って地中で繁殖をおこなうため、部分的に駆除をしてもすぐに繁殖してしまうのです。これらの雑草にも有効な対策方法は考えられていますが、長期間対策をするのは、骨が折れるものです。

そのようなときは、草刈りだけ業者へ依頼するというのもひとつの手です。業者へ依頼をすれば、負担がかかることなく、雑草イネやクログワイといった除草のむずかしい雑草に悩まされることもなくなるでしょう。

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