環境を整えるために大切!「皆伐」の意味と伐採との違いとは?

2021.4.30

環境を整えるために大切!「皆伐」の意味と伐採との違いとは?

あまり聞きなれない言葉、皆伐(かいばつ)とはなんでしょうか?
皆伐に対して「皆伐は森林を破壊するからだめだ」 「森林を破壊するなんて許せない」と思った方も少なくないでしょう。 しかし意外に聞こえるかもしれませんが、実は皆伐は人にとっても、さらには環境にとっても大切なことなのです。

伐採の一種である皆伐のおかげで人にとっても自然にとっても役に立っていることはたくさんあります。しかし、むやみに行う皆伐は自然破壊と同義でありますし、人の目から見ても良い行いとはいえません。

そこで今回は、伐採の種類、皆伐はなぜ大切なのか、皆伐をするメリットやデメリットを ご紹介していきます。

そもそも皆伐って?

皆伐(かいばつ)とは、対象となる範囲の木をみんな切り取ってしまうことを指します。対象範囲の木をみんな切り取るため、伐採した木の搬出が容易にでき、作業効率は高いです。
しかし皆伐で切り取った範囲は後になにも残らず、山肌があらわな状態となります。生態系への影響もあり、皆伐に反対する声も多く上がりがちです。

また皆伐は主に以下のように分かれています。
 

・スタンダード皆伐(対象となる範囲の木を全て切り取る)
・パッチ皆伐(あらかじめ決めた範囲を切り取る)
・ストリップ皆伐(並んでいる木を線に沿って切り取る)

 
      そもそも皆伐って?

皆伐・主伐・択伐ではなにが違うの?

伐採は大きく分けて、林業収入を重視した「主伐」と自然環境を重視した「間伐」に分けることができます。
主伐はその中でも皆伐・択伐に分けることができます。具体的にどのような違いがあるのか、それぞれ特徴をまとめましたので見ていきましょう。

主伐(しゅばつ)
用材など販売するために伐採することを指します。基本的に適切な伐採タイミングに達した樹を対象とした伐採であり、未熟な状態の樹は基本的に伐採しません。

皆伐(かいばつ)
対象となる範囲の木を全て切り取ってしまうこと。(主伐の一種)

択伐(たくばつ)
森林内にある伐期に達した木を切り取り、また植林する伐採方法。(主伐の一種)
林業を持続可能なスタイルにして、一定の品質の木を提供することができる。
一斉に伐採をするのではなく、タイミングをずらして何回かに分けるのが他の伐採方法との違いです。

間伐(かんばつ)
自然保護を重視した伐採方法です。
森林の荒廃や土砂災害などを防ぐために木を切り取ります。
      皆伐・主伐・択伐ではなにが違うの?

皆伐をするメリット・デメリット

皆伐をすることによって、どんなさまざまなメリットがあります。
また反面デメリットも存在するため、以下でそれぞれ見ていきましょう。

メリット

皆伐のメリットのひとつは、作業効率が上がることです。
同じ樹齢の木をまとめて収穫できるため、作業効率の大幅な向上が望めます。
また、皆伐によってまとめて伐採されたところに植林すると、同じ樹齢の木を育てることができ、育った木を同じ方法で皆伐し、一斉に収穫できます。

また、花粉が多い樹木を皆伐することで花粉症対策にもなります。

高度経済成長期に建築ブームが起こり、木材の需要が高まりました。そのため森林は伐採され、代わりに比較的成長が早いスギが大量に植えられています。今やスギ植林は日本に約90億本あるといわれるほどなのです。

スギ林は一方で花粉が多く、建築ブームを背景に花粉症は国民病にまでなりました。そのためスギ林を伐採すれば、花粉症の被害を大幅に減らすことができるように感じる人も多いのではないでしょうか。

しかし実際は、スギは二酸化炭素の吸収量がほかの樹木より優れているため、地球温暖化を防ぐために役立つとされています。このように無計画に伐採することは別のデメリットが生まれてしまうため注意が必要です。

さらに、皆伐を行うことで道路環境を改善することにつながります。
林道や事故が起こりそうな区域、景観が悪い区域に生えている木を伐採し、林道の見晴らしをよくして事故を減らします。
伐採だけでは改善しきれないときもあるため、皆伐で大量に樹木を伐採するほうが有効な場合があるのです。

デメリット

皆伐によって切り取った範囲が日光に直接さらされることになり、それまで森林の下に眠っていた生物や周辺で活動していた生物を餌としていた生き物たちの影響が懸念されます。

また、皆伐は指定した範囲全ての木を切り取るため、成長段階の樹木、樹齢が若い樹木も切り取られてしまうのです。樹齢が若い樹木ほど二酸化炭素を吸収して酸素を放出するので、二酸化炭素を吸収する樹木が減り、地球温暖化を進めてしまいます。

さらには皆伐した後の範囲には雨をさえぎる樹木や落葉が存在しないため、雨が土壌に直接降り注がることにつながります。。根こそ残すものの、その保持力は弱くなっているといえるでしょう。そのため、山や斜面がある区域で皆伐をすると、地表面に流れる水の勢いが増して土砂崩れを引き起こす可能性が高まります。

では、皆伐をしないとどうなる?

成長している樹木ほど樹高が高く、二酸化炭素をあまり吸収しません。対照的に、樹齢が若い木は二酸化炭素を吸収し、酸素を放出します。
このとき、成長している樹木を伐採しなければ、樹齢が若い木に本来あたる日光の妨げになってしまいます。

樹木に日光があたらなければ、光合成がしにくくなってしまい、酸素の発生が適切になされません。

また、成長した樹木を放置しておくと樹木の腐敗が進み、二酸化炭素の約20倍の温室効果を持つ「メタンガス」を発生させてしまいます。
これによって、地球が暖められてしまい地球温暖化が進んでしまうといわれます。

そのため、一定の範囲を決めて、樹齢が若い樹木に日光をあてる皆伐は自然にとっても人にとっても環境保護の観点から必要といえます。
      では、皆伐をしないとどうなる?

まとめ

伐採自体さまざまな種類に分かれ、方法もそれぞれ違います。今回は主伐、皆伐、択伐、間伐の違い、皆伐のメリットやデメリットをご紹介させていただきました。
皆伐をしているからといって、ただ森林破壊をしているだけとは限りません。

皆伐は自然にとっても人にとっても大切な役割を担っているのです。
そのため、皆伐をすぐに必要悪とみなすのはできない気がします。

お近くで、「森林の腐敗が進んでいる」「ここに木があると事故が起こりそう」こういった悩みを抱えている方がいましたら、森林伐採のプロに相談してみてはいかがでしょうか。

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