空師とはどんな職業か?林業家との違いや空師の仕事をご紹介します。

2021.4.30

空師とはどんな職業か?林業家との違いや空師の仕事をご紹介します。

空師とは、高い木に登って木を伐採する職業のことです。昔は高い建物がなく、木が一番空に近いものでした。その木に登って作業をする、すなわち空に一番近いところで作業する職業ということで空師という名前で呼ばれるようになりました。

空師は日本で昔から技術が引き継がれてきた、伝統的な職業のひとつです。ここでは、空師とはどんな職業なのかその道具や技術、林業家との違いなどについてご紹介していきます。

空師(そらし)とは?

空師(そらし)とは?

空師(そらし)という職業について馴染みがないという方も多いかもしれません。空師がおこなう仕事の内容は次の通りです。

空師は、高い木に登り枝や幹を伐(き)り出すことを仕事内容としています。「空に一番近いところで仕事をしている」ということから空師と呼ばれるようになったといわれています。

ところで空師でなくても、木を伐採する職業には林業や造園業などがありますが、空師とは何が違うのでしょうか。簡単にそれぞれの仕事内容を見ていきましょう。

(1)林業

おもに森林の木の伐採をしています。また、森林に木を植える作業も林業の仕事のひとつです。

(2)造園業

植木を植える作業・植木を剪定(せんてい)する作業・庭を造る作業を仕事内容としています。剪定とは、木の枝などの形を整えたり風通しをよくしたりすることです。庭を造るとは、ホテルや旅館などの庭園を顧客のプランによって空間を造り出すことです。

(3)空師

高い木の枝や幹を伐(き)り出します。また伐り出した木は木材商を通して市場に売ることがあります。

見比べてみると、空師は木の中でも背の高い木を専門としていて、木を植えるなどの作業をしていないという違いがあります。

空師にしかできない仕事がある

空師にしかできない仕事がある

空師は今やあまり多くの数は存在していません。しかし、空師にしかできない仕事があります。それはこちらです。

・狭い場所の高い木を伐採する
林業で木を伐採する際は、クレーンなどを使い大掛かりな作業をすることが多いです。大量の木を伐採することができますが、クレーンが入れないような狭い場所の木を切ることは苦手としています。
 
・どんな人が依頼するのか
狭い場所の木とは、お寺などに生えた木や民家に生えた木のことを指します。それらを所有している人は、木の伐採をしたくても依頼する業者がいないとう事態に陥ります。そのようなときは、空師によって伐採をしてもらうことで問題を解決することができます。

空師の奥深さ

空師の仕事の奥深さを表すことがあります。

(1)木を切り倒さずに伐採する

木を伐採するときは、大掛かりな作業によって木を切り倒します。しかし狭い場所でそれをおこなってしまうと、周りの建造物や人に被害を与えてしまいます。空師は伐採するときに切り倒すことをせず、上から順番に伐(き)り落とすことができます。

(2)特別な木を伐採することがある

空師が伐採する木は寺や民家などに生えている木のことが多いため、所有者が特別な思いを持っている場合があります。

しかし木には寿命があり、特別な思いを持っていても木が腐るまで放置できなかったり、落ち葉の処理を続けなければならなかったりするのです。そのため、ときには木が厄介者としての扱いを受けることがあります。そのような訳ありの木を伐採するのも空師の役目なのです。

空師の奥深さ

空師とArborist(アーボリスト)

空師は日本特有の呼び名です。実は空師がおこなっている仕事は、世界でもよくおこなわれていることです。海外では空師はArborist(アーボリスト)と呼ばれています。ほぼ同義のことばとして捉えられていて、イギリスなどでは約700人のアーボリストが存在しています。また、年間数件の死亡事故が起こっているほど危険な職業でもあります。

空師と違いアーボリストには資格が必要とされています。日本国内にも資格を持ったアーボリストが数名いるといわれています。

アーボリストは樹木に対する高い知識や高い木の剪定、またはメンテナンス技術も持ち合わせており、空師と同じように狭い場所での木の伐採に力を発揮することができます。林業従事者には、木に登る技術は高くても樹木の維持や管理に必要な知識が乏しい場合があり、どちらの職業も不可欠なものとして認識されているようです。

空師とArborist(アーボリスト)

空師が使用する道具

空師はどのように高い木を伐採しているのでしょうか。空師が使用する道具には以下のようなものがあります。

【1】安全ベルトとロープ
空師の命綱になるのが安全ベルトとロープです。ロープは木に固定して登るものと、安全ベルトにひっかけるものなどを何本か使用します。

【2】スローウエイト、スローライン
ロープを木にかけるための道具です。スローウエイトという重りをなげてスローラインという紐を木の枝にひっかけます。ひっかけたスローラインを利用してロープを木にかけます。

【3】チェーンソー、のこぎり
木に登ったあと、伐採をするのにはチェーンソーやのこぎりを使用します。チェーンソーは重く、8kgほどになります。空師はその重いチェーンソーを持って高い木に登ります。

【4】ワイヤー
伐採した木の幹にはワイヤーを取り付けます。ワイヤーを取り付けた木の幹は、クレーンで安全なところまで運ばれます。

空師が使用する道具

重力にとらわれない空師の技術

空師は卓越した技術を持っています。切った木の価値は切り方によって大きく変わってきます。空師は木の状態などを把握するための知識を持っており、木をどう切ったらきれいに切れるかいろいろな状況から考えます。そして木を切る技術も確かなものです。

空師の木を切る技術をひとつご紹介します。空師が木を切る方法で、「逆さ切り」という方法があります。これは、その名の通り木からぶら下がって体を逆さにした状態で木を切るものです。かなり危険なため、確かな技術を持っていないとできません。

空師の知恵から学ぶ「伐採」に最適な時期とは

空師はさまざまな要因から倒壊の危険がある木を伐採していきますが、倒壊の危険のある木というのは、寿命が近づいている木ともいえます。木の寿命が尽きかけたころ、それが木を伐採すべき時期です。

しかし、木の寿命が近づき倒壊の危険性があることをどう判断すればいいのでしょうか?木は倒壊の前にいろいろなサインを出すので、それを基準に判断しましょう。そのサインは以下のようなものです。

・幹が斜めになっている
・叩くと乾いた音がする

このようなサインが出たら、伐採の検討をしましょう。業者への伐採費用がかかるからといって自分で伐採することは不可能といっていいので、必ず業者へ連絡しましょう。

空師の知恵から学ぶ「伐採」に最適な時期とは

まとめ

空師(そらし)という職業は日本ではあまり馴染みがありません。しかし林業などではおこなえない場所の木を伐採するという空師にしかできない仕事があります。

空師は卓越した技術と専門の高い知識を持って木を伐採しています。その職人の仕事内容は海外でも認められていて、Arborist(アーボリスト)として知れ渡っています。もし、自宅の近くなど狭い場所に伐採したい樹木があるならば、空師のようなプロの業者に相談して伐採してもらってはいかがでしょうか

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