伐倒ってどういう作業?見かけよりも高度な技術の本質をわかりやすく

2021.4.30

伐倒ってどういう作業?見かけよりも高度な技術の本質をわかりやすく

伐採をおこなう際には、木の幹を取り除かなければなりません。その際、木を切り倒す必要があります。この伐倒という作業が難しいのです。

今回は伐倒が難しいといわれる理由やその伐倒方法について紹介します。伐倒作業は難しく、死亡事故も発生しています。そのため、伐倒が必要な場合はプロの業者に相談するのがよいでしょう。

伐倒について知りたい方や庭木を処分しようと考えている方はぜひ参考にしてください。

伐採作業が難しい理由は「伐倒」の難しさにある

木の伐採完了までにはさまざまな工程がありますが、中でも難しく、危険とされているのは「伐倒」という作業です。この伐倒とは、文字通り木を切って倒す作業のこと。木を切ることは危険がつきものなので、伐倒は安全におこなう必要があります。

伐倒とは倒れる方向を「コントロールして」倒すこと

木はただ倒せばよいというわけではありません。切る方向をコントロールする必要があります。

思わぬ場所に倒れてしまうと、けがをしたり、物にあたってしまうおそれがあります。事故にもつながりかねないので、慎重に作業をする必要があるのです。

伐倒ってどういう作業?見かけよりも高度な技術の本質をわかりやすく

木の倒す方向はどうやって決めるの?

木を倒す方向は、基本的に障害物のない方向に切ることが多いです。障害物にあたらないような方向に決めたり、斜面で木を倒す際にその斜面の向きや角度にあわせて切り倒す方向を決めたりします。

安全・正確性を重視して改良された北欧式の方法も

伐倒方法としては、木に受け口・追い口といった切り込みを入れて倒す方法が一般的。こちらは後述で解説していきますが、近年では北欧式のオープンフェイスノッチという方法も登場しています。

この技術も大まかにいえば一般的な伐倒方法とそれほど変わりませんが、切り込みの角度や高さを変えることで安全性を高めています。もちろん高い技術や知識は必要ですが、可能であればこの方法も便利といえるでしょう。

現代の伐倒の基本は「受け口」と「追い口」

この章では現代の基本的な伐倒方法について紹介していきます。なお伐倒は、危険をともなう作業なので法律を遵守して作業をおこなう必要があります。

「受け口」「追い口」を使った伐採方法について

受け口は「く」の字のような形で木を真横とななめ上から切りこんで作る切り口、追い口は受け口の反対から水平に切り込んで作る切り口です。この伐倒方法の手順・方法は、以下のとおりです。

①受け口を、木の直径3分の1以上(木の胸高直径が 70 センチメートル未満の場合は4分の1以上)を目安に切り込みます。受け口の角度は水平とななめ、約30度~45度で作成してください。

この受け口の向きが、木の倒れる方向となります。

②受け口の反対側から、水平に切り込みを入れる「追い口」を作ります。この際、受け口と追い口の間隔(つる)は、幹の直径の約1/10ほどにしておきましょう。

③ある程度まで追い口を入れていったら、追い口側から手で木を押します。すると、木が受け口の方向へ倒れるようになります。

大径木という木の直系が70㎝以上の大きさの木や重心がわからないような木などは、くさびを2本以上使用して作業を進めます。作業の際には、周辺の安全や伐倒時の退避場所などをしっかり確認しておきましょう。

また、追い口を一定のところまで入れると、木がひとりでに倒れてしまうことがあります。そのため、受け口と負い口を使って伐倒する作業は、かなり難しいといえるでしょう。

「安全衛生規則」における基準について

安全衛生規則8章第477条の3から、直径20cm以上の木を伐採する際には、受け口と追い口を作らなくてはなりません。

また、かかり木にも注意しなければなりません。かかり木とは、木が予想しない方向に倒れ、引っ掛かって落ちない状態のことをいいます。かかり木があると、作業が中断し出入りを禁止することもあります。かかり木の存在を知らないで人が通ってしまうと、木が倒れてしまった際にあたるおそれがあるからです。

このかかり木は伐倒の中でも大変危険であり、作業中はとくに注意する必要があります。伐倒は1人で作業することなく、数人でおこなわれるため、周りとの連携が大切であるといえます。

近年は受け口を大きく取る傾向に

2019年7月までは木の直径40cm以上でした。その後は、受け口を作らなければならない木の直径が20㎝以上になりました。基準が変わった理由は、伐倒の際に死亡・ケガをするケースを減らすためです。

このことからも、伐倒作業は命の危険と隣り合わせであるといえます。

正確に倒すためには豊富な経験も必要不可欠

ここまでご紹介してきたように、伐倒は危険な作業であり、また特殊な技術が必要であることがわかります。豊富な経験や技術がなければ正確に伐倒することができず、事故につながってしまう可能性もあるでしょう。

また伐採や伐倒作業は、講習や実技を受ける必要もあります。作業の知識や法令など、しっかり把握しておかなければ危険も多い作業です。作業に不安のある方は、プロの業者に相談しておいた方が安全でしょう。

もしも木を倒す方向がない場合は…

木を倒す方向がない場合、特殊伐採をおこないます。ここでは特殊伐採について紹介します。

特殊伐採の種類

特殊伐採とは、近くに建物や電線などの障害物などがあって、木を倒すことができないときにおこなう伐採方法です。この特殊伐採には、人力によっておこなう方法や重機を使う方法、クレーン車を使う方法などさまざまな方法があります。

特殊伐採にかかる費用は高くなるので注意!

特殊伐採は普通の伐採と比べて、費用が高くなってしまいます。木の高さ、障害物がある、崖の上にある場合などは、作業が難しい場所と判断され、さらに高額になってしまうことも。クレーンなどの重機を使用すると、さらに費用が上乗せされます。

伐倒ってどういう作業?見かけよりも高度な技術の本質をわかりやすく

庭木の伐採は業者へ相談するべき!

伐採方法や特殊伐採について紹介してきましたが、庭木の伐採は業者に依頼した方がよいでしょう。ここでは業者に依頼した方がよい理由を紹介します。

相談するべき理由1:伐倒のためのスペースがない場合が多い

庭木を切るときは倒すスペースがないことも多く、慣れていなければ難しい作業です。切り倒すスペースが確保できない場合は、プロの業者に相談しておいた方がよいでしょう。

相談するべき理由2:伐倒の方向のコントロールが難しい

伐倒のコントロールは、プロの業者にとっても難しい作業です。木の立っている場所や高さなどによっては、倒す方向をコントロールすることがさらに難しくなってしまいます。

相談するべき理由3:ほかの木を巻き込むおそれがある

伐倒の基本は、ほかの木の支障にならないことです。庭木は比較的密度を高く植えてあることも多く、ほかの木を巻き込んで倒れると思わぬ事故につながってしまうことも考えられます。

相談するべき理由4:木の根まで抜かなければならないことが多い

木を伐採したあとは、その場所を活用することもあるかもしれません。そのような場合は根が邪魔になることが多いです。たとえば、水道管を設置したいという場合、根が絡まってしまうことも考えられます。

そのため伐採したあとは、木の根を抜いておいた方がよいでしょう。この作業は自分でも可能ですが、土から掘り起こす、ということもあり少々大変な作業です。

このように、伐採は自分でおこなうよりもプロの業者に依頼するのが賢明です。経験豊富な業者に依頼すれば、自分で作業する必要がなく、安心して作業してくれるでしょう。

伐倒ってどういう作業?見かけよりも高度な技術の本質をわかりやすく

まとめ

伐倒とは、木を倒す方向をコントロールしておこなう伐採方法です。思わぬ方向に倒れてしまうと事故につながってしまいます。過去には死亡事故も発生しているので、慎重に作業しなければなりません。

伐倒は受け口と追い口を作って切り倒すことで、木を倒したい方向をコントロールしやくなります。木を倒す場所がない場合は、特殊伐採をおこないます。これは木を倒さないで伐採する方法です。

このように、木を倒して伐採するのは大変な作業です。庭木の伐採であっても、自分でおこなわずに、プロの業者に依頼した方がよいでしょう。その際は、ぜひ生活110番に連絡してください。伐採方法に適した業者を紹介いたします。

伐採のプロが迅速対応!

庭木1本からお任せください!

※対応エリアや加盟店によって変わります

木々の伐採は大きな木であればあるほど、危険度が上がってきます。自分で伐採したら電線に引っかかってしまった!なんて事がないように、安全のためにも伐採はプロにお任せしましょう!

『生活110番』では、
お住いの地域で人気のプロを探せます

立ち合いがなくとも作業は可能です!お気軽にご相談ください。

伐採 1本 6,100円~
伐採のおすすめ業者を見る

関連記事カテゴリ一覧

伐採の記事アクセスランキング

伐採の最新記事

カテゴリ別記事⼀覧