ピアノは室内を移動させるだけで音が狂う?調律の必要性について

2021.4.30

ピアノは室内を移動させるだけで音が狂う?調律の必要性について

音楽が好きな方や、お子様がいる家庭ではピアノが置かれていることがあります。ピアノはいくつになっても楽しめる楽器です。きれいな音色で簡単な音楽などを手軽に演奏できますが、音が狂っているなんてことはありませんか?なぜピアノの音が狂ってしまうのかという原因だけでなく、どうすれば必要以上の調律を避けることができるのかについてもご紹介していきます。

ピアノの音はこんなに繊細~音の狂う5つの要因

ピアノは大きくて丈夫なイメージがありますが、実はとても繊細な楽器です。ピアノの音が狂ってしまう、5つの要因をご紹介します。

原因1:生き物であるピアノ

ピアノは天然素材と技術革新による素材を組み合わせて作られています。そのため響きと耐久性を保つことができる楽器だといえます。しかし、その性質は大変デリケートです。温度や湿度、使用頻度によって音の狂いが生じてしまうだけでなく、鍵盤の動きに影響し、演奏性や音色などの機能を著しく低下させてしまうのです。

音の狂いの原因は、演奏によっても狂います。ピアノの奥にある響板(きょうばん)などの木部が温湿度の影響で変化して狂うこともあります。硬い高炭素鋼でできているピアノでも弦、一本あたりに70~90キログラムの強い張力がかかっています。これは全体で約20トンにもなる強い張力です。ピアノの音色はこのような弦の働きによって奏でられているものなのです。
ピアノの内側で複雑に張り巡らされた弦に張力がかかることで伸び、音を発する様はまるで生き物のようです。演奏者のくせによっても音の狂いには違いが出てきます。これが「ピアノは生き物」とも言われる所以です。

原因2:弦による狂い

弦楽器であるピアノは、弦を張り替える必要があります。しかし気を付けなければならないことは、新しい弦を張ったばかりのピアノの音は激しく狂うということです。ピアノの弦は硬い高炭素鋼でできているため、すぐには伸びてくれません。そのため、新品のピアノや弦を張り替えたばかりのピアノは、しばらくの間こまめな調律が必要となってきます。

原因3:弾く頻度で狂いも変わる

ピアノを一日に長い時間使うと、早く音が狂ってしまいます。ハンマーと呼ばれるフェルトを硬く固めた部分が、弦を強い力で叩き音を出すため、弦が伸びやすくなるのです。そのためよく弾く音域は、音の高さが下がることがあります。

原因4:環境に影響された音の狂い

ピアノの大部分は「木材」で作られているため、設置場所の気候や環境などの影響に左右されやすいと言えます。木材が環境からの影響を受けることで、不安定になると当然音に現れてしまうのです。木材が不安定になることによって弦にかかる張力が変化するため、音階が狂います。

そのため、ピアノは頻繁に移動させるべきではありません。ずっと日陰で弾いていたピアノを、模様替えなどで日が当たりやすい場所に移動させたりすれば、音へ影響が出ることはたやすく想像できます。つまり、西日が直接長時間当たるような場所や、掃出し窓により気候の変化を受けやすい場所は、ピアノを置く場所に適切ではありません。時間によって音が変動するようでは安定しないからです。

また、引っ越しにおいてはより顕著に音の狂いが発生するのでお気を付け下さい。新しい環境においてピアノを調整してからも、設置環境に馴染み落ち着くまでには時間が必要になります。

原因5:空調機器・暖房機器での狂い

エアコンやファンヒーターから出てくる風を直接ピアノに向けてしまうことは避けたいものです。風が当たり乾燥が進んだ場合は、ピアノの木材とフェルトが収縮してしまいます。
また乾燥がひどいからと加湿器で加湿しすぎてしまうと結露の恐れがあり、こちらもピアノを傷めてしまいます。

エアコンやファンヒーターなどはきちんとコントロールし、過乾燥への注意が必要です。空調機器・暖房機器により短時間で部屋の温度は変化します。急激な温度・湿度の変化によってピアノの音は狂ってしまいますので注意が必要になります。

ピアノは室内を移動させるだけで音が狂う?調律の必要性について

調律したのに1日で音が狂った?!その原因とは

ピアノを調律して1日もかからずに音がおかしくなってしまうということは珍しいことではありません。なぜならピアノは、調律直後から少しずつ狂い始めていると言えるからです。環境によって狂ってしまう早さは変わりますのである程度は仕方のない事とも言えますが、もし調律してすぐに大きく音が狂うようなことがあれば、ピアノ事態に音が狂ってしまう原因があるのでしょう。
弦を保持するチューニングピンが弦を保持できない状態などになっている可能性があります。調律師に相談し、原因を特定してもらってください。ピアノの買い替えが必要なのか修理で対応できるのか判断してもらいましょう。

では、正常なピアノであればどれぐらいの頻度での調律が適切な目安と言えるのでしょうか。
特別早い狂いが生じない安定した環境や取扱であれば、大きく音が変わるのには一年以上かかります。そのため半年から一年の範囲は、練習できる範囲の微量な音の狂いであると考えるのが一般的です。マメにするのであれば、半年に1度の調律がよいでしょう。1年に1度の調律が最低でも必要です。

ピアノの音の狂いを少なくする方法

ピアノを何度も調律するのは面倒に感じてしまい、音が狂わなければいいのにと感じたら、まずは環境を見直してみてもいいでしょう。
ピアノがある部屋の環境を温度・湿度の変化を少なくすることで音を狂いにくくします。
窓からの日や風当りだけでなく、空調機器・暖房機器などによる風当りも確認するのもいいでしょう。

ピアノが不調になる原因の70%は湿気とも言われます。高湿度・結露などはピアノの各部品の動きを悪くしてしまう恐れがあるのです。室温は15~25度、湿度は50~70%位が、ピアノにとって快適と言えるものになります。

それでも、使っている限りは弦が弾かれ音は狂ってきます。大きく音が狂ってしまう前に調律するのが、正しい音をより長く持続させることになります。狂ったまま弾き続けると、弦と木の力のバランスがおかしくなってしまうので放っておくのは得策ではありません。狂った状態で落ち着いてしまうと、どれだけ調律しても雑音が出やすいピアノになってしまいます。こうなれば、部品交換などが必要になってしまう可能性が高まるでしょう。

そのため、どれだけ環境を整えても一年に一回は調律するのがいいでしょう。調律は自分でも行うことができます。「ピアノ調律は自分でできる?その方法と調律師に依頼する場合との比較 」でご紹介しているのでぜひご参照ください。

ピアノは室内を移動させるだけで音が狂う?調律の必要性について

繊細なピアノだからこそ、移動は慎重に

ピアノはそのがっしりとした見た目から丈夫そうに見えても、内部はとても繊細になります。模様替えや引っ越しにより環境の変化で音が変わってしまうのは仕方がないことだとお分かりいただけたかと思います。しかし移動させるときに、ぶつけてしまったりして内部が破損するという事態は絶対に避けたいことです。小さな破損であっても音質そのものが悪くなる恐れがあります。これは調律では直しようの無い狂いとなって音に影響を及ぼしてしまうかもしれません。

ピアノを運ぶのに必要な人数とは

ピアノはとても大きな楽器ですが、丁寧に運ぶためにとにかく人数でカバーすればいいというものではありません。実はピアノを安全に運ぶための人数というのは決められているものなのです。基本的にグランドピアノは3人、アップライトピアノは2人とされています。それ以上の人数で運ぶと鍵盤に人の重さが加わり、木部を曲げてしまい故障や音の狂いにつながることがあるからです。

まとめ

そのためピアノを移動させたい時にはピアノの知識に精通した専門の業者へ依頼することが望ましいのです。キャスター付きのピアノであっても、その繊細な構造を守るためにはそれ相応の知識が必要であることはご納得いただけるのではないでしょうか。大切なピアノを美しい音色のまま長く演奏していくために、移動には慎重な考えが必要です。

ピアノ調律 ピアノ修理を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「ピアノ調律 ピアノ修理」をご覧ください。

経験豊富なスタッフが対応

調律空き年数による割増なし

※対応エリアや加盟店によって変わります

ピアノを長年使用していると音の狂いが生じてくるものです。ピアノの調律は自分ではおこなわず、音の聞き分けができるプロにお任せするのがオススメです!

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