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心が動く音色を作るため、たった1mmのズレさえ許さないこだわり。ピアニストを支える調律師の職人技

2018-06-05

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

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「幼い頃からピアノを習っていて昔は毎日練習していたけれど、今ではもうたまにしか弾かなくなってしまった。」

「お母さんが使っていたものがうちにあるけれど、触っているのをもう随分見ていない。」

「アップライトピアノを購入して結構経ったけれど、手入れって必要なの?」

思い当たる節のある方は、今すぐにピアノのふたを開け、鍵盤を叩いてみてください。そのピアノは、本当に正しい音が出ているのでしょうか?

ピアノは定期的に「調律」をしないと、日に日に音程が狂ってゆきます。そしてそれが何年、何か月と積み重なると、大きな歪みとなって徐々にピアノ本体にもダメージを与えてしまうのです。

長い間調律をしていないピアノは、「ド」の音を叩いても実際にはその音より音程が少し低くなっていることがほとんどです。そう言われてみると、なんだか弾きづらい、と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

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調律をすると、何が変わるの?

まず、皆さんご想像の通り、鍵盤それぞれの音程が合います。そして、和音の響きも精密でより美しいものへと変わるのです。

その他にも、タッチを揃えることで弾き心地が良くなり、連打がしやすくなる。繊細なピアニッシモが出せるようになる。音がよく伸びるなど、本当に弾いていて気持ちが良いピアノに生まれ変わります。

本当に良い調律を施されたピアノでは、昨日まで弾けなかったフレーズが滑らかに弾けるようになった、ということも珍しくないようです。

美しい音へと導く仕事 調律師

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「調律師」という仕事はご存知でしょうか。ご自宅にピアノがあるなら、何度か目にしたことのある方もいるかもしれません。

簡単に言えば、狂ったピアノの音程を正しく直したり(チューニング)、長年使い込まれて癖のついてしまった鍵盤のタッチを正しく調整するなど、メンテナンスをしたりする人のことです。

たった1㎜、1Hzのズレのために全力を注ぐ職人のこだわり。今回は、そのピアノの調律師について紹介いたします。

調律師の仕事とは

身長制限も有り… 調律師の適性

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ピアノの調律師になるために、昔は工場に見習いとして入り、先輩の技術を目で盗みながら学んでいくのが普通でした。しかし、今ではほとんどの人が養成所や専門学校に通って、調律の技術を身に着けています。

調律師の専門学校では、ほとんどの学校で150㎝、154㎝以上と身長制限を設けています。少し意外かもしれませんが、これには理由があり、アップライトのピアノでは高い位置にある上蓋を覗いての作業になるため、ある程度の身長が必要なのです。

オクターブの音程を合わせる際には片手で鍵盤を抑えなくてはならなくなるので、手の大きさも重要になります。

幅広い音域を捉える聴力

調律は、基本的には耳で合わせます。そのためには絶対音感とまではいかずとも、相対的に正しい音の位置を聞きわける能力が必要となります。

一定の正しいバランスで和音が鳴る時、その音同士が共鳴し「倍音」という極めて聴き取りづらい周波数の音が発生します。調教師はその音を聞き分け、ピアノの状態も合わせながら細かい響きを調整していきます。

普通の人には聞き分けられない、音の小さな違いも聞き分けられること。これが一人前の調律師になるため、また腕の良い調律師になるためには必要不可欠なのです。

たった1㎜のズレさえ許さないこだわり

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「弦楽器」と聞いたら、どんな形の楽器を想像しますか?多くの方はバイオリンやギターなど、弓やピックで弦を弾いて音を出す楽器を想像するでしょう。しかし、ピアノも弦楽器の仲間なのです。

ピアノは、鍵盤を押し、本体の中にあるハンマーが弦を叩くことによって音が鳴る、という構造になっています。このハンマーの高さ、左右のズレ、弦を叩くタイミングなどは、使い込むに連れて次第に狂っていくもの。

そして、これか1㎜、いや、0.1㎜でもズレていることで、鍵盤のタッチ感や音の質感に差が出てきます。この細かなズレに正面から向き合い、時間が許すのならば徹底的に仕事をする。それが調律師のこだわりなのです。

コンサート前のピアニストは非常に繊細です。世界的なピアニストの中にはピアノの状態が気に入らなければコンサートを中止してしまう人も多くいます。それほどまでにピアノの音色というのは曲の出来栄えに大きく影響するため、専属の調律師にしかピアノの調律をさせないピアニストも珍しくありません。

調律師の仕事はただ単にピアノの音程を合わせるだけではありません。そのピアノを弾く人に合わせた音程を理解し、完璧に調律を施すことで、ピアニストの奏でる曲の美しさの一部を作ることにまで携わっているのです。

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まとめ

部屋の環境や持ち主の扱いでピアノの音が変わるように、調律師の仕事ひとつで、音は変わります。そして、いかなるピアノも徹底的な調整を定期的に続けていけば、性能は3割程度は上がると考えられています。

調律師の手にかかれば、今はもう埃をかぶってしまっているあなたのピアノも、再び美しい音色を取り戻すかもしれません。彼らは、人々の心を動かす音色を奏でるための縁の下の力持ち。そのこだわりで、ピアニストたちを支える職人なのです。

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