ハイゼットカーゴのバッテリーに異常が見られたら、原因を特定して適切な対処をおこないましょう。
バッテリーの異常は、バッテリー内の電気がなくなって起こるバッテリー上がりやバッテリーの劣化、故障などの原因が考えられます。それぞれ異なる対処が必要になるので、まずは原因を見つけ出すことが大切です。
本記事では、バッテリー上がりの際に見られる症状と対処法、バッテリー交換の目安と方法をご紹介します。
目次
バッテリーの充電と交換どちらが必要?
バッテリーに異常が見られたときは、まず落ち着いて症状を確かめましょう。そして、どのような対処が必要かを見極めてから、本格的に作業を始めるよう心がけてください。
バッテリー上がりの症状
バッテリー上がりが起こっている場合は、下記のような症状があらわれます。
- エンジンがかからない
- ライトが点灯しない
- 電装品が動かない
車のバッテリーは、エンジンを始動させるだけでなく、さまざまな電気機器への電力の供給をおこなっています。そのため、バッテリー上がりによって電力が不足すると、あらゆる機器が機能しなくなるのです。
バッテリー上がりの対処法は次章でご紹介しますので、次章を参考にして作業を進めてください。
バッテリー交換の目安
バッテリー上がりの症状がない場合は、下記のような症状がなかったか最近の車の状態を思い出してみましょう。
- エンジン始動時のモーター音がゆっくり
- エンジンがかかりにくい
- パワーウィンドウの動きが鈍い
- クラクションの音が小さい
- ヘッドライトの明るさがエンジンの回転数で変わる
ご紹介した5つの症状は、バッテリーの寿命が近づいているサインです。使用状態にもよりますが、車のバッテリーの寿命は一般的に2~5年といわれています。2年以上バッテリー交換をしていない状態で異常が見られるのであれば、交換を検討してもいいタイミングです。
また、車の機能ではなく、直接バッテリーの状態を確認する余裕がある場合は、さらに2点確認してみましょう。下記のような症状があらわれたら、バッテリー交換をおすすめします。
- 容器が膨張している
- 天板から液漏れしている
新しいバッテリーの選び方や交換方法ものちほど詳しく解説します。
ハイゼットカーゴのバッテリー上がり対処法
バッテリー上がりは、必要な道具などがあれば自分で対処ができます。ただし、バッテリーの状態によっては充電をしてはいけない場合があるのです。まずは運転席の下にあるバッテリーの状態を確認しましょう。
【ハイゼットカーゴのバッテリーの位置】
(1)運転席の足元にある、座席を固定しているストッパーを外す
(2)リクライニングバーを上げて背もたれを前に倒し、シートの座る部分を上げる
(3)エンジンルームのなかにバッテリーが収納されている
事前に確認しておきたいのは、バッテリー液の量です。バッテリーの側面には目盛りが表示されていて、2本の目盛りの間でとどまっている状態が望ましいとされています。
バッテリー液の量が下線の目盛り(LOWERLEVEL)以下の場合は、バッテリーが爆発する危険性があるので、作業を中止して業者に相談しましょう。
自分でバッテリー上がりを解決するための準備
バッテリー上がりを解決するためには、バッテリーを充電する道具が必要です。方法は2通りあるので、どちらかの道具を準備しましょう。
・ブースターケーブル
赤と黒のケーブルでひと組となったもので、両端にはクリップが付いています。バッテリーが上がった車と、救援車となる車をつなぐための道具です。
救援車とは、バッテリーが上がった車に電気を供給するための車で、正常に機能することはもちろん、12Vのガソリン車であることが条件になります。ハイブリッド車はガソリン車と仕組みが異なるため、電気の供給量が少なく、復旧に失敗するおそれがあるのです。
また、救援車側のハイブリッド機能が故障する危険性もあるため、12Vのガソリン車以外は救援車にしないようにしてください。
・ジャンプスターター
バッテリーにエンジンをかける電力を供給するための機器です。赤と黒のケーブルが付いており、バッテリーに直接つなげばエンジンを始動させることができます。救援車が必要ないので、車に常備しておくと、いざというときに便利な代物です。
バッテリー上がり解決の流れ
道具の準備ができたら、下記の手順にしたがって作業を進めてください。
【ブースターケーブルを使った対処法】
(1)救援車をハイゼットカーゴの近くに停めてエンジンを切る
(2)2台ともエンジンルームを開け、バッテリーのプラス端子のカバーを外す
(3)赤いケーブルをハイゼットカーゴ側のプラス端子→救援車側のプラス端子の順につなぐ
(4)黒いケーブルを救援車側のマイナス端子につなぐ
(5)黒いケーブルの反対側をハイゼットカーゴの未塗装の金属部分(ボルトなどの固定された場所)につなぐ
(6)救援車のエンジンをかけてアクセルを踏み、エンジンの回転数を高めながら約5分待つ
(7)救援車のアクセルを踏んだまま、ハイゼットカーゴのエンジンスイッチを「ON」にしてエンジンをかける
(8)取り付けたときと逆の順番でケーブルを外す
【ジャンプスターターを使った対処法】
(1)ジャンプスターターの赤いケーブルをバッテリーのプラス端子につなぐ
(2)ジャンプスターターの黒いケーブルをハイゼットカーゴの未塗装の金属部分につなぐ
(3)ジャンプスターターの電源を入れて約1分待つ
(4)ハイゼットカーゴのエンジンスイッチを「ON」にしてエンジンをかける
(5)取り付けたときと逆の順番でケーブルを外す
どちらもエンジンがかかれば成功です。ただし、バッテリーの電気量は少ない状態なので、すぐにエンジンを切ると再びバッテリーが上がってしまいます。30分~1時間連続走行して、バッテリーの充電をおこないましょう。
自分で解決できないときは
ご紹介したバッテリー上がりの解決方法は、どちらも道具や救援車などの助けが必要です。そのため、手元に必要なものがなければ作業を進めることができません。
自分での解決が難しい場合は、ロードサービスやカーバッテリー業者に連絡して、バッテリーの復旧を依頼しましょう。
ハイゼットカーゴのバッテリー交換方法
劣化が進んでいる場合は、早めにバッテリーの交換をおこなう必要があります。ハイゼットカーゴに適応するバッテリーを購入して、トラブルが起こる前に交換しておきましょう。なお、交換は自分でおこなうことができます。手順を見てできそうだと思ったら挑戦してみましょう。
適応するバッテリーの探し方
ハイゼットカーゴは、eco IDLE専用バッテリーの使用を推奨しています。専用バッテリー以外は、劣化が早かったり機器の不具合が発生したりするおそれがあるので注意してください。
【アイドリングストップ車用の型番の見方】
例>M-42R
M……バッテリーサイズを表す
42……バッテリーの性能を表す数字で、数字が高いほど高性能
R……短側面側から見たプラス端子の位置で、右側にあるときのみ表記があり、左側のときは表記なし
基本的には、上記のバッテリーサイズで端子の位置が合っていれば問題ありません。スパナを準備して、ご紹介する手順でバッテリーの交換をおこないましょう。
交換の手順
バッテリー交換をおこないときは、車のエンジンがかかっていないことを確認してから作業を始めてください。
(2)マイナス端子→プラス端子の順にケーブルを外す
(3)スパナを使ってバッテリーを固定している金具を外す
(4)バッテリー液が漏れ出さないよう注意して、古いバッテリーを取り外す
(5)新しいバッテリーを設置して、以前と同じ金具で固定する
(6)プラス端子→マイナス端子の順にケーブルを取り付ける
(7)プラス端子のカバーをしてエンジンルームを閉める
手順(3)のとき、スパナや外した金具が端子に触れると火花が散ることがあるため、作業している場所以外に触れないよう注意してください。
また、作業にミスがあると交換後に事故が発生する危険性があります。作業を終えるときは、ネジの緩みがないか、外れてしまっている部品がないかをよく確認しましょう。
自分で交換できないときは
安全に車を使用するためにも、バッテリー交換は失敗できない作業です。自分で交換するのは不安という方は、カー用品店や整備工場、ガソリンスタンドなどでプロに交換してもらいましょう。
バッテリー交換だけでも対応してくれる業者はありますし、通販サイトなど購入したバッテリーがある場合は、持ち込んで安く交換してもらえる可能性もあります。
費用は業者によってさまざまですが、交換に失敗してあとから多額の修理費用がかかるリスクを考えれば、それほど高いと思うことはないかもしれません。一度見積りをとって費用を確認してからでもいいので、業者に作業を依頼しましょう。
バッテリートラブルを回避するコツ
バッテリーのトラブルは、日頃の車の使い方やメンテナンス次第で防げる可能性があります。下記の3点に注意して、長く安全にバッテリーを使えるようにしましょう。
・ライトや電装品の消し忘れに注意
バッテリー上がりを起こさないための対策です。車を降りるときは、電気機器の電源が切れていること、ライトがすべて消えていることを確認してから車を離れましょう。
・エンジンをかけたまま駐車しない
上記同様、バッテリー上がり対策です。駐車場などでエンジンをかけたまま停まっている車がいますが、長時間そのままにしておくとバッテリーが上がります。エアコンを使いたいなどの理由かもしれませんが、なるべく駐車するときはエンジンを切るようにしましょう。
・定期的にバッテリーのメンテナンスをおこなう
何年間もメンテナンスをせずに放置すれば、当然不具合が出るリスクは高いです。バッテリー交換の目安でご紹介したような、見た目でわかる劣化のサインもあるので、定期的に点検してメンテナンスをおこなってください。
まとめ
ハイゼットカーゴに限らず、バッテリーのトラブルはいつでも起こるおそれのあるものです。しかし、トラブル発生時の車の症状や必要な対処法がわかっていれば、慌てずに解決できます。
そして、バッテリー上がりやバッテリーの交換は、必要な道具が手元にあればプロでなくても対処可能です。自分で作業することに不安がない場合は挑戦してみましょう。
ただし、手元に道具がない場合や救援車が呼べない場合、自分で作業することに不安がある場合は、業者に依頼する必要があります。その際、依頼先に迷ってしまう方は、弊社にご相談ください。
弊社の相談窓口は年中無休です。深夜や早朝に発生したトラブルでも、迅速に対応できる業者をご紹介しますので、お気軽にお電話ください。
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