バッテリー上がりからの復活はどうすれば?予防策とともに伝授します
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車のバッテリーが上がってしまった場合、どのように対処すればよいのかご存知ですか。バッテリー上がりの原因はライトのつけっぱなしや長期間エンジンをかけていないこと、バッテリーの寿命など、たくさんのことが考えられます。
このコラムでは、バッテリー上がりからの復活方法をはじめ、バッテリー上がり予防策、バッテリーの寿命を長持ちさせる方法などをご紹介していきます。このコラムを読めば、バッテリートラブルのときの対処法と予防法の両方を知ることができますよ。
目次
バッテリーが上がってしまったときにまずやるべきこと
ヘッドライトやハザードランプなどの消し忘れや、バッテリーの寿命などが原因となり、車のバッテリーが上がってしまうことがあります。万が一バッテリーが上がってしまったら、まずはどのように対処していけばよいのかをこの章ではお伝えしていきます。
エンジンをかけるためには基本的に電源が必須
バッテリーが上がってしまっているとき、自分の車は電気をもっていない状態です。バッテリー上がりを復活させてエンジンをかけるためには、ほかの電源から電気をもらうことが必要となってきます。
外部からの電源でエンジンをかけよう
バッテリー上りから復活させるには、他の車から電気をもらったり、蓄電してある専用の機械から電気をもらったりする方法があります。そのなかでも、ほかの車の電源を使ってエンジンをかける方法は「ジャンピングスタート」といいます。ジャンピングスタートの詳しい方法は次章でご説明します。
バッテリーを充電するという手も
バッテリー上がりから復活させるもうひとつの方法は、バッテリーを充電することです。バッテリーの種類や充電器によって異なりますが、バッテリーが空の状態から充電を完了させるには約12時間かかります。
通常の充電のほかに、急速充電という方法があります。しかし、これはバッテリーの寿命を短くしてしまうので、普段はおこなわず、緊急時でも30分以上の急速充電は控えましょう。
外部電源でエンジンをかける「ジャンピングスタート」の手順
ほかの車の電源を使ってエンジンをかける方法をジャンピングスタートといいます。この章ではジャンピングスタートに必要なものや、実際のやり方をご紹介していきます。
必要なもの
ジャンピングスタートに必要なものは以下のものです。
ブースターケーブル
車のバッテリー同士をつなげる線のことです。赤色の線と黒色の線がそれぞれあります。
救援車
同じ電圧の車から電力をもらい救援してもらいます。トラックなど、バッテリーの電圧が異なる車両を救援車とすることはできません。また、電気自動車やハイブリッド車を救援車にすることもできません。ハイブリッド車とつないだ状態でエンジンをかけると、ハイブリッド車の駆動用バッテリーから過大な電圧が掛かり、故障してしまうおそれがあるからです。
ジャンピングスターター
ジャンピングスターターとは、エンジン始動用の小型バッテリーです。
ジャンピングスターターを使用することによって、バッテリー上がりから復活させることができます。これには救援車も必要ありませんし、自分ひとりで解決することができます。故障車のバッテリー電圧に対応しているか確認が必要です。
つなぎかた
故障車のバッテリーのプラス端子にブースターケーブルの赤いケーブルをつなげ、救援車のバッテリーのプラス端子にもブースターケーブルの赤いケーブルをつなげます。
次に、救援車のバッテリーのマイナス端子に黒いケーブルをつなげ、故障車のエンジンの金属部分に黒いケーブルをつなぎます。
この状態ができあがったら、救援車のエンジンをかけます。このときサイドブレーキが引かれているか、ギアはパーキング(AT車はニュートラル)に入っているかを必ず確認してください。
5分くらい経過したら故障車のエンジンをかけます。エンジンをかけることができたら、ブースターケーブルをはずしていきます。このときに、つないだときと逆の順番ではずしていってください。
注意点
ブースターケーブルはつなぐ前に破損や断線をしていないか確認しましょう。つなぎ方やつなぐ順番を間違えないよう注意しましょう。バッテリーをつなぐ作業の手順や方法を間違えると重大な事故になりかねません。作業に不安がある方や、つないでもうまくいかないという方は、ロードサービスかカーバッテリーの業者に依頼をしましょう。
バッテリー上がりを起こしたバッテリーはそのまま使える?
バッテリー上がりを復活させずに長時間放置していると、バッテリーの寿命は著しく短くなります。バッテリー上がりを起こさないようにすればよいのですが、万が一起こしてしまったときも早く気づいて対処することが重要です。バッテリー上がりを起こしても、すぐに正しく復旧させることができれば、そのまま使うことが可能です。
長時間のバッテリー上がりが寿命を縮ませることも
自動車バッテリーの多くは鉛畜電池を用いています。鉛蓄電池は、電解液である希硫酸の中に鉛の電極盤があり、これらが化学反応を起こすことで電力を生み出す仕組みとなっています。
バッテリー上がり、すなわち過放電状態だとサルフェーションという硫酸鉛の結晶が発生しやすくなります。それが希硫酸の液体と鉛の化学反応を阻害するため、結果としてバッテリーの寿命が短くなるのです。
寿命を縮めない目安は「バッテリーが上がってから24時間以内」
車のバッテリーの平均寿命は約2~3年といわれています。バッテリー上がりをおこしてしまっても寿命を縮めないコツは、バッテリーが上がってしまってからできるだけ早く復活させることです。目安として24時間以内には復旧作業をおこないましょう。
バッテリーが上がるまでの目安
バッテリーが上がるということは、「バッテリーの充電がなくなる」ということです。バッテリーはエンジンの動力によって充電されます。そのため、満タンに充電されている状態でも、車を動かしていないと約3ヶ月で空になります。エンジンを動かしていない間でも、電装部品の待機電力によってバッテリーが消費されているのです。
そのほか、バッテリー上がりの原因でよくあるのは、エンジンを切った状態でのライトのつけっぱなしです。ヘッドライトのつけっぱなしは約3時間、ハザードランプは約5~10時間で、ルームランプは約40時間でバッテリー上がりを起こします。
バッテリーのトラブルをふせぐコツ
バッテリー上がりを復活させるのは大変です。できれば、バッテリー上がりを引き起こしたくないですよね。この章ではバッテリー上がりを未然にふせぐ対策法をご紹介していきます。
定期的にバッテリーの状態を確認しておく
バッテリー液の量が減っていると、バッテリー上がりが起こりやすくなります。定期的にバッテリーの状態を確認する習慣をつけるとよいでしょう。バッテリーの側面にある窓から、バッテリー液の量が目視で確認できます。液量の目安になる横線が2本あるので、バッテリー液の量がその間に入る程度なら正常です。
長期間エンジンをかけない車がある場合は注意
長期間エンジンをかけないとバッテリーは上がりやすくなってしまいます。長期間エンジンをかけない場合は、バッテリーのマイナス端子を抜くことで対策ができます。このようにすることによって、待機電力によるバッテリーの電力消費がなくなり、バッテリーが長持ちするのです。
短距離での利用はバッテリーに負担をかけやすい
バッテリー上がり対策には、エンジンをかけることが必要と述べました。短距離での走行では意味がありません。これは、エンジンの始動に要する電力の量が多いためです。始動で消費した分の電力を充電できなければ、充電量は減る一方なのです。始動に要した電力を回復するため、約30分以上は走行するようにしましょう。
まとめ
バッテリー上がりを復活させるには、ブースターケーブルで、救援車のバッテリーとつなげるジャンピングスタートという方法があります。ケーブルのつなぎ方と順序を守って作業をおこないましょう。
バッテリー上がりを未然にふせぐために、定期的にエンジンをかけたり、ライトを消す癖をつけたりして、バッテリーが上がってしまう原因をできるだけ作らないようにしましょう。万が一バッテリーが上がってしまったら、バッテリーの寿命を縮めないためにも、すみやかに対処することが重要です。
バッテリーが上がってしまったときに、バッテリーを復活させる作業を自分でおこなうことに不安があるのであれば、カーバッテリー業者に依頼するという手もあります。