車のバッテリーが充電される仕組みを解説!トラブルの回避策もご紹介

2021.4.30

車のバッテリーが充電される仕組みを解説!トラブルの回避策もご紹介

車のバッテリーが上がってしまうと、エンジンがかからなくなってしまうため、お困りになられている方も多いのではないでしょうか。なかには、バッテリーが上がってしまったことをきっかけに、車のバッテリーが充電される仕組みが気になられた方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、車のバッテリーの充電の仕組みやバッテリーが上がってしまった際の対処方法、バッテリーが上がらないように対策する方法をご紹介します。この記事を最後までお読みいただくことで、バッテリーの仕組みはもちろん、バッテリー上がりのお困りごとについて解消することができるようになるでしょう。

車のバッテリーが充電される・電気が送られる仕組みについて

車はガソリンがないと走らないことが知られていますが、車の走行にはバッテリーも同様に欠かせないのです。車は、たくさんの電子部品からなり、電子部品によって制御されています。この電子部品に電気を供給しているのが、バッテリーです。ここでは、車のバッテリーが充電される仕組みや構造について確認していきましょう。
車のバッテリーが充電される・電気が送られる仕組みについて

バッテリーの構造

車のボンネットを開けると、バッテリーを確認することができますが、その内部構造は一体どのようになっているのでしょうか。

バッテリーの内部は複数の層からなり、層は縦に仕切られています。その仕切られた層ひとつひとつに、極板といわれる板が格納されています。その極板といわれる板は、3つの板からなり、マイナス板、プラス板、マイナス板とプラス板を接触させないために間に挟むセパレータという板の構造です。

バッテリーの層の数は、バッテリーの電圧の大きさによって変動します。1層あたりの電圧の大きさは2Vです。また、トラックや一部のSUV車をのぞくほとんどの車種の電圧は12Vです。電圧が12Vのバッテリーの場合、層の数は6つになります。

さらに、この層は、バッテリー液という液で満たされています。しかし、バッテリーが許容範囲の容量を超えて充電されると、バッテリー液は分解されてしまうため、減ってしまいます。バッテリー液が減ってしまった状態では、バッテリーに電気を蓄えられなくなってしまうため、定期的な点検が必要となるのです。点検した結果、バッテリー液が少なくなっていた場合、液を補充する必要があります。

バッテリーが充電される仕組み

エンジンには、オルタネーターと呼ばれる発電機がついており、オルタネーターはエンジンの回転を電気に変換することができます。バッテリーは、オルタネーターで発電した電気を充電して、日々の電力消費に備えているのです。

電気がバッテリーから送られる仕組み

バッテリーはおもに、エンジン始動時に蓄えていた電気を供給します。車のキーをひねったり、エンジンのスタートボタンを押したりすると、バッテリーからエンジンを始動させるためのモーターへ、自動的に電気が供給されます。また、エンジン始動時は比較的多くの電気が必要になるため、バッテリーだけでは電力が足りません。そこで、先述のオルタネーターと呼ばれる発電機が発電をはじめ、発電した電気を供給する仕組みになっています。

バッテリーが上がりの際に車のバッテリーを充電するには

車のバッテリーが充電される仕組みについては、おわかりいただけたのではないでしょうか。ここでは、実際にバッテリーが上がってしまった場合に、バッテリーを充電する方法を2つご紹介します。

充電方法①:ジャンプスタートでエンジンをかけて走行

前章でもお伝えしたとおり、バッテリーを充電させるためには、エンジンを始動させてオルタネーターと呼ばれる発電機で発電しなければなりませんでした。しかし、バッテリーが上がってしまった場合、エンジンをかけることができないため、発電することもできずバッテリーを充電することができません。

そこで、車のバッテリーが上がってしまった場合に、エンジンをかける方法のひとつとして、ジャンプスタートという方法があります。ジャンプスタートとは、救援車から電気をわけてもらってエンジンをかける方法です。

ジャンプスタートでエンジンをかけるためには、まずブースターケーブルと呼ばれるケーブルで自車のバッテリーと救援車のバッテリーとをつなぎます。また、ブースターケーブルは赤色と黒色の合計2本必要です。赤色のケーブルは、自車のバッテリーのプラス端子と救援車のバッテリーのプラス端子をつなぎます。黒色のケーブルは、救援車のバッテリーのマイナス端子と自車のエンジンの金属部分をつなぎましょう。
バッテリーが上がりの際に車のバッテリーを充電するには

ブースターケーブルをつなぐことができたら準備は完了です。救援車のエンジンを始動し、エンジンの回転数を高めていけば、救援車から自車に電気を供給することができます。自車のエンジンをかけてみて、始動したら成功です。

ただし、この方法には救援車が必要なことが大きなデメリットでしょう。バッテリー上がりは緊急なため、運よく周りに助けてくれる人がいるとは限らないからです。万が一、周りに助けてくれる人がいない場合は、業者に頼ってみてもよいかもしれません。車のバッテリーのプロに依頼すれば、車が動かず困った状況を助けてくれるのではないでしょうか。

充電方法②:充電器を使って充電する

ジャンプスタートでエンジンをかけるためには、救援車が必要だという大きなデメリットがありました。車のトラブルを周囲に助けてくれる人がいるかどうかに左右されるのは不安だと思われる方もいるのではないでしょうか。そんな方には、充電器を使ってバッテリーを充電する方法がおすすめです。

カー用品店などで市販されている充電器を使えば自分でバッテリーを充電することができます。また、一般的なカーバッテリーの充電器の使い方は以下のとおりです。

【1】充電器を使うためにはコンセントが必要なため、コンセントがある場所に車を移動させる。
【2】充電器の赤いケーブルをバッテリーのプラス端子、黒いケーブルをバッテリーのマイナス端子につなげる。
【3】充電器をコンセントに挿して、電源をオンにする。
【4】充電が完了するのを待つ。

バッテリーに負担をかけないようにゆっくり充電するため、満充電まで約10時間かかります。また、充電器は満充電になっても自動で止まらないため、過充電を防ぐためにもタイマー付きの充電器を用意するとよいでしょう。

バッテリー上がり以外で充電した方がいいケース

バッテリー上がりは緊急事態ではあるものの、じつは事前に防ぐことができます。バッテリーは電圧が低下したまま放置しておくと、バッテリーが上がってしまいます。そのため、バッテリーの電圧が低下してきたら、バッテリーが上がってしまう前に充電するとよいでしょう。

バッテリーの電圧が低下すると、エンジンの駆動音が小さくなったりヘッドライトが暗くなったりします。このような兆候がみられたときは、バッテリーを充電しておきましょう。

バッテリー上がりの原因と対策について

ここまで、車のバッテリーが充電される仕組みやバッテリーが上がった際の対処方法をお伝えしました。ここでは、バッテリー上がりの原因と対策について詳しく確認しましょう。原因と対策がわかれば、急なバッテリー上がりを回避できるようになるはずです。

バッテリー上がりの原因と症状

バッテリー上がりの原因には、「ライトのつけっぱなし」、「車を暫く使っていない」、「エアコンの使い過ぎ」、「バッテリー自体の寿命」が考えられます。以下では、ひとつひとつの原因を把握して、バッテリー上がりを起こさないように対策していきましょう。

ライトのつけっぱなし
エンジンを停止しているとオルタネーターが発電しないため、電気の供給源がバッテリーのみとなってしまいます。そのためエンジンを停止した状態で、ヘッドライトや室内灯を点灯させ続けると、バッテリーに蓄えた電気を使い果たしてしまって、バッテリーが上がってしまうのです。車を降りる際は、ライトがつけっぱなしになっていないか確認するようにするとよいでしょう。
バッテリー上がりの原因と対策について
車を暫く使っていない
バッテリーの自然放電が原因で、バッテリー上がりを引き起こすことがあります。じつは車は使っていなくても、カーナビや時計などの電装品の記憶を維持するために電力を消費します。この電力の供給源はバッテリーです。そのため、車を使っていなくてもバッテリーの電気は消費されていくのです。

また、車を使っていないとオルタネーターの発電がないため、バッテリーが充電されません。充電が不足しているとバッテリー上がりを起こしやすくなってしまうのです。そこで、定期的に車を走行させて、バッテリーを充電することが大切になります。

エアコンの使い過ぎ
エアコンは車の電装品の中でもとくに電力消費量が大きいといわれています。とくに夏場などは、設定温度を低くして風量を強くしている方もいるのではないでしょうか。電気の発電量が消費量を上回っていれば問題ありませんが、渋滞にはまっているときなどは発電量が少なくなってしまうので、注意が必要です。エアコンの温度や風量を控えめにして調節するように気をつけるとよいでしょう。

バッテリー自体の寿命
一般的にバッテリーの寿命は2~3年といわれています。バッテリーの寿命が近くなると、バッテリーに蓄えることができる電気の総量が減ってしまうのです。バッテリーは、寿命が近づいてくると本体が膨張するため、目視で兆候を確認することができます。

バッテリーが上がってしまわないようにできること

バッテリーが上がってしまう原因がわかれば、対策することができます。以下のような対策をおこなって、バッテリー上がりを起こさないように気をつけましょう。

定期的に点検する
バッテリー上がりを防ぐために、バッテリーを定期的に点検しておくと安心です。バッテリーの点検項目には、液の量の確認や液の比重の確認、電圧測定などがあります。ご自身で点検するのは不安だと思われる方は、ディーラーやカー用品店、整備工場に点検をお願いするとよいでしょう。

電気を使いすぎない
先述したとおり、ライトをつけっぱなしにしていたりエアコンを使い過ぎたりすると、バッテリーが上がりやすくなります。エアコンの温度や風量は控えめにして、車を降りる際はライトの消し忘れがないか注意するようにしましょう。

定期的に走らせる
定期的に車を走らせて、バッテリーを充電することが大切です。できれば、1週間に1回程度走らせるとよいでしょう。時速50kmくらいの速度で30分ほど走らせることで、バッテリー上がりを起こさないだけの充電量を維持することができます。車に乗る予定があまりない方も、どこかへ出かけるときは積極的に車に乗るようにするとよいでしょう。
バッテリー上がりの原因と対策について
バッテリーを交換する
一般的にバッテリーのメーカー保証期間は2~3年なのですが、バッテリーの寿命もそれくらいといわれています。バッテリーの保証期間内であれば、安心して使うことができるとされているからです。そのため、バッテリーの寿命がきたら、すみやかに交換しましょう。バッテリーを交換する方法については次の章で詳しくお伝えします。

バッテリーの交換方法

バッテリーの寿命が近づいたら交換しましょう。ここでは、バッテリーの交換を自分でおこなう方法をご紹介します。車のバッテリーが充電される仕組みをしっかりと抑えて、電気の流れに気をつけて作業することが大切です。

交換するタイミング

バッテリーを交換するタイミングは、メーカーの保証期間がすぎる前がよいでしょう。この保証期間は、安全にバッテリーを使うことができることをメーカーが保証している期間になるからです。保証期間は、メーカーやバッテリーによって異なりますが、2~3年が一般的な期間になります。保証期間の記載は、バッテリーの外箱に書かれていることが多いので、一度確認しておくとよいでしょう。

また、たとえ保証期間内であってもバッテリーを交換しておいたほうがよい場合があります。エンジンの始動音がいつもより弱々しく聞こえたり、ヘッドライトの明るさが暗くなっていたりするときは、バッテリーの寿命が近くなっているかもしれません。メーカーの保証期間はあくまで目安にしておき、兆候にも気がつけるとよいかもしれません。

バッテリーの形式の読み方

バッテリーには、「75D23R」のように形式があります。この数字とアルファベットの羅列で、そのバッテリーの性能やサイズを表しているのです。「75D23R」という形式を例に、形式の読み方を確認しましょう。

はじめの数字の”75”が性能ランクを表しています。この数字が高くなるほど、始動性能や容量が大きくなり高性能です。次の”D”は、バッテリーの幅や高さを表します。このアルファベットはAからHまであり、Hにいくほどサイズが大きくなります。続いての”23”はバッテリーの長さです。この例の場合、23センチになります。最後の”R”は端子の位置です。バッテリーのプラス端子が右側にあるタイプはR、左側にあるタイプはLになります。

バッテリーの交換方法と注意点

自分でバッテリーを交換する方法についてみていきましょう。バッテリーを安全に交換するためには、交換手順だけでなく事前準備も大切です。

【準備するもの】
新品のバッテリー
軍手
スパナ
保護メガネ

【注意すること】
バッテリー交換時、バッテリーから水素ガスが発生します。このガスは引火性があるため、火の気がない場所で作業するようにしましょう。また、工具にはスパナなどの金属製の工具を使います。工具でバッテリーに強い衝撃をあたえないように気をつけて作業をしましょう。

【作業手順】
①エンジンをきってバッテリーを外す
作業の安全性を高めるために、エンジンをきってから作業をおこないましょう。エンジンをきることで、バッテリーへの電気の供給を止めることができます。

エンジンがきれていることを確認したら、バッテリーの端子からケーブルを取り外します。端子は、プラス端子とマイナス端子がありますが、マイナス端子のケーブルから取り外しましょう。

マイナス端子のケーブルを取り外すことができたら、プラス端子のケーブルも取り外します。最後にバッテリー自体を固定している金具も取り外します。このとき工具が、バッテリーのプラス端子やマイナス端子に触れないように気をつけて作業してください。

②新しいバッテリーに交換する
バッテリー自体を固定している金具を取り外すことができたら、新品のバッテリーに交換しましょう。新品のバッテリーを取り付ける作業は、先ほどの作業の手順を反対におこないます。
バッテリーの交換方法
新しいバッテリーを所定の位置に乗せたら、金具で固定します。次にプラス端子にケーブルを取り付けて、最後にマイナス端子にケーブルを取り付けて完了です。

まとめ

エンジンのオルタネーターと呼ばれる発電機が、発電した電気をバッテリーに供給することで、車のバッテリーが充電される仕組みになっています。

そんな車のバッテリーは、車の電子部品に電気を供給するという大切な役割をもっています。車には多くの機械が搭載されているため、その機械を動かせるだけの電気が必要です。そのため、バッテリーだけで電気を供給するには限度があるので、エンジンにオルタネーターと呼ばれる発電機がついており、エンジンの回転を電気に変換して電気の供給を補っているのです。

万が一バッテリーが上がってしまったら、救援車から電気をわけてもらうジャンプスタートという方法でエンジンをかけることができます。エンジンがかかれば走行可能なため、発電した電気をバッテリーに蓄えることも可能です。

上記の方法で、バッテリーが上がってしまってもエンジンをかけることができます。とはいえ、日ごろからバッテリーが上がらないように対策をしておくことが大切でしょう。バッテリーが上がってしまうおもな原因には、ライトのつけっぱなしやエアコンの使い過ぎ、車を暫く使っていない、バッテリーの寿命などがあげられます。

これらのことを日ごろから意識しておくだけで、バッテリー上がりのトラブルは減らすことができるのです。しかしトラブルを減らすことができても、環境などが理由で、突然バッテリーが上がってしまうこともあるかもしれません。そんな緊急事態には業者に依頼する、と頭の片隅に入れておけば慌てずに済むのではないでしょうか。

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