なぜエアコンの暖房が効かないのか。5つの事例から見る冬のトラブル

2021.4.30

なぜエアコンの暖房が効かないのか。5つの事例から見る冬のトラブル

冬場、部屋の中をあたためるためにエアコンを使う家庭は多いと思います。エアコンはシーズンに入ると毎日のように使うものですから、シーズンに一度は「あれ?点かない」などのトラブルの経験があるかもしれません。

エアコンの故障に対してどのように対処されていますか?エアコンの修理のしかたがわからないという人は、今からご紹介する対処方法を試してみるとよいかもしれません。原因別に対策のしかたをみてみましょう。今回は、冬場にエアコンの暖房が効かないときのトラブルについて取り上げます。

エアコン暖房が温風を送る仕組み

エアコン暖房が温風を送る仕組みは、エアコンの構造に答えが隠されています。そもそもエアコンは室内にある室内機だけではなく、外にある室外機もあります。その2つを合わせてエアコンとして機能するのです。

エアコンは外気から熱を取り込んで室内に伝えるのですが、そのまま暖かい空気を送り込むわけではありません。空気を送らず熱だけを取り込む、その仕組みはどうなっているのでしょうか。

冷たい外気が温風に変わる仕組み

外気が室内に放出されるあいだに、エアコンの圧縮機・パイプ・熱変換機を通ります。それぞれどのような仕組みになっているのか見ていきましょう。

圧縮機

圧縮機では、空気の体積を小さくすることで取り込んだ外気の温度を上昇させます。室内に30℃の温風を送り込む場合は、圧縮機により80℃ほどの温度まで上げることができます。

パイプ

パイプの中には冷媒という熱を運び込む物質が存在します。冷媒によって熱が運ばれ室内機へ流れていきます。また冷媒は常にパイプの中を循環しており、室内側で熱を奪われた冷媒を室外機へ運びます。この冷媒が循環することによって室外から室内に、効率よく熱が輸送されていくのです。

熱交換器

部屋の中の冷たい空気に熱を送り込む場所です。熱交換器内で冷媒の持つ熱が室内の空気へと移動し、暖かい空気として送り出されるのです。ちなみに冷房運転の場合は、取り込んだ室内空気の熱が冷媒に乗って室外機へと運び出されていきます。

エアコンはこのようなしくみで温風を作り出し、室内へ送り込むようになっています。外の熱と中の熱が循環しているのです。

この仕組みに何らかの故障があり、ときにはトラブルを起こすことがあります。冬場に利用するシーズンでエアコンの暖房が効かないトラブルが起きたとき、この仕組みに問題があるときもあるのです。

しかし、多くの場合では清掃が行き届いていなかったり、室外機に雪が降り積もって稼動しなかったりしているようです。エアコンの暖房が効かないとき、具体的な原因はどのようなものでしょうか。

      エアコン暖房が温風を送る仕組み

エアコンの暖房が効かない事例①【温風が出るのに寒い】

エアコンの暖房が効かない状況のひとつに、エアコンから温風が出ているのに部屋が寒いときがあります。このときは、エアコンの能力不足が主に原因だと思われます。

この能力不足は、エアコンにおいて、エアコンの故障ではなくエアコンを適正な広さの部屋に使用していないという意味があります。エアコンから温風が出ても部屋が広すぎて温まらないという事態が起きることがあります。

エアコンは寒い部屋を設定温度まで上げるときにいちばん大きな力を使います。その割に時間が経ってもあたたまらないというときは能力不足が原因のときがあるのです。

エアコンが能力不足の場合、買い替えるかエアコンの増設をしなければなりません。その場合費用がいくらくらいかかるか見てみましょう。

エアコンを買い替える

一人暮らしのワンルームで、エアコンの能力不足が起きたと考えましょう。その場合、10畳用のエアコンに買い替えることが多いので、このエアコン本体を購入するための相場を見てみると次のような値段です。

10畳用エアコン:40,000円~80,000円

家庭のリビングなどで能力不足が起きたときは、20畳用に変えることが多いです。そのエアコンの相場は次のような値段となります。

20畳用エアコン:100,000円~200,000円

もちろんエアコンを買い替えた場合、古い物を取り外して、新しい物を設置する必要があります。それぞれの作業を業者に依頼したときの相場についても確認しておきましょう。

エアコン設置:10,000円~15,000円

エアコンの設置費用は、業者によって設定金額が異なり、エアコンの性能や大きさによっても変わってきます。新しいエアコンを設置する際、どこまでの工事が必要になるかも、費用を左右する大きなポイントとなるようです。

元のエアコンにタイプが似ており、取り付け以外の作業が少なければ、10,000円ほどで済むこともあります。逆に、新しいエアコンを設置するために、配線や周辺のパーツが必要になってくると、15,000円をこえることもあるようです。

また、新しいエアコン設置のためには、古いエアコンを取り外す必要があります。取り外しにかかる費用は、10,000円ほどが相場になるようです。

ここまでの説明から、エアコンの取り外しから設置までの費用としては、30,000円ほどと考えておくとよいでしょう。予算を考える際には、少し多めに見積もっておくのが安心です。

エアコンを増設する

次に示す相場は通常のエアコン増設にかかる費用相場です。部屋によっては取り付けやすい位置がなく、費用が高くなる場合もあります。

エアコン増設:10,000円~15,000円

エアコンのパイプに取り付ける室内用カバーが必要な場合は、上記の費用にプラスして5,000円ほどかかるようです。増設費用を確認するときには、追加料金の有無には注意しましょう。

部屋の広さに合ったエアコンを選ぶときに注意すべきことがあります。エアコンの表記には「6~8畳」などの畳数の表示があります。この畳数は部屋の広さを表すものですが、この表記の読み方として、6~8畳の部屋用というのは間違っているのです。

正しくは、「木造住宅の場合6畳が目安、鉄筋住宅の場合は8畳が目安」となります。読み方がややこしいため、間違った能力のエアコンを買ってしまわないようにしてください。

新しいエアコンの設置や増設を業者に依頼する場合、多くの方が費用を少しでも抑えたいと考えるはずです。費用を抑えるポイントとしては、複数の業者から見積りをもらって、比較することになります。

いくつもの業者を自分で探すのが大変なときには、生活110番までご相談ください。全国にある加盟店の中から、厳選した業者をご紹介させていただきます。

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エアコンの取り替え・増設以外の方法

エアコンの暖房が効かない理由には、能力不足ではないこともあるようです。エアコンの暖房は時間が経てば必ず暖まるということでもありません。温まらない場合、部屋から暖かい空気がどこかへ逃げてしまっている可能性があります。

戸締りや見落としている隙間があるかどうかなどを確認するとよいでしょう。また、建物の構造上、温まりにくいという可能性もあります。

このようなときは次の方法を試してみるとよいです。

厚手のカーテンに買い替える

カーテンが薄いと窓際の冷えた外気を食い止めることができず、結果部屋の中を冷やすことにつながります。厚手のカーテンに買い替えるのもひとつの手です。エアコンを買い替えるよりは費用が抑えられるでしょう。

断熱シートを貼る

窓や部屋の冷たい箇所に断熱シートを貼ると冷たい空気をシャットアウトできます。100円ショップなどでも小さめの断熱シートが売られているようです。

湿度を上げる

部屋の湿度が上がると体感温度が高くなります。また、エアコンの送風による乾燥も防ぐことができます。加湿器などを購入して併用する方法もおすすめです。

      エアコンの暖房が効かない事例①【温風が出るのに寒い】

エアコンの暖房が効かない事例②【風力が弱い】

エアコンの暖房が効かない原因に、エアコンの風力が弱まっている可能性があります。エアコンの風力が弱まっているときは、エアコン内部の汚れが原因だと思われます。

フィルターが汚れている

エアコン内部のフィルターは汚れが溜まりやすいです。というのも外気の汚れた部分をフィルターにかけてキレイな空気にしているからです。定期的に清掃する必要があります。

吹き出し口が汚れている

エアコンの風向などを調節する吹き出し口にホコリが溜まっているときは拭き取りましょう。

ファンが汚れている

エアコン内部のファンにも汚れが溜まっていることがあります。最近のエアコンはファンも取り外すことができるものがあり掃除できます。

熱交換器が汚れている

エアコン内部には熱交換器という装置がつけられています。最新型のエアコンではこの熱交換器の洗浄機能が付いていますが、古い型のものだと付いていないことが多いです。

エアコンの風力が弱い場合、これらすべてが汚れていることが多いです。エアコンの清掃を細かな部分まで家庭でおこなっている人は少なく、ホコリなどが溜まっていることが多いです。定期的に掃除をしつつエアコンの自動クリーニングの機能も併用しましょう。

また、室内機だけではなく、外の室外機が汚れている場合もあります。室外機は野外のあらゆる汚れが付いていて、通常の清掃では汚れが落ちないときがあります。洗浄するときは取り扱い説明書をよく読んで、取り外してからおこないましょう。

風力の問題の場合は、エアコン内部の清掃をして直ることが多いようです。内部の清掃で直らず、室外機や熱交換器などは自力で清掃することが難しいと思う人がいるかもしれません。

それらの部分を清掃したいときはプロの清掃業者に依頼するのもおすすめです。エアコンクリーニングを専門にしている業者もあるので、掃除をする時間が取れない方や自力では難しい方は、業者を利用してみてはいかがでしょうか。

生活110番では、エアコンクリーニング業者の紹介もおこなっているので、気になる方は一度ご相談ください。

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      エアコンの暖房が効かない事例②【風力が弱い】
      

エアコンの暖房が効かない事例③【冷風しか出ない】

エアコンの暖房が効かない理由に、エアコンのガス漏れがあります。エアコンを暖房にしても冷風しか出ないときはガス漏れを疑ったほうがよいかもしれません。

エアコンの室内機と室外機をつなぐパイプにはガスが通っています。このガスは冷媒と呼ばれ、パイプに入った熱を運ぶ役割をしています。

エアコンがガス漏れをした場合は、エアコン内部の熱交換器か室外機から出ているパイプに霜が付いているという特徴があります。エアコンを稼動して20分程度経って霜ができた場合はガス漏れの可能性があります

別のガス漏れ原因には、開閉バルブの変形などがあります。室外機のガスを調節するパッキンなどが変形してしまい、そこからガス漏れが発生します。このバルブ不良は自力ではなかなか直せません。エアコンの修理業者に依頼するのが確実でしょう。

ガス漏れの対処はプロでないと難しいことが多いですが、ガス漏れが簡単に直ることがあります。その場合の対処方法はこちらです。

室外機近くのパイプの隙間を埋める

何かしらの理由から室外機を移動させた際に、パイプが曲がって壊れてしまう可能性があります。もし壊れてしまった場合は、その箇所を修復しなければなりません。

特にパイプの付け根が取れて、隙間ができていることが多いです。市販の屋外用のパテを使い隙間を埋めてみましょう。

他にも老朽化や腐食によって、パイプの途中に亀裂や破損があることがあります。この場合もパテを使用して修復してみましょう。

もしパテを使ってみてもエアコンの問題が解消されなければ、自力での修理は難しいといえます。そういった場合には、無理に自力で修理しようとはせず、知識や経験のあるプロに依頼しましょう。生活110番では、迅速に対応できる業者の紹介をおこなっています。

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      エアコンの暖房が効かない事例③【冷風しか出ない】

エアコンの暖房が効かない事例④【霜取り運転の開始】

エアコンの暖房システムに霜取り運転というものがあります。霜取り運転とは、室外機に付いた霜や雪のかたまりを暖めることで溶かして取り払うためのシステムです。エアコンの暖房が効かないときは、この霜が原因のときがあります。

雪が多く降っているときに多い原因です。大雪が降ることがわかっている場合は、事前に室外機にカバーをかぶせたり室外機の場所を変えたりして対策を取りましょう。

霜取りシステムには注意点があります。霜取りシステムは、エアコンを稼動したら自動で行うことがあるという点です。このシステムが行われているときは一切暖房システムが稼働しないため故障ではないかと思うことがあります。

冬場にエアコンを付けて温風が出ないとき、付けたり消したりしてエアコンの故障を見極めていると霜取り運転に気付かないことがあります。霜取り運転は10分ほど行うことが多いです。10分以内に故障かもしれないと判断してしまうことは少し早いかもしれません。

霜取り運転をしているかどうか確認するには、

  • 室外機に霜が付いているか目で確認する
  • 取扱説明書を読み、霜取り運転時のサインを調べる(ランプの点滅など)

この2点の方法で確認してみましょう。

また、霜取りシステム自体がうまく稼動していないことも考えられます。一応、室外機を確認し雪や霜が取れていないなら、自力で取り除いてみましょう。

      エアコンの暖房が効かない事例④【霜取り運転の開始】

エアコンの暖房が効かない事例⑤【エアコンが動かない】

エアコンの暖房が効かないとき、エアコンが動かないことがあります。このときはまず電源のコンセントがしっかり接続されているか確認しましょう。また電源のコンセント以外で故障かどうか見極めることができます。また次のような対処のしかたもあります。

リモコンの動作確認

リモコンがしっかり動くか確認しましょう。電池式の場合は電池を取り換えるとよいかもしれません。電池が新しくても反応しないときは、製造メーカーに連絡してみましょう。保証が付いていれば、無料で本体を取り替えてくれることがあります。

本体の電源で確認

エアコンの室内機に小さなカバーが付いていて中に電源ボタンがあるときがあります。また切り替えスイッチが付いていて試運転できる場合は切り替えてみましょう。試運転が終わったら運転スイッチに切り替えます。

ブレーカーを落としてみる

エアコンにはCPUが埋め込まれていて、機能が停止している場合があります。主に停電時や落雷時などに起こることがあります。一度ブレーカーを落としてから、再起動してみましょう。

清掃時の取り付け間違い

清掃時に取り付けに間違いがあった可能性があります。適切な方法で取り付けられておらず、エアコンが稼動していないかもしれません。取扱説明書をよく読んで正しい取り付け方を確認してみるとよいです。

これらの場合で直らないときは、エアコンの修理業者に相談してみましょう。

まとめ

冬場のエアコンのトラブルを経験したことがある人は多いかもしれません。エアコンの故障を見極めるには、室外機と室内機の両方を確認する必要があります。エアコンの暖房が効かないときはいくつかのよくある原因が存在してそれぞれに適切な対応をすることで早期の段階でエアコンを直すことができるでしょう。

エアコンのトラブルの中でも大きいトラブルは、エアコンを買い間違えてしまった場合です。エアコンの畳数の表記はとてもややこしいといえますから、エアコンを買い替える際や新しく買うときは気を付けてください。

またエアコンのトラブルは室外機や取り外しできない室内機など自力で修理を試みることが難しいときがあります。エアコンの不調は健康にも影響がありますから、早急に対処するために専門の修理業者に依頼するのもよいかもしれません。

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