住宅の換気方式はどれが一番いい?それぞれのメリット、デメリット

2021.4.30

住宅の換気方式はどれが一番いい?それぞれのメリット、デメリット

近年、シックハウス症候群が大きな社会問題となり、それに対応する形で2003年の7月に建築基準法が改正されました。その大きな変更点として「新築住宅への24時間換気の設置が義務付けられるようになった」ことが挙げられます。

シックハウス症候群の原因物質は壁などの材料から少しずつ放出されるため、常に住宅内を換気することにより、シックハウス症候群を予防できるといわれています。1時間でおよそ半分の空気を入れ替えるようにすることで原因物質を住宅内にためないようにするのです。

この換気で使われる方法は、「機械換気」「自然換気」「パッシブ換気」の大きく3種類に分けられており、このうち「機械換気」を利用するのが現在の主流です。この機械換気も大きく3つに分けられることから、今回は3つの機械換気について、仕組みや選び方についてご紹介します。

住宅の換気①第1種換気方式

一般的に広く住宅の換気に用いられているのが、機械換気です。
この機械換気も、さらに細かく分類ができ、それが「第1種換気」「第2種換気」「第3種換気」です。
まず第1種換気についてみていきましょう。

第1種換気とは、室外の空気を室内に取り込むことと、室内の空気を室外へ捨てることを機械で同時に行う換気方式で、3つの機械換気方式の中で最も正確に、安定して換気を行えるのが特徴です。

この換気方式の一番のメリットは、取り入れる空気を室内の温度に近づけて取り込むこともできることです。そのため室温の低下を抑え、冷暖房の効率もほかの機械換気方式と比べてよくなります。そのため住宅の換気としては、ベストといえるかもしれません。

デメリットは、3種類の機械換気システムの中で一番高価となり、設置コストや換気扇用フィルターのコスト、換気扇の消費電力が高くなってしまうことです。

メンテナンスも大変になりますので、きちんと行うことができるのか考える必要があるでしょう。
      住宅の換気①第1種換気方式

住宅の換気②第2種換気方式

第2種換気は、室外の空気を室内へ換気機器を使い取り込み、室内に設置された排気口などから空気を室外へ捨てるという換気方式です。
室内側へ換気機器を使用し、室外の空気を強制的に取り込むことによって、室内側の空気が室外へ押し出すような形になる「正圧状態」を保ちます。つまり室内側から外部へ常に空気の流れを作ることになり、送風部以外から空気上の有害物質が侵入することを防ぐことができるのです。送風部に対策を施すことでその効果は万全になるといえるでしょう。

しかし、正圧状態のデメリットとして、室内で発生した湿気が壁の中へ侵入しやすくなってしまう、というものもあります。

こういったデメリットのため、住宅の換気方式にはほとんど使われていません。
       住宅の換気②第2種換気方式

住宅の換気③第3種換気方式

第3種換気は、換気機器で空気を強制的に外へ出す方法です。給気口には換気扇が付いておらず、給気が自然に行われます。

メリットとしては、上記2つと比べ最も安価で施工が可能ということです。
また正圧状態の逆の「負圧」の状態になるため、室内で発生した湿気が換気の際、壁の中へ侵入しづらくなります。

デメリットは、負圧状態のため、「外からの汚染物質や花粉などを、どんどん室内に取り込んでしまう」ということになってしまうことです。また負圧状態だと外開きの玄関などをあけづらくなってしまう、ということもデメリットになります。

しかし安価で導入できるため、住宅の換気方式としてよく選ばれているそうです。

住宅の換気システムの選び方

どの換気システムも、メリットも、デメリットもあり、どれがいいとは一概にいえないものです。簡単にまとめてみましょう。

コストは高くなるが、室内の温度が変化しづらい第1種換気。
常に正圧状態になるので外からの有害な物質の侵入を多少防ぐが、外気の影響をそのまま受けやすい第2種換気。
コストが一番安価で負圧の状態になるため、湿気に多少強いが、外からの有害な物質を屋内へガンガン取り込んでしまう第3種換気。

それぞれの住宅の換気事情に合わせてメリット、デメリットを踏まえ、決めていくことがいいでしょう。
      住宅の換気システムの選び方

まとめ

建築基準法の改正により、新築住宅に24時間換気システムを取り付けることは義務になりました。当たり前のことですが、空気は身体の健康に直接影響することです。住宅の換気がうまくできていなければ、シックハウス症候群などさまざまなトラブルにつながるかもしれません。結露ができやすくなってしまい、カビが発生するおそれが高まるのも換気が必要な理由です。

住宅を新築する際には換気についても意識するとともに、24時間換気システムのない既存の住宅でも一度、こういった換気システムについて考えてみるのもよいでしょう。ただ住宅に合わせて検討することも大切になってくるため、一度業者に確認してもらうのもひとつの方法です。

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