消防法で定められている?レンジフードのサイズについてご紹介します

2021.4.30

消防法で定められている?レンジフードのサイズについてご紹介します

キッチンに換気扇を設置するなら、一緒に取り付けたいのが『レンジフード』です。
実はレンジフードの幅や高さ、サイズには消防法で定められた決まりがあります。法律を順守することはもちろん大切です。ほかにもこの決まりを守らないと、料理の際に発生した煙や油をうまく排出できなかったり、コンロの火がフィルターに引火して大惨事になることもあります。
本コラムではレンジフードのサイズに関するあれこれを消防法と絡めてわかりやすくご説明いたします。

レンジフードとは

レンジフードのサイズについて解説する前に、「そもそもレンジフードって何?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
レンジフードとは、キッチンに取り付けられている換気扇の一種です。その名の通りフード(笠、頭巾)を備えているため、お料理の際に発生する油や煙といった汚れた空気を効率よくかき集めて排出することができます。

レンジフードのフード部分は一般的にコンロの真上に設置されています。コンロで調理した際の油や煙は、加熱によって発生する上昇気流で直上のレンジフードまで立ち上り、換気扇に取り込まれる仕組みになっています。

上昇気流を使う性質上、IHクッキングヒーターのような火を使わない調理器具の場合、十分な上昇気流が発生しないことがあるため、吸い込み機能を備えたレンジフードも販売されています。
      レンジフードとは

レンジフードのサイズはどんな種類があるのか

レンジフードのサイズは、フードの横幅で『60cm』『75cm』『90cm』の3種類が規格として分けられており、その中からキッチンの寸法に合わせて選ぶことになります。またレンジフード自体の形状にもいくつか種類があります。

ブーツ型レンジフード

一般のご家庭に非常に広く普及しているタイプのレンジフードです。口の広いフードがコンロ全体を覆うように開いているのが特徴的で、プロペラ式の換気扇を使用する場合はブーツ型が多く用いられます。

スリム型レンジフード

現在メーカー各社で主流の製品となっているのがこのスリム型です。フードというより、もはや『板』ともいうべき形状はスタイリッシュでデザイン性がよく、システムキッチンに取り付けるとよく調和します。表面構造が単純なのでお掃除がしやすい点も魅力です。

フラット型レンジフード

ブーツ型に似ていますが、フード部分が浅く造られているのが特徴です。浅いフードなので縦方向の占有面積が小さく、天井の低いお部屋やコンロの位置が高い場合などには、次項でご説明する消防法の関係上スペースをとりやすくなるため適しています。

消防法でレンジフードの幅や高さは決められている

レンジフードのサイズ、とくに横幅やコンロに対する高さについては、消防法でルールが決められています。下記に、レンジフードを選ぶうえで重要となる法令をかいつまんでご紹介いたします。

火災予防条例(東京都条例第65号) より抜粋

(1)レンジフード本体の幅及び奥行きは、調理器具の幅及び奥行きの寸法以上とすること。
加熱調理器具、すなわちコンロやグリルの収まった天板がすっぽり収まるようなサイズのレンジフードを使用するべし、という法令です。家庭用レンジフードの規格は3種類なので、まずは天板の寸法を確認し、それ以上のサイズのレンジフードを選びましょう。

(2)金属製のグリスフィルターを用いること。
グリスフィルターとは、レンジフードの内部に設置されている油煙を濾過するフィルターのことです。火を使う調理器具が至近距離にあるため、燃えないよう金属製のグリスフィルターの使用が義務付けられています。また、金属は油に対して強いというのもポイントです。

(3)グリスフィルターは加熱器具表面より80cm以上離すこと。
フードの幅と同じくらい重要になる決まりです。レンジフードのグリスフィルター部分がコンロやグリルに対して80cm以上離れていなければなりません。熱源に対して近すぎると引火や溶解などのトラブルの原因となるためです。
この法令の関係から、スペースの限られたキッチンではフードの浅いフラット型レンジフードが選択されることがあります。
      消防法でレンジフードの幅や高さは決められている

レンジフード設置の際は位置を業者と相談して決めよう

レンジフードのサイズに関わる法律は、実は消防法だけではありません。まず間違いなく関わるのは消防法になりますが、ほかにも「建築基準法」や「電気工事法」など多種多様な法律によって設置が規定されている場合があります。

レンジフードの設置や交換には、これらさまざまな法律が関わります。十分な知識のないまま素人判断で交換するのは、あまりおすすめできません。法令遵守についてよくわからないという方や、無用なトラブルを避けたいといった場合には、レンジフードの設置を請け負う専門業者に依頼するのが一番無難です。

専門知識を備えたプロと、レンジフードの種類や設置位置、完成したキッチンのイメージなどを交えて十分に相談し、問題のないキッチン作りを目指しましょう。
      レンジフード設置の際は位置を業者と相談して決めよう

まとめ

レンジフードにまつわる基礎的な知識と法令についてここまでご紹介してきました。下記に要点をまとめておきます。

・『レンジフード』とはキッチンに設置する換気扇の一種。排気ファンと油煙を集めるフードからなる設備のこと。
・レンジフードのサイズには規格があり、一般家庭用では60cm・75cm・90cmの三種類が主流。
・フードの形状でも種類分けがされており、国内ではブーツ型、スリム型、フラット型などが使用されている。
・レンジフードのサイズや設置位置には消防法で定められた決まりがあり、法令に遵守したレンジフードを選ぶ必要がある。
・レンジフードの設置には消防法のほかにも建築基準法や電気工事法などさまざまな法律が関わってくる可能性があるため、専門業者に相談するのが無難。

多様な法律が絡んでくるレンジフードの設置には、専門知識と法に対する責任が重要になります。火災や火傷といった事故を防ぐためにも、ノウハウを持ったプロに依頼してキッチンの改革を行いましょう。

換気扇・レンジフード工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「換気扇・レンジフード工事」をご覧ください。

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