一瞬で命を奪う感電事故!身近に潜む事故を防ぐにはどうすればいい?

2021.4.30

一瞬で命を奪う感電事故!身近に潜む事故を防ぐにはどうすればいい?

昔のアニメや漫画では、感電のシーンが面白おかしく表現されていることがあります。それだけ見ると危険性は低いように見えますが、実際の感電はとても恐ろしいものです。体の表面が黒焦げになるどころか、臓器が機能不全を起こして命を落とししかねません。

たとえ流れた電流が弱いものであったとしても死につながりかねない感電事故。このような恐ろしい事故が起きるのを防ぐためには、どのような環境で感電が起きてしまうのかを把握しておく必要があるでしょう。

今回のコラムでは、感電にはどのようなケースがあるのか、感電の影響はどんなことで変化するのか、そして感電をしないための対策について紹介していきます。

どうして感電事故が起きてしまうのか?

一般的に、電流は電圧が大きい方から低い方へと流れていく傾向があります。たとえば、人間が電線を掴んだ場合、電流は人間の身体を伝って、電気を通しやすい地面へと流れていくのです。仮に人間が電線を掴んで宙ぶらりんの状態になっていれば、電気が流れる場所がなくなるため、人間に感電が起きることはありません。

鳥が電線に停まっているのを見かけるときがありますが、彼らが感電しないのは地面などの電気が流れやすい場所に足を付けていないからです。もし2本の電線に片脚ずつ乗せていたり、地面などの電気抵抗の低い箇所に片脚を乗せていたりした場合は、鳥であっても感電は避けられないでしょう。

人体へ感電する3つのケース

感電事故が起きるケースは、主に以下の3つを挙げることができます。

・電圧がかかっているふたつの線に同時に触れる
・電圧がかかっている機器や電線などに触れる
・漏電している部分に触れる

感電事故として多いのが、2番目と3番目のパターンです。とくに三番目の「漏電している部分に触って感電する」というケースは、ご家庭でもっとも多い感電事故の原因でしょう。漏電は一見しただけでは分かりにくいため、危険なケースとなります。

人体へ感電する3つのケース

感電による影響の大きさが決まる3つの要素

もし感電事故に遭ってしまった場合、その症状の大きさは「電流の大きさ」、「感電した時間」、「電流の経路」の3つの要素で変わってきます。この項目では、それら3つの要素が感電の症状にどう影響してくるのかを解説していきましょう。

電流の大きさ

感電した際に体内へ流れた電流が大きければ大きいほど、症状も深刻になっていきます。電流の大きさごとに受ける影響は、以下のようになっています。

1mA:ピリッとした痛みを感じます。人体に悪影響はありません。
5mA:少し痛みを感じます。人体に悪影響がないのはここまでです。
10mA:我慢できないくらいの激しい痛みを感じます。
20mA:筋肉のけいれんがおこり、握った電線を手放せなくなってしまいます。
50mA:短い時間でも死亡する可能性が高いです。
100mA:わずか1秒であっても致命的です。死亡率は極めて高いでしょう。

感電した時間

たとえ電流の大きさが致死量でないとしても、電流が体内に流れ続けるのは非常に危険です。100mAの電流に感電した場合は一瞬で死に至りますが、20mAの電流を受けた場合でも、感電した時間が長いと死亡してしまうことがあるのです。

ここで注意しなければならないのが、20mA以上の電流が体に流れると、筋肉がけいれんして動けなくなってしまう点です。電線などから手を離すことができなくなるため、電流が体に流れ続けるのは避けられません。そのため、死亡する確率も高くなってしまうのです。

電流の経路

電流の流れる経路も、感電事故の危険度を決める重要な要因になります。たとえば、電線を掴んで感電した場合、腕から胸部を伝って地面へ電流が流れていきます。もし電流が心臓を通過してしまうと、たとえ微弱な電流であっても心室細動を起こして死亡する危険性があるのです。

なお、感電を起こした人を救助しようとする際は、二次被害に注意しなければなりません。もし素手で感電している人に触れてしまうと、自分の身体にも電流が流れて感電しかねないからです。すぐに電源を切り、ゴム手袋などの絶縁体を使って被害者を引き離しましょう。

感電による影響の大きさが決まる3つの要素

「水」に要注意

感電に大きく関わってくるのが、「電気抵抗」という数値です。この数値が低ければ低いほど、感電が起きた際に受ける被害が大きくなるとされています。

感電の際に流れる電流の計算方法

人間の電気抵抗は、体内の「内部抵抗」と皮膚の「接触抵抗」を合計した数値となります。内部抵抗は約500Ωである一方、接触抵抗は2,000~5,000Ωなのが一般的となっており、人体に流れる電流は以下のような計算式で導き出すことができます。

電圧(V)÷[内部抵抗(Ω)+接触抵抗(Ω)]=電流(A)

ご家庭で使用されている電気の電圧は100Vであることが多いです。人間の電気抵抗を4,500Ωと仮定した場合、ご家庭で感電が発生すると約0.20mAもの電流が体内に流れるという計算になるのです。

「水」には要注意

先ほども触れたように、人間の身体は電気抵抗が低いので電流を簡単に通してしまいます。さらに、人体はいろいろな状況でこの電気抵抗がより下がってしまうことがあるのです。そのもっとも代表的なケースが、水道水や汗といった水分が付着したときです。

乾燥している肌の接触抵抗は約2,000~5,000Ωだと先ほど説明しました。それに対して、湿っている肌の接触抵抗は高くても約300Ωになってしまっているのです。感電の際に流れた電流が微弱であっても、肌が濡れているかどうかで被害の深刻さが段違いになるでしょう。

もし手が濡れている状態で感電した場合、ご家庭で使用されている100Vの電圧であっても125mAもの電流が体に流れることになります。当然ながら致命傷になってしまうので、濡れた手で漏電した家電製品に触れるのは絶対に止めましょう。

「水」に要注意

感電しないための対策

たとえ少ない電流であっても、さまざまな要因で感電の症状は深刻化してしまうものです。そのため、感電事故自体に遭わないよう心掛ける必要があるでしょう。感電事故を避けるためには、以下のような対策があります。

電化製品は濡れていない手で触る

先ほども触れたように、水や汗で濡れた肌は電気抵抗が大きく落ちています。その状態で感電を起こす人体に致命的な影響を及ぼす危険性があるので、プラグにコンセントを挿す際は必ず乾いた手でおこなうようにしましょう。

また、コンセントをプラグに差し込む際は、金属部分を手に持たないようにしてください。金属部分には約100Vの電圧がかかっているので、当然ながらそこに触れていると感電しやすくなってしまいます。

コンセントカバーを使う

小さなお子さんがいるご家庭では、使ってないコンセントをコンセントカバーで覆うのをおすすめします。何故かというと、小さなお子さんが好奇心からコンセントにヘアピンやクリップなどの金属を入れてしまったせいで、感電事故が起こるケースも少なくないからです。

また、感電とは違いますが、コンセントにほこりが溜まっていると火事の原因になることがあります。詳しくは「コンセントから火花が!早急な対処で電気火災の危険性を取り除こう」で解説しているので、安全のためにご一読するのをおすすめします。

アースを取り付ける

一目見ただけでは、電化製品に漏電が起きているかを確認するのは難しいものです。ぱっと見異常が見られないので使おうとしたら感電した、なんてケースもあり得るかもしれません。そういった事態を防ぐために、電化製品に「アース」を取り付けるようにしましょう。

電化製品のプラグに付いているアース線を専用の端子につなぐことで、漏電により漏れ出た電気を地面に逃すことができます。電気は人体よりもアース線へ流れてくれるため、もし漏電が発生していたとしても、感電事故が起こるリスクが減るのです。

また、ご家庭に必ず一台はあるブレーカーには漏電を感知して電気供給を遮断する機能があるのですが、これはアースがないと動いてくれません。そのため、水回りや湿気の多い場所で電化製品を使用する場合、アースの取り付けが義務付けられているのです。

しかし、ご家庭によってはコンセントにアース線専用の端子が付いてない場合もあるでしょう。端子の新設は電気工事に該当するため、資格がなければおこなうことができません。ですので、アース線用の端子を取り付ける必要がある場合は、電気工事の業者に依頼するようにしましょう。

まとめ

感電は死につながる危険性のある恐ろしい事故です。中でも漏電による感電事故は、ご家庭でも起こる可能性があるので警戒が必要でしょう。漏電は一見すると発生しているかどうかが判断しにくいのも、より事故を厄介なものにしています。

漏電による感電を防ぐためには、アースを付けることが有効です。しかし、コンセントにアース端子がないご家庭もあると思います。アース付のコンセントを取り付けるには資格が必要です。アース付のコンセントを取り付けたいのであれば、業者に依頼するようにしてください。

漏電改修を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「漏電改修」をご覧ください。



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