ブレーカーの落とし方|停電・漏電・引越し・台風のときに役立つ情報

2021.4.30

ブレーカーの落とし方|停電・漏電・引越し・台風のときに役立つ情報

台風・地震といった災害時や引越しなど、家全体の電源供給を「止める必要がある」「止めたい」ときは、分電盤のアンペアブレーカーを“OFF”にしましょう。

分電盤には、“アンペアブレーカー・漏電ブレーカー・安全ブレーカー”という3種類のブレーカースイッチがあります。この内、家全体の大元となっているのがアンペアブレーカーになるためです。

また、ブレーカースイッチにはそれぞれ異なる役割や操作方法があり、状況にあわせた操作が必要となります。この記事では、“ブレーカーの落とし方”“状況にあわせて必要な操作”について、わかりやすくご紹介していきます。この記事を参考に正しい手順でブレーカーを落とすようにしてください。

ブレーカーの落とし方

まずはブレーカーの落とし方からご説明していきます。冒頭でもご説明しましたが、家全体の電力供給を止めたいのであれば、上記のイラストの場所にある「アンペアブレーカー」をOFFにするだけで問題ありません。

もしブレーカーを落とす前に“漏電ブレーカー”“安全ブレーカー”がOFFになっていたら、漏電や配線の不具合が起きているおそれがあります。このようなケースでは別の操作も必要になるため、このあとの「▼【状況別】ブレーカースイッチの操作方法」をご確認ください。

アンペアブレーカー

おそらくほとんどの方は、ブレーカーといったらこちらをイメージしているかと思います。分電盤の一番左についていることが多く、大きなつまみがアンペアブレーカーです。 “契約ブレーカー”“主開閉器”とも呼ばれています。

分電盤の役割は、漏電や火災などの事故を防ぐこと以外に、電気を使い過ぎないよう管理するというものもあるのです。電化製品を同時に使い過ぎたとき、停電するのもアンペアブレーカーの大切な役割となっています。

これは漏電や故障といった問題が起きたわけでなく、契約で決められた電気量以上の電気を使用したということです。

漏電ブレーカー

漏電ブレーカーは分電盤の中央あたりに設置されていることが多く、黄色と赤色のスイッチが併設されています。(年式や型によってはない場合もあります)この漏電ブレーカーはその名の通り、漏電が起きたときに漏電を感知することで、強制的に電気を遮断する役割を持っているのです。

安全ブレーカー

ブレーカー本体の右端にある、いくつもの小さなつまみのことを安全ブレーカーといいます。いくつもある安全ブレーカーは、それぞれ各部屋に流れる電流を管理しており、電化製品の使い過ぎや故障等を感知して作動するものです。

【状況別】ブレーカースイッチの操作方法

状況によってブレーカーを落とす以外の操作が必要なこともあります。どんな状況でも正しく操作ができるよう、状況別に必要な操作方法も確認していきましょう。今回ご紹介するのは、以下の5つの状況になります。

停電後に電力を復旧させたい

停電するほとんどの原因は、電気の使い過ぎによるものです。以下の手順を確認したのち、アンペアブレーカーをONにしていきましょう。

手順
【1】電気使用料の多い電化製品の電源をOFFにする
【2】分電盤の各ブレーカースイッチの“ON・OFF”を確認する
【3】アンペアブレーカーだけが“OFF”になっていれば“ON”にする

※漏電ブレーカーがOFFの場合、漏電しているおそれがあるため、漏電時の操作が必要です。

電子レンジ・ドライヤー・洗濯機・掃除機などは電気の使用量が多いため、なるべくタイミングをずらして使うと停電しにくくなります。1人暮らしで頻繁に停電するという場合、ご自身の契約しているアンペアを見直してみるとよいでしょう。

漏電によりブレーカーが落ちてしまった

漏電によってブレーカーが落ちてしまっても正しい操作をおこなえば、漏電した場所以外の電化製品を使うことができるようになります。漏電ブレーカーがOFFになっていたときは、以下の手順でブレーカーの操作をおこなってみてください。

【1】漏電ブレーカーが「OFF」になっていることを確認する
※漏電ブレーカーの“OFF”は電気供給が止まっている状態
【2】アンペアブレーカーが「ON」になっていることを確認する
※「OFF」になっていたら「ON」にする
【3】すべての安全ブレーカーを「OFF」にする

【4】「OFF」にした安全ブレーカーをひとつずつ「ON」にする
【5】漏電ブレーカーが「OFF」になるまで続ける

※安全ブレーカーをONにしたタイミングで漏電ブレーカーがOFFになるということは、そこの回路に漏電などの問題が起きている可能性が高いと判断できます。
【6】問題のある回路を特定できたら、再度すべての安全ブレーカーを「OFF」にする
【7】漏電ブレーカーを「ON」にして、問題のあった漏電ブレーカー以外を「ON」にする

上記の手順でブレーカーを操作することで、漏電している場所を特定することができます。放置していると火事の原因になるおそれもあるため、できるだけ早く対処するようにしてください。

ただ、回路などの配線修理をするには“電気工事士の資格”が必要になるため、契約している電力会社か業者を呼んで対応してもらいましょう。

引越しで入居・退去する

引越しで入居や退居するときにもブレーカーの操作が必要になります。入居するときであれば、アンペアブレーカーを「ON」にしなければ、室内の電気や電化製品を使うことができません。

退去するときは、すべてのブレーカースイッチもしくは、アンペアブレーカーを「OFF」にする必要があります。退去時にブレーカーをOFFしておくことで、帯電や漏電による火災防止になるのです。

ただ、イラストにもあるように給油機のある物件の場合には、ブレーカーを「OFF」しないほうがよいケースもあります。寒い時期になると、配管内の水が凍結して破裂してしまうおそれがあるため、時期や場所によっては管理会社に確認しておくと安心です。

台風や地震などの災害が発生

台風や地震といった大規模な自然災害が発生して避難が必要なときには、ブレーカーをOFFにしておきましょう。これは「通電火災」と呼ばれる火災を防止するためです。

通電火災は、地震や台風などの大規模な自然災害によって停電し、その後、ブレーカーがONのまま電力の復旧とともに通電することで火災(火花)が発生する現象になります。阪神淡路大震災で起きた火災の約6割が、通電火災によるものとされているようです。

たとえ今は避難が必要ない状況だとしても、自然災害の場合、いつ大きく状況が変わるかわかりません。少しでも身の危険を感じるようなときは、あらかじめブレーカーをOFFにして、いざというとき迅速な行動が取れるようにしておくと安心です。

ブレーカースイッチが戻らない

ここまで状況別に必要なブレーカーの操作方法をご説明してきましたが、OFFになっているブレーカースイッチが戻らないというケースもあります。ブレーカースイッチが戻らない原因には、大きく以下の2つが考えられます。

〇漏電
〇分電盤の故障

どこかの回路で漏電が起きている場合、その問題を解決しなければ安全ブレーカーが戻ることはありません。上記でも説明した通り、漏電場所を特定して電力会社か業者に対応してもらいましょう。

「漏電しているわけではなさそうなのにブレーカースイッチが戻らない」という場合には、分電盤自体の故障が考えられます。もしここまでにご説明してきた操作をしてもダメなときは、一度電力会社か業者に相談してみてください。

このとき、素人の方が自力で分電盤を修理しようとしたり、原因を特定しようと分解したりするのはやめておきましょう。電気配線を触るのには電気工事士の資格が必要なのはもちろん、感電して命を落とす危険もあります。ブレーカースイッチの操作で対応できないときは、必ずプロに方に相談するようにしてください。

ブレーカー操作で節約は可能?

ブレーカーは電気量を使いすぎると落ちやすくなります。電子レンジと炊飯器、ドライヤーといった電気量が多いものを一度に使い、停電した経験をしたことがある方は多いかもしれません。

これを逆手にとる方もいらっしゃいます。家のブレーカーや使っていない部屋のブレーカーを落とすと、待機電力が一切発生しなくなり、節電や節約になりそうな気がするのではないでしょうか。実際にブレーカーを落として節電を始めている人も少なくありません。

しかし、実際に試してみたという人たちの中には「確かに節電や節約にはなったけれど思っているほどではなかった」という声もあります。

また、毎日ブレーカーの上げ下げをするほうが家電にとって負担になり、故障してしまうこともあるようなのです。ブレーカーを落とす以外にも、コンセントを使った節電方法もありますので、より安全で確実な方法を選択するのがよいでしょう。

まとめ

台風や地震、引越しなどブレーカーを落とす必要があるときは、すべてのブレーカースイッチもしくは、アンペアブレーカーを“OFF”にしましょう。そうすることで、家全体の電力供給をすべて遮断することができます。

また、停電や漏電などブレーカーを戻したときには、状況にあわせた正しい操作をおこないましょう。ただの停電あればアンペアブレーカーを“ON”にするだけで解決できます。しかし、漏電している場合は、安全ブレーカーによって漏電場所の特定が必要です。

そして、漏電場所を特定できたら、自分で何とかしようとはせず、電力会社か業者に相談するようにしてください。これは分電盤自体の故障が疑われる場合にも同様です。

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