私たちの生活を便利にしている家電を使うには、当然ながら電気が必要となります。家電が電気を取り入れるにはコンセントをつなぐ必要があるのですが、近年の住宅の冷蔵庫のコンセントの位置は、ほかのコンセントを比べると高い位置にあります。それはなぜなのでしょうか。
じつは、冷蔵庫のコンセントが高い位置にあるのは私たちの安全を守るためなのです。コンセントから出火して火事になる事故は毎年発生しており、私たちが常日頃から注意しなければ、取り返しのつかない事態が起きかねません。
では、冷蔵庫を安心して使うために、どのような点に注意したらいいのでしょうか。今回のコラムでは、冷蔵庫のコンセントに関連する知識の紹介をしていきましょう。
目次
冷蔵庫のコンセントが高い位置にあるのはなぜ?
冷蔵庫は場所を移動させることがめったにない家電なので、コンセントに注目する機会が非常に少なくなります。そのため人の目につきやすい高い位置に冷蔵庫のコンセントを設置することで、接続が抜けかけていることやホコリが溜まっていることに気づきやすいようにしているのです。
コンセントにホコリが溜まると危険な理由
冷蔵庫に限らず、家電を常時起動させてコンセントを放置していると、プラグ部分にホコリが溜まるものです。こうして溜まったホコリによって「トラッキング現象」という発火現象が引き起こされるのですが、これが毎年発生している電気火災の原因のひとつとなっているのです。
トラッキング現象とは、湿気を帯びたホコリが電源プラグに溜まることで起こります。ホコリのせいでプラグの刃の間に微弱な火花が何度も発生するのですが、それによってプラグの樹脂部分が炭化し、「トラック」という電気を通す道を形成します。このトラックに電流が流れることで、コンセントから発火が起きるのです。
トラッキング現象を防ぐには?
トラッキング現象を防止する方法には、定期的に乾いた布でコンセントに付着したほこりを拭き取るのがもっとも手っ取り早いです。また、近年ではトラッキング現象への対策を施したグッズも販売されているので、そちらを活用するのもよいでしょう。
なお、湿気の多くなる梅雨を迎える6月から8月は、トラッキング現象が発生しやすい時期となっています。この時期にはこまめに各所のコンセントを見直して、プラグ部分にホコリが溜まっていないか注意深く確認しておくようにしてください。
冷蔵庫のコンセントに延長コードは使用できない?
冷蔵庫のコンセントに関連した話として、「冷蔵庫には延長コードを使ってはいけない」というものがあります。事実として、延長コードを使用する際に使い方を誤ると、火災につながるおそれがあるでしょう。しかし逆にいえば、適切な使い方を守りさえすれば安全なのです。
延長コードで事故を起こさないためには
テーブルタップをはじめとする延長コードは便利な道具ではありますが、使いようによっては発火を引き起こす危険性があります。そのため、以下のような注意点を頭に入れたうえで、安全に延長コードを活用するようにしてください。
延長コードの電圧を確認する
延長コードは電力の限界値があるため、使用する家電の電圧などをしっかり確認しておきましょう。延長コードに冷蔵庫の電源を差し込んだ状態で、ほかのコンセントにも電化製品の電源を差してしまうと、最大容量を超えて延長コード本体が熱くなり、火災を起こす原因になるので大変危険です。
冷蔵庫の消費電力を確認するには、冷蔵庫の裏に貼られているシールを確認するようにしましょう。そこに「電動機の定格消費電力」と「電熱装置の定格消費電力」の項目が書かれているはずなので、これらの電力を許容できる延長コードを使用するようにしてください。
長すぎるものを使わない
持て余すほど長い延長コードを使用すると、床に余ったコードが放置されることになります。もしそのコードに折れ曲がるなどの負荷がかかった場合、そこから発火して火事の原因となる危険性があるのです。一度コンセントと家電の距離を測り、適切な長さの延長コードを使用するようにしましょう。
目立つ場所に置く
目立たない場所に延長コードを設置しておくと、ホコリが溜まっているなどの問題が発生していることに気づきにくくなってしまいます。知らないうちに火の手が上がっていた、という事態を避けるためにも、延長コードは目立つ場所に置いておき、いつでも手入れができる状態にしておきましょう。
コンセントを抜き差しすると故障の原因に
家電に不具合が発生した際は、コンセントを差し直してみるとその不具合が消えるという話があります。では、冷蔵庫が急に動かなくなるなどの問題が発生したときにも、コンセントを抜き差しても大丈夫なのでしょうか。
抜き差しで不具合が直ることもあるけれど…
家電の不具合の原因が基盤にあった場合、コンセントの抜き差しで電源のリセットをすることで基盤が正常化し、問題が解決することもあります。ただし、何度もコンセントの抜き差しをしてしまうと、電源基盤に負荷がかかるのも事実です。そのせいで逆に基盤が故障し、家電が完全に動かなくなるケースも少なくありません。
また、家電は起動する際に一番電力を消費するものです。コンセントを抜いておくと省エネと電気代節約という説もありますが、家電によってはコンセントを差しっぱなしにしておいた方が寿命も延びるうえに電気代も少なく済むこともあるでしょう。
冷蔵庫のコンセントを抜くときの注意点
冷蔵庫の電源が突然切れると、内部の「コンプレッサー」もそのまま停止してしまいます。その状態から急に電源を入れてしまうとこの部分に負担がかかってしまい、故障の原因になりかねません。コンプレッサーが故障すると、冷蔵庫はものを冷やすことができなくなってしまいます。
そのため、やむを得ず冷蔵庫のコンセントを切らなければいけない場合は、コンセントを抜いた後に約7分は間隔を空けてから再びコンセントを差すことをおすすめします。そうすることにより、コンプレッサーへの負担を軽くすることができるでしょう。
停止している間は内部の状態が心配かもしれませんが、扉の開け閉めをしない限りは、7分ほど機能を停止していたとしても中の食品に影響はほとんどありません。なお、冷蔵庫のメーカーによって差し直すまでの時間は異なっているので、事前に取扱説明書を読んでチェックするようにしましょう。
冷蔵庫のコンセントを抜き差しすると故障の原因に
ここまで、冷蔵庫のコンセントが原因で起こる電気火災について解説してきました。しかし、それ以外にも、私たちは冷蔵庫の老朽化による漏電にも注意しなければなりません。最後に、漏電の危険を回避するための「アース」について解説してきましょう。
漏電の危険を防ぐアースとは?
アースとは、家電のアース線をあらかじめ設置されたアース端子に組み込むことで、漏電により発生した電気を地面に流せるようにすることを指します。これにより漏電による感電事故や電気火災を防ぐほか、漏電ブレーカーが正常に機能できるようになるのです。
洗濯機をはじめとする水回りで使用する家電は、アースの施工が義務付けられています。一方で、冷蔵庫にはそういった義務は存在しません。近年販売されている冷蔵庫は絶縁対策の技術が進んでいるため、アース線が付属していないこともあります。とはいえ、台所に冷蔵庫を設置する場合は、やはりアースを施工するのが安全でしょう。
アース端子がない場合はどうすればいい?
もし冷蔵庫にアース線の付属していない、もしくはコンセントにアース端子がない場合は、冷蔵庫へのアース線の追加やアース端子のあるコンセントへの交換が必要になります。こういった電気工事は専用の資格がないとできないので、電気工事の業者に施工を依頼するようにしましょう。
アース線をアース端子に取り付ける行為自体は、資格が必要ないうえにそれほど難しくはありません。「【ケース別】コンセントにアース端子がない場合の対処法を考える!」にて取り付け方の詳細を記載しているので、もし取り付けのDIYをしたい場合は、こちらの記事を参考にしてくだされば幸いです。
まとめ
冷蔵庫は家庭の中で欠かすことのできない大きな役割を果たしています。夏の暑い時期に食品を常温で置いてしまうと、食中毒や食べものが傷んで腐るのは避けられません。そのため、コンセントを差しっぱなしにする場合がほとんどでしょう。
しかしコンセントをそのまま放置していると、プラグ部分にホコリが溜まってトラッキング現象が発生しかねません。冷蔵庫のコンセントの位置は高くて目につきやすいので、汚れていることに気がついたらすぐに掃除することを心掛けてください。
また、冷蔵庫の安全性をより高めたい場合は、アースの取り付けをするようにしましょう。近年ではアース線が付属していないモデルも少なくないので、もしアース線を取り付けたい場合は、電気工事の業者に作業の依頼をするようにしてください。
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