お庭のお手入れをする際、電動芝刈り機を使用するご家庭も多いのではないでしょうか。その際、屋外に設置されているコンセントを利用するはずですが、これが不便な場所に取り付けられていると、準備がなにかと面倒になってしまいがちです。
こういった事態を避けるためにも、屋外用コンセントをどこに設置するかはよく考えなければなりません。場合によっては、新たに屋外用コンセントを増設してもらうのもよいでしょう。ただし、このような作業にはさまざまな注意点があることを留意しないといけません。
そこで、今回のコラムでは屋外のコンセントの設置について解説していきましょう。施工方法にも触れているので、作業の過程を知るための参考になれば幸いです。
屋外にコンセントを増設する際に注意すべきこと
まずは、屋外にコンセントを増設するうえで、どういった点に注意すべきかを解説してきましょう。一度取り付けてしまうと、後から別の場所に移動させるのは手間がかかるので、よく考えて設置する必要があります。
コンセントの設置には資格が必須!
屋外にコンセントを設置するのは、電気を取り扱う「電気工事」に該当する作業となります。そのため住宅での工事では少なくとも「第二種電気工事士」の資格を前もって取得しておく必要があるのです。この資格は、電気に関する知識と技術を身に付けて、電気工事を安全にできるという証明になります。
電気工事士の資格がないままコンセントの増設をするのは違法行為であり、もし失敗などにより火災が起きれば責任問題に発展しかねません。なにより、知識のないまま電気工事をすると、感電による死亡事故を起こす危険さえあるでしょう。屋外にコンセントを増設する作業は、絶対に資格を取得した方だけがおこなうようにしてください。
設置する場所はよく考えよう
屋外にコンセントを設置する場合、設置場所をどこにするかは重要な事項となります。たとえば、玄関をイルミネーションで彩りたいときは玄関付近に、お庭で電動芝刈り機を使いたい場合は、お庭の付近に設置すると便利でしょう。このように、用途に合った場所に設置するのをおすすめします。
また、屋外に設置されたコンセントは基本的に誰でも活用することができます。そのため、知らない人に勝手に電気を使用されてしまうケースもあるのです。「勝手に電気を使われて電気代を増やされた」という事態が起きないためにも、コンセントカバーなどを使った防犯対策を施しておきましょう。
製品例:まもれーる・屋外くん(寺田電機製作所・ RDS10000SL)
屋外コンセントを覆うように設置するカバーです。壁にねじ止めすることができ、使うときに鍵で開け閉めします。
電気配線図の確認は忘れずに!
適当な場所に屋外用コンセントを設置されてしまうと、後でいろいろと不便を被ることになりかねません。そういった事態を避けるためにも、新しく家を建てる際には「電気配線図」にもしっかり目を通しておくようにしましょう。
電気配線図とは、ご家庭のどこにスイッチがあるかを詳しくまとめたものです。スイッチの打ち合わせをする際にはこの図が出てくるので、必ずしっかり目を通してしておきましょう。もしも不便な箇所にコンセントがある場合は、業者にその旨を相談するのをおすすめします。
防水加工は必須
当然ながら、屋外に設置するコンセントには防水加工が必要となります。仮に防水加工を施さなければ、雨が降った際に漏電が発生する危険性が非常に高いです。また、コンセント本体だけでなく、「ブッシング」という部分も防水加工を施した専用のものを使わないといけないことも留意しておきましょう。
屋外コンセントの工事は2種類ある
屋外にコンセントを設置する場合、2通りの施工方法を選ぶことができます。使用電力によって適した手法があるので、用途に合った方を選択するようにしましょう。
・既存のコンセントを利用する
屋内のコンセントから配線を引くことで、屋外用のコンセントを増設する方法があります。費用も比較的少なく済むので、最初はこちらの方法で施工するのを考えるがおすすめです。
この施工方法を採用する場合、屋内にあるコンセントの裏側に増設するのがもっとも簡単でしょう。
・専用の電線を引く
既存のコンセントを利用する手法だと、使用している電気器具の消費電力が大きいとブレーカーが落ちる可能性が考えられます。そのため、外部で多量の電力を使用する機会が多いのであれば、分電盤にブレーカーを増設し、そこから新たな電線を引く手法を用いるようにしましょう。
必要となる費用を確認しておこう
ここで気になってくるのが、「コンセントの増設にどれだけの費用が必要になるか」でしょう。既存のコンセントを利用する場合、費用相場は約12,000円となっています。また、専用の配線を引く場合は少々割高で、費用相場は約16,000円です。施工時間についてはどちらも約1時間で完了するので、長くかかるのではと気にする必要はないでしょう。
ただし、配線からどれだけ離れているかで費用は大きく変わってくる点には注意しておきましょう。たとえ既存のコンセントを利用する方法であっても、そこから遠い場所に屋外用コンセントを増設したい場合、専用の配線を引く方法より費用の負担が大きくなる可能性もあるのです。
電気自動車でも使われる屋外用コンセント
近年では、電気の力だけで走行する「電気自動車(EV)」や、ハイブリッドカーに電気による走行機能を付属した「プラグインハイブリッドカー(PHV)」が注目を集めています。これらは充電スポットでも充電が可能ですが、屋外用コンセントがあればご家庭でも充電が可能です。
もしもご家庭に充電スポットを設置する場合、さまざまな電気工事が必要となります。DIYは難しいので、業者に作業の依頼をするようにしましょう。もし業者に充電スポットの設置を依頼した場合、必要となる費用は約10万円となっています。ただし、補助金のシステムなどもあるため、実際にはこれより安く抑えることができるでしょう。
コンセント増設以外で電力を外部へ供給するには
屋外用コンセントを設置する作業は資格が必要なうえに、ドリルで外壁に穴を開けるなどする必要があります。そのため、DIYに慣れてない人がおこなうのはなるべく控えるべきでしょう。屋内のコンセントから電気を供給する方法はほかにもあるので、業者を呼ぶ予定がないのならそちらを活用するのをおすすめします。
屋外用延長コード
もっともオードソックスなのが、延長コードを利用することで屋内のコンセントから電力を供給する方法でしょう。お庭で電動芝刈り機などを使ったりする場合は、延長コードを通して電力を取り入れるだけでも十分なことが多いです。
ただし、もし屋外で延長コードを使用する場合は、必ず屋外用に作られたものを使うようにしましょう。室内用のものだと防水加工などがされていないので、屋外で使うと感電事故が起こる危険性があるからです。また、長すぎるものを使うと邪魔になることもあるので、用途に合った長さのものを購入するようにしてください。
製品例:防雨・屋外対応電源延長コード10m(サンワサプライ・TAP-EX12B-10BK)
プラグ部分に雨が入り込みにくいよう、丸いキャップがついた延長コードです。
ポータブルバッテリー
屋外用のポータブルバッテリーを購入することでも、電力を活用することができます。もし地震などの災害が発生したときでも、バッテリーを所有してさえいればスマートフォンの充電などが可能となります。そのため屋外で家電を使用する機会がなくても、バッテリーを所有していれば安心です。
ポータブルバッテリーは出力波形によって「正弦波」と「短形波」の2種類に分類することができます。短形波のものだと精密機器などを動かすことができない代わりに価格が安いという特徴がありますが、さまざまな電子器具を扱える正弦波のものを買うのが無難でしょう。
製品例:ポータブル電源・正弦波222Wh(suaoki・3.7V 60,000mAh/11.1V 20,000mAh)
家庭の100V交流電源や自動車のシガーソケット、直流ソーラーパネル(別売り)などで充電できるポータブル電源です。出力についても100V交流電源やUSB、直流12Vなどでの出力に対応しています。
屋外用コンセントはどうやって取り付けているの?
では、実際に屋外用コンセントの増設をする場合、どのような手順で施工していくのでしょうか。そこで最後に、屋外でコンセントの増設をする手段について簡単に紹介していきましょう。今回解説するのは、既存のコンセントを利用する方法です。
1. 屋内コンセントのカバーを外す
マイナスドライバーなどを活用し、今回利用する屋内コンセントのフタを外します。そうするとコンセント本体が出てくるので、それも取り外しておきましょう。空洞が見えるはずです。このとき、工事するコンセントがある部屋のブレーカーをあらかじめ切っておいてください。
2. 配線を外から中に通して室内のコンセントに接続する
室内コンセントのある場所の裏の外壁にドリルで14mmくらいの穴を空け、配線を通さなければなりません。このとき、外壁部の柱のような穴を開けてはいけない部分があると穴を開けられないので、外壁の素材を事前に確認しておきましょう。穴を開けられる素材は叩くと軽い音がするので、壁を叩くのがオードソックスな確認方法です。
3. VVFケーブルを通し、屋外用コンセントを設置する
ドリルで空けた穴にVVFケーブルを通し、既存のコンセントに接続します。外壁に通したら、VVFケーブルの両端の被覆を必要な分だけ取り除きましょう。そうしたら、屋外用コンセントの取扱説明書の指示に従って、外壁にコンセントを設置しましょう。電気工事士の資格があれば、どう配線を接続すればいいかわかるはずです。
簡単な解説なので誰にでもできるように見えますが、電気工事に関する知識がないと思わぬ事故を起こす危険性がある行為です。そのため、簡単そうだからといって無資格でコンセントの取り付けをするのは絶対にやめましょう。電気工事の業者に依頼するのがもっとも安全です。
まとめ
屋外にコンセントを増設するには電気工事士の資格が必要になるだけでなく、電動ドリルをはじめとした道具、そして確かな知識と技術が必要となってきます。そのため、電気工事の業者に依頼し、作業を代行してもらうのがもっとも安全でしょう。
また、屋外でおこなう作業によっては、延長ケーブルで屋内から電力を供給したり、ポータブルバッテリーを使ったりした方が便利な場合もあります。屋外用コンセントは一度増設すると撤去するのが難しいので、本当にコンセントが必要かどうか考えるようにしてください。
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