ブレーカーが落ちる原因はそこにあった!コンセントの定格容量

2021.4.30

ブレーカーが落ちる原因はそこにあった!コンセントの定格容量

コンセントには容量があることをご存知でしたか。通常2つ口しかないコンセントの差込み口は、電気機器が発展した現代においてはその電源確保において不便かもしれません。とはいっても、むやみにコンセント差込み口を増やせるわけもなく、延長コードやテーブルタップを活用して電源を確保している方も多いのではないでしょうか。

しかし、安易に配線を増やすことは電気機器の故障や発火の原因にもつながり危険です。そこで今回は、電気機器を安全に使うためにできる対策とコンセントの容量についてご紹介します。

コンセントの定格容量とは?

「定格容量」とは、安全に使うことのできる電流の容量のことをいいます。
一般的に、コンセントの定格容量は15Aで、使用する電気機器にもそれぞれ電気容量がどのくらい必要なのかという定格があります。この数値は電気機器本体や説明書などに記載されています。

このコンセントの定格容量は、たとえコンセントの差込み口を複数にした場合でも、容量が増えるわけではありません。複数の差込み口の合計で15Aまでとなるので注意が必要です。 もしこの定格容量を超えて電気機器を使用した場合、ブレーカーが落ちたり、電気機器の発熱、火災につながる危険性があります。

コンセントのよくある誤解

コンセントの定格容量について、よくされる誤解があります。それは、コンセントの差込み口ひとつにつき、それぞれに定格容量があるという勘違いです。
      コンセントのよくある誤解

差込み口が複数ある場合の容量は?

  
差込み口が複数あるコンセントであっても、この定格容量が増えるわけではありません。定格容量はコンセントそのものの上限値であるためです。

たとえば、壁にあるコンセント15Aに対して5つの差込み口があるテーブルタップを接続したとしても、使える電流は15Aまでです。15A×5=75Aとはなりません。

この複数差込み口がある延長コードやテーブルタップにも、それぞれの電気機器と同様に定格容量の記載がありますので、確認して使うようにしましょう。

たこ足配線は数が多いのが問題?

  
いくらたくさんの電源確保が必要とはいえ、その配線の大元となるコンセントの定格容量を超えていては、接続している電気機器の故障や発火の原因につながります。

たこ足配線で問題になるのは、つないだ電気機器の数ではありません。いくつもの電源タップやテーブルタップで配線を増やしてタコ足配線になっていても、そこにつないでいる電気機器の容量合計が、タップの定格容量を超えていなければ問題ありません。
ただしこれには、配線に断線や傷み、プラグなどの破損がないということが重要です。

また気を付けなければならないことがもう一点あります。それは、つなぐタップの順番です。タップの定格容量は15A だけではありません。壁コンセントに繋いだ低い容量のものに、それより大きい容量のものをつないだとしても、使用できる容量は低い容量になります。

たとえば、壁コンセントに差している最大容量12Aのタップに、最大容量が15Aのタップを接続したとします。そうすると、その最大容量は15Aではなく12Aとなるのです。大元となる壁コンセントからつなぐ際は、容量が高いものからつなぐようにしましょう。

電化製品の消費電力の目安

下記の目安を参考に、コンセントの定格容量を超えないようにしましょう。

IH調理器:3000W
温風ファンヒーター:~1500W
電子レンジ:~1300W
炊飯器(IHタイプ):~1300W
ドライヤー:~1200W
アイロン: ~1200W
掃除機:1200W
電気ポット:700~1000W
洗濯機:500~900W
電気カーペット:800W
こたつ:600~800W
冷蔵庫(常時):150~500W
デスクトップPC:300W
ノートPC:50~120W
インクジェットプリンター:10~60W
扇風機:50~60W
Blu-rayプレーヤー・レコーダー:30~40W
デジタル一眼レフカメラ(充電時):6W
電気シェーバー:5~7W

※製品によって異なりますので、必ず説明書や製品についている表示を確認してください

容量を超えないための対策

コンセントの定格容量を超えないことは非常に重要です。一般のご家庭であっても、安易に配線を増やすことで、火災などのトラブルにつながる可能性は十分にあります。

そのようなトラブルを防ぐためにも、コンセントと電気機器の定格容量を把握して、正しく使用するようにしましょう。

壁コンセント、増設タップの正しい接続

  
壁のコンセントは通常2つの差込み口ありますが、もう一方が空いていてもブレーカー回路自体は一つになっています。そのため、大容量の電気機器で既に片方を使っている場合、使用できる電気の最大容量に迫っている可能性があります。

この場合、そこへ電源タップを差すのは控えたほうがいいでしょう。このような場合は2口の壁コンセントが片方空いていても使えないということです。

さらにいうと、同じ部屋にある他の壁コンセントや、その裏側にある隣の部屋のコンセントが同一回路からきている場合もあります。上限値が20A の同一回路上で15Aの電気機器を2台同時に使うことはできません。そのため、その部屋内の別の壁コンセントに分けて使えば大丈夫と思ってはいけません。
       容量を超えないための対策

ブレーカーをチェック

  
ブレーカーを1つずつ落としてみて、どの部屋のどのコンセントが同一回路か把握しておくといいでしょう。建築する際の電気配線の図面があれば、それを参考にすることもできます。わからない場合は業者に相談しましょう。

第三者にもわかるように

  
定格容量を計算してタップの管理をしていても、何も知らない誰かが電気ストーブや加湿器などを追加してしまったら、コンセントに電気機器を差した時点で上限値を超え、トラブルに陥ってしまいます。
それを防ぐためには、タップに限界値を明記するなどして、誰が見ても「ここには追加してはいけない」ということが分るようにするといいでしょう。

また配線が多い場合、配線同士が絡みあってしまい、どれが何の線なのか分らなくなります。そうなると、接続している電気機器に何かトラブルが生じて電源プラグを抜かなければならないとき、迅速な対応が出来なくなります。
そうしたことを防ぐためにも、コンセントプラグ部分に、これは何の線であるかをラベルなどで表示しておくと、いざという時に役に立ちます。

まとめ

コンセントの定格容量の重要性についてご理解いただけましたか。
電源の確保に便利なタップ類は、その差込み口が多いために、ついつい電気機器を差して増やしてしまいがちです。また定格容量を知らずにつないだために、電気機器が故障したり、発熱発火したりとトラブルに見舞われる可能性があります。起きている間ならまだ対処はできるかもしれませんが、もし寝ている間に発火してしまったら……と考えると恐ろしいです。

快適な生活を送るためにも今一度、身の回りの電気機器やコンセントの定格容量を調べてみてはいかがでしょうか。

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