照明器具の種類を用途に分けて詳しく解説!設置方法と電球の選び方
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照明器具の種類はじつにさまざまです。照明器具の取り換えをおこなう際は、どんな種類のものがあるのか、きちんと知っておくのをおすすめします。照明器具の選択に失敗してしまうと、手元の暗さや色の違和感などを引き起こし、生活を不便にさせてしまうかもしれません。
今回は照明器具の買い替えに失敗しないために、照明器具の種類ごとの特徴をまとめて紹介します。また、取り換え工事をおこなう際の注意点などもあわせてご紹介しますので、そちらも覚えておいて、プロの手を借りる際の参考にしてください。
天井から吊るす照明|種類と設置方法
照明器具の種類は、どこにどのような方法で設置するのかによって、まず大まかな区分がわかれます。まずは、天井から吊り下げるタイプの照明器具についてご紹介します。
①ペンダントライト
ペンダントライトは、主にお椀を逆さに吊り下げたような形をしている照明器具です。部屋全体を照らす用途のほか、カフェなどの飲食店で用いられるように、机の一カ所を照らすような使い方もできる、非常に万能な照明器具といえるでしょう。
家庭でのペンダントライトは、シーリングと呼ばれる配線器具に取り付けて使用するのが一般的です。このシーリングの一種として、一直線のレール上のどこにでも照明が取り付けられるように作られているのが、ダクトレールと呼ばれるものです。
ダクトレールを設置すれば、照明を好きな位置に変えたり、複数の照明を設置したりなど、レイアウトの自由度が格段に増します。ペンダントライトと非常に相性のよい設備ですので、あわせて設置を検討してみるのもよいかもしれません。
②シャンデリア
シャンデリアはもともと、中世ヨーロッパで作られた、天井から吊り下げた器具に、ろうそくを立てて明かりを照らすための照明器具です。現在ではそのフォルムを引き継いだ華やかな見た目をもつ、ペンダントライトの親戚のような位置づけとなっています。
その豪華な見た目でインテリアとして最適ですが、電球が上向きになるぶん、ペンダントライトに比べて明かりは弱くなってしまいます。一見欠点のように見えますが、寝室など、やわらかな光が欲しい場合には、非常に重宝する照明器具です。主な照明ではなく補助照明として、お部屋によいアクセントを加えてくれることでしょう。
DIYでおしゃれな照明を作ることができる!
せっかく照明器具を取り換えるなら、自分の理想にあうおしゃれな照明にしたいものです。それを叶えるのであれば、DIYで作ってしまうのもひとつの手かもしれません。
ペンダントライトの吊り下げのためのコードとプラグ自体は、電気工事に関する資格がなくても扱えるものです。少し配線の知識や経験のある方であれば、おしゃれなコードと電球をつなげて、ペンダントライトを自作してみるのもよいでしょう。
配線までしなくとも、通常のペンダントライトのカバーを、おしゃれな装飾が施されたカバーに変えてみるのもよいかもしれません。ライトのデザインは自分で自由自在に変えられるものです。もし具体的に考えているデザインがあるのであれば、ぜひDIYにも挑戦してみてください。
天井に直接付ける・埋め込む照明|種類と設置方法
ここからは天井に直接取り付けたり、埋め込んだりする照明をご紹介します。どれもお部屋をスッキリと見せられるものなので、広々とした空間を作りたいという方は、ぜひチェックしてみてください。
①シーリングライト
天井に直付けして明かりを照らす照明器具です。主照明として使うのに非常に適しており、同じ主照明として使われるペンダントライトよりも高い位置に設置する分、より広範囲を明るく照らすことができるのが特徴です。
「リビングやダイニングの中心に明るい光が欲しい」、「無難に使える照明が欲しい」 という場合には、シーリングライトがとくに適しています。調光の幅も広いため、とりあえずこれを付けておけば困ることはない、といえる照明器具でしょう。
②ダウンライト
ダウンライトは、天井に埋め込むタイプの照明器具です。天井に埋め込むことで、照明器具が一切外に見えなくなるのが最大の特徴です。これによって、天井に余計なものがない、非常に広々とした空間に見せることができます。また、壁を照らすウォールウォッシャーと呼ばれるダウンライトを使うことで、空間をより明るく、広く見せることも可能です。
ただし、壁に埋め込む関係から、取り付けには工事が必須になります。また、ひとつの照明で照らせる範囲が限られるため、主照明として使う場合はいくつかのダウンライトを埋め込まなければなりません。
一度取り付けたら動かすことができない点も、後々不便に感じてしまう可能性があります。設置の際には、家具のレイアウトも含めてよく考えるようにするのをおすすめします。
③スポットライト・間接照明
スポットライトなどを使用した、間接照明の設置を検討してみるのもよいかもしれません。現在では照明も高機能になっているため、間接照明でも十分な光量を確保することが可能です。
間接照明を使うことで、部屋全体を均一に明るくして、開放感を高めることができます。また、直接的なまぶしさがないため、光を不快に感じることが少なくなるのも大きなメリットでしょう。
しかし、間接照明の導入には建築的な加工を多く要求されるほか、低めの天井には不向きな照明でもあります。間接照明の導入を検討する際には、施工する業者としっかり話し合う必要があるでしょう。
壁に取り付ける照明・置き型ランプ|種類と設置方法
「この場所にもう少しだけ明るさが欲しい」という際に活躍するのが、以下で紹介する照明です。ここでは、壁に取り付ける照明や、置き型の照明器具についてご紹介していきます。
①ブラケットライト
ブラケットライトは、壁に取り付けて、その周辺を照らす役目をもつ照明器具です。ドア付近や廊下などの通り道のほか、寝室やリビングの補助照明として活躍することでしょう。
器具自体のデザインの自由度が高く、光の漏れ方にもじつにさまざまなパターンがあります。実用的な用途以外にも、ひとつのインテリアとして、非常に魅力的な照明器具といえます。ただし、壁への配線など、取り付けには工事が必須になる点には注意が必要です。
②フットライト
廊下や階段の道中など、安全な歩行をするための補助照明として活躍するのが、フットライトです。壁面の下部に埋め込むなどして、歩行者の足元を照らします。
人が近づくことで自動点灯する機能がついているものもあり、家族に高齢者や子供がいる場合にはとくに重宝するライトでしょう。ただし、こちらも壁への埋め込みやネジ付けが必須になるため、設置の際には工事が必須になる照明器具です。
③エクステリアライト
エクステリアライトとは、玄関などに設置する屋外用照明器具の総称です。住宅の安全性や防犯性のためには欠かせないだけでなく、外部から見たときのデザインにも深く関わってくる照明となっています。
エクステリアライトはその時々によって、取り付けるべき場所や取り付けるべき照明が変わります。何を目的に取り付けるのかを、きちんと業者と話し合って施工してもらうようにしましょう。
④スタンドライト・ガーデンライト・ポーチライト
これらの照明はどれも、ある一カ所を照らすのに特化した照明です。スタンドライトはコンセントを用いて、好きな場所に置くことができる照明です。補助的に光が欲しい机やベッドなどを、ほどよく照らしてくれます。
ガーデンライトはお庭を照らす照明器具です。育てている植物を鮮やかに演出してくれるだけではなく、お庭の防犯にも一役かってくれることでしょう。
ポーチライトはいわゆる玄関照明です。ライトによって機能性はさまざまで、広い範囲を照らしてくれたり、前に向かって光を飛ばしたりなどの違いもあります。玄関の造りなどによって選び分けるのをおすすめします。
電球・蛍光灯の色の種類とLEDがもつ利点
ここまでは照明器具の種類についてご紹介してきました。ここからは、明かりの色による違いや、近年主流になりつつあるLED照明について解説していきます。
明かりの色の選び方!迷ったときは色を変更できるタイプを!
同じ照明器具でも、出す明かりの色によって、雰囲気をがらりと変えることもできます。住宅で使われることが多いのは、白く鮮やかな昼光色か、あたたかなオレンジ系の電球色のどちらかでしょう。
昼光色は、明るく陰影がハッキリしている光です。何か作業をする場合には非常に向いているほか、普段の生活の中でも無難に使える光でしょう。
それに比べて暖色系の電球色は暗く感じることもありますが、白い光よりも目が疲れにくいのがメリットです。寝室や和室、トイレなど、リラックスしたい場所には非常に向いている光といえます。また、料理をおいしく見せる色といわれており、ダイニングにも向いている色でしょう。
光はその空間ごとに色を変えるのがよいですが、さまざまな役割をもつリビングなど、どのような色にすべきか迷ってしまうこともあるでしょう。明かりの色で迷った際には、色を自由に操作できるタイプの照明を使うのをおすすめします。
LED照明を設置する前に!工事不要タイプは節電にはならない
近年、長寿命かつ電気代が少なく経済的ということで普及しているのが、LED照明です。LED照明には通常専用の照明器具や配線が必要で、取り付けの際には工事をしなければなりません。ですが、通販などをのぞいてみると、工事不要と明記しているLED照明が売られているのも事実です。
工事不要タイプのLED照明は使用するのに問題はありませんが、LEDのメリットである長寿命や節電は期待できません。なぜなら、工事不要タイプのLED照明器具を使用した場合、それまでに使用していた配線がそのままの状態になってしまっているためです。
もう不要であるはずの古い配線を処理しないままLED照明を使っていると、そちらにも通電することで、古い配線のほうが劣化を起こしていきます。結果、長寿命なはずのLED照明がすぐに切れてしまうことになり、本来の性能を発揮できなくなってしまいます。LED照明をきちんと使うのであれば、しっかりと取り付けの工事をおこないましょう。
照明の設置に工事が必要な場合とは
照明の設置には、工事が必要な場合と、そうではない場合があります。たとえばシーリングライトやペンダントライトなどは、シーリングと呼ばれるコネクターが対応していれば、そのまま自力で取り付けることが可能です。
シーリングは、ほかの家電におけるコンセントのようなもので、素人でも簡単に抜き差しをすることが可能なのです。しかし、シーリングが対応していなかったり、そもそもなかったりした場合には、配線の工事が必要になります。
電気配線の工事をするのであれば資格がなければならず、自力では手を出せない範囲になってしまいます。また、ダウンライトなどのように建築的な加工を要する場合もあり、これらも当然工事が必要です。私たちが普段から使える配線器具の裏側に手を出すことになった場合に、工事が必要になるということを覚えておきましょう。
まとめ
照明器具はその形状や取り付け場所によって、いくつも種類がわかれています。種類によってどのような照らし方ができるかは大きく違うため、各照明器具の特徴をしっかりと理解して、目的にあったものを取り付けるのが重要です。
取り付けたい照明器具の種類によっては、業者の作業が必要になる場合もあります。もし照明取り付けを請け負ってくれる業者をお探しの際は、ぜひ生活110番にご連絡ください。