生活を守る避雷針の仕組みとは?新たな避雷針も登場しています

2021.4.30

生活を守る避雷針の仕組みとは?新たな避雷針も登場しています

落雷による被害を防ぐために設置される金属棒のことです。避雷針には雷が落ちやすい仕掛けが施されているだけでなく、導線を利用して落ちてきた雷を地面に受け流すことができるように作られています。

避雷針は高い建物などに設定されているため直接触れる機会はほとんどないでしょう。しかし実はこれがないと電気が使えなくなることもあるくらい、私たちの生活を守るうえで欠かせないものなのです。今回はそんな避雷針についてご紹介します。避雷針の仕組みとはどのようなものなのか見ていきましょう。

避雷針の役割

避雷針とは落雷による被害を回避するために屋上や頂上などに建てる先のとがった金属棒をいいます。
避雷針は動線で地面と接続して棒の先端に落ちた雷を地中へ導いて放電させることにより建造物への直接的な被害を避けられるようになっています。

落雷の原理について説明します。
まず、雷雲から地面に向かって「先駆放電」が始まります。その後、地面からも雷雲の下部に向かって放電しやすい経路を求めて小規模な放電を開始します。これを「お迎え放電」といいます。上からの放電と下からの放電がつながるとそこに大きな放電が加わります。これが落雷の仕組みです。

この原理を利用して避雷針は先端からお迎え放電を発し、雷が避雷針に落ちやすくしています。そしてその落ちた雷の電流を導線を通して地面に流します。
これが避雷針の仕組みです。

避雷針は「雷」を「避」けると書きますが、避雷針は雷を避けるための設備ではなく、雷を誘導して大地に逃がし、人や電気設備への被害を最小限に抑えて保護するものといえます。雷自体ではなく雷による「被害」を避けています。

      避雷針の役割

避雷針の設置義務

避雷針の仕組み上、なんとなく高いところに設置されるものであるというイメージが湧くと思いますが、実際に高いところには避雷針の設置義務があります。

避雷針は建築基準法によって20メートルを超える建築物や煙突、広告塔、高架水槽、擁壁などの工作物に設置が義務付けられています。
また、避雷針の設置基準は【日本工業規格JISA4201(建築物等の雷保護)】にて定められています。

ただし、20メートル以上の建物に設置の義務があるというだけで20メートル以下の建物に雷が落ちないというわけではありません。高いところに落雷することが多いですが、帯電している強度や地上からのお迎え放電に対して落雷しているので建物が低くても落雷する可能性があるということを頭に入れておきましょう。

避雷針を設置しても被害に遭う場合も

避雷針を正しく設置していれば避雷針に雷が落ちてその建造物や内部も直接的な被害を防ぐことができると考えられます。

しかし、それ事態に雷を落とすという避雷針の仕組み上、避雷針への落雷電流があまりに大きいとそのすべてを地面に誘導することができず、一部が建物内に侵入する場合があるようです。そうなった場合、電気・電子機器は故障する可能性が高いです。

また、落雷電流は非常に大きいため、その電流が通過するときに周囲の金属部分に「サージ電圧」というものが発生することがあります。サージ電圧は瞬間的に発生する大きな電圧のことでこれが原因となって電気・電子機器が故障することもあります。

      避雷針を設置しても被害に遭う場合も

新たな避雷針『PDCE避雷針』とは?

避雷針の仕組みは避雷針事態に雷を落とさせ、うまく地面に電気を逃がしてくれるものということを説明してきました。
しかし、最近では『PDCE避雷針』というものも登場しています。
PDCE避雷針は通常の避雷針とは違い、そもそも避雷針を設置した周辺に雷を落とさず落雷から一定のエリアを守る避雷針です。

PDCE避雷針の仕組みを説明していきます。
雷雲が発生し、接近してもお迎え放電が発生しなければ落雷は起こりません。
PDCE避雷針は間にゴムなどの絶縁物を挟んだ丸い形をしており、片側(地面側)は動線で接続され、もう一方(上空側)は絶縁物を挟んだ対極になります。
地面側がプラス電極のため、絶縁物を挟んだ上空に露出している側はマイナス電極になります。
通常の避雷針では避雷針自体がプラス電極でそこからお迎え放電が発生します。しかし、PDCE避雷針では避雷針の上部がマイナス電極となるため、同じマイナス電極を持つ雷雲に対してのお迎え放電が発生しません。この仕組みによって落雷の発生を防ぎます。

要するに避雷針の先端から電気を放出することで雷雲から発せられる電気を中和し、雷が落ちることを防ぎます。

しかし、直撃雷を防ぐことができてもPDCE避雷針の有効範囲外で落雷が発生すれば誘導された電圧は電線によって建物内に侵入してきます。これを防ぐにはサージ保護装置というものを設置する必要があります。

      新たな避雷針『PDCE避雷針』とは?

まとめ

避雷針の仕組みについて理解できましたか?
雷が建物に直撃すると内部の電化製品がほとんど使い物にならなくなるそうです。そういった被害を防ぐためにも避雷針は私たちの生活にはなくてはならない存在といえるでしょう。

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