近年、テレビは生活に根づき、多くの家庭に設置されています。すでに1台持っていても、2台目の購入を検討されている方がいるのではないでしょうか。
しかし、ひとつの家に複数台テレビがある場合は、ただテレビを置いただけでは視聴できません。部屋の状況によってはテレビ線を増やす作業が必要なこともあるのです。
この記事では、複数台のテレビを視聴する方法や必要な機器など詳しく解説していきます。お困りの方はぜひ参考にしてください。
目次
テレビ端子のない部屋でテレビを視聴する方法
テレビ視聴には基本的な設備の他に、「テレビ端子」(アンテナ端子ともいいます)というテレビ用のコンセントのようなものが必要です。
テレビ端子はすべての部屋に必ず設置されているわけではありません。住み始めた当初は不要だと思っていた場所にテレビを置く場合、部屋を探してもテレビ端子が見当たらないということが考えられます。
しかし、家のなかにひとつでもテレビ端子があれば、部屋にテレビ端子がなくてもテレビを視聴できます。以下の3つからどの方法がいいか考えてみましょう。
・室内アンテナを利用する
室内に設置できる小型のアンテナが、室内アンテナです。テレビ端子は屋外にあるアンテナと室内のテレビをつなぐための設備ですので、室内にアンテナがあればそもそもテレビ端子は必要ありません。テレビ端子がない部屋でも、室内アンテナをテレビに直接つなげば簡単に視聴ができます。
ただし、室内アンテナは受信性能がやや低い点がネックです。電波の強い地域や障害物の少ない地域であれば問題はありませんが、電波の弱い地域では視聴しにくいこともあります。
・分配器を使う
テレビ端子のある部屋からない部屋へ電力や信号を分配させることで、テレビ視聴を可能にする方法です。簡単にいえば、テレビ線を増やすことで複数台のテレビを見ることができる状態にします。
ケーブル配線が長くなるというデメリットこそありますが、既存の設備と分配器があれば家中どこの部屋でもテレビ視聴が可能です。なお、分配器にはさまざまな種類が存在するので、のちほど詳しくご紹介します。
・テレビ端子を増やす
大がかりな作業が可能であれば、工事でテレビ端子を増設することもできます。業者への依頼は必要ですが、自分の部屋にテレビ端子が増えれば、スマートな配線で安定した映像の視聴が可能です。
テレビ線を増やす分配器の種類と選び方
分配器は、その名のとおりテレビ線を増やすことで信号や電力を分配させるための機器です。そして、分配器で分けられる電波にはおもに下記の4種類があります。
・110度CS放送
・UHF
・CATV
分配器の電力や電波、信号の分配方法には2つの方式があります。衛星放送を視聴する際に特に大きく影響するものなのですが、視聴できるテレビの台数が変わってくる場合もあるので、覚えておきましょう。
分配器の種類
全端子通電形 | 1端子通電形 |
どの端子からもアンテナに電力を送ることができる仕組みになっています。複数の部屋で衛星放送を受信できるため、すべてのテレビでBS放送の番組視聴が可能になります。 | 電流通過端子につないだ側のテレビ(右図のAのテレビ)が起動、もしくはスタンバイモードで通電しているときにのみ、アンテナに電力が送られる仕組みになっています。BSは特定の1台のテレビでしか視聴しないという場合に利用されます。 |
分配器を選ぶときの大きなポイントは通電のタイプです。衛星放送を視聴する人が決まっている場合は、見たい人の部屋に端子をつなげばいいので、1端子通電形でいいかもしれません。しかし、複数の方が衛星放送を視聴する場合は、全端子通電形をおすすめします。
また、分配器は一般的にケーブルを別で購入する必要があるのですが、商品によってはケーブルが付いた状態になっているものがあります。あれこれと自分で選んで購入するのが面倒という方は、ケーブル付きのものを購入しましょう。
その他には、下記のような性能が分配器選びのポイントになります。高価なものが必ず便利で使いやすいわけではありません。お持ちのテレビの性能や分配器の設置場所、購入時の予算などを考慮して、最適だと思うものを選んでください。
・電波の弱い地域でも使用可能
・防水可能ありの屋外用
・ノイズに強い
分配器だけではダメ!あわせて買いたいケーブルの選び方
テレビ線を増やすためには分配器が必要ですが、分配器だけを購入しても効果がありません。分配器を正しく使うためには、テレビ線も購入する必要があるのです。テレビ線にもさまざまな種類があるので、以下の2点をチェックして購入しましょう。
選び方① 長さ
テレビ線は一般的に数メートルの長さがあり、2メートル・3メートル・5メートルなど細かく分けられています。家屋の広さや配線に必要な距離を事前に調べておいて、長さに多少の余裕があるものを購入しましょう。
選び方② プラグの形
テレビ線にはプラグと呼ばれる接続端子があり、大きく分けて3つの種類があります。特徴をご紹介しますので、設置場所に適したものを選んでください。
・ネジ型のプラグ
差し込んだ後、ネジで固定することのできるプラグです。接続後に誤って抜けてしまう可能性が大きく下がるというメリットがあります。
・L型のプラグ
プラグの形がL字型になっています。引っ張っても抜けにくく、狭い部分でも接続しやすいため使い勝手がいいのがメリットです。
・ストレートプラグ
シンプルにまっすぐプラグがついているタイプです。接続が簡単で、テレビやレコーダーなどさまざまな部分に活用できます。
【分配器・分岐器・分波器】似た名前でも役割は異なる
これまで解説してきた「分配器」の他に、名前の似ている「分岐器」「分波器」という機器があります。しかし、それぞれ持っている役割はまったく異なるのです。どのような違いがあるのか、どういった場面で必要になるものなのかを確認しましょう。
分配器 | |
アンテナから受信した電波や信号を同じ割合で分配します。分配できる数によって呼び方が少し異なり、2分配器、3分配器、4分配器となるのです。 おもに一般家庭で利用されているため、この3つのなかでは最も身近な機器といえます。 |
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分岐器 | |
電力や信号の「一部」を分岐させて取り出すことができます。簡単にいえば、分配器に10入力すれば5:5で出力するのに対し、分岐器は10のなかから1ずつ個別で取り出して利用できるということです。 部屋数の多いマンションやアパートのアンテナによく利用されており、効率的に各部屋に同じレベルの電力や信号を届けます。 |
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分波器 | |
地上波と衛星放送の電波を分けるための機器です。おもに地上波放送とBS/CS放送両方を視聴したい際に用いられます。 通常、アンテナからテレビまでの配線は、地上波と衛星放送の電波が混ざった状態です。そのままではそれぞれの放送がうまく視聴できないため、電波を分ける必要があるのです。 なお、分波作業は分配器でもおこなうことができますが、分波器と比べると分配器は信号の損失が激しく、受信レベルが低下するリスクがあります。 |
ご紹介したように、3つの機器にはそれぞれまったく異なる役割があります。使い方を知らずに購入すると、必要な効果が得られず別の機器を買い直すという結果になるおそれもあるのです。新しい機器は、自分に必要なものはなにかよく考えて、機器の名称を確認してから購入しましょう。
他機器と干渉してしまうことも!分配器の注意点
簡単にテレビ線を増やすことのできる便利な分配器ですが、仕様上の注意点もあります。思わぬ不具合を起こさないためにも、注意点までしっかり理解しておきましょう。
4K8Kとダミー抵抗
分配器の端子に空きがある場合は注意が必要です。使われていない端子からは、電波が漏れたり逆流したりしています。そのため、電子レンジなど家電から発生する電波がテレビに干渉して映りを悪くしてしまう危険性があるのです。
また、近年人気の4K8Kではテレビ線を通る電波の周波数が高く、パソコンやスマートフォンなどの無線機器に干渉してしまうこともあります。この症状を防ぐには、空き端子に「ダミー抵抗」という部品を差し込んでおかなければなりません。
ただし、ダミー抵抗は空き端子を塞いでくれる便利な機器ですが、抵抗の値を分配器と合わせなければ動作が安定しなくなってしまいます。しっかり確認して、正しいダミー抵抗を利用しましょう。
分配のし過ぎはよくない
分配器は電力や電波を均等に分けていくため、タコ足配線のように分配器をむやみに増やしてしまうと、1台当たりの分配量が少なくなります。すると、受信レベルが下がり、視聴環境に影響が出るおそれがあります。
分配器を利用する際は、むやみな分配は控えるようにしてください。どうしても分配したいときは、増幅器(ブースター)を利用しましょう。
ケーブルの長さにも注意
電波はアンテナで受信して、ケーブルを通ってテレビに送られ、映像として出力されます。このアンテナからテレビまでの道のり、つまりケーブルが長ければ長いほど、電波は減衰してしまうのです。
電波減衰問題を解決するには、配線の見直しやブースターの設置が必要です。専門的な知識を要することもあるため、お困りの方はアンテナ業者に相談してみましょう。
アンテナからの分岐は何分岐まで可能なの?
前述したように、分岐器は一般家庭ではあまり使用されることがありません。分岐させる必要があったとしても、せいぜい2~3つ程度ではないでしょうか。
一方、分岐器が大活躍するのが集合住宅です。集合住宅では、最初から電波を各部屋に分配することが前提となっています。そのため、一般的なアンテナよりも受信感度が高い大きなアンテナを設置したり、強力な増幅器(ブースター)を設置したりして対策しているのです。
ひとつのアンテナが受信できる電波や信号の量には限度があります。そして、アンテナからの分岐はひとつのアンテナにつき、市販の分岐器をひとつ使用するのが妥当です。
分岐器を複数使用すると、使用する分だけひとつの出力端子に流れる電波の量が少なくなってしまいます。一般家庭では、多くても4個が最適に視聴できる数と考えておきましょう。
テレビ端子の増設にかかる費用の相場は?
室内アンテナや分配器は、2台目のテレビを購入した際に、比較的簡単に導入できる方法です。しかし、より安定した電波を受信してテレビを楽しむためには、テレビ端子を増設する方法がおすすめです。
テレビ端子の増設は専門性が高い作業なので、個人でおこなうのは難しいかもしれません。複数増設の必要がある場合は、その分大がかりな作業になるため、より難しくなります。
少しでも作業に不安がある方や、自分で増設作業をするのは面倒という方は、プロに相談して増設を依頼しましょう。その際の費用相場は、8,296円です。非常に安価というわけではありませんが、手が出ないほどの高額なものでもないので、2台目以降も快適にテレビが見たい方は、ぜひ検討してみてください。
また、細かい料金は業者によって異なります。気になる方は事前に見積りをとって金額を確認してから工事を依頼しましょう。
※費用相場は、テレビ端子の増設工事をおこなっている業者5社のホームページに記載されている料金の平均を算出したものです。
まとめ
家でテレビを見るためには、テレビ端子というテレビ用コンセントが必要です。しかし、端子のない部屋でも、室内アンテナや分配器を使えば比較的簡単にテレビが視聴できます。
分配器には、電波の受信方式が異なる2つの種類があります。2台目のテレビの使い方をよく考えて、生活に適したほうを購入しましょう。また、名前のよく似た分波器や分岐器という機器もありますが、役割がまったく異なるものなので、間違えないよう注意してください。
そのほか、より安定したテレビ視聴環境を望む場合は、業者に依頼してテレビ端子を増設するのもおすすめです。弊社にご相談いただければ、無料で見積りをおこなう業者をご紹介することもできますので、お気軽にお電話ください。
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