電波は分配器で減衰する!分配器の役割と減衰の原因を解説します

2023.11.17

電波は分配器で減衰する!分配器の役割と減衰の原因を解説します

分配器とは、ひとつのアンテナから複数のテレビに電波を分けるための器具です。当然分けられる電波も、1台よりも少なくなるため、分配器を設置しても、テレビが映らないなんてことも。また、いつもは分配器を設置してても、テレビは見れていたのに、急に見られなくなったなんてトラブルもあります。
テレビの分配器と映らない原因とは一体なんなのかみていきましょう。

テレビが映らないのは分配器のせい?

1つの家で複数のテレビを見ようとするとき、受信した電波を分けるために分配器が必要になります。ここでは分配器と、それに似た名前の分岐器、分波器について解説します。

分配器

分配器は受信した放送の信号などを、複数のアンテナケーブルに等しく分けるためのアンテナ部品です。
分配する数に応じて2分配器、3分配器、……とよび方が変わります。正確には電力が分配されるため、2分配されたときの片方の電力は半分になります。また、分配器が増えると電波が減衰する原因になります。
分配器をつないでいるのに、テレビが映らなくなったという経験はありませんか。テレビが映らない原因はさまざまですが、そのなかのひとつが分配器になんらかの原因があるかもしれません。
まずは、分配器の役割や、なぜ分配器のせいでテレビが映らなくなるのかみていきましょう。

分配器の役割

そもそも、分配器はどういう役割をしているのでしょうか。
例えば、テレビを設置したい部屋にテレビ端子(受信機を接続する機器)がない場合、なんらかの方法でテレビ電波を受信できる環境を作る必要があります。
分配器はひとつのテレビ端子から複数のテレビに電波を分け与えるために必要な器具です。
これを使うことで、テレビ端子ひとつでも、テレビを複数台見れるようになります。

分配器をつなぎすぎると電波も弱くなる?

分配器はひとつのテレビ端子から複数のテレビへ均等に電波がいきわたるように分配されます。
例えば、ひとつのテレビ端子から1台のテレビしかつないでいなければ、その分の電波はそのテレビにしか受信されません。

しかし、3台のテレビが分配器から受信していれば、テレビ端子からの3分の1ずつ電波を均等に受信している状態となるのです。
そうなれば、1台で受信していた電波より、3台分に分けられた電波の方が、受信できる電波が少なくなってしまいます。

ほかにもある分配器の電波が弱くなる原因

分配器の減衰(分配する電波が弱い、減少すること)はひとつのテレビ端子に多くのテレビをつないでしまうことでも起こり得ます。しかし必ずしも、電波減衰の原因が複数のテレビをつなぎすぎているものとは限りません。

たとええば雨が降っていると空気中に伝わる電波が雨に邪魔されてしまいます。するとアンテナに受信する電波が減ってしまい、テレビの映りが悪くなることがあります。
またアンテナの表面につく雨粒も、電波を受信しにくくする原因ともなるのです。

またBSやCSを使っている場合、分配器の対応状況にBS・CS放送の周波数があわない可能性があります。
このような場合はBSやCSの電波を分配できる分配器を購入するといいでしょう。

      分配器とは

分配器だけじゃない!電波を安定させるために必要なもの

テレビの分配器が減衰してしまう場合、当然、テレビの映像は映りにくくなってしまうことでしょう。分配器の電波の分配を安定させるにはさまざまな器具が必要となります。
分配器と合わせて取り付けたほうがいい器具とは一体なんなのでしょうか。

ブースター

ブースターは受信する電波を増幅する機械で、分配器や分岐器からテレビに送られる電波の量を安定させてくれます。
受信レベルが低い、テレビの映りが悪いと感じるときは、ブースターがきちんと機能しているか、ついているかどうかを確認してみましょう。

分岐器

分配器とは似て非なる分岐器。分配器は複数のテレビに均等に電波を分配するため、ひとつのテレビに対して与えられる電波が弱くなってしまいます。
分岐器は分配器と同じ、テレビに電波を分け与える役目を持ちますが、分配器と違うのはその分け与え方です。分岐器の場合、受信する電波をそれぞれのテレビに小分けにして電波を分配していきます。小分けにすることで、テレビが必要なときに、必要な分の電波を分岐器から受信することができるのです。

小分けにすることで、ケーブルの長さによる信号の損失の差を少なくでき、全てのテレビが同じレベルの電波を受信できるのが分岐器です。

分岐器は主にマンションなどで利用されます。

分波器

テレビをみるときに「地デジだけ」。「BS/CS放送だけ」どちらか一方が見れないことがあります。これは、ひとつのアンテナ端子にふたつの放送電波がまとまって送られてくることが原因といわれています。
ふたつの電波がまとまってアンテナに送られてくると、どちらか一方の放送しかみれないトラブルが発生してしまうためとても困るでしょう。
そのため一般的には、アンテナケーブルを配線する際は「地デジ用」「BS・CS用」のふたつに分けます。しかし、マンションやアパートの共有アンテナを使ってテレビを見る場合、それらの配線ができないことがあるのです。

分波器はアンテナから送られてくる「地上波デジタル放送」、「衛星放送」の電波を周波数ごとに分ける器具です。
テレビを見たい部屋に分波器を設置することで、その部屋のテレビの放送電波を「地デジ」の電波。「BS・CS」電波を仕分けることができるため、どちらの放送も見れるようになるでしょう。

4K、8K放送に対応している分波器を選ぼう

4K、8K放送は、2K放送より高画質でテレビを楽しめるものです。4K、8K放送を楽しみたい場合、従来の分配器では電波を受信できないことがあるため、これに対応している分波器を購入する必要があります。4K、8K放送に対応している分波器を選びましょう。
分配器やブースターも同様のことがいえます。

分配器が減衰しないための対処法

分配器が減衰してしまうと、テレビが映らなくなってしまう原因となります。なるべく、分配器の減衰を避けるためにも、以下のことや対処法を把握して、快適にテレビを使える環境を整えましょう。

分配損失ってなに?

ちなみに、分配損失とは分配器の入力端子に入ってくる電波とその電波を分配する際に発生するレベルの損失のことをいいます。テレビを映す最低限以上の電波を分配器がテレビに配らなければ、テレビは当然映らなくなるのです。

分配器が減衰したときの対処法

まずは接続状況を確認してみる

まずは、分配器につなげている端子がきちんと繋がっているかどうか確認をおこなってみましょう。端子の接触が悪かったりすると当然、テレビが映らなかったりすることがあります。
きちんと端子をつなげてみて、映るかどうか再確認をしましょう。

また、ケーブルの芯線が曲がるとショートする恐れもあるので注意してください。

分配器の種類を変えてみる

分配器にはおおきくわけて2種類のものがあります。テレビが映らない場合は自宅の分配器の種類を把握して可能であれば、自分が納得できる種類に取り替えてみるといいですね。

1端子通電形
1端子通電形は複数ある端子のうち、ひとつの端子だけBSアンテナへの通電をおこなう分配器で、複数台あるテレビのうち通電端子につないだテレビの電源が入っていないと衛星放送が見られません。
そのため特定のテレビでしか衛星放送を見ない場合は、この1端子通電形をおすすめします。
価格が安く、信号レベルも安定しやすいです。

全端子通電形
全端子通電形は分配器で繋げられる範囲のすべてのテレビに対して、衛星放送を楽しむことができる分配器です。複数のテレビでBSを楽しみたい人におすすめです。
1端子通電形の分配器と比べると若干価格が高くなります。

ブースターをつける

テレビの受信状況が安定しない場合はブースターを付けてみるといいでしょう。役割としては前述ご紹介した通りで、足りない電波を補ってくれる装置です。
分配器からの電波が足りないときに、ブースターがその電波を補ってくれることでテレビを映せる最低限以上の電波を維持してくれます。分配損失やケーブル損失といったトラブルを避けてくれるでしょう。

自動調整ができるブースターを選ぼう
ブースターは放送電波を増幅する役割を持ちますが、逆に電波を増幅しすぎてしまうと、放送電波が強くなりすぎてテレビが受信できなくなることも。こういった事態を避けるために、最近では放送電波の増幅を自動調整してくれるブースターもあります。
心配な人はこちらも選んでみるといいでしょう。

BDレコーダー経由の場合は配線を変えてみる

分配器とBD(ブルーレイディスク)レコーダーを繋ぎ、BDレコーダーを経由してテレビを繋いでいる場合は、BDレコーダーの電源を切ってみるか、接続方法を変えてみましょう。
BDレコーダーを経由してテレビを視聴している場合、テレビやレコーダーによっては、アンテナから受信する電波が低下してしまうことがあるのです。
分配器からテレビへ直接つないでみるか、それでも見れない場合はブースターなどを使ってみましょう。

      分配損失について

分配器以外に考えられるテレビが映らない原因

もし、急にテレビが映らなくなった場合、映らない原因のひとつとして考えられる分配器。しかし、あくまで映らない可能性のひとつであって、映らない原因が絶対に分配器にあるとは限りません。
テレビが映らない原因は分配器以外にもありますので、そちらも参考にしてみてください。

B-CASカードの確認

B-CASカードはデジタル放送受信機に同梱されているICカードのことで、テレビ放送を受信するときに必要なものとなります。
B-CASカードには主に2種類あり、地上デジタル放送用(青色)とBS・CS放送用(赤色)のものがあります。こちらのカードが受信機にきちんと差していないと、テレビが映らない原因となってしまうので、確認してみてください。

※BS4K・8K放送対応のテレビやレコーダーには代わりとなる「ACASチップ」が内蔵されているため、カードの差込口はありません。

放送局の設定

多くのテレビの場合、自分で放送局の設定が必要となってきます。自分が住んでいる地域に合った放送局を設定しないと当然、テレビ放送が見れなくなってしまうことでしょう。
自動で調整してくれるテレビもありますが、、リモコン操作でおこなうものもありますので、一度、放送局の設定が正しいものなのか確認してみましょう。

エラーコードが出る

エラーコードが出る場合は、テレビになんらかの問題が生じたときに知らせてくれる番号です。これらのコードに応じた対応をすることで、テレビが見れるようになるかもしれませんよ。

E202:テレビへ電波が正常に受信できていない

E202が出たときの対処法は……。

・アンテナや配線などに問題がないか確認しましょう
・アンテナの位置を調整

E203:指定された放送が放映されていない。

E203が出たときは……。

・チャンネル設定を確認してください
・アンテナなど、配線を見直してみましょう
・テレビの電源を切って、コンセントを抜き、1分ほど待ってから繋ぎ直してみる

      何をすると電波が減衰するのか

分配器を改善してもテレビが映らないときは……

分配器の状態の改善を試みてもなかなか、テレビの映りが治らないときは、テレビの本体や、分配器以外に原因があるかもしれません。
テレビの映りを改善するには、原因を解決するしか方法がありません。
分配器はもちろん、ほかのテレビが映らない原因別の解決方法を試みても映らない場合は一度、アンテナ設置、修理のプロに相談してみるといいでしょう。

また、テレビ自体に問題がある場合は、テレビを修理してくれる業者に相談してみてください。

修理費用

依頼する業者や、どの部分をどのように修理するかによって費用は変動してきます。一概にはいえませんが、目安として挙げるとすれば……。

アンテナ修理:約5,000円~
アンテナの取り外し:約9,000円~
アンテナ設置:約15,000円~

テレビ修理(状態にもよる):10,000円~

状況によって追加費用が発生するため、この数値にプラスした予算を考えておきましょう。
また費用面で心配が残る人は一度、依頼したい業者に見積もりをしてもらうといいでしょう。

まとめ

テレビの分配器は、家で複数台のテレビで放送を楽しむために必要になってきます。分配器はひとつのアンテナから複数のテレビに均等に電波を分けるため、信号レベルが低くなってしまったりしてしまうことは、起こり得ることです。

信号レベルが低すぎる場合は、分配器の種類の見直しや、ブースターを使用してみましょう。テレビの分配器が映らない原因ではない場合は、他の原因が考えられますので、原因別の対処をおこなっていきましょう。

テレビが映らないトラブルで悩まれた場合、一度、アンテナ修理業者や、テレビ修理業者を頼ってみるといいですね。

アンテナ工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「アンテナ工事」をご覧ください。

アンテナ工事即日対応可能

現地調査・お見積り無料!

※対応エリアや加盟店によって変わります

テレビの不具合の原因はアンテナにある場合も!そんな時はプロにお願いして解決してしまいしょう!8年間 の長期保証もあるので、万が一も安心です!

『生活110番』では、
お住いの地域で人気のプロを探せます

※天災・災害・お客様の過失によるものは施工保障対象外となります。

アンテナ工事 8,800円~
アンテナ工事のおすすめ業者を見る

関連記事カテゴリ一覧

アンテナ工事の記事アクセスランキング

アンテナ工事の最新記事

カテゴリ別記事⼀覧